幾星霜の時をこえても~再び紡ぐ深い絆・The.Last.Days

クズノハ

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[赤い月]

40話

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ちょっと寂しかったり、不安だったのか?サレンが、エルザの膝の上で寛ぎて
身を寄せている。
きっと、そこが落ち着く場所なのです。

この大陸の平民の方々の着ていた服装は亜麻の一枚布を、身体に巻きつけヒモかブローチでとめる! サレンも同じ服装なのだ。
「ねぇ、エルザ♪︎」
「私…って…」
「この…お家に…住んでいいの?!」
アンドローネ・エルザ
「ええ、ここが…サレンチャンの…」
「新しい…お家ょ♡」

サレンは黙って考えている…。
「…新しい…お家…?!」
「私、また…」
「お姉チャンに会いたいな~♪︎」
エルザは、サレンを抱きしめながら
耳もとで優しく囁く。
「いつか、きっと 会えるょ…♡」
「サレンチャン♪︎」

晴樹;サレンを静かに見ている。
「…まだ…淋しいだろうなぁ?!」
「そうだ!! サレンちゃん♪︎」
「海に行こうか?!」
「ねっ!  サーシェ!」
海は まだ生まれてから一度も見たこと
がないサレンだったから嬉しそうに…
「海…?!……うん♪︎」
「わたし…行きたぃ」

アンドローネ・エルザ
「えっと、ごめんなさい----。」
「私は神殿へ戻るわ!」
「チューバ殿…よろしく!!」
エルザはサレンを撫でて言葉を伝えた。
「またね♪︎サレンちゃん♡」
晴樹に笑顔で頷く サーシェ
「でわ、皆さん!! 一緒に出かけますょ!」
アメン・チューバ
「ワシは馬車を回して来ますわい!」

革製のバックルベルトを腰に付けてから、神剣を帯刀し、二つ折りにした厚織りのマントを上から羽織る。晴樹。

エルザは、馬車と馭者のアメン・チューバと共に神殿へ向けて出発していった。

晴樹らも、4輪の馬車アドリロティスと馭者のサーシェたちと共に
街路樹や舗装された道路や隣接する街並み抜けて進んでゆく。

晴樹は外を眺めながら尋ねた。
「あれは‥? 何ですか?」
「あの、石を組み上げた球場みたいな
建物は?!」
サーシェは見てから
「ああ、あれは‥たぶん--?!」
「えっと~?! 確か…」
円形闘技場コロッセウムでしょう♪︎」
観戦の声が響き渡る円形闘技場コロッセウムを、晴樹は見上げながら告げた。
「何か?! 開催されてるのかなぁ?」

サーシェは.円形闘技場コロッセウムを見てから
「さぁ?私はわからない…でも…」
「血生臭いかもだけど…」
「剣技を競ったりや、勇気を試したり
と‥いろいろかもしれません!!」

海水を湛えた水路の側の道を馬にひかれた馬車は進んでゆく。

------------------------------------
アトランティスの5つの内の一つの
王国である【クリティア王国】では…
前王のカリス・アラハン王を殺し王位についた。

傲慢王のタル・スペルウスは,強制兵役だけでなく神殿の工事や競技場の観覧席を作る工事や,都市のすべての汚物を流す大下水溝を地下に通す工事などの労役に全ての平民を動員して、彼らをかなり苦しめた。

その王政の打倒を叫ぶ貴族の1人でもあったヘルニクスは
「[王自身の傲慢さと、下水溝作りに動員されて疲弊する平民の苦しく辛い事を…]」を市民に訴えた。

彼らの言葉に突き動かされた民衆らは、王の命令権を否定し、タル・スペルウス、およびその妻子たちの国外追放を決議した。

王制の崩壊へと至る動きは,平民の兵役や労役の負担への不満を利用した貴族たちの唆しによって起ったものであった。

それゆえ,この王政と交替した 新たな王政は、少数の貴族たちの傀儡の専有物となるのである。

貴族たちは、王を追放するように民衆を唆して、王政打倒を主導した貴族らは…
自分たち以外の市民を平民層とし、彼らを政治から遠ざけ政治権力を彼らだけで独占し世襲貴族を形成しようとした。

それゆえ新たな王政樹立直後から貴族と平民との対立が激化したのだった。
貴族たちの圧制に不満を抱く平民層が,都市の近郊の聖山に立てこもった。 

国の元老院は妥協して平民2人からなる護民官が設置されて、彼らの(武力鎮圧はしない)権と(平民を擁護するための特権)が許された。

貴族らが譲歩したのは,外敵の攻撃に弱い地点に位置する、この国にとって,軍団の中核をなす平民層の不平不満や国外退去は、市民軍の存立を危うくするものであったからであった。

ポセイドンを始祖と仰ぎ奉りして
各地域を支配する5の王家は、何代にも渡り長子相続により王権が維持されたのだが…
そのバランスが、もはや崩壊し維持が
困難な時代になっていたのだった。
何代にもわたり世代交代を長く繰り返し様々な血脈が混ざり やがて神性も失われていった。

------------------------------------
潮風が海の香りをほのかに運んでくるのであった。
晴樹らの目の前にやがて見えてくるのが‥それは 城壁の一部なのだろう。
「へーぇっ??高い壁が…」
「まるで、防波堤みたいだな♪︎」
サーシェは
「ああ、それか…」
「これは敵が.侵入してくるときの
防御壁もかねているかと思うよ!」

その壁に沿って馬にひかれた馬車は進んでゆく、やがて、目の前には さざ波の音が響き渡り海が広がり海鳥たちの囀りして

景色がサレンの視界にも飛び込んでくる。
「すごぃ!  広い~~っ♪︎」
サレンにとって目にする景色、聞こえてくる様々な音などは、どれも初めてでした。
「これが…海…なんだ~!!」
サーシェ 笑顔で頷きしてから告げた。
「そ~だょ♪︎サレンちゃん♡」
「すご~く!!  広いよね♪︎」
馬車を停めてから、外に出て暫く海を
眺めることになった。
戦乙女神リアンダーワルキューレ
「(なぁ?…あれって?)」
「(殺気だって…あの兵士達ら…?)」
なんだか騒がしいわね?って顔をして海を見ているロシーター‥
「あれは?!ガレー船!?」

晴樹の視線の先には あまりにも慌ただしく動きまわる兵士たちが沢山集まっている。
「また、軍船が出ていってる…?」
「今日は視界が良くて…凪だな!!」
「ずっと遠くに大陸が見えているけど…」
「そこを目指しているのかな?!」
サーシェ
「そうね…うん…!!」
「間違いなさそう。」

ギリシャ周辺一帯の連合軍との
アトランティスの軍勢の戦いは幾度と
繰り返えされていた。

アトランティスの彼らは代々.何よりも平和を重んじ、かたくなに守って繁栄を享受していたのである。
ところがそんなアトランティスが突然に侵略を開始した‥。

海上では、戦闘員を乗せた、二段櫂船や三段櫂船  による海戦が始まっていた。

古代の海戦は、敵の船に自船を接舷させて兵士を乗り込ませ、白兵戦を行なう戦法であったが、二段櫂船や三段櫂船では兵士が漕ぎ手を兼ねていた。

「おら~ッ!おらーーーッ!」
「櫂を目一杯強く漕げぇーッ!」
「力強く漕げー-ッ!」
「ドンドン‥ドドン~ドンドンドドン」
「ドンドン‥ドドン~ドンドンドドン」
漕ぎ手監督が漕ぎ手を励まして、
音頭取りが太鼓で激しく漕ぎ手を鼓舞をする。
海上での互いの海上戦闘では---
衝角が壊れることもあり、衝角による
攻撃が成功するかは技術と幸運の組み合わせであった。

------------------------------------
晴樹達は、馬車を停めて海を眺めていたが 黒龍.鋼の『なぁ、腹が減ったぞ~!!』の言葉を聞いてから近くの料理酒家へと向かっている。

料理酒家の[魚好きの子狐亭]は---
海岸近くにあり海が店からも見える
素敵な雰囲気のある店なのだ。

ドアを開けると賑やかな声と美味しそうな芳醇な香りが五感と食欲をそそり 空腹感を刺激するはずだった。

晴樹が店内を見て呟く。
「今日は客が少ないなぁ~??」
「なんだか 客も疎らだ~!!」

店内のすみに船長アリアたちがいる。 
そこにサーシェが声をかける!
「また 逢いましたね♪︎」
「ご一緒してよろしいかしら…」
船長アリア
《はい、どうぞ どうぞ!!》
《店が空いてるってラッキーですな!》

サーシェが船長アリアへ伝える。
「船長アリア殿!! 近いうちに…」
「船を最初の港へまわしておいて下さいませ♪︎」
頼まれた船長アリアは静かに頷きした。
《ああ、了解しましたぞ…!!》

晴樹やサーシェやサレンやロシーター達は、とりあえず席に着いて料理を頼んだ。

蜂蜜酒、葡萄酒、魚介と野菜のオリーブオイルの炒め物、海鮮スープ、ハム、ソーセージ、黒パンなどがテーブルに並ぶ。
サレンが、まだ幼いから何か飲み物はと店員に尋ねている..晴樹。
絞った柑橘類の生ジュースならあることがわかった。
「ああ、でわ、それを2つ?!」
「こちらのテーブルにお願い!」

サーシェは、この店の客入りが少ない
理由を、店員に尋ねてみた。
「今日は、いつもより客入りが…」
「少ないみたいだけど、何かしら理由
があるのかな?」

料理酒家の[魚好きの子狐亭]の店員曰く---だいたいの常連客などが民兵として駆り出されたり、他国との戦乱の影響とかもあって海産物等々の物資の入荷も良くないとかだと説明してくれた。

それを聞いた黒龍.鋼は 葡萄酒を飲みながら辺りを見渡してから
『そっか…なるほどの~戦か--?』
『それで、少ないんか~!!!』

突如!!  大地が上下に突き上げるように
揺れた…それは…地震だった。

あまりの揺れに 晴樹は、かなり慌てた。
「地震…かなりの…揺れだ!!」
サーシェは、優しくサレンの頭を守るように抱きしめてテーブルの下に身を伏せた。
「揺れが凄かったわね?!」
「サーシェお姉チャン…怖い…?!」

地震は時間にして数十秒以上だろうか~かなりの揺れだった。
地震が鎮まって 晴樹はホッとして周りを見回して…
「ああ、揺れが…止まった!」
「煉瓦にかなりの亀裂が…」

馬車での帰り道 晴樹たちは、揺れに耐えきれずに崩れた煉瓦の建物や散乱している瓦礫などの被害を目にするのだった。

------------------------------------

このクリティア王国が不安定であるのを、そこに目をつけた。
アトランティスの【サン・リカーナ王国】の武装軍団がディオーネ山脈の峠道を越えてにあいついで寄せる波浪のようにどっと殺到した。

【サン・リカーナ王国】の現王は、クリティア王国の前の王のカリス・アラハン王の弟でもあった。

クリティア王国は、戦乱という思いもかけぬ大災厄にみまわれたのだった。

このクリティア王国での出来事は、アトランティス大陸の最大の環状中央都市ポセイドニアを有する【アトラス王国】にも…
その一報が入ってきてはいたのだが、しかし その情報も錯綜していた。

その国の宰相でもあったサハスラブジャは、てんやわんやになっていた。
「この情報等々をよく吟味しろ!」
「これと、この情報を、王に報告し申しあげよ!!」
「キミたちは、早く急げ~っ!!」

クリティア王国は全兵力をくりだしてから市の北方で迎え撃ったが,はじめて接した同民族の前に大敗を喫して全市が掠奪されて焼かれた。

掠奪後の生活がひじょうに困窮する中で城壁修築や続発の戦争を行わなければならず、あらゆる問題が深刻化し暴力と平民の悲惨さが日を追って増大していった。

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