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[赤い月]
41話
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アトランティス大陸での戦禍は、拡大、飛び火していき、至るところで内乱や争いを招き誘発してゆく、これらの背景には、地震と疫病、飢饉も絡んでいた。
負の連鎖が続く如く この地の、山や森や木々を焼き、その闇は人々を呑み込み狂わせてゆく。
ポセイドニアにも、各地域の戦乱により流通は悪化し、また各地域の長期にわたる軍事活動により、王国の様々な財政までも影響を及ぼし、土地の治安の悪化など沢山の影響が出てきている。
アトランティスのアトラス王国の
環状中央都市ポセイドニアのエウメロス王はかなり悩んだのだった、 その結果、兵を挙げる事にした。
「我らは偉大な国家である、内外に示し鎮圧するのみ…」
「統一すれば強くなり、平和に、分裂すれば必ず世は乱れる!」
「よし、兵と飛行戦機械も出せ!!」
いかにして広がる戦の勢いを、食い止めないまでも次第に鎮圧すべきかということで、鎮圧の名目で軍隊を繰り出した。
アンドローネ・エルザの邸宅にて
サハスラブジャは、晴樹たちらに 今..
大陸で起こり始めている事を静かに語りだした。
「サン・リカーナ王国の武装軍団がディオーネ山脈を越えてクリティア王国に攻めいった?!」
「それで、クリティア王国は陥落した。」
「この戦禍が、各地でも広がってしまう雰囲気なのだ…!!」
アンドローネ・エルザも告げた。
「ついに、ここのアトラス王国も
兵士たちを出したわ!?」
「エウメロス王は、統一の為にってなっているけれど…どんな結果になるのか…」
「それは 誰も わからないわ!!」
腕を組み心静かに話しに耳を傾けてる
アメン・チューバ
「我々の仲間も一部の奴等が参戦するかもしれませんな!?」
サハスラブジャ
「ああ、そうだ! 確かにな~!!」
「ポセイドニアのエウメロス王は かなり悩んだ結果なのだろうが…」
「彼は‥飛行戦機械までも出して来たぞ!!」
晴樹は、その状況に対して不安を抱きて少し戦々恐々となった。
「えっ?まさか 本当に‥戦争に…?」
「サーシェたちは、参戦するのかな?」
「チューバ殿やサーシェたちの仲間まで参戦したら…」
「この国は大丈夫だろうか…?!」
「いや、この大陸か~??」
「また ヴィマーナって…?!」
サーシェは しっかりと首を横に振りて
否定する。
「私は参戦はしないけども、私ができる事はやるつもりよ!」
「ヴィマーナは、我々の技術を学んだ
人間が作ったモノよ!」
サハスラブジャ
「飛行戦機械は、代々の王家がずっと秘匿にしていた2人乗りの空を飛ぶ兵器だよ!!」
晴樹が不安を抱き戦々恐々となった理由は、サーシェたちのテクノロジー等々が現代文明をも凌駕していると強く感じているからだった。
「えっと‥空飛ぶ戦闘兵器ってさ…??」
「まさに 戦闘機だな!!」
アメン・チューバ
「---------??」
「そうか、飛行戦機械?!」
「ポセイドニアも、出して来たのか…?!」
黒龍.鋼
『戦乱という禍災の黒い闇は、醜いの~』
この大陸にある国家は外にも侵略という悪手を伸ばし、大陸は激動の時代に突入してしまう。
晴樹は夜の風にあたりながら星を眺め「星空は綺麗なのに…!!」
「今宵は より月が赤いな…!!」
ロシーターも、月を見上げてから
「ほんと、イヤな赤い月だねぇ…!!」
サハスラブジャは サーシェに晴樹たちを連れて最初の都市に連れて帰るようにと…伝えて来た。
「更に戦が広がりして、巻き込まれないうちに…」
サハスラブジャは、 淋しげな瞳で呟く。
「ああ ついに、お月さまがより赤くなって来たか!!」
いつの間にか 窓にやわらかい日差しが
部屋は明るくなっている。
鳥の鳴き声も、朝日が部屋へ清々しい
朝です。
晴樹は、アンドローネ・エルザに深々とお礼を伝える。
「エルザさんにチューバ殿♪︎」
「どうも.お世話になりました!!」
サレンも淋しく 今にも泣き出しそうな
顔をしている。
「ねぇねぇ‥何処に行くの…」
「お兄さん、帰っちゃうの?」
晴樹は 涙ぐむサレンを慰めてから別れを告げる、残念そうな雰囲気なのだろう。
「また 来るねぇ~サレンちゃん♪︎」
サレンと暫しの別れなのです。
すでに4輪の馬車アドリロティスが 馭者 と待機していた。
朝日のにじむ山々を背にして馬車は駆ける、途中に、乾煉瓦を積み上げて造った建造物が建ち並ぶ地区を馬車はゆっくり駆け抜けてゆく。
馬車の先に見えて来たのは-----
石を精巧に積み上げて白い天然のアスファルトで壁を塗っている水路と陸地をつなぐアーチ橋だった。
環状中央首都ポセイドニアから出てゆくサハスラブジャたち
「これより先は、戦の危険地域を避けて通らないといけないな…」
サーシェ
「えっ?…はい…わかったわ。」
この大陸の、もう一つの都市を目指し ゆっくり山々を越えて木々の間の道を
4輪の馬車アドリロティスは駆けてゆく。
途中に、荷を積んでいる二輪の馬車の
集団の人々と出会った。
晴樹やサハスラブジャたちは、まるで夜逃げみたいな荷物に女や子どもたちまで引き連れている[集団の彼ら]の事が 少し気にかかり尋ねてみた。
話した結果、[集団の彼ら]は、戦の影響の被害者たちで、住まいを燃やされ破壊されて また仕事も失い逃げて来たと言う。
今は戦を避けてポセイドニアに避難の
ため向かっている途中なのだと…彼らは話してくれた。
その話を聞いてから不安になる 晴樹。
「えっと…この大陸は…」
「これより先は、大丈夫かな?」
サハスラブジャは、笑顔で告げる。
「たぶん 大丈夫だろうさ~!」
「まあ、この先は用心して行こうか!!」
木々の間から垣間見える、遥か遠く南方にはエウェノル山、北方にはディオーネ山脈がつづくのだ。
途中、戦によって焼けた木々や建物が崩れ焼け落ち辺り一帯に瓦礫が散乱する
集落を目にする 晴樹。
「ちょっとだけ 馬車を停めて…」
「ああ、酷いね…これは …」
「何だろうか?辺り一帯から、大地から
立ちのぼる 真っ黒いモヤモヤは?」
「まるで、コールタールだなぁ♪︎」
サハスラブジャが晴樹に尋ねた。
「ほんと..かなり酷いな~」
「晴樹!? 黒いモヤって…なんなんだ?」
晴樹は、びっくりして指さして教えた。
「あの辺り一帯から黒いモヤが…」
「あそこに、あれっ?…」
つらそうな表情で見つめるサーシェ。
「全く 人の気配はないわ?!」
「あれは、…焼けた遺体…」
「ほかは逃げたのだろうかね?」
黒龍.鋼
『黒いモヤか、サハスラブジャ殿には、やはり見えてはおらぬか!!』
『あれは、霊的なモノだからな!!』
『あれは 奈落! つまり闇だな~!!』
辺りを見回す サハスラブジャがいる。
「けっこう酷いものだな!」
「そうですか! なるほど..霊的なモノか!?」
「奈落…闇…ねぇ!」
晴樹は静かに合掌している。
「そっか なるほど闇かぁ~!!」
「人の心が生み出すのものかな!?」
晴樹たち、再び帰って来た都市の中心へと繋がるメインストリートを4輪の馬車アドリロティスはゆっくりと駆けてゆく その先には
金属質感のあるホワイトシルバーカラーの水晶状であり天空高く雲を貫き大地に建つ超高層建造物。
それは、太陽の光りを受けて反射しキラキラと輝きしてる。
サハスラブジャは、サーシェと何か会話をしてから晴樹たちに告げる。
「俺は仕事に戻るけれど、まあ皆さまは ゆっくりとされてくれ!」
「サーシェ あとは宜しくな~♪︎」
サーシェ
「リアンダー様、お願いしたいことが
あるのですが…??」
戦乙女神リアンダーも真摯な顔で口を開く。
「(ん~っ、サーシェ なんだね?)」
サーシェは戦乙女神リアンダーに、帆船のタラッサネーソス号の船長アリア殿への伝言をお願いを
した。
「(そうか..彼らは港に居るのだね!)」「(ちょっと一緒に行って来るわ!)」
サーシェ
「晴樹に 皆さんは、少しだけ待っててね。」
サーシェは船長アリアに大切な伝言を
リアンダーにお願いし、 馭者 に詳しく説明して、リアンダーとサハスラブジャを乗せた4輪の馬車アドリロティスは駆けて行った。
サハスラブジャと別れを惜しむように
手を振るサーシェたちであった。
「さぁ、晴樹に 皆さんたち…」
「 私の部屋へ行きましょうか!!」
サーシェは、超高層建造物の壁の八角形の紋章プレートに手を翳すと紋章は微かにブルーに光り輝き内部への入り口が出現した。
入室した中は広い空間なのだった。
その空間は、上下四方がホワイトシルバーの金属質感の壁、カウンターみたいなモノもあり、警備員らしき人物も2人いる。
晴樹が目にするものは、どれもが初めてであり興味津々であるのか辺りを見回している。
「今日は…ん~っ? 人?たちが…」
「わりと 多くいるんだね!!」
「あれっ?! あの狐の顔をしている女性の方は…?!」
「クズノハさんかな?!」
その女性は、古代ギリシャ風のドレス姿であり、白い狐の顔をしていた。
名前は、【クズノハ・カリス・セローネス】
「あらっ、また逢いましたね!」
「貴方は 確か、晴樹さんでしたね♪︎」
「ウフフッ♪︎」
クズノハは、晴樹に優しく微笑み挨拶してきた。
サーシェもクズノハは知り合いらしく
「晴樹は クズノハと知り合いだったの…?!」
クズノハがサーシェと少し会話している。
「彼とは…ヒュドラの時に…」
「その時に出会ったのょ♪︎」
晴樹は、クズノハは昔からよく知ってるような、スゴく懐かしいような不思議な気持ちになった。
「うん、クズノハさんとは 少し前に
知り合ったんだ!!」
その気持ちはと言うと、長年ずっと会えなかった大切な人か、もしくは尊敬する女性に巡り逢えたような感覚だった。
中央寄りの場所には、人間の背丈より
低い銀色の八角形の柱があり、柱の上には また八角形の紋章プレートある。
サーシェ
「さぁ、早く 皆さん…」
「中央に集まってくださいまし♡」
八角形の柱の上にサーシェが手を翳す、光りのラインが丸く走り柱までも包む
円形の半透明な薄いブルーカラーの光りのカーテンが地面から発生し皆を包み…
ロシータ-、晴樹、戦乙女神リアンダー、鋼たちの足下が
光りてゆっくりと上昇してゆく。
サーシェ
「私の部屋へどうぞ♡」
「皆さま~寛いでくださいね~♪︎」
「此処からの外を、眺めますか?!」
サーシェは壁のタッチパネルを操作して‥四方の壁を透明化した。
部屋の、すぐ下には雲があり眺めも素晴らしいのだ。
部屋からは水平線が弓なりに、この地球が丸いってことがよく分かる。
サーシェの部屋から海原の彼方を見ていた晴樹は---、少しだけギョッとなった。
「あっ、アレは何??」
「ちょっと遠く離れているから、少し
大きさがよくわからんけど…」
「シロナガスクジラみたいな?? 」
「ホワイトシルバーカラーの船…?!潜水艦かなぁ?!」
と、海に浮かぶ巨大な物体を指差した。
サーシェは、頷きしてから海原に浮かぶ巨大な物体について教えてくれた。
「アレは、天空之浮船 つまりは空を飛ぶ飛行戦闘艦だねぇ!」
それを聞いた晴樹は 自分の中では驚天動地の大事件の如く驚いてサーシェに再び尋ねた。
「え、えっ??あれが 空を飛ぶの?!」
「飛行…戦闘艦? マハヴィマーナ♪︎」
「あれ、かなりの大きさだよね~?」
「 天空之浮船 の大きさは??」
サーシェは、天空之浮船 を見つめて晴樹に告げる。
「あれは、私が乗ってる戦闘艦と似ている中型艦タイプだから?!」
「ん~っ..…?!どうだろう…か!」
「たぶんだけど 約500メートルかな!!」
もしも、近くで見たらかなりの大きさ
だろうなと思った 晴樹だった。
「へっ?ん~、約500メートル?!」
「え?! ほんと…マジですか?!」
「ならさ、サーシェの乗る飛行艦は?」
サーシェ
「私のは、大型で約1000メートルですね。」
「私の飛行艦は、晴樹は夢でも見ていますょ!!」
晴樹、海に浮かぶ天空之浮船 を見つめ。
「あれも、でかすぎるやろ~?!」
「かなり不思議だよね?!」
「ここは古代文明みたいだけど、それと遥か未来の文明が混ざっていて…」
「アンバランスなんだよなぁ…?!」
黒龍.鋼がサーシェに尋ねた。
『なあ、人間たちの欲望による戦争は、止められぬのか?!』
『瑞祥災異、天人相感って言葉があるのだが…』
サーシェは静かに首を横に振りして俯いて口を開く。
「もう、ムリみたい…です!!」
「行きつくところ迄、止まらなさそう。」
「瑞祥災異、天人相感とは??」
黒龍.鋼
『天地の異変は人界と連動していて天地の異変は人の精神や肉体にも通じている。』
『天地は人の精神や肉体に通じるという事だな!!』
アトランティスの人間、彼等の欲望はとどまる事を知らず、自らが招いたであろう巨大な負の渦に やがて呑まれることになるのか…。
負の連鎖が続く如く この地の、山や森や木々を焼き、その闇は人々を呑み込み狂わせてゆく。
ポセイドニアにも、各地域の戦乱により流通は悪化し、また各地域の長期にわたる軍事活動により、王国の様々な財政までも影響を及ぼし、土地の治安の悪化など沢山の影響が出てきている。
アトランティスのアトラス王国の
環状中央都市ポセイドニアのエウメロス王はかなり悩んだのだった、 その結果、兵を挙げる事にした。
「我らは偉大な国家である、内外に示し鎮圧するのみ…」
「統一すれば強くなり、平和に、分裂すれば必ず世は乱れる!」
「よし、兵と飛行戦機械も出せ!!」
いかにして広がる戦の勢いを、食い止めないまでも次第に鎮圧すべきかということで、鎮圧の名目で軍隊を繰り出した。
アンドローネ・エルザの邸宅にて
サハスラブジャは、晴樹たちらに 今..
大陸で起こり始めている事を静かに語りだした。
「サン・リカーナ王国の武装軍団がディオーネ山脈を越えてクリティア王国に攻めいった?!」
「それで、クリティア王国は陥落した。」
「この戦禍が、各地でも広がってしまう雰囲気なのだ…!!」
アンドローネ・エルザも告げた。
「ついに、ここのアトラス王国も
兵士たちを出したわ!?」
「エウメロス王は、統一の為にってなっているけれど…どんな結果になるのか…」
「それは 誰も わからないわ!!」
腕を組み心静かに話しに耳を傾けてる
アメン・チューバ
「我々の仲間も一部の奴等が参戦するかもしれませんな!?」
サハスラブジャ
「ああ、そうだ! 確かにな~!!」
「ポセイドニアのエウメロス王は かなり悩んだ結果なのだろうが…」
「彼は‥飛行戦機械までも出して来たぞ!!」
晴樹は、その状況に対して不安を抱きて少し戦々恐々となった。
「えっ?まさか 本当に‥戦争に…?」
「サーシェたちは、参戦するのかな?」
「チューバ殿やサーシェたちの仲間まで参戦したら…」
「この国は大丈夫だろうか…?!」
「いや、この大陸か~??」
「また ヴィマーナって…?!」
サーシェは しっかりと首を横に振りて
否定する。
「私は参戦はしないけども、私ができる事はやるつもりよ!」
「ヴィマーナは、我々の技術を学んだ
人間が作ったモノよ!」
サハスラブジャ
「飛行戦機械は、代々の王家がずっと秘匿にしていた2人乗りの空を飛ぶ兵器だよ!!」
晴樹が不安を抱き戦々恐々となった理由は、サーシェたちのテクノロジー等々が現代文明をも凌駕していると強く感じているからだった。
「えっと‥空飛ぶ戦闘兵器ってさ…??」
「まさに 戦闘機だな!!」
アメン・チューバ
「---------??」
「そうか、飛行戦機械?!」
「ポセイドニアも、出して来たのか…?!」
黒龍.鋼
『戦乱という禍災の黒い闇は、醜いの~』
この大陸にある国家は外にも侵略という悪手を伸ばし、大陸は激動の時代に突入してしまう。
晴樹は夜の風にあたりながら星を眺め「星空は綺麗なのに…!!」
「今宵は より月が赤いな…!!」
ロシーターも、月を見上げてから
「ほんと、イヤな赤い月だねぇ…!!」
サハスラブジャは サーシェに晴樹たちを連れて最初の都市に連れて帰るようにと…伝えて来た。
「更に戦が広がりして、巻き込まれないうちに…」
サハスラブジャは、 淋しげな瞳で呟く。
「ああ ついに、お月さまがより赤くなって来たか!!」
いつの間にか 窓にやわらかい日差しが
部屋は明るくなっている。
鳥の鳴き声も、朝日が部屋へ清々しい
朝です。
晴樹は、アンドローネ・エルザに深々とお礼を伝える。
「エルザさんにチューバ殿♪︎」
「どうも.お世話になりました!!」
サレンも淋しく 今にも泣き出しそうな
顔をしている。
「ねぇねぇ‥何処に行くの…」
「お兄さん、帰っちゃうの?」
晴樹は 涙ぐむサレンを慰めてから別れを告げる、残念そうな雰囲気なのだろう。
「また 来るねぇ~サレンちゃん♪︎」
サレンと暫しの別れなのです。
すでに4輪の馬車アドリロティスが 馭者 と待機していた。
朝日のにじむ山々を背にして馬車は駆ける、途中に、乾煉瓦を積み上げて造った建造物が建ち並ぶ地区を馬車はゆっくり駆け抜けてゆく。
馬車の先に見えて来たのは-----
石を精巧に積み上げて白い天然のアスファルトで壁を塗っている水路と陸地をつなぐアーチ橋だった。
環状中央首都ポセイドニアから出てゆくサハスラブジャたち
「これより先は、戦の危険地域を避けて通らないといけないな…」
サーシェ
「えっ?…はい…わかったわ。」
この大陸の、もう一つの都市を目指し ゆっくり山々を越えて木々の間の道を
4輪の馬車アドリロティスは駆けてゆく。
途中に、荷を積んでいる二輪の馬車の
集団の人々と出会った。
晴樹やサハスラブジャたちは、まるで夜逃げみたいな荷物に女や子どもたちまで引き連れている[集団の彼ら]の事が 少し気にかかり尋ねてみた。
話した結果、[集団の彼ら]は、戦の影響の被害者たちで、住まいを燃やされ破壊されて また仕事も失い逃げて来たと言う。
今は戦を避けてポセイドニアに避難の
ため向かっている途中なのだと…彼らは話してくれた。
その話を聞いてから不安になる 晴樹。
「えっと…この大陸は…」
「これより先は、大丈夫かな?」
サハスラブジャは、笑顔で告げる。
「たぶん 大丈夫だろうさ~!」
「まあ、この先は用心して行こうか!!」
木々の間から垣間見える、遥か遠く南方にはエウェノル山、北方にはディオーネ山脈がつづくのだ。
途中、戦によって焼けた木々や建物が崩れ焼け落ち辺り一帯に瓦礫が散乱する
集落を目にする 晴樹。
「ちょっとだけ 馬車を停めて…」
「ああ、酷いね…これは …」
「何だろうか?辺り一帯から、大地から
立ちのぼる 真っ黒いモヤモヤは?」
「まるで、コールタールだなぁ♪︎」
サハスラブジャが晴樹に尋ねた。
「ほんと..かなり酷いな~」
「晴樹!? 黒いモヤって…なんなんだ?」
晴樹は、びっくりして指さして教えた。
「あの辺り一帯から黒いモヤが…」
「あそこに、あれっ?…」
つらそうな表情で見つめるサーシェ。
「全く 人の気配はないわ?!」
「あれは、…焼けた遺体…」
「ほかは逃げたのだろうかね?」
黒龍.鋼
『黒いモヤか、サハスラブジャ殿には、やはり見えてはおらぬか!!』
『あれは、霊的なモノだからな!!』
『あれは 奈落! つまり闇だな~!!』
辺りを見回す サハスラブジャがいる。
「けっこう酷いものだな!」
「そうですか! なるほど..霊的なモノか!?」
「奈落…闇…ねぇ!」
晴樹は静かに合掌している。
「そっか なるほど闇かぁ~!!」
「人の心が生み出すのものかな!?」
晴樹たち、再び帰って来た都市の中心へと繋がるメインストリートを4輪の馬車アドリロティスはゆっくりと駆けてゆく その先には
金属質感のあるホワイトシルバーカラーの水晶状であり天空高く雲を貫き大地に建つ超高層建造物。
それは、太陽の光りを受けて反射しキラキラと輝きしてる。
サハスラブジャは、サーシェと何か会話をしてから晴樹たちに告げる。
「俺は仕事に戻るけれど、まあ皆さまは ゆっくりとされてくれ!」
「サーシェ あとは宜しくな~♪︎」
サーシェ
「リアンダー様、お願いしたいことが
あるのですが…??」
戦乙女神リアンダーも真摯な顔で口を開く。
「(ん~っ、サーシェ なんだね?)」
サーシェは戦乙女神リアンダーに、帆船のタラッサネーソス号の船長アリア殿への伝言をお願いを
した。
「(そうか..彼らは港に居るのだね!)」「(ちょっと一緒に行って来るわ!)」
サーシェ
「晴樹に 皆さんは、少しだけ待っててね。」
サーシェは船長アリアに大切な伝言を
リアンダーにお願いし、 馭者 に詳しく説明して、リアンダーとサハスラブジャを乗せた4輪の馬車アドリロティスは駆けて行った。
サハスラブジャと別れを惜しむように
手を振るサーシェたちであった。
「さぁ、晴樹に 皆さんたち…」
「 私の部屋へ行きましょうか!!」
サーシェは、超高層建造物の壁の八角形の紋章プレートに手を翳すと紋章は微かにブルーに光り輝き内部への入り口が出現した。
入室した中は広い空間なのだった。
その空間は、上下四方がホワイトシルバーの金属質感の壁、カウンターみたいなモノもあり、警備員らしき人物も2人いる。
晴樹が目にするものは、どれもが初めてであり興味津々であるのか辺りを見回している。
「今日は…ん~っ? 人?たちが…」
「わりと 多くいるんだね!!」
「あれっ?! あの狐の顔をしている女性の方は…?!」
「クズノハさんかな?!」
その女性は、古代ギリシャ風のドレス姿であり、白い狐の顔をしていた。
名前は、【クズノハ・カリス・セローネス】
「あらっ、また逢いましたね!」
「貴方は 確か、晴樹さんでしたね♪︎」
「ウフフッ♪︎」
クズノハは、晴樹に優しく微笑み挨拶してきた。
サーシェもクズノハは知り合いらしく
「晴樹は クズノハと知り合いだったの…?!」
クズノハがサーシェと少し会話している。
「彼とは…ヒュドラの時に…」
「その時に出会ったのょ♪︎」
晴樹は、クズノハは昔からよく知ってるような、スゴく懐かしいような不思議な気持ちになった。
「うん、クズノハさんとは 少し前に
知り合ったんだ!!」
その気持ちはと言うと、長年ずっと会えなかった大切な人か、もしくは尊敬する女性に巡り逢えたような感覚だった。
中央寄りの場所には、人間の背丈より
低い銀色の八角形の柱があり、柱の上には また八角形の紋章プレートある。
サーシェ
「さぁ、早く 皆さん…」
「中央に集まってくださいまし♡」
八角形の柱の上にサーシェが手を翳す、光りのラインが丸く走り柱までも包む
円形の半透明な薄いブルーカラーの光りのカーテンが地面から発生し皆を包み…
ロシータ-、晴樹、戦乙女神リアンダー、鋼たちの足下が
光りてゆっくりと上昇してゆく。
サーシェ
「私の部屋へどうぞ♡」
「皆さま~寛いでくださいね~♪︎」
「此処からの外を、眺めますか?!」
サーシェは壁のタッチパネルを操作して‥四方の壁を透明化した。
部屋の、すぐ下には雲があり眺めも素晴らしいのだ。
部屋からは水平線が弓なりに、この地球が丸いってことがよく分かる。
サーシェの部屋から海原の彼方を見ていた晴樹は---、少しだけギョッとなった。
「あっ、アレは何??」
「ちょっと遠く離れているから、少し
大きさがよくわからんけど…」
「シロナガスクジラみたいな?? 」
「ホワイトシルバーカラーの船…?!潜水艦かなぁ?!」
と、海に浮かぶ巨大な物体を指差した。
サーシェは、頷きしてから海原に浮かぶ巨大な物体について教えてくれた。
「アレは、天空之浮船 つまりは空を飛ぶ飛行戦闘艦だねぇ!」
それを聞いた晴樹は 自分の中では驚天動地の大事件の如く驚いてサーシェに再び尋ねた。
「え、えっ??あれが 空を飛ぶの?!」
「飛行…戦闘艦? マハヴィマーナ♪︎」
「あれ、かなりの大きさだよね~?」
「 天空之浮船 の大きさは??」
サーシェは、天空之浮船 を見つめて晴樹に告げる。
「あれは、私が乗ってる戦闘艦と似ている中型艦タイプだから?!」
「ん~っ..…?!どうだろう…か!」
「たぶんだけど 約500メートルかな!!」
もしも、近くで見たらかなりの大きさ
だろうなと思った 晴樹だった。
「へっ?ん~、約500メートル?!」
「え?! ほんと…マジですか?!」
「ならさ、サーシェの乗る飛行艦は?」
サーシェ
「私のは、大型で約1000メートルですね。」
「私の飛行艦は、晴樹は夢でも見ていますょ!!」
晴樹、海に浮かぶ天空之浮船 を見つめ。
「あれも、でかすぎるやろ~?!」
「かなり不思議だよね?!」
「ここは古代文明みたいだけど、それと遥か未来の文明が混ざっていて…」
「アンバランスなんだよなぁ…?!」
黒龍.鋼がサーシェに尋ねた。
『なあ、人間たちの欲望による戦争は、止められぬのか?!』
『瑞祥災異、天人相感って言葉があるのだが…』
サーシェは静かに首を横に振りして俯いて口を開く。
「もう、ムリみたい…です!!」
「行きつくところ迄、止まらなさそう。」
「瑞祥災異、天人相感とは??」
黒龍.鋼
『天地の異変は人界と連動していて天地の異変は人の精神や肉体にも通じている。』
『天地は人の精神や肉体に通じるという事だな!!』
アトランティスの人間、彼等の欲望はとどまる事を知らず、自らが招いたであろう巨大な負の渦に やがて呑まれることになるのか…。
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