幾星霜の時をこえても~再び紡ぐ深い絆・The.Last.Days

クズノハ

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◇アトランティス編◇

女王の黄金伝説

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時は、約百年前 ある夏の日のことでした。
太陽は真上に輝きて 現在の時間で午後1時ごろにでもなるのでしょうか?!
一隻の鰹漁船が大漁旗を潮風になびかせて 櫓をこぐかけ声も勇ましく一路、港へ帰港の途についていた。

島の港までは 約4海里(1海里は1852㍍)ほどだった、
疲れきった目をボンヤリと海面に向けていた漁夫の若い1人が沖の波間に鳥山を見つけた。

鳥山とは、鳥の集まる海面の下には、小魚のイワシ等々や捕食者の鰹などの魚の群れがいるという現象なのだ。

それと鳥山の下に波間にプカプカと漂う 大きな黒い木箱を見つけたのでした。

かなり不思議に思った若い漁夫は、そばに居た同じ漁夫の袖を引き たちまち船中の12名の漁夫たちの目は一様に この
不思議な木箱に注がれた.。
彼らの好奇心もともなって ともかく 
奇妙な箱に船を近づけてみた。

その木箱のまわりの上には鳥が舞いして その黒い木箱の周りにつく万引きシイラや鰹を釣りあげ それは豊漁だったのだが…
確かに、それは奇妙な木箱だった。

厚い黒みがかった見なれぬ木で作られた箱の、それの長さが約1・818m、高さが約1・22m、幅は約91㎝ はありそうな固く密閉された それは頑丈な大きな木箱なのだ。

そして奇妙な黒い木箱は 日は昇り月が出て欠け波と風にもまれて 長い長い時を海を漂ったのであろうか…。

黒い箱の一面には名も知れぬ海草や牡蠣殻などが、それはそれはびっしりと 
いっぱいに密着して箱の全体から異様な妖気がメラメラと立ち昇っているかのような…
錯覚を起こす雰囲気を漂わせている
不気味で不思議な箱なのだったのだ。

波間に漂う黒い木箱を 老船頭の命令で
ともかく その箱をみんなで鰹船に引き上げてみることにした。

それから、その箱は 屈強な海人の若者
たちの振るう手斧によって 
頑丈な一部が無惨にも切り破られたのだけど…
「う、うぅ、うわぁ~~っ!!」
恐怖と好奇心に燃えた12人の瞳が…、
一斉に箱の中に注がれたのだけど---

と同時に 皆一様に異様なうめき声をあげてしまう、さすがの荒海で鍛え上げた海の人である12人達もタジタジと後ろへと退った。

海で鍛え上げた彼らの肝を、こんなにも驚かせたものは一体何だったのでしょうか?!
ぽっかりと開いた木箱を破壊した穴から‥なんと!!
白骨化した人間の不気味な白い顔が のぞいて見えたからだった。

しかも その顔の部分の肉は もうすっかりと抜けて落ちたとはいえ それはフサフサとした金色の髪がまとわりつき不気味だったのだ。
 その亡骸の、そのまわりには、まぁ何という名の宝石でしょうか?!

蒼いお空に高く燦然と輝く真っ赤な太陽のように炎のような赤く綺麗に光る石や この海の青さよりも青く澄んだ石などがキラキラと光り輝く不思議な宝石をいっぱいに 

ちりばめた黄金の冠が 真夏の太陽の光りを受けて燦然と輝いているのです…
それは それは まばゆい輝きだったそうです。
たいへんにビックリした漁夫たちはものも言えずに櫓の拍子も乱れがちになり必死に船を漕いだ。

一方、船の胴の間では 老船頭を
中心に老漁夫たち ほかの漁夫たちが 
この思いがけない出来事をどうするのかの相談をはじめていた。

その中の1人の漁夫が 言います。
「こりゃー異国人の柩に違わんばい!!」
「ともかく宝物はまだまだ 沢山入っち
よるに違わんばい!!」
「宝物だけ取り出して 柩はそのまま
流してしまおうかの~??」

この意見に賛成する漁夫たちも何人かいたが、
反対する爺の漁夫達は告げた。
「ほじゃけんど~こりゃー大事なこっちゃ!!」
「そげん欲ばったことすると…
あとあとの祟りが恐ろしか~の~!!」
「このまま海に流してしまうのが‥
一番ええと 思うがの~!!」

年寄りたちは皆 この意見に賛成していますが、話し合いはなかなか纏まらずでした。

鰹船は早々と、島の南端にある【沖ノ小島】の前に さしかかってまいりました。

老船頭は、ともかく船を小島の側にある【 日井の浜】につけてから
 よく箱の中を調べてから、その箱の処分方法をじっくりと皆で相談することにしたのだ。

不気味な黒い箱を磯から浜に引き上げて皆して苦心の末に箱のフタを取り除いててみた。
頑丈な黒みがかった その箱は、青白い白骨をほとんど埋めつくすほどの 奇妙なカタチの金銀財宝の山がキラキラと皆の目を射しました。

島の漁夫たちにも いまだかって
一度も見たこともない赤や青や緑の美しい石に混じっていて 小指の先ほどもある真珠玉を幾十となく つないだ紐のようなものが入っています。

それは真珠のロザリオだった。
赤や緑の見たこともない石はともかく 
この真珠玉の紐だけでも何百両の価値があるものかも想像がつかず、

なおもよく見ると亡骸の肩のあたりに厚い皮表紙の本があり 何かしらの手がかりにでもあるのではないかと1人の漁夫が恐る恐る その本を取り上げて中を開いて見ましたが…

何だか訳もわからぬ記号のような横文字が、いっぱい書いてあるものの さっぱり読めませんでした。

ここでまた…「宝物だけ港に持ち帰ろうか…」という漁夫たち数人と

「あとあとの祟りが 恐ろしいからと、
この小島あたりに埋めてしまおう!!」という爺の漁夫との組とのはげしい意見のぶつかり合いが合ったのだが…


然し 何といっても日々の暮らしも乏しい漁村の漁夫たちにとっては、その宝物の価値はあまりにも大きすぎました。

ましてや金色の髪をした異国人の白骨の亡骸の異様な不気味さ…

それもありて ついにみんなの意見が
まとまり老船頭の命令で みんなで小島の一隅に 深い深い穴を掘りて その不気味な黒い柩を埋めてしまったのでした。

この作業中はほとんど声を出すものも
なくて…ただ黙々と埋めて
そのうちに終了し。

すっかりと埋めてしまって 額の汗を拭きながら一同は思わずホッとした気持ちで互いに顔を見合せた。

この時、老船頭は 一同の者たちにおごそかな声で 申しわたした。 

「よう皆の衆、よう聞いてくれんかの…今日、わしゃたちは まことに不思議なことに出くわしたが…」
「こう今考えると まるで夢のようじゃ--!!」
「わしたちの醜い心を試そうと 海神様が夢を見させて下さったようじゃ!!」

「しかしな、この事が本当じゃったとしても、ワシらが亡骸の入った柩をあばいたのは事実だ!!」
「 わしらは後にくる祟りが ほんに恐ろしかこつはない!!」

「それに宝物を発見した事が お上の耳に入ったら、わしたちゃ~おとがめをいただくかもしれんのじゃ!!」

「ここにこうして柩を 埋めてしまったほうが一番いいことじゃ!!」

「この亡骸のお方も 長いこつが海を漂って淋しかったろうに …」
「いいか皆の衆、今日の出来事は どんなことがあっても人に語っちゃいかんぞ!!」
「…この事を、みんな堅く約束してくれ!!」
その言葉に 漁夫、一同は深くうなづきをかわした。

たとえどんなことが あっても決して他言はしない。二度と この小島には 上陸はしないと誓いあったのだった。

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