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第二章
第21話 どうやら絡まれているみたいです
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「しかし、ラムさん思ったより驚いてたな」
ギルドから出た僕は、誰に話し掛ける訳でもなく一人つぶやいた。
『これだからお子様は……』
突然レヴィが訳の分からない事を言ってくる。
『何がだよ?』
周りから、1人ブツブツ言っていると思われるのが嫌だから念話で話す。
『そんな事、自分で考えれば。このお子様が』
何なんだよ、いったい。というかレヴィにお子様とか言われたくない。
「おい! お前! ちょっと待ちやがれ!!」
ん? なんだ? 僕の事か?
「おい! お前だよ! ガキが!」
ガキは認めるけど何なんだよ?
振り向くとガラの悪そうなハンターが3人、ニヤニヤしながら立っている。
「なにかご用ですか?」
「今日はあの用心棒はいないみたいだな」
用心棒? あぁ、イジスさんの事ね。
「それがどうかしましたか?」
何が言いたいんだ?
「へへへ、じゃあよ、有り金すべてここに置いてきな」
「ボクちゃんは怪我したくないだろ」
「早く出しな」
なるほど、こいつらイジスさんが見当たらないからって、僕に絡んできたのか。
しかし、最近死ぬ思いしかしてこなかったから、この程度の人達に絡まれても全然怖くないや。
『主よ、拙者が相手をしましょうか』
『この程度なら、大丈夫だよ』
「おい、いつまでも黙ってねぇで、早く出すもん出しやがれ」
この人達が騒ぐもんだから、段々人が集まってきちゃったじゃないか。
「えっと、あなた方にお渡しするようなお金は有りません」
「「「なっ……!」」」
3人とも馬鹿なって感じで驚いている。
そんなに僕って弱そうに見えるのかな?
ふと自分の姿を思い浮かべる。……うん、確かに弱そうに見えるね。
「てめぇ、今なんていった?」
真ん中のリーダーぽい人が代表して絡んでくる。
「あれ? 聞こえませんでしたか? あなた方みたいな人達に、渡すお金は有りません」
「て、てめぇ!!」
おお、怒っとる、怒っとる。
「おお、坊主! もっと言ってやれ!!」「気に入った! 俺はあのガキを応援するぜ」
見物人から声援が送られてきた。
それに対し、僕は片手を上げて応える。
「「「てめぇ!! 舐めやがって! ぶち殺してやる」」」
おお、練習していたのか3人の声が見事にハモった。
「俺はガキに銀貨5枚だ」「なら俺はゴロツキに銀貨5枚だ」「じゃあ、俺は坊主に銀貨7枚出すぜ」
どうやら周りで賭け始まったようです。
「おい! お前ら賭けが成立するまで、始めるんじゃねぇぞ」
なんか話が変な方向に……。どうやら僕が喧嘩を買った事から賭け事になっていしまったようです。
この街、娯楽少ないから仕方ないよな。
しばらく待っていると、騒ぎを聞きつけたのかラムさんの姿が見えた。しばらく会わないみたいな事を言ったから、こんな早く会ってしまうと、少し恥ずかしい。
でも、なんかすごく心配そうにこちらを見ているな。
僕はラムさんに笑顔で軽く手を振る。するとラムさんがすごく怖い顔をしてこちらにやって来た。
「お前、何をやっているんだ。あいつら、ああ見えてもⅮランクハンターだぞ。殺されるぞ」
そういえば、ラムさんに今の僕のランクって話してなかったな。
素材売却の時も顔見知りだからって、ギルドカードの提示を求められる事も無かったし。
「安心して下さい。死ぬような事にはなりませんから」
とは言ったものの、かなり心配そうにまだブツブツ言っているラムさん。
「お~い、お前ら! 賭けが成立したぞ。もう好きにやっていいぞ」
なんて身勝手な人達だろう。さっき声援送って来た人達も賭けを楽しんでるようだし。世の中こんなもんだろう。
ちなみ2:1でゴロツキの勝利を予想した人達が多いようだ。ゴロツキに賭けた事を後悔させてあげよう。
「ところで、誰がやるんだ?」
なんか審判みたいな人が出て来た。どうやらゴロツキから代表者を選ぶように言っているみたいだ。
「僕は3人掛かりでも構いませんよ」
どうせなら3人まとめて相手した方が、後が楽だ。
「てめぇ! こっちが大人しくしてれば、付け上がりやがって」
いや、あんたたちから絡んで来たんでしょ。全然大人しくしてないじゃん。
「おい、坊主。お前は本当にそれでいいのか?」
「はい、問題ないです」
「分かった。じゃあ、3対1の勝負だ。命までは取るんじゃねぇぞ。では始め!」
こんな感じで戦に火蓋か切手おろされたのだが……。
しかし、この3人弱い。弱すぎる。この程度でDランクって。まあ、3年間の累積ポイントだから、普通にやっていたら、だいたいDランクには上がれるか。
さてと、観客も多いし、すぐに倒すのも申し訳ないな。3人の攻撃を躱しながら、そんな事を考える。
まったく攻撃が当たらない為か、3人は真っ赤な顔をしながら「躱すだけで手も出せねぇか」と文句を言いながら攻撃を仕掛けてくる。
そんな攻撃、レヴィの攻撃と比べたら止まって見えるよ。
僕が攻撃を躱しまくるから、観客がヒートアップして大盛り上がりだ。
そろそろいいかな。
ゴロツキが3人並んだ立ち位置になった瞬間、先頭のゴロツキに掌底を打ち込む。
掌底をくらった男は後ろの2人を巻き込み、3人仲良くキレイに吹き飛んだ。
まあ、こんなものだろう。
次の瞬間、周りの観客から一斉に歓声が上がる。
「すげー!! 坊主やるな!」「くそっ! ガキに賭けとけばよかった!」など明暗を分けた声が響き渡っている。
その歓声に手を上げて応えていると。
「無茶しやがって」とラムさんが近寄ってくる。
「兎に角無事でよかった。今後こんな無茶するんじゃないよ」
本気で心配を掛けてしまったようだ。
「すみません。今度から出来るだけ避けるようにします」
「出来るだけか。まあ、思ったより強くなっているみたいだからいいか。ちなみに、お前の今のハンターランクって、聞いてもいいか?」
まあ、隠してる訳でもないからいいけど。
そして「いいですよ」と伝え、ギルドカードをラムさんに渡した。
「いいのか? ありが…………」
ラムさんは僕のギルドカードを見た瞬間、固まってしまった。
そう。【Bランク】と書かれたギルドカードを見て。
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ギルドから出た僕は、誰に話し掛ける訳でもなく一人つぶやいた。
『これだからお子様は……』
突然レヴィが訳の分からない事を言ってくる。
『何がだよ?』
周りから、1人ブツブツ言っていると思われるのが嫌だから念話で話す。
『そんな事、自分で考えれば。このお子様が』
何なんだよ、いったい。というかレヴィにお子様とか言われたくない。
「おい! お前! ちょっと待ちやがれ!!」
ん? なんだ? 僕の事か?
「おい! お前だよ! ガキが!」
ガキは認めるけど何なんだよ?
振り向くとガラの悪そうなハンターが3人、ニヤニヤしながら立っている。
「なにかご用ですか?」
「今日はあの用心棒はいないみたいだな」
用心棒? あぁ、イジスさんの事ね。
「それがどうかしましたか?」
何が言いたいんだ?
「へへへ、じゃあよ、有り金すべてここに置いてきな」
「ボクちゃんは怪我したくないだろ」
「早く出しな」
なるほど、こいつらイジスさんが見当たらないからって、僕に絡んできたのか。
しかし、最近死ぬ思いしかしてこなかったから、この程度の人達に絡まれても全然怖くないや。
『主よ、拙者が相手をしましょうか』
『この程度なら、大丈夫だよ』
「おい、いつまでも黙ってねぇで、早く出すもん出しやがれ」
この人達が騒ぐもんだから、段々人が集まってきちゃったじゃないか。
「えっと、あなた方にお渡しするようなお金は有りません」
「「「なっ……!」」」
3人とも馬鹿なって感じで驚いている。
そんなに僕って弱そうに見えるのかな?
ふと自分の姿を思い浮かべる。……うん、確かに弱そうに見えるね。
「てめぇ、今なんていった?」
真ん中のリーダーぽい人が代表して絡んでくる。
「あれ? 聞こえませんでしたか? あなた方みたいな人達に、渡すお金は有りません」
「て、てめぇ!!」
おお、怒っとる、怒っとる。
「おお、坊主! もっと言ってやれ!!」「気に入った! 俺はあのガキを応援するぜ」
見物人から声援が送られてきた。
それに対し、僕は片手を上げて応える。
「「「てめぇ!! 舐めやがって! ぶち殺してやる」」」
おお、練習していたのか3人の声が見事にハモった。
「俺はガキに銀貨5枚だ」「なら俺はゴロツキに銀貨5枚だ」「じゃあ、俺は坊主に銀貨7枚出すぜ」
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「おい! お前ら賭けが成立するまで、始めるんじゃねぇぞ」
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でも、なんかすごく心配そうにこちらを見ているな。
僕はラムさんに笑顔で軽く手を振る。するとラムさんがすごく怖い顔をしてこちらにやって来た。
「お前、何をやっているんだ。あいつら、ああ見えてもⅮランクハンターだぞ。殺されるぞ」
そういえば、ラムさんに今の僕のランクって話してなかったな。
素材売却の時も顔見知りだからって、ギルドカードの提示を求められる事も無かったし。
「安心して下さい。死ぬような事にはなりませんから」
とは言ったものの、かなり心配そうにまだブツブツ言っているラムさん。
「お~い、お前ら! 賭けが成立したぞ。もう好きにやっていいぞ」
なんて身勝手な人達だろう。さっき声援送って来た人達も賭けを楽しんでるようだし。世の中こんなもんだろう。
ちなみ2:1でゴロツキの勝利を予想した人達が多いようだ。ゴロツキに賭けた事を後悔させてあげよう。
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「僕は3人掛かりでも構いませんよ」
どうせなら3人まとめて相手した方が、後が楽だ。
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いや、あんたたちから絡んで来たんでしょ。全然大人しくしてないじゃん。
「おい、坊主。お前は本当にそれでいいのか?」
「はい、問題ないです」
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こんな感じで戦に火蓋か切手おろされたのだが……。
しかし、この3人弱い。弱すぎる。この程度でDランクって。まあ、3年間の累積ポイントだから、普通にやっていたら、だいたいDランクには上がれるか。
さてと、観客も多いし、すぐに倒すのも申し訳ないな。3人の攻撃を躱しながら、そんな事を考える。
まったく攻撃が当たらない為か、3人は真っ赤な顔をしながら「躱すだけで手も出せねぇか」と文句を言いながら攻撃を仕掛けてくる。
そんな攻撃、レヴィの攻撃と比べたら止まって見えるよ。
僕が攻撃を躱しまくるから、観客がヒートアップして大盛り上がりだ。
そろそろいいかな。
ゴロツキが3人並んだ立ち位置になった瞬間、先頭のゴロツキに掌底を打ち込む。
掌底をくらった男は後ろの2人を巻き込み、3人仲良くキレイに吹き飛んだ。
まあ、こんなものだろう。
次の瞬間、周りの観客から一斉に歓声が上がる。
「すげー!! 坊主やるな!」「くそっ! ガキに賭けとけばよかった!」など明暗を分けた声が響き渡っている。
その歓声に手を上げて応えていると。
「無茶しやがって」とラムさんが近寄ってくる。
「兎に角無事でよかった。今後こんな無茶するんじゃないよ」
本気で心配を掛けてしまったようだ。
「すみません。今度から出来るだけ避けるようにします」
「出来るだけか。まあ、思ったより強くなっているみたいだからいいか。ちなみに、お前の今のハンターランクって、聞いてもいいか?」
まあ、隠してる訳でもないからいいけど。
そして「いいですよ」と伝え、ギルドカードをラムさんに渡した。
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ラムさんは僕のギルドカードを見た瞬間、固まってしまった。
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