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第三章
第22話 襲われている人を助けよう
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只今ペガサスのベガに乗って飛行中。
次の目的地、ブリンテルト王国西部の村、エルズ村。
セバスさんからの情報で、新たな仲間を加えるべく移動中である。
『しかし、昨日のラムちゃんの反応。面白かったよね』
レヴィがゴロツキ討伐後の話を始めたようだ。
『たった1ヵ月間でBランクまでランクアップしていたのですから、驚くのも無理はないでしょう』とはセバスさん。
『あの程度でBランクになっちゃう仕組みが悪いよね』
あの程度って、あの地獄のバトルロワイヤルの事ですか。いきなり魔寄香を体に仕込まれ魔物の巣窟に放り込まれる事を、あの程度と……。
中にはレベル100に達している魔物もいたんだよ。しかも普通の装備で……。
今考えても、よく生き残れたなと思う。やばい、思い出しら涙が……。
「あの後、ラムさんからすごく追及されて大変だったよ」
一応、特訓してたら上がったと伝えたが、嘘は言ってないのに最後まで信じてもらえなかった。
『今の人達って、千年前より弱いのかな?』
「どうだろう? ハンターの上位の人たちはかなりの実力者ぞろいとは聞いてるけど、邪神戦争の頃と比べると……」
戦乱の時代の戦士と比べると、平和な今の時代の戦士では、勝てる気がしない。
『そっか。じゃあ、ボクらがクラウドを、エルザくらいまで鍛えてあげるよ』
レヴィさん、それは無茶が過ぎませんか?
『それは良いですね。クラウド様ならエルザ様の高みに届くのも不可能では御座いません』
セバスさんまで何を……、考えるまでも無く不可能で御座いますよ。
『拙者も主の最強への道を、お手伝いだせていただきます』
セバスさんとイジスさんって、僕の事、どんなふうに見えているだろ?
『弓の事ならこのクイにお任せください』
クイさんまで……。
このままでは、嫌でも最強への道を突き進まされそうです。
◇ ◇ ◇
旅は順調に進み、2日が過ぎた。
エルズ村までの道程として、丁度半分の距離まで来た頃、セバスさんから報告が入る。
『クラウド様、前方約10分の距離で何者かが魔物に襲われているようです』
10分か……。状況によってはちょっとまずい距離だな。
「ベガ、加速。セバスさん、状況は?」
取りあえずベガに急ぐように指示をだし、セバスさんに状況説明をしてもらう。
『村人風の者が3名、グレーウルフ10体から、馬車にて西方面に逃走中。3名のうち重傷1名、軽傷1名のもよう。グレーウルフの傷は軽微』
状況としては芳しくないな。
「すぐに援護に向かいます。セバスさん、視覚補助を」
『畏まりました』とセバスさんが言うと同時に、周りの見え方が変わり、逃走中の馬車を目で確認出来るようになる。
「クイ!」
『はい、ご主人様』
クイは返事をすると、僕の体に弓形態でタスキ掛けされていたクイが光となって消え、次の瞬間、僕の目の前に再び弓形態のまま現れた。
クイをすぐさま左手で握り、弓をいつでも撃てる状態に構える。
「セバスさん。射程距離までは?」
「30秒で御座います」
何とか間に合うか?
馬車の状況を見ると、後部に乗っている男が必死に槍で突き、クレーウルフを近づけまいとしている。しかしグレーウルフはそんな攻撃を気にする様子もなく、次々に襲い掛かっている。
もし、少しでも馬車のスピードが落ちたら、一気に襲われ彼らは命を失うだろう。
「この距離だと3本までかな」
僕は一言つぶやき構えた弓を引き絞る。すると3本の魔力の矢が突然現れた。
「セバスさん。カウント!」
叫びながら馬車の状況を見る。その瞬間、男が持っていた槍がグレーウルフにへし折られた。
くそっ! まだか?
「10秒前……」
ここでセバスさんのカウントが始まる。
「5秒前・3・2・1・0!」
セバスさんの0の声と共に、クイから3本の魔力の矢放つ。
3本の魔力の矢は、一直線に突き進む。
そして僕は、矢の行く先を確認する間もなく、すぐに次の魔力の矢を番える。
一射目が標的を射抜く前に、速射で二射目の3本の魔力の矢を放つ。
一射目の3本の魔力の矢は、今にも男に襲い掛かろうとしていた3体のグレーウルフの頭を見事に撃ち抜く。それを確認したのと同時に僕は三射目の3本の魔力の矢を放つ。
グレーウルフ達は次々に降り注ぐ魔力の矢に頭を撃ち抜かれ、自分が誰にやられたか知る事もなく絶命していった。
最後に残った1体も状況の呑み込めないうちに頭を撃ち抜かれ命を失い、男たちを襲っていたグレーウルフの群れはいとも簡単に全滅した。
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只今ペガサスのベガに乗って飛行中。
次の目的地、ブリンテルト王国西部の村、エルズ村。
セバスさんからの情報で、新たな仲間を加えるべく移動中である。
『しかし、昨日のラムちゃんの反応。面白かったよね』
レヴィがゴロツキ討伐後の話を始めたようだ。
『たった1ヵ月間でBランクまでランクアップしていたのですから、驚くのも無理はないでしょう』とはセバスさん。
『あの程度でBランクになっちゃう仕組みが悪いよね』
あの程度って、あの地獄のバトルロワイヤルの事ですか。いきなり魔寄香を体に仕込まれ魔物の巣窟に放り込まれる事を、あの程度と……。
中にはレベル100に達している魔物もいたんだよ。しかも普通の装備で……。
今考えても、よく生き残れたなと思う。やばい、思い出しら涙が……。
「あの後、ラムさんからすごく追及されて大変だったよ」
一応、特訓してたら上がったと伝えたが、嘘は言ってないのに最後まで信じてもらえなかった。
『今の人達って、千年前より弱いのかな?』
「どうだろう? ハンターの上位の人たちはかなりの実力者ぞろいとは聞いてるけど、邪神戦争の頃と比べると……」
戦乱の時代の戦士と比べると、平和な今の時代の戦士では、勝てる気がしない。
『そっか。じゃあ、ボクらがクラウドを、エルザくらいまで鍛えてあげるよ』
レヴィさん、それは無茶が過ぎませんか?
『それは良いですね。クラウド様ならエルザ様の高みに届くのも不可能では御座いません』
セバスさんまで何を……、考えるまでも無く不可能で御座いますよ。
『拙者も主の最強への道を、お手伝いだせていただきます』
セバスさんとイジスさんって、僕の事、どんなふうに見えているだろ?
『弓の事ならこのクイにお任せください』
クイさんまで……。
このままでは、嫌でも最強への道を突き進まされそうです。
◇ ◇ ◇
旅は順調に進み、2日が過ぎた。
エルズ村までの道程として、丁度半分の距離まで来た頃、セバスさんから報告が入る。
『クラウド様、前方約10分の距離で何者かが魔物に襲われているようです』
10分か……。状況によってはちょっとまずい距離だな。
「ベガ、加速。セバスさん、状況は?」
取りあえずベガに急ぐように指示をだし、セバスさんに状況説明をしてもらう。
『村人風の者が3名、グレーウルフ10体から、馬車にて西方面に逃走中。3名のうち重傷1名、軽傷1名のもよう。グレーウルフの傷は軽微』
状況としては芳しくないな。
「すぐに援護に向かいます。セバスさん、視覚補助を」
『畏まりました』とセバスさんが言うと同時に、周りの見え方が変わり、逃走中の馬車を目で確認出来るようになる。
「クイ!」
『はい、ご主人様』
クイは返事をすると、僕の体に弓形態でタスキ掛けされていたクイが光となって消え、次の瞬間、僕の目の前に再び弓形態のまま現れた。
クイをすぐさま左手で握り、弓をいつでも撃てる状態に構える。
「セバスさん。射程距離までは?」
「30秒で御座います」
何とか間に合うか?
馬車の状況を見ると、後部に乗っている男が必死に槍で突き、クレーウルフを近づけまいとしている。しかしグレーウルフはそんな攻撃を気にする様子もなく、次々に襲い掛かっている。
もし、少しでも馬車のスピードが落ちたら、一気に襲われ彼らは命を失うだろう。
「この距離だと3本までかな」
僕は一言つぶやき構えた弓を引き絞る。すると3本の魔力の矢が突然現れた。
「セバスさん。カウント!」
叫びながら馬車の状況を見る。その瞬間、男が持っていた槍がグレーウルフにへし折られた。
くそっ! まだか?
「10秒前……」
ここでセバスさんのカウントが始まる。
「5秒前・3・2・1・0!」
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3本の魔力の矢は、一直線に突き進む。
そして僕は、矢の行く先を確認する間もなく、すぐに次の魔力の矢を番える。
一射目が標的を射抜く前に、速射で二射目の3本の魔力の矢を放つ。
一射目の3本の魔力の矢は、今にも男に襲い掛かろうとしていた3体のグレーウルフの頭を見事に撃ち抜く。それを確認したのと同時に僕は三射目の3本の魔力の矢を放つ。
グレーウルフ達は次々に降り注ぐ魔力の矢に頭を撃ち抜かれ、自分が誰にやられたか知る事もなく絶命していった。
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