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第四章
第43話 説明を求められました
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「いったい、あの人たちは何なんですか!?」
「そうだ! 突然人や子猫がいっぱい出てきたぞ」
「猫ちゃん、猫ちゃん。こっちおいで」
案の定クラウディアさん達に詰め寄られました。約一名リーゼさんだけが何処から出したのか猫じゃらしを出してキーレとアーレにワナワナ近づいていっている。
「えっと、何と言いますか、仲間?」
仲間と言うか装備品? それでいて師匠?
「なんで最後疑問形なんですか!? もっとちゃんと説明して下さい!」
「クラウディア様の言う通りだ、彼女らは何処から出てきたのだ!?」
「待って~! 逃げないで~! 優しいお姉さんですよ~! ほらほら、おもちゃもあるよ~」
クラウディアさんもアンネマリーさんもすごい剣幕で詰め寄ってきている。リーゼさんは逃げるキーレとアーレを追い回しているが、全く捕まりそうにない。
キーレもアーレも見た目は子猫だがあのシーフのリーゼさんを翻弄するとはビックリだ。まあ、リーゼさんも楽しんで追いかけっこをしているみたいだけど。
「リーゼの事は良いんです。私たちの質問にちゃんと答えて下さい!!」
リーゼさんと子猫ズの様子が気になり目で追っていると、クラウディアさんの顔が目の前まで迫って来た。あと10センチくらいでファースト接吻を奪われてしまいそうだ。
「近い! 近いです!! クラウディアさん!! 話しますから、話しますから落ち着いて!! まず離れて下さい。近すぎです」
僕が慌てて言うと、自分のした事に気が付いたクラウディアさんは、顔を真っ赤にして慌てて離れる。
「す、すみません。あまりに驚いたので……」
クラウディアさんの行動に僕の方が驚いたよ。まあ、美人さん詰め寄られるのは悪い気はしないけど。
「いえ、大丈夫ですよ」
僕も心を一度落ち着かせて答える。
「しかし、クラウディア様の反応も仕方ないぞ。私達にも分かるように説明してくれ」
クラウディアさんの失態を見て多少落ち着いたのかアンネマリーさんが冷静に質問をしてくる。
「皆さま。夕食の準備が整いました」
そこに、夕食の準備を終えたセバスさんが声を掛けてきた。うん、いいタイミングだ。
「分かりました。ここではなんですしテントの中で食事をしながらお話しします」
そう言いうと2人とも納得してくれたみたいだ。僕が魔法のテントに向かって歩き出すと、先ほどまでリーゼさんと追いかけっこをしていたキーレとアーレが僕の胸に飛び込んでくる。
相変わらず可愛いなぁ。ニコニコしながら2匹子猫の頭を撫でていると、
「わ、私に、私にも撫でさせて!!」
と、ゼーゼー息を荒くしながらリーゼさんが近づいてきた。
「リーゼさん、気持ちは分かりますがキーレとアーレが脅えるから少し落ち着こうね」
◇ ◇ ◇
興奮冷めやらぬリーゼさんを何とか落ち着かせてテントに入る。しかしクラウディアさんとアンネマリーさんはテントに入った瞬間、再び口をあんぐり開けて固まってしまった。後ろが詰まっているからせめて中に入ってから固まって欲しいな。
ちなみにリーゼさんは僕と子猫ズの許可を得て抱っこする事に成功。その為子猫達を愛でるのに必死で、テントの中の事はどうでもいいようです。ここまで来ると、最初にレヴィ達が人化した時、リーゼさんだけキーレとアーレを見て固まっていたのではと思ってしまう。
そんな色々困った状態の3人をどうにか動かして、セバスさんが用意した夕食の席にようやく落ち着く事が出来た。
はぁ、なんで話す前にこんなに疲れるだろう。
只今10人掛けのテーブルにセバスさんと子猫ズ以外が全員座っている。僕を中心に左にレヴィ、その隣にクイ、僕の右にはアキーレさん、その隣にイジスさんが座っている。そして僕の正面にクラウディアさん。クラウディアさんの右にアンネマリーさん、左に子猫ズを抱っこしたままのリーゼさんが座っている。リーゼさん、いい加減キーレとアーレを解放してくれないかな? ちなみにセバスさんは給仕の為僕の後方に立っている。いつもながら隙のない完璧執事だ。
「では、みなさん落ち着いたみたいなのでまずは食事をどうぞ。説明は食べながらしますね」
さてと、何から話したらいいかな。周りを見るとレヴィ達がいつものように談笑しながら食事をしている。その光景をクラウディアさんとアンネマリーさんは不思議そうに眺めながら食事をしていた。リーゼさんは食事そっちのけで子猫ズを愛でている。そして子猫ズが羨ましそうにテーブルに並ぶご馳走を見ている……。はぁ、ダメじゃん。
「その前にリーゼさん。その子達を離して下さい」
僕がそう言うと、リーゼさんはこの世の終わりのような悲壮な表情に変わる。どんだけネコ好きなんだよ。
「そのままではその子達がご飯を食べられません。可哀想でしょ?」
僕の言葉にハッとなったリーゼさんは「ごめんね」と謝って2匹を解放してくれた。はぁ、取りあえず良かった。
解放されたキーレとアーレはひとつ伸びをすると、一気に猫耳美少女の姿に変化した。その瞬間案の定クラウディアさん一行は各々の食事中の体勢で固まった。まあ、そうなると思ったけどね。
「では早速説明しますね」
キーレとアーレが席に着くのを確認すると僕はようやく説明を開始した。
◇ ◇ ◇
「えっと。そうするとここにいる皆さん全員が人化可能な知性魔道具なんですか?」
「ええ、そういう事です」
1つ説明する度に固まる3人に何とか一通り説明を続け、ようやく理解を得れたようだ。
「噂には聞いた事が有りましたが、見るのは初めてです。しかも人化出来るほどの高位の知性魔道具と、これ程多く契約している人がこの世に存在しているなんて、この目で見なければ信じられませんでしたよ」
そりゃそうだろうな。僕だってそう思う。
「流石、君ほどの実力者となるとこれ程の知性魔道具が集まってくるのだな」
アンネマリーさん。それは逆です。この知性魔道具達がいたからここまで鍛えられたのですよ。まあ、僕にも見栄が有るので言わないけど。
「あの、あの可愛い子達が知性魔道具!! クラウドさん。お願いです! 私にあの子達を譲って下さい!!」
「嫌です」
いきなり何を言い出すんだ。この残念エルフっ子は。いくら泣きそうな顔をしても絶対やらん!!
「兎に角そう言った訳ですのでこれからも知性魔道具共々よろしくお願いします」
こうしてどうにかクラウディアさん達に納得してもい、僕達は平穏な野営を迎える事が出来るようになったのでした。
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「いったい、あの人たちは何なんですか!?」
「そうだ! 突然人や子猫がいっぱい出てきたぞ」
「猫ちゃん、猫ちゃん。こっちおいで」
案の定クラウディアさん達に詰め寄られました。約一名リーゼさんだけが何処から出したのか猫じゃらしを出してキーレとアーレにワナワナ近づいていっている。
「えっと、何と言いますか、仲間?」
仲間と言うか装備品? それでいて師匠?
「なんで最後疑問形なんですか!? もっとちゃんと説明して下さい!」
「クラウディア様の言う通りだ、彼女らは何処から出てきたのだ!?」
「待って~! 逃げないで~! 優しいお姉さんですよ~! ほらほら、おもちゃもあるよ~」
クラウディアさんもアンネマリーさんもすごい剣幕で詰め寄ってきている。リーゼさんは逃げるキーレとアーレを追い回しているが、全く捕まりそうにない。
キーレもアーレも見た目は子猫だがあのシーフのリーゼさんを翻弄するとはビックリだ。まあ、リーゼさんも楽しんで追いかけっこをしているみたいだけど。
「リーゼの事は良いんです。私たちの質問にちゃんと答えて下さい!!」
リーゼさんと子猫ズの様子が気になり目で追っていると、クラウディアさんの顔が目の前まで迫って来た。あと10センチくらいでファースト接吻を奪われてしまいそうだ。
「近い! 近いです!! クラウディアさん!! 話しますから、話しますから落ち着いて!! まず離れて下さい。近すぎです」
僕が慌てて言うと、自分のした事に気が付いたクラウディアさんは、顔を真っ赤にして慌てて離れる。
「す、すみません。あまりに驚いたので……」
クラウディアさんの行動に僕の方が驚いたよ。まあ、美人さん詰め寄られるのは悪い気はしないけど。
「いえ、大丈夫ですよ」
僕も心を一度落ち着かせて答える。
「しかし、クラウディア様の反応も仕方ないぞ。私達にも分かるように説明してくれ」
クラウディアさんの失態を見て多少落ち着いたのかアンネマリーさんが冷静に質問をしてくる。
「皆さま。夕食の準備が整いました」
そこに、夕食の準備を終えたセバスさんが声を掛けてきた。うん、いいタイミングだ。
「分かりました。ここではなんですしテントの中で食事をしながらお話しします」
そう言いうと2人とも納得してくれたみたいだ。僕が魔法のテントに向かって歩き出すと、先ほどまでリーゼさんと追いかけっこをしていたキーレとアーレが僕の胸に飛び込んでくる。
相変わらず可愛いなぁ。ニコニコしながら2匹子猫の頭を撫でていると、
「わ、私に、私にも撫でさせて!!」
と、ゼーゼー息を荒くしながらリーゼさんが近づいてきた。
「リーゼさん、気持ちは分かりますがキーレとアーレが脅えるから少し落ち着こうね」
◇ ◇ ◇
興奮冷めやらぬリーゼさんを何とか落ち着かせてテントに入る。しかしクラウディアさんとアンネマリーさんはテントに入った瞬間、再び口をあんぐり開けて固まってしまった。後ろが詰まっているからせめて中に入ってから固まって欲しいな。
ちなみにリーゼさんは僕と子猫ズの許可を得て抱っこする事に成功。その為子猫達を愛でるのに必死で、テントの中の事はどうでもいいようです。ここまで来ると、最初にレヴィ達が人化した時、リーゼさんだけキーレとアーレを見て固まっていたのではと思ってしまう。
そんな色々困った状態の3人をどうにか動かして、セバスさんが用意した夕食の席にようやく落ち着く事が出来た。
はぁ、なんで話す前にこんなに疲れるだろう。
只今10人掛けのテーブルにセバスさんと子猫ズ以外が全員座っている。僕を中心に左にレヴィ、その隣にクイ、僕の右にはアキーレさん、その隣にイジスさんが座っている。そして僕の正面にクラウディアさん。クラウディアさんの右にアンネマリーさん、左に子猫ズを抱っこしたままのリーゼさんが座っている。リーゼさん、いい加減キーレとアーレを解放してくれないかな? ちなみにセバスさんは給仕の為僕の後方に立っている。いつもながら隙のない完璧執事だ。
「では、みなさん落ち着いたみたいなのでまずは食事をどうぞ。説明は食べながらしますね」
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「では早速説明しますね」
キーレとアーレが席に着くのを確認すると僕はようやく説明を開始した。
◇ ◇ ◇
「えっと。そうするとここにいる皆さん全員が人化可能な知性魔道具なんですか?」
「ええ、そういう事です」
1つ説明する度に固まる3人に何とか一通り説明を続け、ようやく理解を得れたようだ。
「噂には聞いた事が有りましたが、見るのは初めてです。しかも人化出来るほどの高位の知性魔道具と、これ程多く契約している人がこの世に存在しているなんて、この目で見なければ信じられませんでしたよ」
そりゃそうだろうな。僕だってそう思う。
「流石、君ほどの実力者となるとこれ程の知性魔道具が集まってくるのだな」
アンネマリーさん。それは逆です。この知性魔道具達がいたからここまで鍛えられたのですよ。まあ、僕にも見栄が有るので言わないけど。
「あの、あの可愛い子達が知性魔道具!! クラウドさん。お願いです! 私にあの子達を譲って下さい!!」
「嫌です」
いきなり何を言い出すんだ。この残念エルフっ子は。いくら泣きそうな顔をしても絶対やらん!!
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