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第四章
第48話 幽霊がいっぱい
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激しい雷の嵐の中、僕が魔剣レヴィを振り下ろすと、1体の魔物が消滅した。
これでやっと2体か。まだ先は長い。
◇ ◇ ◇
ダイルバイパーとの戦闘から一夜明け、迷宮を順調に進んでいた僕達はついに30層に降りる為の階段にたどりついた。だがしかし、ここにきてかなり面倒くさい魔物と遭遇してしまった。魔物の名はサンダーレイス、レベル115のゴースト系の魔物だ。
このサンダーレイスという魔物だが、まず物理攻撃が効かない。つまり、魔法攻撃が得意でないアンネマリーさんとリーゼさんが完全に戦力外になる。更に光魔法以外の魔法攻撃に対してそこそこの耐性がある為、火魔法特化のクラウディアさんだと火力が半減してしまう。これだけでも大概面倒なのだが。更に更に今回、このサンダーレイスが階段を守るように次々に出現してきたのだ。その数10体。
始めは1体しかいなかった。光魔法や聖魔法を使える僕とは相性がいいので1体だけなら大した事ないと戦い始めたのだが、あれよあれよと言う間に増えていき、気が付いたら10体のサンダーレイスが出現していたのだ。
で、現状だが。サンダーレイスを2体撃破し残り8体。アンネマリーさんとリーゼさんは部屋の端っこでおとなしく僕の戦いを観戦中。クラウディアさんはやや離れた位置から僕の援護をするように火魔法でサンダーレイスを攻撃している。ただ、大してダメージを与えている様子はない。
ちなみに最初に雷の嵐の中と言ったがこれは比喩などではなく、サンダーレイス達が得意の雷魔法を、僕に対して雨あられと打ち込んできていたからだ。
ではなぜその雷の嵐の中僕は平気なのか。それは、今回の相手は流石に危険と感じたのか、セバスさんとアキーレさんが協力して、当たるはずの雷魔法をすべて無効化するという荒業で僕を守ってくれているからだ。
この人達、本気を出すとトコトンすごいな。普段もう少し僕に力を貸してくれたらいいのにと思ってしまう。
そんな事を考えている間に次の雷幽霊が近寄って来た。
今の僕の戦い方は、雷魔法無効化状態を利用して魔剣レヴィに聖魔法を掛けつつ接近戦でゴリ押しというなんとも雑な戦い方をしている。ただ正直これが一番効率がいい。相手はまだ8体もいるのだ。しかもレベル112の僕よりサンダーレイスはレベルが高いのだ。戦い方に好き嫌い言ってる場合ではないのです。
しかも、今の時間なら今日中にエメラルドヒドラと戦う事になる可能性もある。いや、かなりの確率で戦う事になるだろう。つまり、こんな所で消耗する訳にもいかないのだ。
とはいっても如何せん、数が多い。いくら雷魔法を無効化しても、雷幽霊の攻撃はそれだけじゃない。油断していると大怪我を負いかねない。ここは慎重かつ確実に1体ずつ倒すしかないのだ。
はぁ、難しい相手じゃないけど面倒くさい。そう思いながら剣を一振り、更に1体葬る。
『クラウド。次、後ろから来てるよ』
レヴィの声に後ろを向くと、雷幽霊が後ろから迫ってきている。
剣で一撃してからバックステップで距離を取る。もちろんこれくらいで倒せる相手じゃないが、小さなことからコツコツとだ。
とはいっても、もう少し殲滅力を上げないと、このままだと魔力を消耗しすぎてしまうかも。
特訓の時以来だけど、セバスさんの固有能力を使おうかな。一撃の魔力消費量は多いけど殲滅力が上がる分トータル的に少ない魔力で倒せる気がするしな。一応セバスさんのお伺い立てるか。
「セバスさん。【魔道の深淵】を使ってもいいですか?」
迫り来る雷幽霊に聖魔法により創った聖なる槍を撃ち込みならた聞く。
『今回は致し方ありませんね。畏まりました』
よかった。意外に簡単に許可が出た。よし善は急げ。では早速。
「魔導の深淵!」
僕の言葉に反応するように僕の右手にある腕輪状態のセバスさんが蒼く輝き始める。
では、一気にいかせてもらいます。
レヴィを鞘に納めると両手を広げ聖なる槍、聖槍を14本創りだす。その様子を見た雷幽霊はジリジリと下がり始める。
おお、動揺してるぽい。幽霊でもビビる事があるのかな? 幽霊だけに怖がる感情とか無いのかと思ってたけど。
『早く撃たないと。どんどん魔力減ってくよ』
おっと、そうだった。レヴィに言われ早速創りだした聖槍を雷幽霊どもに撃ち込む。
先ほどまでは弱点属性をついてもそれほど大きなダメージが与えることが出来なかったが、今回はどうだろう。
ちなみに魔導に深淵ついて説明すると。今までの流れで予想できると思うが、契約者の魔力を使い一時的に魔法の威力を数倍に高めるセバスさんの固有能力だ。今の僕のレベルなら通常の魔法の威力の3倍以上の威力になるらしい。
これならあの厄介な雷幽霊にも大ダメージを与える事が可能だろう。
で、結果だが。あらまあ、すごい。14本の聖槍は7体の雷幽霊にそれぞれ2本ずつ突き刺さり、あれほど苦労していた雷幽霊達が一瞬で消滅させてしまった。
いや、わかっていたつもりだったが、魔導の深淵恐るべし。とんでもない威力上昇だ。1撃撃破はさすがに予想外だったわ。
その様子を見ていたクラウディアさん達も開いた口が塞がらないとばかりにポカンと口を開けて固まっていた。まあ、気持ちは分かるけどね。
さあ、これで30層に下りる階段が通れるようになった。クラウディアさん達の精神を呼び戻して30層に向かうかな。
いよいよ次の層で目的のエメラルドヒドラとご対面だ。
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激しい雷の嵐の中、僕が魔剣レヴィを振り下ろすと、1体の魔物が消滅した。
これでやっと2体か。まだ先は長い。
◇ ◇ ◇
ダイルバイパーとの戦闘から一夜明け、迷宮を順調に進んでいた僕達はついに30層に降りる為の階段にたどりついた。だがしかし、ここにきてかなり面倒くさい魔物と遭遇してしまった。魔物の名はサンダーレイス、レベル115のゴースト系の魔物だ。
このサンダーレイスという魔物だが、まず物理攻撃が効かない。つまり、魔法攻撃が得意でないアンネマリーさんとリーゼさんが完全に戦力外になる。更に光魔法以外の魔法攻撃に対してそこそこの耐性がある為、火魔法特化のクラウディアさんだと火力が半減してしまう。これだけでも大概面倒なのだが。更に更に今回、このサンダーレイスが階段を守るように次々に出現してきたのだ。その数10体。
始めは1体しかいなかった。光魔法や聖魔法を使える僕とは相性がいいので1体だけなら大した事ないと戦い始めたのだが、あれよあれよと言う間に増えていき、気が付いたら10体のサンダーレイスが出現していたのだ。
で、現状だが。サンダーレイスを2体撃破し残り8体。アンネマリーさんとリーゼさんは部屋の端っこでおとなしく僕の戦いを観戦中。クラウディアさんはやや離れた位置から僕の援護をするように火魔法でサンダーレイスを攻撃している。ただ、大してダメージを与えている様子はない。
ちなみに最初に雷の嵐の中と言ったがこれは比喩などではなく、サンダーレイス達が得意の雷魔法を、僕に対して雨あられと打ち込んできていたからだ。
ではなぜその雷の嵐の中僕は平気なのか。それは、今回の相手は流石に危険と感じたのか、セバスさんとアキーレさんが協力して、当たるはずの雷魔法をすべて無効化するという荒業で僕を守ってくれているからだ。
この人達、本気を出すとトコトンすごいな。普段もう少し僕に力を貸してくれたらいいのにと思ってしまう。
そんな事を考えている間に次の雷幽霊が近寄って来た。
今の僕の戦い方は、雷魔法無効化状態を利用して魔剣レヴィに聖魔法を掛けつつ接近戦でゴリ押しというなんとも雑な戦い方をしている。ただ正直これが一番効率がいい。相手はまだ8体もいるのだ。しかもレベル112の僕よりサンダーレイスはレベルが高いのだ。戦い方に好き嫌い言ってる場合ではないのです。
しかも、今の時間なら今日中にエメラルドヒドラと戦う事になる可能性もある。いや、かなりの確率で戦う事になるだろう。つまり、こんな所で消耗する訳にもいかないのだ。
とはいっても如何せん、数が多い。いくら雷魔法を無効化しても、雷幽霊の攻撃はそれだけじゃない。油断していると大怪我を負いかねない。ここは慎重かつ確実に1体ずつ倒すしかないのだ。
はぁ、難しい相手じゃないけど面倒くさい。そう思いながら剣を一振り、更に1体葬る。
『クラウド。次、後ろから来てるよ』
レヴィの声に後ろを向くと、雷幽霊が後ろから迫ってきている。
剣で一撃してからバックステップで距離を取る。もちろんこれくらいで倒せる相手じゃないが、小さなことからコツコツとだ。
とはいっても、もう少し殲滅力を上げないと、このままだと魔力を消耗しすぎてしまうかも。
特訓の時以来だけど、セバスさんの固有能力を使おうかな。一撃の魔力消費量は多いけど殲滅力が上がる分トータル的に少ない魔力で倒せる気がするしな。一応セバスさんのお伺い立てるか。
「セバスさん。【魔道の深淵】を使ってもいいですか?」
迫り来る雷幽霊に聖魔法により創った聖なる槍を撃ち込みならた聞く。
『今回は致し方ありませんね。畏まりました』
よかった。意外に簡単に許可が出た。よし善は急げ。では早速。
「魔導の深淵!」
僕の言葉に反応するように僕の右手にある腕輪状態のセバスさんが蒼く輝き始める。
では、一気にいかせてもらいます。
レヴィを鞘に納めると両手を広げ聖なる槍、聖槍を14本創りだす。その様子を見た雷幽霊はジリジリと下がり始める。
おお、動揺してるぽい。幽霊でもビビる事があるのかな? 幽霊だけに怖がる感情とか無いのかと思ってたけど。
『早く撃たないと。どんどん魔力減ってくよ』
おっと、そうだった。レヴィに言われ早速創りだした聖槍を雷幽霊どもに撃ち込む。
先ほどまでは弱点属性をついてもそれほど大きなダメージが与えることが出来なかったが、今回はどうだろう。
ちなみに魔導に深淵ついて説明すると。今までの流れで予想できると思うが、契約者の魔力を使い一時的に魔法の威力を数倍に高めるセバスさんの固有能力だ。今の僕のレベルなら通常の魔法の威力の3倍以上の威力になるらしい。
これならあの厄介な雷幽霊にも大ダメージを与える事が可能だろう。
で、結果だが。あらまあ、すごい。14本の聖槍は7体の雷幽霊にそれぞれ2本ずつ突き刺さり、あれほど苦労していた雷幽霊達が一瞬で消滅させてしまった。
いや、わかっていたつもりだったが、魔導の深淵恐るべし。とんでもない威力上昇だ。1撃撃破はさすがに予想外だったわ。
その様子を見ていたクラウディアさん達も開いた口が塞がらないとばかりにポカンと口を開けて固まっていた。まあ、気持ちは分かるけどね。
さあ、これで30層に下りる階段が通れるようになった。クラウディアさん達の精神を呼び戻して30層に向かうかな。
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