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第六章
第66話 装備無双?
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ジルドとガイムという上位魔族を倒した為か、邪神軍の魔物達の動きが明らかにおかしい。
混乱? いや、停滞といった方がいいのか。どうしていいのか分からず、その場で動きを止め、戸惑っているようだ。
この様子だと、やっぱりあのジルドとガイムは、今回侵攻してきた邪神軍の大将だったと考えるのが妥当かな。
ただ、まだ戦いは終わった訳じゃない。大将を失ったとはいえ、邪神軍はいまだ8割以上は健在だ。
しかも、相手は統率された兵ではなく魔物。上に立つ者がいなくなった今、どういった行動に出るか全く予想できない。
ここは早急に狩れるだけ狩った方が良いだろう。
という事で戦闘継続です。
「もう、上位魔族も居ないみたいだね。ただ、残る魔物は多いみたいだから今回はボクも戦って上げるね」
突如そう言ってレヴィが僕の前に人化して現れた。
とはいっても、訓練の時と同様、僕の右手にはまだちゃんとレヴィが握られている。
つまり、レヴィが僕と一緒に戦ってくれるという事だ。
こんな事が有って良いのだろうか? 槍の雨でも降らなきゃいいのですが……
「なに、その目は?」
いかん、いかん。思わず呆然とレヴィを見てしまった。
「なにが言いたいか何となく分かるけど、ボクだって、これだけの魔物が散り散りになって暴れまわられたら、この周辺の人達にとって危険なことぐらい分かるよ。だから今回だけ手伝って上げるの」
なるほど、そういう事なのね。
「そういう事で私も今回が参戦させていただきます。」
そう声を掛けてきたのはセバスさんだ。
「拙者も及ばずながら助太刀いたします」
イジスさんまで人化している。
「久しぶりにこの姿で暴れるのもいいわね」
そうなると当然アキーレさんも出て来るわけです。
「ガウ!!」
「グルル!」
ん? 虎?
何故かアキーレさんの両脇には金色の毛並みの巨大な猫と銀色の毛並みの巨大な猫が現れている。って、もしかしなくてもキーレとアーレ?
いつもの子猫の姿じゃなくて、今の姿は完全に猛獣です。しかも相当危険な部類の……
あっ! ちなみにクイは今でもベガに乗って上空から攻撃していますよ。
そういう訳で、僕の装備達が勢ぞろいで今回は戦闘に参加してくれようだ。
「じゃあ、みんな行くよ!!」
レヴィの掛け声で、4人と2匹は颯爽と戦場に散っていった。
◇ ◇ ◇
……いやぁ、なんともこれは凄いですね。
何がって?
装備のみんなですよ。
まずセバスさんだが、その戦いはまさに大魔導士。
10メートル程浮いた状態で、手から炎の魔法を周りにバラ撒いています。周辺一帯を焦土にするのではないかという勢いで魔法を連発、魔物達は反撃どころか逃げる事も出来ず消し炭になっているじゃないですか。
恐ろしい事です。
イジスさんは、両手に盾を出現させそれを振り回している。
その盾の側にいた魔物は風圧? 衝撃波? 理由は分からないがその場で砕け散り、その魔物の破片は周囲に居た魔物を次々にハチの巣に変えていく。
うん、近づきたくありませんね。
女王様が戦場に居ます。黒髪、褐色の美女が魔力で創った鞭を振り回し次々と魔物を切断していきます。
この人アキーレさんなのですが、どこぞの貴族があれな趣味で呼ぶ女王様にしか見えません。ただし、あの鞭で叩かれたら確実死ねますが……。
しかし、なぜ、鞭であれ程の殲滅力が有るのでしょうか? 不思議です。
あれがあの可愛かったキーレとアーレでしょうか?
猛獣? いや、それでもまだ温い表現に思えます。2匹が通った後はまさに血の海。恐ろしいスピードで動きまくり、牙や爪で近くに居る者すべてを切り裂いて行くのです。更にどうやら風魔法を使っているようで、離れた位置にいたはずの魔物もズタボロにされていました。
早くいつもの可愛い2人の戻って欲しい。切に願います。
上空に居るクイはいつも通りです。
いや、いつも以上に苛烈かも……。僕達がいない場所を見つけ次々を魔力のこもった矢を撃ちだし魔物を瞬殺。戦場から逃げ出そうとする魔物を見つけては頭を撃ち抜く。
彼女に狙われたらこの場から逃げられませんね。
そして最後にレヴィですが、彼女が一番酷い……じゃなくて凄い。
彼女が一振りする度に数十の魔物がこの世から消滅しています。それも何処からもう一本剣を出したのか二刀流です。右も左も同じように魔物を消滅させていっています。しかしあれはちょっと、魔力を使い過ぎじゃないでしょうか? 一応あの魔力も僕の魔力のはずなんですが……
自重とは言いませんがもう少し加減をしてほしいところです。
いや、それはレヴィだけじゃないけど……
こんな感じで凄い勢いで邪神軍を殲滅していくレヴィ達。レヴィ達が参戦してから僅か10分足らずで、邪神軍の数は5割を切ってしまった。
唖然ですよ。
ちなみに僕はどうしているかというと、レヴィ達に負けない勢いで魔物を殲滅しています。
レヴィ達と一緒じゃないかって? いやいや、僕も必死なのですよ。もし、レヴィ達より目に見えて討伐数が少なかったら、後で何をさせられるか分かったものじゃないからね。
それから更に10分が過ぎた頃、戦場には既に魔物の姿は1体たりともありせんでした。言葉通りの全滅です。軍事的な意味の全滅ではないですよ。
レヴィ達が本気を出すと、こうなってしまうという事ですね。
恐ろしい事です。
では、この戦場での戦いも終わった事だし、後の事は大人の人に任せて僕はお先に失礼させていただきます。
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ジルドとガイムという上位魔族を倒した為か、邪神軍の魔物達の動きが明らかにおかしい。
混乱? いや、停滞といった方がいいのか。どうしていいのか分からず、その場で動きを止め、戸惑っているようだ。
この様子だと、やっぱりあのジルドとガイムは、今回侵攻してきた邪神軍の大将だったと考えるのが妥当かな。
ただ、まだ戦いは終わった訳じゃない。大将を失ったとはいえ、邪神軍はいまだ8割以上は健在だ。
しかも、相手は統率された兵ではなく魔物。上に立つ者がいなくなった今、どういった行動に出るか全く予想できない。
ここは早急に狩れるだけ狩った方が良いだろう。
という事で戦闘継続です。
「もう、上位魔族も居ないみたいだね。ただ、残る魔物は多いみたいだから今回はボクも戦って上げるね」
突如そう言ってレヴィが僕の前に人化して現れた。
とはいっても、訓練の時と同様、僕の右手にはまだちゃんとレヴィが握られている。
つまり、レヴィが僕と一緒に戦ってくれるという事だ。
こんな事が有って良いのだろうか? 槍の雨でも降らなきゃいいのですが……
「なに、その目は?」
いかん、いかん。思わず呆然とレヴィを見てしまった。
「なにが言いたいか何となく分かるけど、ボクだって、これだけの魔物が散り散りになって暴れまわられたら、この周辺の人達にとって危険なことぐらい分かるよ。だから今回だけ手伝って上げるの」
なるほど、そういう事なのね。
「そういう事で私も今回が参戦させていただきます。」
そう声を掛けてきたのはセバスさんだ。
「拙者も及ばずながら助太刀いたします」
イジスさんまで人化している。
「久しぶりにこの姿で暴れるのもいいわね」
そうなると当然アキーレさんも出て来るわけです。
「ガウ!!」
「グルル!」
ん? 虎?
何故かアキーレさんの両脇には金色の毛並みの巨大な猫と銀色の毛並みの巨大な猫が現れている。って、もしかしなくてもキーレとアーレ?
いつもの子猫の姿じゃなくて、今の姿は完全に猛獣です。しかも相当危険な部類の……
あっ! ちなみにクイは今でもベガに乗って上空から攻撃していますよ。
そういう訳で、僕の装備達が勢ぞろいで今回は戦闘に参加してくれようだ。
「じゃあ、みんな行くよ!!」
レヴィの掛け声で、4人と2匹は颯爽と戦場に散っていった。
◇ ◇ ◇
……いやぁ、なんともこれは凄いですね。
何がって?
装備のみんなですよ。
まずセバスさんだが、その戦いはまさに大魔導士。
10メートル程浮いた状態で、手から炎の魔法を周りにバラ撒いています。周辺一帯を焦土にするのではないかという勢いで魔法を連発、魔物達は反撃どころか逃げる事も出来ず消し炭になっているじゃないですか。
恐ろしい事です。
イジスさんは、両手に盾を出現させそれを振り回している。
その盾の側にいた魔物は風圧? 衝撃波? 理由は分からないがその場で砕け散り、その魔物の破片は周囲に居た魔物を次々にハチの巣に変えていく。
うん、近づきたくありませんね。
女王様が戦場に居ます。黒髪、褐色の美女が魔力で創った鞭を振り回し次々と魔物を切断していきます。
この人アキーレさんなのですが、どこぞの貴族があれな趣味で呼ぶ女王様にしか見えません。ただし、あの鞭で叩かれたら確実死ねますが……。
しかし、なぜ、鞭であれ程の殲滅力が有るのでしょうか? 不思議です。
あれがあの可愛かったキーレとアーレでしょうか?
猛獣? いや、それでもまだ温い表現に思えます。2匹が通った後はまさに血の海。恐ろしいスピードで動きまくり、牙や爪で近くに居る者すべてを切り裂いて行くのです。更にどうやら風魔法を使っているようで、離れた位置にいたはずの魔物もズタボロにされていました。
早くいつもの可愛い2人の戻って欲しい。切に願います。
上空に居るクイはいつも通りです。
いや、いつも以上に苛烈かも……。僕達がいない場所を見つけ次々を魔力のこもった矢を撃ちだし魔物を瞬殺。戦場から逃げ出そうとする魔物を見つけては頭を撃ち抜く。
彼女に狙われたらこの場から逃げられませんね。
そして最後にレヴィですが、彼女が一番酷い……じゃなくて凄い。
彼女が一振りする度に数十の魔物がこの世から消滅しています。それも何処からもう一本剣を出したのか二刀流です。右も左も同じように魔物を消滅させていっています。しかしあれはちょっと、魔力を使い過ぎじゃないでしょうか? 一応あの魔力も僕の魔力のはずなんですが……
自重とは言いませんがもう少し加減をしてほしいところです。
いや、それはレヴィだけじゃないけど……
こんな感じで凄い勢いで邪神軍を殲滅していくレヴィ達。レヴィ達が参戦してから僅か10分足らずで、邪神軍の数は5割を切ってしまった。
唖然ですよ。
ちなみに僕はどうしているかというと、レヴィ達に負けない勢いで魔物を殲滅しています。
レヴィ達と一緒じゃないかって? いやいや、僕も必死なのですよ。もし、レヴィ達より目に見えて討伐数が少なかったら、後で何をさせられるか分かったものじゃないからね。
それから更に10分が過ぎた頃、戦場には既に魔物の姿は1体たりともありせんでした。言葉通りの全滅です。軍事的な意味の全滅ではないですよ。
レヴィ達が本気を出すと、こうなってしまうという事ですね。
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