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第六章
第67話 襲撃者
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戦場から離れた僕達は、現在ペガサスのベガに乗ってセバスさんの指示の元、新たな戦場に向け移動していた。
この調子なら今日中にあと2カ所くらい戦場を回らされるかもしれない。
セバスさんには妥協という言葉は無いのです。
「次の場所まで、後どれくらいでしょうか?」
『このペースですと、後2時間といったところでしょうか』
んー、微妙に時間が掛かる。
ベガはペガサスの中でもかなりかなり速い。そのベガをして2時間掛かるとなると相当距離が在るように思える。
まあ、慌てても早く着くわけも無いので、ここは先ほどの戦場で消費した魔力の回復をはかろう。大して減っていないけど……
◇ ◇ ◇
そこから移動する事1時間。突然、周辺一帯に濃密な魔力が充満し始める。
これは、以前経験した事がある。
最上位魔族、ジルベルトが現れた時だ。いや、あの時以上か……
『クラウド様!』
「気が付いています。最上位魔族でしょうか?」
『おそらく間違いないかと』
以前倒した最上位魔族ジルベルトはレベル440くらいだったはず。同じ最上位魔族だとすると同等と考えていい。そこに更に邪神覚醒で力が上乗せさえているとすると、どれほどの力なのか……
たぶん、僕と同等かそれ以上に力を付けていても不思議じゃない。全力で戦うべき相手だ。
ベガは既に移動を中止し、周辺を警戒している。
いつどこに現れても不思議じゃない。
そう言えば少し不思議に思う。今日戦った上位魔族のレベルは以前戦った最上位魔族と同等のレベルだったはず。それなのに受ける圧迫感は全く違った。
勿論僕のレベルが上がっているという事もあるだろが、それだけで説明が付かない差を正直感じてしまう。
もしかしたら魔族その者の格のようなモノかもしれない。幾ら邪神覚醒で力がブーストされたとしても、その格の差は埋まらないという事かな。
そして、おそらく、今、僕の前に現れようとしている者は、その格上にあたる最上位魔族であり、そのブースト版だ。
中々厄介な難敵になりそうな予感です。
「まだガキじゃないか。本当にこのガキに俺のところのガイムとジルドが殺られたのか?」
突如後ろから男の声が聞こえる。
咄嗟に振り向くとそこには赤い髪の大男が空中に浮いていた。
漆黒の鎧。刃渡り2メートルはある巨剣。そして赤い目。
――最上位魔族!
その男から凄まじいまでの魔力を感じる。明らかにさっき戦って魔族とは別格だ。
「どちらさまでしょうか?」
分かっていて聞いてみる。
「俺か? 俺はハルトムート、魔族だ。お前が倒したガイムとジルドの上司でもある。今回は、まあなんだ、部下の不始末の尻拭いって所だな」
当然部下の尻拭いとは、僕を殺す事だよね。
既に自分の身長ほどの巨剣を構えて準備万端なようだし。
『セバスさん、あの魔族のレベルは?』
『551で御座います』
レベル的に完全に格上じゃないですか。厄介この上ない事です。
しかも、逃げられるような相手でも無いようだし、ここはやるしか無いようです。
僕は覚悟を決め。ベガを帰還させ風魔法でその場に浮遊すると、魔剣レヴィを構え魔族ハルトムートと相対する。
更に魔力を高め、最大限まで身体を強化していく。
まだ、レヴィ達の固有能力は使わない。この状態で、最上位魔族にどこまで通じるか試してみる。
最終目標は邪神。最上位魔族はあくまで通過点に過ぎないのだから。
まあ、危なかったら躊躇わず固有能力を使わせてもらいますが……
さあ、準備は完了した。いつでもどうぞ。いや、そのままお帰り頂いていいんだけど……
僕が準備を終えたのを確認すると、魔族ハルトムートは僕に向け一直線に突撃してきた。
――速い!!
まるで瞬間移動のような突撃。僕とハルトムートの間に在った距離は一瞬のうちに無くなり、僕の目の前で巨剣を振り下ろすハルトムート。
まるで瞬間移動をしたような錯覚に陥る速さだ。
僕は咄嗟に神盾イジスでその攻撃を受け止める。
金属と金属が激突する凄まじい打撃音が、周り一帯の空気を振るわせる。
その打撃音と共に僕の左手に伝わる途轍もない衝撃。
僕はその衝撃のエネルギーを抑えきる事が出来ず、そのまま大地に向け凄まじい勢いで吹き飛ばされた。
落下の衝撃と共に大地を振るわせるほどの爆発音。
その衝撃で、地上に土煙が舞い上がり僕の視線を遮る。
ダメージは?
……無い。衝撃は凄かったが、攻撃はしっかりと防いでいる。
しかし、あのハルトムートという魔族。凄まじいパワーだ。
とても力比べで勝てる気がしない。まあ、レベル差が40近くあるのだから当然なのかな。
だからと言って、負ける気はないけどね。
僕がレヴィを一振りすると、周りの土煙は一瞬で消え失せ視界がひらける。
「ほお、今のを受けて無傷か、これは楽しめそうだな」
既にハルトムート地上に降り立ち、15メートル程先でニヤリと笑いこちらを見ている。
少し舐められているのかな?
正直それは嬉しくないな。こう見えても一応それなりに死線を超えてきた自信はあるんだよね。
僕はニヤケ顔のハルトムートに視線を固定すると、再びレヴィを構える。
では2回戦といきますか。
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戦場から離れた僕達は、現在ペガサスのベガに乗ってセバスさんの指示の元、新たな戦場に向け移動していた。
この調子なら今日中にあと2カ所くらい戦場を回らされるかもしれない。
セバスさんには妥協という言葉は無いのです。
「次の場所まで、後どれくらいでしょうか?」
『このペースですと、後2時間といったところでしょうか』
んー、微妙に時間が掛かる。
ベガはペガサスの中でもかなりかなり速い。そのベガをして2時間掛かるとなると相当距離が在るように思える。
まあ、慌てても早く着くわけも無いので、ここは先ほどの戦場で消費した魔力の回復をはかろう。大して減っていないけど……
◇ ◇ ◇
そこから移動する事1時間。突然、周辺一帯に濃密な魔力が充満し始める。
これは、以前経験した事がある。
最上位魔族、ジルベルトが現れた時だ。いや、あの時以上か……
『クラウド様!』
「気が付いています。最上位魔族でしょうか?」
『おそらく間違いないかと』
以前倒した最上位魔族ジルベルトはレベル440くらいだったはず。同じ最上位魔族だとすると同等と考えていい。そこに更に邪神覚醒で力が上乗せさえているとすると、どれほどの力なのか……
たぶん、僕と同等かそれ以上に力を付けていても不思議じゃない。全力で戦うべき相手だ。
ベガは既に移動を中止し、周辺を警戒している。
いつどこに現れても不思議じゃない。
そう言えば少し不思議に思う。今日戦った上位魔族のレベルは以前戦った最上位魔族と同等のレベルだったはず。それなのに受ける圧迫感は全く違った。
勿論僕のレベルが上がっているという事もあるだろが、それだけで説明が付かない差を正直感じてしまう。
もしかしたら魔族その者の格のようなモノかもしれない。幾ら邪神覚醒で力がブーストされたとしても、その格の差は埋まらないという事かな。
そして、おそらく、今、僕の前に現れようとしている者は、その格上にあたる最上位魔族であり、そのブースト版だ。
中々厄介な難敵になりそうな予感です。
「まだガキじゃないか。本当にこのガキに俺のところのガイムとジルドが殺られたのか?」
突如後ろから男の声が聞こえる。
咄嗟に振り向くとそこには赤い髪の大男が空中に浮いていた。
漆黒の鎧。刃渡り2メートルはある巨剣。そして赤い目。
――最上位魔族!
その男から凄まじいまでの魔力を感じる。明らかにさっき戦って魔族とは別格だ。
「どちらさまでしょうか?」
分かっていて聞いてみる。
「俺か? 俺はハルトムート、魔族だ。お前が倒したガイムとジルドの上司でもある。今回は、まあなんだ、部下の不始末の尻拭いって所だな」
当然部下の尻拭いとは、僕を殺す事だよね。
既に自分の身長ほどの巨剣を構えて準備万端なようだし。
『セバスさん、あの魔族のレベルは?』
『551で御座います』
レベル的に完全に格上じゃないですか。厄介この上ない事です。
しかも、逃げられるような相手でも無いようだし、ここはやるしか無いようです。
僕は覚悟を決め。ベガを帰還させ風魔法でその場に浮遊すると、魔剣レヴィを構え魔族ハルトムートと相対する。
更に魔力を高め、最大限まで身体を強化していく。
まだ、レヴィ達の固有能力は使わない。この状態で、最上位魔族にどこまで通じるか試してみる。
最終目標は邪神。最上位魔族はあくまで通過点に過ぎないのだから。
まあ、危なかったら躊躇わず固有能力を使わせてもらいますが……
さあ、準備は完了した。いつでもどうぞ。いや、そのままお帰り頂いていいんだけど……
僕が準備を終えたのを確認すると、魔族ハルトムートは僕に向け一直線に突撃してきた。
――速い!!
まるで瞬間移動のような突撃。僕とハルトムートの間に在った距離は一瞬のうちに無くなり、僕の目の前で巨剣を振り下ろすハルトムート。
まるで瞬間移動をしたような錯覚に陥る速さだ。
僕は咄嗟に神盾イジスでその攻撃を受け止める。
金属と金属が激突する凄まじい打撃音が、周り一帯の空気を振るわせる。
その打撃音と共に僕の左手に伝わる途轍もない衝撃。
僕はその衝撃のエネルギーを抑えきる事が出来ず、そのまま大地に向け凄まじい勢いで吹き飛ばされた。
落下の衝撃と共に大地を振るわせるほどの爆発音。
その衝撃で、地上に土煙が舞い上がり僕の視線を遮る。
ダメージは?
……無い。衝撃は凄かったが、攻撃はしっかりと防いでいる。
しかし、あのハルトムートという魔族。凄まじいパワーだ。
とても力比べで勝てる気がしない。まあ、レベル差が40近くあるのだから当然なのかな。
だからと言って、負ける気はないけどね。
僕がレヴィを一振りすると、周りの土煙は一瞬で消え失せ視界がひらける。
「ほお、今のを受けて無傷か、これは楽しめそうだな」
既にハルトムート地上に降り立ち、15メートル程先でニヤリと笑いこちらを見ている。
少し舐められているのかな?
正直それは嬉しくないな。こう見えても一応それなりに死線を超えてきた自信はあるんだよね。
僕はニヤケ顔のハルトムートに視線を固定すると、再びレヴィを構える。
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