60 / 69
第七章
第79話 大天使の戦い
しおりを挟む
ブックマーク&ポイントありがとう御座います。
********************************************
4つの魔法陣から顕現した4柱の熾天使。
赤い魔法陣から現れたのは、紅い鎧を纏った赤髪の美男子。その姿凛々しく、僕なんかよりもよっぽど神様らしい容姿をしている。炎を司り東方を守護する大天使。名はミカエルという。
青い魔法陣から現れたのは、蒼い鎧を纏った青髪の美青年。一瞬女性ではないかと思わせるほどの優美は容姿をしている。水を司り北方を守護する大天使。名をガブリエルという。
緑の魔法陣から現れたのは、碧の鎧を纏った翠髪の美少年。少年とも少女とも思わせる中性的な容姿をした美しい少年の姿をしている。風を司り西方を守護する大天使。名をラファエルという。
黄の魔法陣から現れたのは、淡黄の鎧を纏った金髪の美丈夫。眼光鋭く、精悍な顔立ちはまさに歴戦の英雄という表現が良く似合っている。地を司り南方を守護する大天使。名をウリエルという。
そんな大天使4柱が言葉を発する事無く僕の目の前に跪く。
「殲滅してきてください」
「「「「御意」」」」
僕が命令を発すると、4柱の熾天使は各々の武器を召喚し、凄い勢いで邪神軍に向け飛んで行く。
炎の大天使ミカエルの手には、僕の背丈ほどもある、炎のような真っ赤な色をした大剣が握られている。水の大天使ガブリエルの手には、美しい海を思わせる、蒼氷色の槍が握られている。風の大天使ラファエルの手には、深い森を思わせる深緑色の長弓が握られている。地の大天使ウリエルの手には、金剛鉄のような光を放つ漆黒の大鎚が握られている。
どれもが、強力無比な力を内包しており、パワーアップ前のレヴィ達の力に匹敵するだけの力はあるようだ。知性魔道具ではないが、流石は神器だけの事はある。
さてと、僕はどうするか…… 一緒に戦ってもいいのだけど、あの程度の敵ならば、あの4柱に任せておけばすぐに終わるだろう。なんせあの4柱、全員レベル600オーバーで、半神人化する前の僕の素の状態よりも強いからね。ちなみに能力をフル活用すれば、半神人化する前の僕でもあの4柱より強いからね。これは一応言っとかないと。
そうこう言っているうちに、4柱の大天使たちのよる蹂躙劇が始まったみたいだ。
戦場の至る所で、巨大な火柱や水柱が立ち上がり、更には巨大な竜巻が敵陣を横切り、岩石の嵐が邪神軍に降り注ぐ。それは、邪神軍にとっては、まさに悪夢のような光景だっただろう。
大天使たちが参戦して早々、唯一いた上位魔族はラファエルの長弓により一撃で葬られた。その後も4柱の大天使は、広範囲攻撃魔法を使いながらも、邪神軍の中でも強力な個体を探し出し、優先的に討ち取り、敵の指揮系統を混乱させていく。
指揮官が居なくなった邪神軍は、力だけが強いただの猛獣の集まりとなり、統率された動きが一切出来なくなる。更に、猛獣となった邪神軍の兵は本能にしたがい強者である大天使たちから逃亡を図ろうと一斉に蜘蛛の子を散らすように逃げていく。
だが、4柱の大天使はそれを逃がさない。逃亡を図る魔獣や魔人どもを広範囲攻撃魔法で包み込み、一瞬でその命を奪い、一体たりとも逃がす事が無い。
それはまさに圧倒的な力による蹂躙と言えるだろう。
僕はその光景を見ながら、ブリンテルト王国軍の負傷者たちを回復して回る事にした。
先ほどまで追い詰められていたブリンテルト王国軍の者達は、多くの者が傷を負っており、更に全ての者が疲労困憊で動くのもままならない状態だったからだ。
そこで、僕は神威魔法を戦場全体に掛け、一気にブリンテルト王国軍の兵だけ傷を癒し、疲労を回復させていく。先はどまで、動く事も出来なかった兵達が、神威魔法を使用した後は、まるで戦闘なんて無かったのではないかと思ってしまうほど傷、体力共に完全に回復してしまった。
我ながら、神威魔法はでたらめな魔法だと思う。ただ、流石に死んだ者は生き返らせる事が出来ないのが残念だが。
4柱の熾天使を呼び出してから30分が過ぎた頃、この戦場で、生き残っている邪神軍は一人も居なくなっていた。そして、それとは逆に、4柱の熾天使が呼び出されてからは、ブリンテルト王国軍には損害が殆ど出ていない。まさに、大逆転勝利と言える結果になったのではないだろうか。
「4人ともお疲れ様。もう帰っていいよ」
「「「「御意」」」」
戦闘が終わった戦場で、僕の前に跪く4柱の熾天使。
帰還指示を出すと、4柱の熾天使の周りには再び魔法陣が浮かび上がり、そのまま魔法陣の中に消えて行った。
周囲にはもう、魔族も魔人も魔獣も一切気配を感じない。一言で言えば邪神軍は言葉通り全滅したのだ。流石は4柱も熾天使を召喚しただけの事はある。この程度の相手に過剰戦力だったかもしれない。まあ、今回の場合は、ブリンテルト王国軍の被害を最小限に抑える為には仕方なかったから、これで正解なんだろうけど。
さてと、取り敢えずこれで戦闘も一旦終わった事だし、一度クラウディアさんやローレンツさん達と合流しないとね。
僕は戦場跡一度見回すと、クラウディアさんの魔力の元に転移した。
************************************************
最後までお読みいただき、ありがとうございます。
ブックマークや評価ポイントを頂けると、とても励みになります。
********************************************
4つの魔法陣から顕現した4柱の熾天使。
赤い魔法陣から現れたのは、紅い鎧を纏った赤髪の美男子。その姿凛々しく、僕なんかよりもよっぽど神様らしい容姿をしている。炎を司り東方を守護する大天使。名はミカエルという。
青い魔法陣から現れたのは、蒼い鎧を纏った青髪の美青年。一瞬女性ではないかと思わせるほどの優美は容姿をしている。水を司り北方を守護する大天使。名をガブリエルという。
緑の魔法陣から現れたのは、碧の鎧を纏った翠髪の美少年。少年とも少女とも思わせる中性的な容姿をした美しい少年の姿をしている。風を司り西方を守護する大天使。名をラファエルという。
黄の魔法陣から現れたのは、淡黄の鎧を纏った金髪の美丈夫。眼光鋭く、精悍な顔立ちはまさに歴戦の英雄という表現が良く似合っている。地を司り南方を守護する大天使。名をウリエルという。
そんな大天使4柱が言葉を発する事無く僕の目の前に跪く。
「殲滅してきてください」
「「「「御意」」」」
僕が命令を発すると、4柱の熾天使は各々の武器を召喚し、凄い勢いで邪神軍に向け飛んで行く。
炎の大天使ミカエルの手には、僕の背丈ほどもある、炎のような真っ赤な色をした大剣が握られている。水の大天使ガブリエルの手には、美しい海を思わせる、蒼氷色の槍が握られている。風の大天使ラファエルの手には、深い森を思わせる深緑色の長弓が握られている。地の大天使ウリエルの手には、金剛鉄のような光を放つ漆黒の大鎚が握られている。
どれもが、強力無比な力を内包しており、パワーアップ前のレヴィ達の力に匹敵するだけの力はあるようだ。知性魔道具ではないが、流石は神器だけの事はある。
さてと、僕はどうするか…… 一緒に戦ってもいいのだけど、あの程度の敵ならば、あの4柱に任せておけばすぐに終わるだろう。なんせあの4柱、全員レベル600オーバーで、半神人化する前の僕の素の状態よりも強いからね。ちなみに能力をフル活用すれば、半神人化する前の僕でもあの4柱より強いからね。これは一応言っとかないと。
そうこう言っているうちに、4柱の大天使たちのよる蹂躙劇が始まったみたいだ。
戦場の至る所で、巨大な火柱や水柱が立ち上がり、更には巨大な竜巻が敵陣を横切り、岩石の嵐が邪神軍に降り注ぐ。それは、邪神軍にとっては、まさに悪夢のような光景だっただろう。
大天使たちが参戦して早々、唯一いた上位魔族はラファエルの長弓により一撃で葬られた。その後も4柱の大天使は、広範囲攻撃魔法を使いながらも、邪神軍の中でも強力な個体を探し出し、優先的に討ち取り、敵の指揮系統を混乱させていく。
指揮官が居なくなった邪神軍は、力だけが強いただの猛獣の集まりとなり、統率された動きが一切出来なくなる。更に、猛獣となった邪神軍の兵は本能にしたがい強者である大天使たちから逃亡を図ろうと一斉に蜘蛛の子を散らすように逃げていく。
だが、4柱の大天使はそれを逃がさない。逃亡を図る魔獣や魔人どもを広範囲攻撃魔法で包み込み、一瞬でその命を奪い、一体たりとも逃がす事が無い。
それはまさに圧倒的な力による蹂躙と言えるだろう。
僕はその光景を見ながら、ブリンテルト王国軍の負傷者たちを回復して回る事にした。
先ほどまで追い詰められていたブリンテルト王国軍の者達は、多くの者が傷を負っており、更に全ての者が疲労困憊で動くのもままならない状態だったからだ。
そこで、僕は神威魔法を戦場全体に掛け、一気にブリンテルト王国軍の兵だけ傷を癒し、疲労を回復させていく。先はどまで、動く事も出来なかった兵達が、神威魔法を使用した後は、まるで戦闘なんて無かったのではないかと思ってしまうほど傷、体力共に完全に回復してしまった。
我ながら、神威魔法はでたらめな魔法だと思う。ただ、流石に死んだ者は生き返らせる事が出来ないのが残念だが。
4柱の熾天使を呼び出してから30分が過ぎた頃、この戦場で、生き残っている邪神軍は一人も居なくなっていた。そして、それとは逆に、4柱の熾天使が呼び出されてからは、ブリンテルト王国軍には損害が殆ど出ていない。まさに、大逆転勝利と言える結果になったのではないだろうか。
「4人ともお疲れ様。もう帰っていいよ」
「「「「御意」」」」
戦闘が終わった戦場で、僕の前に跪く4柱の熾天使。
帰還指示を出すと、4柱の熾天使の周りには再び魔法陣が浮かび上がり、そのまま魔法陣の中に消えて行った。
周囲にはもう、魔族も魔人も魔獣も一切気配を感じない。一言で言えば邪神軍は言葉通り全滅したのだ。流石は4柱も熾天使を召喚しただけの事はある。この程度の相手に過剰戦力だったかもしれない。まあ、今回の場合は、ブリンテルト王国軍の被害を最小限に抑える為には仕方なかったから、これで正解なんだろうけど。
さてと、取り敢えずこれで戦闘も一旦終わった事だし、一度クラウディアさんやローレンツさん達と合流しないとね。
僕は戦場跡一度見回すと、クラウディアさんの魔力の元に転移した。
************************************************
最後までお読みいただき、ありがとうございます。
ブックマークや評価ポイントを頂けると、とても励みになります。
0
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
私が王子との結婚式の日に、妹に毒を盛られ、公衆の面前で辱められた。でも今、私は時を戻し、運命を変えに来た。
MayonakaTsuki
恋愛
王子との結婚式の日、私は最も信頼していた人物――自分の妹――に裏切られた。毒を盛られ、公開の場で辱められ、未来の王に拒絶され、私の人生は血と侮辱の中でそこで終わったかのように思えた。しかし、死が私を迎えたとき、不可能なことが起きた――私は同じ回廊で、祭壇の前で目を覚まし、あらゆる涙、嘘、そして一撃の記憶をそのまま覚えていた。今、二度目のチャンスを得た私は、ただ一つの使命を持つ――真実を突き止め、奪われたものを取り戻し、私を破滅させた者たちにその代償を払わせる。もはや、何も以前のままではない。何も許されない。
(完結)醜くなった花嫁の末路「どうぞ、お笑いください。元旦那様」
音爽(ネソウ)
ファンタジー
容姿が気に入らないと白い結婚を強いられた妻。
本邸から追い出されはしなかったが、夫は離れに愛人を囲い顔さえ見せない。
しかし、3年と待たず離縁が決定する事態に。そして元夫の家は……。
*6月18日HOTランキング入りしました、ありがとうございます。
裏切られ続けた負け犬。25年前に戻ったので人生をやり直す。当然、裏切られた礼はするけどね
竹井ゴールド
ファンタジー
冒険者ギルドの雑用として働く隻腕義足の中年、カーターは裏切られ続ける人生を送っていた。
元々は食堂の息子という人並みの平民だったが、
王族の継承争いに巻き込まれてアドの街の毒茸流布騒動でコックの父親が毒茸の味見で死に。
代わって雇った料理人が裏切って金を持ち逃げ。
父親の親友が融資を持ち掛けるも平然と裏切って借金の返済の為に母親と妹を娼館へと売り。
カーターが冒険者として金を稼ぐも、後輩がカーターの幼馴染に横恋慕してスタンピードの最中に裏切ってカーターは片腕と片足を損失。カーターを持ち上げていたギルマスも裏切り、幼馴染も去って後輩とくっつく。
その後は負け犬人生で冒険者ギルドの雑用として細々と暮らしていたのだが。
ある日、人ならざる存在が話しかけてきた。
「この世界は滅びに進んでいる。是正しなければならない。手を貸すように」
そして気付けは25年前の15歳にカーターは戻っており、二回目の人生をやり直すのだった。
もちろん、裏切ってくれた連中への返礼と共に。
敵に貞操を奪われて癒しの力を失うはずだった聖女ですが、なぜか前より漲っています
藤谷 要
恋愛
サルサン国の聖女たちは、隣国に征服される際に自国の王の命で殺されそうになった。ところが、侵略軍将帥のマトルヘル侯爵に助けられた。それから聖女たちは侵略国に仕えるようになったが、一か月後に筆頭聖女だったルミネラは命の恩人の侯爵へ嫁ぐように国王から命じられる。
結婚披露宴では、陛下に側妃として嫁いだ旧サルサン国王女が出席していたが、彼女は侯爵に腕を絡めて「陛下の手がつかなかったら一年後に妻にしてほしい」と頼んでいた。しかも、侯爵はその手を振り払いもしない。
聖女は愛のない交わりで神の加護を失うとされているので、当然白い結婚だと思っていたが、初夜に侯爵のメイアスから体の関係を迫られる。彼は命の恩人だったので、ルミネラはそのまま彼を受け入れた。
侯爵がかつての恋人に似ていたとはいえ、侯爵と孤児だった彼は全く別人。愛のない交わりだったので、当然力を失うと思っていたが、なぜか以前よりも力が漲っていた。
※全11話 2万字程度の話です。
お飾りの妻として嫁いだけど、不要な妻は出ていきます
菻莅❝りんり❞
ファンタジー
貴族らしい貴族の両親に、売られるように愛人を本邸に住まわせている其なりの爵位のある貴族に嫁いだ。
嫁ぎ先で私は、お飾りの妻として別棟に押し込まれ、使用人も付けてもらえず、初夜もなし。
「居なくていいなら、出ていこう」
この先結婚はできなくなるけど、このまま一生涯過ごすよりまし
【完結】捨て去られた王妃は王宮で働く
ここ
ファンタジー
たしかに私は王妃になった。
5歳の頃に婚約が決まり、逃げようがなかった。完全なる政略結婚。
夫である国王陛下は、ハーレムで浮かれている。政務は王妃が行っていいらしい。私は仕事は得意だ。家臣たちが追いつけないほど、理解が早く、正確らしい。家臣たちは、王妃がいないと困るようになった。何とかしなければ…
戦場帰りの俺が隠居しようとしたら、最強の美少女たちに囲まれて逃げ場がなくなった件
さん
ファンタジー
戦場で命を削り、帝国最強部隊を率いた男――ラル。
数々の激戦を生き抜き、任務を終えた彼は、
今は辺境の地に建てられた静かな屋敷で、
わずかな安寧を求めて暮らしている……はずだった。
彼のそばには、かつて命を懸けて彼を支えた、最強の少女たち。
それぞれの立場で戦い、支え、尽くしてきた――ただ、すべてはラルのために。
今では彼の屋敷に集い、仕え、そして溺愛している。
「ラルさまさえいれば、わたくしは他に何もいりませんわ!」
「ラル様…私だけを見ていてください。誰よりも、ずっとずっと……」
「ねぇラル君、その人の名前……まだ覚えてるの?」
「ラル、そんなに気にしなくていいよ!ミアがいるから大丈夫だよねっ!」
命がけの戦場より、ヒロインたちの“甘くて圧が強い愛情”のほうが数倍キケン!?
順番待ちの寝床争奪戦、過去の恋の追及、圧バトル修羅場――
ラルの平穏な日常は、最強で一途な彼女たちに包囲されて崩壊寸前。
これは――
【過去の傷を背負い静かに生きようとする男】と
【彼を神のように慕う最強少女たち】が織りなす、
“甘くて逃げ場のない生活”の物語。
――戦場よりも生き延びるのが難しいのは、愛されすぎる日常だった。
※表紙のキャラはエリスのイメージ画です。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる