僕の装備は最強だけど自由過ぎる

丸瀬 浩玄

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第七章

第79話 大天使の戦い

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 4つの魔法陣から顕現した4柱の熾天使セラフ

 赤い魔法陣から現れたのは、紅い鎧を纏った赤髪の美男子。その姿凛々しく、僕なんかよりもよっぽど神様らしい容姿をしている。炎を司り東方を守護する大天使。名はミカエルという。
 
 青い魔法陣から現れたのは、蒼い鎧を纏った青髪の美青年。一瞬女性ではないかと思わせるほどの優美は容姿をしている。水を司り北方を守護する大天使。名をガブリエルという。

 緑の魔法陣から現れたのは、碧の鎧を纏った翠髪の美少年。少年とも少女とも思わせる中性的な容姿をした美しい少年の姿をしている。風を司り西方を守護する大天使。名をラファエルという。

 黄の魔法陣から現れたのは、淡黄の鎧を纏った金髪の美丈夫。眼光鋭く、精悍な顔立ちはまさに歴戦の英雄という表現が良く似合っている。地を司り南方を守護する大天使。名をウリエルという。

 そんな大天使4柱が言葉を発する事無く僕の目の前に跪く。


「殲滅してきてください」

「「「「御意」」」」

 僕が命令を発すると、4柱の熾天使セラフは各々の武器を召喚し、凄い勢いで邪神軍に向け飛んで行く。

 炎の大天使ミカエルの手には、僕の背丈ほどもある、炎のような真っ赤な色をした大剣が握られている。水の大天使ガブリエルの手には、美しい海を思わせる、蒼氷色アイスブルーの槍が握られている。風の大天使ラファエルの手には、深い森を思わせる深緑色の長弓が握られている。地の大天使ウリエルの手には、金剛鉄アダマンタイトのような光を放つ漆黒の大鎚が握られている。

 どれもが、強力無比な力を内包しており、パワーアップ前のレヴィ達の力に匹敵するだけの力はあるようだ。知性魔道具インテリジェンスアイテムではないが、流石は神器セイクリッドアイテムだけの事はある。


 さてと、僕はどうするか…… 一緒に戦ってもいいのだけど、あの程度の敵ならば、あの4柱に任せておけばすぐに終わるだろう。なんせあの4柱、全員レベル600オーバーで、半神人デミゴッド化する前の僕の素の状態よりも強いからね。ちなみに能力をフル活用すれば、半神人デミゴッド化する前の僕でもあの4柱より強いからね。これは一応言っとかないと。

 そうこう言っているうちに、4柱の大天使たちのよる蹂躙劇が始まったみたいだ。

 戦場の至る所で、巨大な火柱や水柱が立ち上がり、更には巨大な竜巻が敵陣を横切り、岩石の嵐が邪神軍に降り注ぐ。それは、邪神軍にとっては、まさに悪夢のような光景だっただろう。

 大天使たちが参戦して早々、唯一いた上位魔族はラファエルの長弓により一撃で葬られた。その後も4柱の大天使は、広範囲攻撃魔法を使いながらも、邪神軍の中でも強力な個体を探し出し、優先的に討ち取り、敵の指揮系統を混乱させていく。

 指揮官が居なくなった邪神軍は、力だけが強いただの猛獣の集まりとなり、統率された動きが一切出来なくなる。更に、猛獣となった邪神軍の兵は本能にしたがい強者である大天使たちから逃亡を図ろうと一斉に蜘蛛の子を散らすように逃げていく。
 
 だが、4柱の大天使はそれを逃がさない。逃亡を図る魔獣や魔人どもを広範囲攻撃魔法で包み込み、一瞬でその命を奪い、一体たりとも逃がす事が無い。

 それはまさに圧倒的な力による蹂躙と言えるだろう。

 僕はその光景を見ながら、ブリンテルト王国軍の負傷者たちを回復して回る事にした。

 先ほどまで追い詰められていたブリンテルト王国軍の者達は、多くの者が傷を負っており、更に全ての者が疲労困憊で動くのもままならない状態だったからだ。

 そこで、僕は神威魔法を戦場全体に掛け、一気にブリンテルト王国軍の兵だけ傷を癒し、疲労を回復させていく。先はどまで、動く事も出来なかった兵達が、神威魔法を使用した後は、まるで戦闘なんて無かったのではないかと思ってしまうほど傷、体力共に完全に回復してしまった。

 我ながら、神威魔法はでたらめな魔法だと思う。ただ、流石に死んだ者は生き返らせる事が出来ないのが残念だが。

 
 

 4柱の熾天使セラフを呼び出してから30分が過ぎた頃、この戦場で、生き残っている邪神軍は一人も居なくなっていた。そして、それとは逆に、4柱の熾天使セラフが呼び出されてからは、ブリンテルト王国軍には損害が殆ど出ていない。まさに、大逆転勝利と言える結果になったのではないだろうか。


「4人ともお疲れ様。もう帰っていいよ」

「「「「御意」」」」

 戦闘が終わった戦場で、僕の前に跪く4柱の熾天使セラフ

 帰還指示を出すと、4柱の熾天使セラフの周りには再び魔法陣が浮かび上がり、そのまま魔法陣の中に消えて行った。

 周囲にはもう、魔族も魔人も魔獣も一切気配を感じない。一言で言えば邪神軍は言葉通り全滅したのだ。流石は4柱も熾天使セラフを召喚しただけの事はある。この程度の相手に過剰戦力だったかもしれない。まあ、今回の場合は、ブリンテルト王国軍の被害を最小限に抑える為には仕方なかったから、これで正解なんだろうけど。

 さてと、取り敢えずこれで戦闘も一旦終わった事だし、一度クラウディアさんやローレンツさん達と合流しないとね。

 
 僕は戦場跡一度見回すと、クラウディアさんの魔力の元に転移した。
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