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第一部
ご覧あれ! 電撃アトラクション!(1)
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『電信柱のGは4番地に逃走中。平日の昼間から堂々と公園でいちゃついていたバカップル2組が、巻き込まれて感電死した模様』
「ブワハハッ! ザマアミロっての!」
「せんぺえマジ最低っす。てか4番地に逃走って……電信柱に足でも生えてんすか?」
『あー確認します。……柱から黒い足が6本生えてます。あと柱の頂点からぶら下がっている2本の電線で民間人を攻撃していますね』
「モノホンのGじゃん」
「っすね」
俺と影本くんは建物の屋上を伝いながら4番地に進路を変更した。……訂正しよう。Pを使って俺を背負いながら建物の屋上やら屋根の上を跳ねている影本くんが、4番地に進路を変更した。俺は優雅に影本くんに運んでもらっているだけだ。さながら、ワニの上でクルージングを堪能するダイサギのように。
「ほんと、お荷物すぎて笑えないっすわ」
影本くんから辛辣なセリフが飛んでくる。グサッ! 良い音を立てて俺の胸を貫いた。
「う、うるせぇ! 道路をスタコラ走ってたら時間がかかるしその間に被害も広がるんだよ!」
「つか先輩重すぎるんですけど。太りました?」
「太ってねえし! 全部武器だし!」
影本くんの失礼な物言いに、俺はしっかりと反論させていただく。前述の通り俺の背中には馬鹿でかいリュック(手榴弾からマシンガンまでその他もろもろが入っている)と、右肩にはロケットランチャーが引っ提げてあった。さすがにこんな物騒な装備で街中をうろつけば、Gより先に俺が通報される。あと重くて疲れる。
ぐりんっと70度ほど方向転換した影本くんにしっかり捕まりながら、俺は前面から圧をかけてくる風に抗うように声を張り上げた。
「現場に着いたら影本くんのPでゴキブリの足を止めてくれ! その間に俺がゴキブリを駆除する!」
「せんぺえ、ゴキブリじゃなくて電信柱のGです」
「結局ゴキブリじゃねえか!」
ゴキブリか否か。くだらない口論を挟んだ直後、影本くんは、
「……なんで俺がせんぺえの補佐なんすか。俺が前面切って戦う方が安全でしょ」
不服そうに意見を述べた。まあP保持者の影本くんと一般ピーポーの俺とじゃあ、役割は完全に逆の方が合っているだろう。しかしながら、影本くんにはたいへん申し訳ないが、俺にとっては補佐に回ってくれる方が都合が良かった。
「だって影本くん、200キロ以下の物質しか自由に操作できないじゃん」
俺の指摘に、見知らぬ他人の家やビルを跳ねる影山くんは、遺憾ですと言わんばかりの表情でチラリとこちらを振り返った。おお怖い。彼の目が語っている。「殺すぞ」と。でも仕方ないだろう? 電信柱なんて1番軽いものでも最低500キロはあるんだから。直接本体を叩けないなら、高火力の武器を携帯している俺が、前線に立つしかない。
「影本くんくんがその辺の車やらガードレールやら使って電柱にぶつけ、足を止める。その隙に俺が武器でGの本体を削りながら破壊する。効率的だろ」
と、俺は影本に説いてみるが、影本くんは納得できないらしく、ギリリと奥歯を噛み締めていた。まあ気持ちは分からんでもない。公安局の地獄のような実施試験を血反吐を吐きながら通過し、やっとの思いで手に入れたPの能力を一般ピーポの俺のアシスタントに使うなんて。若さゆえのプライドがフルボッコ。
それに……、
「──せんぺえが危ないでしょ」
ボソリ、小さな声で影本くんが呟いた。こう見えて彼はとても優しいのだ。愛しの恋人のユキくんとは天と地、月とスッポン並みに差があるが、俺の身の安全を心配してくれる気持ちは純粋に嬉しい。
俺は影本くんに力一杯しがみついた。大丈夫だぞ、という気持ちを込めて。影本くんは「グエッ、苦しいわボケ!」と照れ隠し……ではなく普通に罵倒してきたが。
「……ほらほら、ゴキブリさんがお見えだぞ」
そんなことをしているうちに4番地が目前に迫る。ナナフシのようにスマートなゴキブリが、そこにはいた。
電信柱(G)は4番地のありとあらゆる建物に追突しながら、触覚……ではなく電線を振り回して逃げ遅れた民間人を感電させていた。テレポートのPたちが救助に勤しんでいるが、電信柱(G)の足が速いせいで避難が追いついていないようだ。
俺は200メートルほど離れた位置にある、5階建てのビルの屋上に降ろしてもらい、リュックからゴム手袋を取り出して装着した。
「んじゃ影本くん、足止めは任せた!」
まだ頬を膨らませて不満を表現する影本くんにウィンクを飛ばして、俺はパルクールのように屋上から屋上へとえいやこら移動して、ターゲットへ近づいた。目測50メートルくらいまで近づいたところで、俺はビルの一階、パブの前に人影を見つけた。ジジイだ。一升瓶から酒を直飲みしている。あれは鬼殺しではないか。美味そうだな……。
「って、いや何してんの!? ジジイィィィ! 今すぐ逃げろぉ!」
俺はジジイに避難するよう促した。しかし酔っ払ったジジイはこの世のルールが通用しない。
「あぁあん? なんだってえ? ひっく、イルカショーが始まるってか?」
「耳ぶっ壊れてんのかジジイ! 避難しろって言ってんだよ! ひ! な! ん! Gがすぐそこに居るのぉ!」
「えひっくっ。ゴキブリなんて、俺が新聞紙でチョチョイと潰してやるよぉ」
「そりゃ頼もしいねえ! でもジジイにはちょっと大きすぎて無理かな!?」
このままじゃ埒があかない。俺はインカムのスイッチを入れた。
「鬼頭くん聞こえる!? こちら4番地10-2! ジジイが逃げ遅れてるから救助求む!」
俺はテレポートのP、鬼頭くんに助けを求めた。ピッ、イヤホンに返答が入る。
『寝子山先輩すみません! じつは今幼稚園の建物が損壊してまして、巻き込まれた園児の救助に当たっているため僕は動けません! ジジイはそちらで対処願います!』
「うそーん!」
なんてこったい! 俺は頭を抱えてその場に膝をついた。どうする……、もう面倒だからジジイを見捨てるか……?
「……って、公安局の職員がそんなこと考えちゃならねえんだわ!」
俺は再びインカムのスイッチを入れた。発信先は、俺の言いつけを守り健気にフェ○ーリやらランボ○ギーニやらを電信柱(G)の足に飛ばしている影本くんだ。
「影本くーん! Gの足止めは一旦中止! 4番地10-2まで来てくれたまえ!」
ピッ。返答が入る。
『は? 何なんすか急に』
「呑んだくれのジジイが逃げ遅れてんだわ! だから救助してあげてー!」
『いや諦めてジジイはウェルダンにしてしまえばいいでしょ』
「はい公安局の職員として失格発言です! 俺がGを3番地まで押し戻すから、影本くんはジジイの救助たのんだよーん!」
『ちょ、せんぺえ、まって……』
ブチっ。一方的に告げて連絡を断つ。直後、影山くんから怒涛の無線が入るが、俺は全てを無視してGから僅か30メートル付近の位置を陣取った。そしてリュックから手榴弾をしこたま取り出し、スマートなGの右脚に向けて投げつける。
ドンドンドンッ!
けたたましい爆発音と共に、電信柱(G)は右脚を2本失い重心をよろめかせて、3階建てのビルに突っ込んだ。スマートでひょろ長くバランスの取りにくい体が逆手に取られた瞬間だ。
「やりぃ!」
次に肩にぶら下げてあったロケットランチャーを構える。左脚も潰させていただくぜ。……と、思ったのだが、ゴリブリよろしくGの生命力と逃避本能は凄まじい。電信柱(G)は残った脚で俺に真正面から突っ込んできた。右脚の1つを潰された恨みか、触覚……ではなく電線をブンブン振り回している。バチバチと嫌な音を立てる電線の1つが俺に向かって振り落とされた。
「あらまぁなんということでしょう!?」
俺は間一髪で触覚を避けた。ゴム手袋という神器を装着した手で受け止める、という手段もあったが、避けて正解だった。だって電線が地面にめり込んでいるもの。受け止めていたら俺の頭が2つに割れていたね。
「あー!!! 往生際が悪いねぇ! ゴキブリの分際でよお!」
俺は再度ロケットランチャーを構えて、電信柱(G)の支柱のど真ん中にお見舞いした。ドガシャン! 派手な音を立てて電信柱(G)は腰が真っ二つに折れる。なんと!? 火薬の威力はまっことに素晴らしい!! 酔っ払いのジジイの世話をしているP(影本くん)なんかよりも役に立つのでは!? と、そこまで上手くいくはずもなく。Gは残った上半身と触覚……ではなくて! 電線を鞭のように俺に振り下ろした。
「生言ってすんません自意識過剰でした! そりゃ上手くいくわけないわな!」
まあ一般ピーポーがPの能力を上回る行動ができるはずもなく、俺は無我夢中といった様子で電線を振り回すGの猛攻をひたすらに避けていた。一発でも当たれば骨が砕ける、もしくは、ウェルダンコースだ。
「ええいやけくそじゃい!」
俺は右腕に装着していたワイヤーガンを隣の7階建てのビルの屋上に向けて発射した。うまくワイヤーの先の鉤爪が屋上の縁に引っかかったようで、ピンっとワイヤーに張りが伝わる。Gの触覚攻撃を交わしながら俺はビルから飛び降り、振り子の原理で別のビル、4階建ての屋上に移動する。Gからは50メートル距離を取れた。まあ及第点だろう。
「さあ、最後の大詰めと行きますか」
「ブワハハッ! ザマアミロっての!」
「せんぺえマジ最低っす。てか4番地に逃走って……電信柱に足でも生えてんすか?」
『あー確認します。……柱から黒い足が6本生えてます。あと柱の頂点からぶら下がっている2本の電線で民間人を攻撃していますね』
「モノホンのGじゃん」
「っすね」
俺と影本くんは建物の屋上を伝いながら4番地に進路を変更した。……訂正しよう。Pを使って俺を背負いながら建物の屋上やら屋根の上を跳ねている影本くんが、4番地に進路を変更した。俺は優雅に影本くんに運んでもらっているだけだ。さながら、ワニの上でクルージングを堪能するダイサギのように。
「ほんと、お荷物すぎて笑えないっすわ」
影本くんから辛辣なセリフが飛んでくる。グサッ! 良い音を立てて俺の胸を貫いた。
「う、うるせぇ! 道路をスタコラ走ってたら時間がかかるしその間に被害も広がるんだよ!」
「つか先輩重すぎるんですけど。太りました?」
「太ってねえし! 全部武器だし!」
影本くんの失礼な物言いに、俺はしっかりと反論させていただく。前述の通り俺の背中には馬鹿でかいリュック(手榴弾からマシンガンまでその他もろもろが入っている)と、右肩にはロケットランチャーが引っ提げてあった。さすがにこんな物騒な装備で街中をうろつけば、Gより先に俺が通報される。あと重くて疲れる。
ぐりんっと70度ほど方向転換した影本くんにしっかり捕まりながら、俺は前面から圧をかけてくる風に抗うように声を張り上げた。
「現場に着いたら影本くんのPでゴキブリの足を止めてくれ! その間に俺がゴキブリを駆除する!」
「せんぺえ、ゴキブリじゃなくて電信柱のGです」
「結局ゴキブリじゃねえか!」
ゴキブリか否か。くだらない口論を挟んだ直後、影本くんは、
「……なんで俺がせんぺえの補佐なんすか。俺が前面切って戦う方が安全でしょ」
不服そうに意見を述べた。まあP保持者の影本くんと一般ピーポーの俺とじゃあ、役割は完全に逆の方が合っているだろう。しかしながら、影本くんにはたいへん申し訳ないが、俺にとっては補佐に回ってくれる方が都合が良かった。
「だって影本くん、200キロ以下の物質しか自由に操作できないじゃん」
俺の指摘に、見知らぬ他人の家やビルを跳ねる影山くんは、遺憾ですと言わんばかりの表情でチラリとこちらを振り返った。おお怖い。彼の目が語っている。「殺すぞ」と。でも仕方ないだろう? 電信柱なんて1番軽いものでも最低500キロはあるんだから。直接本体を叩けないなら、高火力の武器を携帯している俺が、前線に立つしかない。
「影本くんくんがその辺の車やらガードレールやら使って電柱にぶつけ、足を止める。その隙に俺が武器でGの本体を削りながら破壊する。効率的だろ」
と、俺は影本に説いてみるが、影本くんは納得できないらしく、ギリリと奥歯を噛み締めていた。まあ気持ちは分からんでもない。公安局の地獄のような実施試験を血反吐を吐きながら通過し、やっとの思いで手に入れたPの能力を一般ピーポの俺のアシスタントに使うなんて。若さゆえのプライドがフルボッコ。
それに……、
「──せんぺえが危ないでしょ」
ボソリ、小さな声で影本くんが呟いた。こう見えて彼はとても優しいのだ。愛しの恋人のユキくんとは天と地、月とスッポン並みに差があるが、俺の身の安全を心配してくれる気持ちは純粋に嬉しい。
俺は影本くんに力一杯しがみついた。大丈夫だぞ、という気持ちを込めて。影本くんは「グエッ、苦しいわボケ!」と照れ隠し……ではなく普通に罵倒してきたが。
「……ほらほら、ゴキブリさんがお見えだぞ」
そんなことをしているうちに4番地が目前に迫る。ナナフシのようにスマートなゴキブリが、そこにはいた。
電信柱(G)は4番地のありとあらゆる建物に追突しながら、触覚……ではなく電線を振り回して逃げ遅れた民間人を感電させていた。テレポートのPたちが救助に勤しんでいるが、電信柱(G)の足が速いせいで避難が追いついていないようだ。
俺は200メートルほど離れた位置にある、5階建てのビルの屋上に降ろしてもらい、リュックからゴム手袋を取り出して装着した。
「んじゃ影本くん、足止めは任せた!」
まだ頬を膨らませて不満を表現する影本くんにウィンクを飛ばして、俺はパルクールのように屋上から屋上へとえいやこら移動して、ターゲットへ近づいた。目測50メートルくらいまで近づいたところで、俺はビルの一階、パブの前に人影を見つけた。ジジイだ。一升瓶から酒を直飲みしている。あれは鬼殺しではないか。美味そうだな……。
「って、いや何してんの!? ジジイィィィ! 今すぐ逃げろぉ!」
俺はジジイに避難するよう促した。しかし酔っ払ったジジイはこの世のルールが通用しない。
「あぁあん? なんだってえ? ひっく、イルカショーが始まるってか?」
「耳ぶっ壊れてんのかジジイ! 避難しろって言ってんだよ! ひ! な! ん! Gがすぐそこに居るのぉ!」
「えひっくっ。ゴキブリなんて、俺が新聞紙でチョチョイと潰してやるよぉ」
「そりゃ頼もしいねえ! でもジジイにはちょっと大きすぎて無理かな!?」
このままじゃ埒があかない。俺はインカムのスイッチを入れた。
「鬼頭くん聞こえる!? こちら4番地10-2! ジジイが逃げ遅れてるから救助求む!」
俺はテレポートのP、鬼頭くんに助けを求めた。ピッ、イヤホンに返答が入る。
『寝子山先輩すみません! じつは今幼稚園の建物が損壊してまして、巻き込まれた園児の救助に当たっているため僕は動けません! ジジイはそちらで対処願います!』
「うそーん!」
なんてこったい! 俺は頭を抱えてその場に膝をついた。どうする……、もう面倒だからジジイを見捨てるか……?
「……って、公安局の職員がそんなこと考えちゃならねえんだわ!」
俺は再びインカムのスイッチを入れた。発信先は、俺の言いつけを守り健気にフェ○ーリやらランボ○ギーニやらを電信柱(G)の足に飛ばしている影本くんだ。
「影本くーん! Gの足止めは一旦中止! 4番地10-2まで来てくれたまえ!」
ピッ。返答が入る。
『は? 何なんすか急に』
「呑んだくれのジジイが逃げ遅れてんだわ! だから救助してあげてー!」
『いや諦めてジジイはウェルダンにしてしまえばいいでしょ』
「はい公安局の職員として失格発言です! 俺がGを3番地まで押し戻すから、影本くんはジジイの救助たのんだよーん!」
『ちょ、せんぺえ、まって……』
ブチっ。一方的に告げて連絡を断つ。直後、影山くんから怒涛の無線が入るが、俺は全てを無視してGから僅か30メートル付近の位置を陣取った。そしてリュックから手榴弾をしこたま取り出し、スマートなGの右脚に向けて投げつける。
ドンドンドンッ!
けたたましい爆発音と共に、電信柱(G)は右脚を2本失い重心をよろめかせて、3階建てのビルに突っ込んだ。スマートでひょろ長くバランスの取りにくい体が逆手に取られた瞬間だ。
「やりぃ!」
次に肩にぶら下げてあったロケットランチャーを構える。左脚も潰させていただくぜ。……と、思ったのだが、ゴリブリよろしくGの生命力と逃避本能は凄まじい。電信柱(G)は残った脚で俺に真正面から突っ込んできた。右脚の1つを潰された恨みか、触覚……ではなく電線をブンブン振り回している。バチバチと嫌な音を立てる電線の1つが俺に向かって振り落とされた。
「あらまぁなんということでしょう!?」
俺は間一髪で触覚を避けた。ゴム手袋という神器を装着した手で受け止める、という手段もあったが、避けて正解だった。だって電線が地面にめり込んでいるもの。受け止めていたら俺の頭が2つに割れていたね。
「あー!!! 往生際が悪いねぇ! ゴキブリの分際でよお!」
俺は再度ロケットランチャーを構えて、電信柱(G)の支柱のど真ん中にお見舞いした。ドガシャン! 派手な音を立てて電信柱(G)は腰が真っ二つに折れる。なんと!? 火薬の威力はまっことに素晴らしい!! 酔っ払いのジジイの世話をしているP(影本くん)なんかよりも役に立つのでは!? と、そこまで上手くいくはずもなく。Gは残った上半身と触覚……ではなくて! 電線を鞭のように俺に振り下ろした。
「生言ってすんません自意識過剰でした! そりゃ上手くいくわけないわな!」
まあ一般ピーポーがPの能力を上回る行動ができるはずもなく、俺は無我夢中といった様子で電線を振り回すGの猛攻をひたすらに避けていた。一発でも当たれば骨が砕ける、もしくは、ウェルダンコースだ。
「ええいやけくそじゃい!」
俺は右腕に装着していたワイヤーガンを隣の7階建てのビルの屋上に向けて発射した。うまくワイヤーの先の鉤爪が屋上の縁に引っかかったようで、ピンっとワイヤーに張りが伝わる。Gの触覚攻撃を交わしながら俺はビルから飛び降り、振り子の原理で別のビル、4階建ての屋上に移動する。Gからは50メートル距離を取れた。まあ及第点だろう。
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