美少女の顔に触りたい、月曜日

睡眠丸

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第三章 多々良さんと金曜日

多々良さんとお部屋(1)

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 メールが来ていた。

『五分以内に来て
 ついでにアイス買ってきて』

 図書室から二日後、金曜日の事である。
 
 クラブ活動をしていない僕は、図書委員の用事がないとき、相当早く帰ることができる。特に金曜日は授業がいつもより一時限少ないため、日がまだ暮れていない時間に校門を堂々と出ることができる。

 ただ今の時間は三時。すべての授業が終わった時間である。
 
 自転車を圧倒的な勢いでこぎながら、メールの主に会いに行くことにした。
 さすが夏である。六月であるにも関わらず、汗が止まらない。この僕の滑稽な様子に、死んだセミさえも笑っている。
 
 零れ落ちる汗をそのままに、インターホンを押せば

「ちょっと待って」

 と声が返された。

 当たり前だけど、多々良さんに会いに行ったのである。彼女の透き通るような声が、機械越しに聞こえるだけで、少しの清涼感があった。

 ―――のは気のせいだけど。


 しばらくして、扉が開けば、うげ、と表現できるような多々良さんの顔があった。

「外、そんなに暑かった?」

「見れば分かる通りですよ」

 汗が流れていていない場所がない。


「アイスは?」

「ありますよ」

「何で一個?」

 不思議そうな声である。もしかして一緒に食べるつもりだったのだろうか。
 差し出したコンビニ袋を受け取り、多々良さんは部屋の奥へと消える。

 僕もそれに続いて中に入ることにした。

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