美少女の顔に触りたい、月曜日

睡眠丸

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第六章 多々良さん探し 開始

小学生なの?多々良さん(2)

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 彼に連行され、僕が誰の知り合いか、そして誰を見に来たのか、別室で事細かに聞かれた。
 割と圧迫されながら聞かれたけれど、それも生徒を思っての事だろう。
 万が一僕が小学生に特殊な思いを抱く男だとしたらいけないし、小学生に殺意を覚える男でもいけない。警備員さんの行いは大正義のものであり、僕は気にしない。
  

 多々良さんに会いに来たのだといえ

 「見ーつけた!」


  唐突に、顔のぼやけた子が僕の方に駆け寄ってきた。
 
 迷子案内所にて、自身の両親を見つけた時の子供のような素直さである。
 
 あぁ、多々良さんだ。
  
 赤いスカートと、ピンク色のシャツ。
 
 レースのくるぶし靴下、それから赤いラインの入った上履きは、どうみても完璧な小学生であった。
  
 僕の傍まで来ると、唐突にズボンの裾を握られ


「この人、私の保護者なので、敷地に入れてください」


  声たかだかに多々良さんは言った。

  父性がこの年で芽生えるとは思わなかった。高校一年、十六歳、新境地開拓である。
 
 あれ、ずっと前から彼女の保護者だった気がする―――いや、父性に流されるのは止めよう。
  
 警備員さんはなんとも言えない微妙な顔で僕らを送り出してくれた。
 

「もー。お兄ちゃん、来ないかと思った」

  僕はお兄ちゃんと呼ばれていたのか。
 妹に萌えることなんて、今までに一回だってなかったけれど、多々良さんが呼ぶならば、それは素敵な歌の一節に聞こえてしまうから不思議だ。
 

 僕が探す『多々良さん』が、もしお兄ちゃんと呼んでくれるのならば、一発ノックアウトの可能性もあるかもしれない。
 

「多々良さんの頼みなら行きますよ」

 「来るの遅いから、もう来ないかと思ったの。良かった。間に合って。行こう、中間休み終わっちゃう」

 「……僕、父兄ですか?」

 「なんでもいいよ? 文句ある?」

 「ないです」

 「だよね!」


  声色が嬉しそうに色づいていた。

  いつの間にか手は繋がれていた。少し小さな手が僕を掴む。
 多々良さんの案内の下、教室に向かう道中、ひとつ、確認しておかなければならないことに気が付いた。
 
「あの、一つ聞いて良いですか?」

 「なにー?」

 「多々良さんは、小学生なんですか?」

 「小学六年生だよ? 年の差は五だね」

  年齢差などは聞いていなかったのだけど。

 「はんにゃー!」


  いきなり可愛い声で、言葉で言った多々良さん。
  右手をくるっと猫のように丸めるオプション付きで。


 「可愛いですね、でも、なんで般若なんですか?」

  多々良さんは、何をしなくても完璧であるから、これ以上の可愛いポーズは、装飾過多になってしまうと言えるだろう。いやいや、素晴らしいのには変わりないのだけど。


 「胸に手を当てて考えて見てよ、もう。……あ、わ、私の胸じゃないからね、自分の、自分の胸だから!」

  はて、何も思い浮かばない。
  マリちゃんの胸ではなく、自分の胸に手を当ててみたが、応答はなかった。

  
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