美少女の顔に触りたい、月曜日

睡眠丸

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第六章 多々良さん探し 開始

第2回僕会議

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 第二回、脳内自分会議を開催したいと思います。
 
 晩御飯の魚が焦げてしまったことは残念ですが、そう落ち込まないようにしましょう。
 
 いや、ええ。わかっていますよ。本当はそんなことで悲しくなってるわけじゃないですよね。
  
 解ってます。自己嫌悪です。
  でもひとまずそれは横に置いておきましょう。
  
 今日あったことは今日中に、情報を整理しておくに限ります。
 

「多々良さんの一人は、小学生だった。もう一人は、多分高校生」

 「ツバキさんの制服に見覚えがあった気がするから。確か、女子高の制服だったと思う」

 「だよね。うん。そんなことは分かってるんだ」

 「……お腹すかない?」

 「飲食的なオレまで落ち込んでんぞ、会議になんねえ」

 「幼女可愛い多々良さんとのあれこれを忘れるほどに落ち込んでしまうのは何故だろうか」

 「『最後』って言うのは頭に残りやすいからですねハイ。『君のドレスとてもセンスがないね、でも素敵だよ』という言葉は、良い言葉として残るみたいに、ハイ」

 「理性的な僕、ありがとう。でも、そうじゃない気もするんだ」

 「どういうことですか、ハイ」

 「上手く言い表せないけど」

 「僕に話すときは、キチンと言語化してからにしてください」

 「うん、ごめん」

  理性的な僕は、たまに厳しい事をいう。

 「っていうか、多々良さんって別に一人じゃないんだから、ツバキさんに嫌われたところで問題ないんじゃな
いぃ?」

 「楽天的な僕、でもね、彼女が本当の多々良さんだったら、取り返しがつかないんだよ」

 「いや、こいつが言いたいことは多分。小菊の言ってたみたいな感じだろ? うまく言えないけど、その」

 「だからねぇえ、別に、自殺しようとした多々良さんにこだわらなくてもいいんじゃない? ってこと。好きっ
て言ってくれてる多々良さんを、僕の多々良さんにすればいいじゃないぃ? 小菊さんが言ってた、成り変わる。
的なさぁ。」
 「彼女の代わりはいない!」

 「でも、お前、見分けられないんだろ?」

  僕の叫びを意に介さない様子の暴力的な僕は、ため息をついて言った。

  僕ながら腹正しい。

 「今、それをやってるんだろ! でも……わからないんだ。頭の中がいっぱいいっぱいで、早く見つけなく
ちゃって、思ってるけど」

 「早くしないと、小菊さんだって、誰かに取られるかもしれないし」

 「マリちゃんだって、君の傍にずっといてくれるとは限らない」

 「ツバキさんは僕を、きっと嫌ってしまっただろうねぇ」

 「なぁ、僕」

 「僕は、結局。『完璧な多々良』の顔が見たいだけなんだろ? 自分のコンプレックスを、消してくれた顔を見たいだけなんだろ?」

  真っ暗闇の部屋の中。目をつぶっても、開いても、何も見えない黒い世界。

  ベッドに寝転びながら僕は天井の方向に顔を向けていた。

  脳内自分会議は、僕権限で強制終了。本日中に再開することはない。


 「多々良さん」

  呟いた一言は。



  誰にも届かない。

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