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第六章 多々良さん探し 開始
恋は盲目事件(1)
しおりを挟む今度小菊さんに会ったら、どうにか検証しようと思いながら、小学校の下駄箱にたどり着く。
スリッパから、スニーカーに履き替えて、マリちゃんとグラウンドを横断する。
小学生サイズのしかし十二分に大きなグラウンドを通った先、小さな庭の様なとこに繋がっており、そこにウサギ小屋がある。
大きな濃い緑色の金網が見えてきた。
途端、耳をピンと立てたウサギのように、俊敏な動きで、マリちゃんは小屋まで走った。
後姿だけが、僕の位置から見える。
どうかしたのか、と問えば。
「ウサギがいない」
なんてことを、呆然自失の声で呟かれた。
少し遅れて彼女の後ろから、ウサギ小屋を覗くと。
小屋の中には、二つの白い塊しかみえなかった。
確か、白いウサギは、多々良姉妹と同じ数だけいた。要するに三匹。
ポケットかマウスを叩けばクッキーが増えるかも知れないけれど、ウサギ小屋を叩くわけにもいくまい。
叩いて増えたらオカルトだけど。
アホな僕の思考とは別に、マリちゃんは道路上の標識みたいに突っ立ったままだった。
「ウサギを探そう」
何の解決にもならないだろうけれど、何かさせないと、マリちゃんはそのままウサギ小屋に住んでしまう勢いだった。
小さく頷いた後で、彼女はウサギ小屋付近の草むらに四つん這いになって、探し始めた。
多分、そこにウサギはいない。
先生に知らせに行くという発想も忘れて、マリちゃんは目を皿のようにして、あたりを見渡す。
ウサギのいなくなった理由に見当はついていたので、何も言わず場を立ち去ることに決めた。
数十分したら戻ってこようと思いつつ、僕は小屋の奥の庭らしきところに進む。
少し離れたところに、緑色の金網が見える。小さな道路を挟んだ向こう側の、男子校。位置的に体育館裏であ
る。そういえば、この学校は、僕の、その男子校と近かったのだ。というかほぼお隣さん。
じゃじゃ馬根性を働かせ、草むらに隠れながら、小菊さんを探してみる。
そう、ここは焼却炉がある、体育館裏。
今日、小菊さんが呼び出されているところである。
彼女が、いや、彼か? ううん。
彼女でいいや、小菊さんがラブレターという古風なロマンを受け取ったのが、気にならない僕なわけがないのだ。マリちゃんとの約束を優先したが、見れるものは見ておきたい。
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