美少女の顔に触りたい、月曜日

睡眠丸

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第六章 多々良さん探し 開始

小菊さんとさきっちょだけ(3)

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「あのですね、小菊さん。触るまで、男か女なんて分からないんですよ?」

 「ボクが、自分のことを男だって言ってるのに?」

 「箱の中にいる猫の生死が、開けないと解らないように、誰が何を言おうと、確認するまでその事象は確定しないのです」

 「頭よさそうに言わないでよ!」

 「シュレディンガーのカモノハシ理論!」

 「だから、ボクは男なのっ!」

 「男の小菊さんは、男からラブレター貰って、ノコノコ体育館裏に行ったんですか?」

  小菊さんは、途端にキョトンと目を見開いた後で、口元を緩めた。


 「あれー? もしかして嫉妬してるー?」


  その朗らかに、ポジティブな考え方をする小菊さんの様子から考えて、あの猟奇的な殺人ウサギは見てないと思われる。片目からシャーペンが生えたウサギを思い出して笑顔を作れる人間などいないだろう。

 「多々良さんは僕のものですからね」

 「あ、それはちょっと気持ち悪いね」

 「いつものことです」


  納得したような声を出されても困る。小菊さんは言う。

 「男でも、女でも、好きでいてくれる人間を無視するのはボクの信念に反するから行ったんだ」

 「ふーん」

 「拗ねてる?」

 「面白くはないですよ。そりゃ」

 「ボクが男でも、面白くないって思ってくれる?」

 「あなたは多々良さんですからね」

  多々良さんが、僕以外の誰かと親しくする、なんて、あまり考えたくない。

  男でも、小学生でも、猟奇的高校生でも、だ。
  弟に母親を取られた兄、みたいな。ささやかな嫉妬。


 「じゃあ、ボクを好きになってよ」

  何が、じゃあ。なのか。


 「男でもいいんでしょ?」

 「男でもいいのは『多々良さん』だったら、の話です」

 「それじゃあ、駄目なんだよなぁ……」


  ポツリ、と小菊さんは言う。


 
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