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朝登にコール――繋がった? もしもし。
もしもし夕夜。繋がった。今日は楽しかった?
楽しかった! またちょっと遠出の予定立てててさー。こう言うのって考えるだけでワクワクすんのな!
そうだね、想像するって楽しいよね。
あ、そうそう、明日なんだけどさ。どうしてもオンラネクト出来る時間が無さそうで。次は明後日になるわ。
うん、分かった。連絡が来るの楽しみにしてるね
おう。
***
朝登にコール――もしもし、繋がってる? ごめん、かなり遅くなった。
もしもし夕夜。大丈夫だよ。楽しみに待ってたから、連絡くれて嬉しい。で、今日はどんな日だった?
今日はめっちゃ眠い日。もう立ったまま寝落ちそう、なんてね。
そんなに? ハードなことでもしたの? あ、疲れてるなら今日はもう終わろうか。それこそ夕夜に倒れられたら僕すっごく心配するし。 もう切る? 切ろうか?
早い早い! 違うんだって、これにはちゃんとした理由があるんだって! すぐに分かるから驚くなよ?
え、どう言うこと? すぐに分かるって……。足音……? まさか。
そう、そのまさか! てか忍び足してたのに気付くの早ぇな! こっそり部屋行こうと思ったのに。
え、ちょっ。ちょっと待って……! もう来てるの? 僕、心の準備がまだ!
心の準備って何準備するんだよ。そんじゃ入るぞー。
……って、え? どう言うことだよ朝登……。
……信じられないよね。騙すつもりはなかったんだ。いつか話そう、いつか話そうって思ってた。
今喋ってるの本当に朝登なんだよな? だってこんな……延命措置みたいな……。
もちろん話してるのは僕自身だよ。
……僕、完全閉じ込め症候群なんだ。って言ってもピンと来ないよね。体が全然動かなくなってしまう病気だ。でも、意識ははっきりしてるし、感情だって思考だってある。
いつから?
夕夜が外国に行ってすぐくらい。事故だった。
もしかして、オンラネクト始めた時はもう? てか、それじゃあどうやって登録とかしたんだよ。
違う、そんなことはどうでも良い……なんで最初に言ってくれなかったんだよ。
だって、国が変わって大変そうな夕夜に心配掛けたくなくて。あと、僕自信が現実を受け入れられなくて言い出せなかったのもある。登録はね、動画とかに残ってる声を探して、お母さんがやってくれたんだ。
………………ごめん。こんなの騙してたのと一緒だよね。本当にごめん、でも僕のこと嫌わないで。
…………嫌うかよ。俺が悲しいのは、何も知らずにこっちの話聞かせてたことだよ。だってこんな……どんだけ演技上手いんだよ……喋ってるだけじゃ分かんねぇよ……。辛かっただろ。苦しかっただろ。俺の話聞いて泣きたくなっただろ。
そんなことはない。羨ましくならないって言ったらそれは嘘になるけど、一番楽しい時間であったことは嘘じゃない。本当のことだよ。
僕にとって、夕夜の話を聞いて、夕夜と同じ景色や経験を想像することが何より楽しかったんだ。それに、何も知らずに話してくれることも、僕にとっては小さな救いだった。今、知られてしまったけど。
僕にとって、電波でのこの繋がりが世界の全てだったんだ。
……僕は夕夜を傷つけて悲しませたよね。だけどね夕夜、お願いだ。この時間を取り上げないで。もう、何も知らないで話せとは言わない。けど、この繋がりを終わらせないで。僕にとってオンラネクトだけは……何の隔ても能力も関係なしに話ができる、この時間だけは失いたくない!
………………。
…………終わらせるかよ! そんな知ったくらいで! 嫌いもしないし、裏切られたとも騙されたとも思わねぇ! ただちょっと驚いただけだよ。もう受け入れた!
大丈夫。いつも通りだ、いつも通り! さ、今日は何喋ろっかなー。
……ふふっ、夕夜も結構演技上手だよね。騙されそうだよ。
じゃあ、そう言うことにして騙されてくれよな。
うん。じゃあ夕夜、今日はどんな一日だった? 楽しかった?
……ああ。今日は最高の一日だったよ。日本の景色がさ、前いた頃より変わってたんだ。
それは良かった。変わったって言うのはどんな風に――?
もしもし夕夜。繋がった。今日は楽しかった?
楽しかった! またちょっと遠出の予定立てててさー。こう言うのって考えるだけでワクワクすんのな!
そうだね、想像するって楽しいよね。
あ、そうそう、明日なんだけどさ。どうしてもオンラネクト出来る時間が無さそうで。次は明後日になるわ。
うん、分かった。連絡が来るの楽しみにしてるね
おう。
***
朝登にコール――もしもし、繋がってる? ごめん、かなり遅くなった。
もしもし夕夜。大丈夫だよ。楽しみに待ってたから、連絡くれて嬉しい。で、今日はどんな日だった?
今日はめっちゃ眠い日。もう立ったまま寝落ちそう、なんてね。
そんなに? ハードなことでもしたの? あ、疲れてるなら今日はもう終わろうか。それこそ夕夜に倒れられたら僕すっごく心配するし。 もう切る? 切ろうか?
早い早い! 違うんだって、これにはちゃんとした理由があるんだって! すぐに分かるから驚くなよ?
え、どう言うこと? すぐに分かるって……。足音……? まさか。
そう、そのまさか! てか忍び足してたのに気付くの早ぇな! こっそり部屋行こうと思ったのに。
え、ちょっ。ちょっと待って……! もう来てるの? 僕、心の準備がまだ!
心の準備って何準備するんだよ。そんじゃ入るぞー。
……って、え? どう言うことだよ朝登……。
……信じられないよね。騙すつもりはなかったんだ。いつか話そう、いつか話そうって思ってた。
今喋ってるの本当に朝登なんだよな? だってこんな……延命措置みたいな……。
もちろん話してるのは僕自身だよ。
……僕、完全閉じ込め症候群なんだ。って言ってもピンと来ないよね。体が全然動かなくなってしまう病気だ。でも、意識ははっきりしてるし、感情だって思考だってある。
いつから?
夕夜が外国に行ってすぐくらい。事故だった。
もしかして、オンラネクト始めた時はもう? てか、それじゃあどうやって登録とかしたんだよ。
違う、そんなことはどうでも良い……なんで最初に言ってくれなかったんだよ。
だって、国が変わって大変そうな夕夜に心配掛けたくなくて。あと、僕自信が現実を受け入れられなくて言い出せなかったのもある。登録はね、動画とかに残ってる声を探して、お母さんがやってくれたんだ。
………………ごめん。こんなの騙してたのと一緒だよね。本当にごめん、でも僕のこと嫌わないで。
…………嫌うかよ。俺が悲しいのは、何も知らずにこっちの話聞かせてたことだよ。だってこんな……どんだけ演技上手いんだよ……喋ってるだけじゃ分かんねぇよ……。辛かっただろ。苦しかっただろ。俺の話聞いて泣きたくなっただろ。
そんなことはない。羨ましくならないって言ったらそれは嘘になるけど、一番楽しい時間であったことは嘘じゃない。本当のことだよ。
僕にとって、夕夜の話を聞いて、夕夜と同じ景色や経験を想像することが何より楽しかったんだ。それに、何も知らずに話してくれることも、僕にとっては小さな救いだった。今、知られてしまったけど。
僕にとって、電波でのこの繋がりが世界の全てだったんだ。
……僕は夕夜を傷つけて悲しませたよね。だけどね夕夜、お願いだ。この時間を取り上げないで。もう、何も知らないで話せとは言わない。けど、この繋がりを終わらせないで。僕にとってオンラネクトだけは……何の隔ても能力も関係なしに話ができる、この時間だけは失いたくない!
………………。
…………終わらせるかよ! そんな知ったくらいで! 嫌いもしないし、裏切られたとも騙されたとも思わねぇ! ただちょっと驚いただけだよ。もう受け入れた!
大丈夫。いつも通りだ、いつも通り! さ、今日は何喋ろっかなー。
……ふふっ、夕夜も結構演技上手だよね。騙されそうだよ。
じゃあ、そう言うことにして騙されてくれよな。
うん。じゃあ夕夜、今日はどんな一日だった? 楽しかった?
……ああ。今日は最高の一日だったよ。日本の景色がさ、前いた頃より変わってたんだ。
それは良かった。変わったって言うのはどんな風に――?
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