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最終話
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次の日、久々に多くの患者が運び込まれ、一日中仕事に勤しんだ。
夜になり疲れて部屋を出ると、部屋の前でリガが待っていた。じっと携帯を見詰めていたが、気配に直ぐに振り向く。
「お疲れ様、シュガ」
「お疲れ様です、リガ」
「写真見せてください」
「うん、見て!」
相変わらずの嬉しそうな笑顔で、リガは妹の写真を見せてくれた。今日の写真の妹は笑っていて、まるで幸せな未来を映し出しているようだった。
「そうだシュガ、今日は流れ星が流れるらしいよ」
「流れ星…ですか?」
何年も聞いていなかったその響きに、思わず首を傾げてしまう。まさか、こんな状況で聞くとは思っていなかった。
「……知ってるよね?流れ星」
「あ、ああ知ってはいますよ、ただあまりにも急だったので」
「皆が話しているのを聞いたんだ。だから屋上に見に行かない?」
「流れ星ですか、良いですね」
星に願いをかけると、叶うと聞く。勿論そんなのはまやかしに過ぎないのだが、それでも皆何かしらの願いをかけるのだろう。
「シックは先に行ってるよ、俺達も行こう」
早く見たいのか、早歩きしだしたリガの後を付いて行く。
「リガは願い事とかするんですか?」
「うん、するよ、マイルちゃんに会えますようにって!」
純粋で切実な願いを、シュガは微笑ましく祝福する。想像通りすぎて、笑ってしまいそうになる。
「シュガは?」
「そうですね。早く戦争が終わりますように、ですかね」
そうなったなら、能力の必要性は無くなり、皆も幸せになれるだろう。
「終わるよ、もう直ぐ」
リガの確信的な答えを、否定しようとは思わなかった。
患者はまだまだ多いし、仕事は尽きない。けれど、平和は少しずつ近付いているのだと、なぜか信じようという気になれた。
「…だったら、もう直ぐ会えますね」
「そうだね。あ、こっちが近道なんだ、こっちから行こう」
リガは「俺しか知らないルートなんだよ」と言いながら階段へと足をかけた。
暫く歩いていると、大きな爆音と共に急に体が大きく揺さ振られた。この感覚は、グロードと共にいたあの時の物とよく似ている。
「…リガ…!」
目の前、驚いた顔をするリガに手を伸ばしたのも虚しく、壊れた建物は二人を乗せたまま落ちていった。
一体何が起こったのか分からなかった。過ぎた今でさえ、まだ混乱している。
自覚した激しい痛みに、思わず呻り声をあげた。
自分の体が――丁度胸から下の部分が、瓦礫の下敷きになっている。
目の前に見えるのは、無数の光が輝く夜空だ。星はまだ流れていない。
「……シュ…ガ……生きて…る…?」
か細い声を耳にし、痛みの中で目だけを横に向けると、手が届くほど近くにリガがいるのが分かった。
リガの呼吸は絶え絶えで、今にも途切れそうになっている。
見える限りでは、その体は何かに挟まれたりなどはしていないようだ。だが、暗闇の中で黒々と流れる血は広くを色付けていた。
――――どうして、こんな事になってしまったんだろう。
もうすぐ、戦争は終わる筈だっただろう…?
ああ、屋上にいたというシックは大丈夫だろうか。
星明りだけの闇の下では、状況をはっきりと掴む事ができない。
だが、分かることがある。このままでは互いに死を待つしかない。
シュガは懸命に視線を動かした。
この体が、この手が動く範囲に生きている人間を探さなくては、自分は愚か、リガさえも救えなくなる。
だが、その思いも虚しく、生存している人間はシュガの直ぐ近くにはいなかった。見えないだけかもしれないが、目に見えるのは遠く、手には届かない場所にいる人間だけだった。
どうやら自分とリガは、二人だけ群れから逸れた場所に投げ出されてしまったらしい。
まだ動ける医師たちが、怪我人を見つけては、救助したり手当てしたりしている場面が声として遠くから聞こえる。
「…リガ…、頑張…って…下さい…」
リガは答えるのも辛いのか、ゆっくりと頷くだけだった。僅かな動きが反応を悟らせた。
体が弱ってゆくのが、確かに感じられる。
医師たちはまだ遠くにいて、こちらには気がついていない。早く気付けと、視線を送るも気付かない。声を出そうにも、小さくしか発声出来ない。
ふと、リガの手元で何かが淡く光るのが分かった。その光に釣られ手元を見ると、血に塗れた手の平で、ぎゅっと携帯電話が握られていた。見えた光は、着信を知らせる光だったのだ。
『一度でもいいから、妹に会いたいなぁ』
『うん、するよ、マイルちゃんに会えますようにって!』
そう言っていたリガの切なくて優しい笑顔と、喜びに溢れた輝かしい笑顔が脳内に浮かんできた。
ここで死んだら、リガは大切な妹に一度も会えないままこの世を去ってしまう事になる。
そうだ、自分はいい。せめてリガだけでも助けなければ。
でも、誰もいない。誰かが気付いて来てくれさえすれば、近付いてきたその人間を殺してでも助けるのに。
今は誰もいない。リガ以外に、生きてる人間が誰一人として、この手の届く所に――――――…
居る。ここに、一人。
手の届く、繋がれる場所に、まだ一人だけ、自分がいるじゃないか。
シュガは急に思いついた名案に、即座に従おうと手を伸ばす。
まだ未知の世界だ。結局この力について、まだ分かっていない事が多すぎる。
自分が糧になって、ちゃんと相手を治せるか分からない。力がちゃんと発動してくれるかさえ分からない。
けれど、迷っている時間は無い。
ゆっくりと手を伸ばし、指先で、だけど力強くリガに触れる。
リガは不思議そうに、空ろな瞳を僅かにシュガへと向けた。
「……シュ…ガ…??」
成功してもしなくても、きっとこれが最期になるだろう。
シュガはかける言葉が見つけられず、見えるかも定かではない闇の下、ただ苦痛の中で微笑んで見せた。
「…リガ…を、助…け…「やめろ…!」」
大きくは無いが荒げられた声に驚いて、言いかけていた言葉を思わず切ってしまった。
リガは、急に腹筋を使った反動で咳をし、血を吐き出す。それなのに、やはり誰もこちらに気付いてはいない様子だった。
リガは、自分が何をしようとしているか悟ったのだろう。そうして否定しているのだ。
「…シュ…ガ…やめ…ろ…」
間に咳を挟みながら、懸命に制止の声を突きつけてくる。
…でも、もう決めたんだよ。
自分が死んだとしても、今はリガの命を助けたい。
これから生きてゆく目的も無く、会いたい人も居らず、リガのように先に抱く希望も無い自分よりも、リガに生きていて欲しいと思う。
生きて、願いを叶えて欲しいと思う。
グロードにも言われた。守りたい人が居るのなら生きろと。
今がその時だ、今がその時なんだよ。
――――だから。
「…リガを、助けて…、下さ…い」
やめろという叫びに重ねながら、最期の文字を言い終える。
その瞬間、心臓が、内臓が、骨が筋肉が、体の全体が苦痛を訴えてきた。
今までとは逆の命を与える感覚に、シュガはひたすらもがき続けた。
苦しむ自分の名を呼び続けるリガの声が、少しずつ小さくなって消えてゆく。
そして、欲しかったもう一つの声も、その耳元に聞こえてきて直ぐに消えていった。
――――もう言葉も言えなくて、聞けなくて、何も見えなくて、真っ暗闇に激痛だけが轟く。
けれど、それでも良いと思えた。
リガを守れるなら、シックが無事ならば。
二人がこの先待っている明るい未来に、辿り着けるように私はただ願っていよう。
今までの悲しい出来事や嬉しい出来事が走馬灯のように駆け巡る中で、一瞬だけ先の未来が見えたような気がした。
一面に花の咲いた土地の真ん中で、小さな少女と共に笑いあう少年が一緒に花摘みをしている。
そこにもう一人女性が走ってきて、少女のスカートに付いた土を払った。
そこには他にもにこにこと嬉しそうな顔をした人間が何人もいて、三人の姿を見守っている。
町は決して豪華な造りではないけれど、服も皆まだぼろぼろの物を着ているけれど、皆純粋に笑いあって幸せそうにしている。
そんな未来がシュガには見えた。
きっとこれが描いていた願いなんだ。子どもの頃からずっと夢見ていた情景なんだ。
二人に、そして二人の大事な人に居て欲しい未来なんだ。
――――どうか、どうか、私の大切な人達が、無事幸せに辿り着きますように。
夜になり疲れて部屋を出ると、部屋の前でリガが待っていた。じっと携帯を見詰めていたが、気配に直ぐに振り向く。
「お疲れ様、シュガ」
「お疲れ様です、リガ」
「写真見せてください」
「うん、見て!」
相変わらずの嬉しそうな笑顔で、リガは妹の写真を見せてくれた。今日の写真の妹は笑っていて、まるで幸せな未来を映し出しているようだった。
「そうだシュガ、今日は流れ星が流れるらしいよ」
「流れ星…ですか?」
何年も聞いていなかったその響きに、思わず首を傾げてしまう。まさか、こんな状況で聞くとは思っていなかった。
「……知ってるよね?流れ星」
「あ、ああ知ってはいますよ、ただあまりにも急だったので」
「皆が話しているのを聞いたんだ。だから屋上に見に行かない?」
「流れ星ですか、良いですね」
星に願いをかけると、叶うと聞く。勿論そんなのはまやかしに過ぎないのだが、それでも皆何かしらの願いをかけるのだろう。
「シックは先に行ってるよ、俺達も行こう」
早く見たいのか、早歩きしだしたリガの後を付いて行く。
「リガは願い事とかするんですか?」
「うん、するよ、マイルちゃんに会えますようにって!」
純粋で切実な願いを、シュガは微笑ましく祝福する。想像通りすぎて、笑ってしまいそうになる。
「シュガは?」
「そうですね。早く戦争が終わりますように、ですかね」
そうなったなら、能力の必要性は無くなり、皆も幸せになれるだろう。
「終わるよ、もう直ぐ」
リガの確信的な答えを、否定しようとは思わなかった。
患者はまだまだ多いし、仕事は尽きない。けれど、平和は少しずつ近付いているのだと、なぜか信じようという気になれた。
「…だったら、もう直ぐ会えますね」
「そうだね。あ、こっちが近道なんだ、こっちから行こう」
リガは「俺しか知らないルートなんだよ」と言いながら階段へと足をかけた。
暫く歩いていると、大きな爆音と共に急に体が大きく揺さ振られた。この感覚は、グロードと共にいたあの時の物とよく似ている。
「…リガ…!」
目の前、驚いた顔をするリガに手を伸ばしたのも虚しく、壊れた建物は二人を乗せたまま落ちていった。
一体何が起こったのか分からなかった。過ぎた今でさえ、まだ混乱している。
自覚した激しい痛みに、思わず呻り声をあげた。
自分の体が――丁度胸から下の部分が、瓦礫の下敷きになっている。
目の前に見えるのは、無数の光が輝く夜空だ。星はまだ流れていない。
「……シュ…ガ……生きて…る…?」
か細い声を耳にし、痛みの中で目だけを横に向けると、手が届くほど近くにリガがいるのが分かった。
リガの呼吸は絶え絶えで、今にも途切れそうになっている。
見える限りでは、その体は何かに挟まれたりなどはしていないようだ。だが、暗闇の中で黒々と流れる血は広くを色付けていた。
――――どうして、こんな事になってしまったんだろう。
もうすぐ、戦争は終わる筈だっただろう…?
ああ、屋上にいたというシックは大丈夫だろうか。
星明りだけの闇の下では、状況をはっきりと掴む事ができない。
だが、分かることがある。このままでは互いに死を待つしかない。
シュガは懸命に視線を動かした。
この体が、この手が動く範囲に生きている人間を探さなくては、自分は愚か、リガさえも救えなくなる。
だが、その思いも虚しく、生存している人間はシュガの直ぐ近くにはいなかった。見えないだけかもしれないが、目に見えるのは遠く、手には届かない場所にいる人間だけだった。
どうやら自分とリガは、二人だけ群れから逸れた場所に投げ出されてしまったらしい。
まだ動ける医師たちが、怪我人を見つけては、救助したり手当てしたりしている場面が声として遠くから聞こえる。
「…リガ…、頑張…って…下さい…」
リガは答えるのも辛いのか、ゆっくりと頷くだけだった。僅かな動きが反応を悟らせた。
体が弱ってゆくのが、確かに感じられる。
医師たちはまだ遠くにいて、こちらには気がついていない。早く気付けと、視線を送るも気付かない。声を出そうにも、小さくしか発声出来ない。
ふと、リガの手元で何かが淡く光るのが分かった。その光に釣られ手元を見ると、血に塗れた手の平で、ぎゅっと携帯電話が握られていた。見えた光は、着信を知らせる光だったのだ。
『一度でもいいから、妹に会いたいなぁ』
『うん、するよ、マイルちゃんに会えますようにって!』
そう言っていたリガの切なくて優しい笑顔と、喜びに溢れた輝かしい笑顔が脳内に浮かんできた。
ここで死んだら、リガは大切な妹に一度も会えないままこの世を去ってしまう事になる。
そうだ、自分はいい。せめてリガだけでも助けなければ。
でも、誰もいない。誰かが気付いて来てくれさえすれば、近付いてきたその人間を殺してでも助けるのに。
今は誰もいない。リガ以外に、生きてる人間が誰一人として、この手の届く所に――――――…
居る。ここに、一人。
手の届く、繋がれる場所に、まだ一人だけ、自分がいるじゃないか。
シュガは急に思いついた名案に、即座に従おうと手を伸ばす。
まだ未知の世界だ。結局この力について、まだ分かっていない事が多すぎる。
自分が糧になって、ちゃんと相手を治せるか分からない。力がちゃんと発動してくれるかさえ分からない。
けれど、迷っている時間は無い。
ゆっくりと手を伸ばし、指先で、だけど力強くリガに触れる。
リガは不思議そうに、空ろな瞳を僅かにシュガへと向けた。
「……シュ…ガ…??」
成功してもしなくても、きっとこれが最期になるだろう。
シュガはかける言葉が見つけられず、見えるかも定かではない闇の下、ただ苦痛の中で微笑んで見せた。
「…リガ…を、助…け…「やめろ…!」」
大きくは無いが荒げられた声に驚いて、言いかけていた言葉を思わず切ってしまった。
リガは、急に腹筋を使った反動で咳をし、血を吐き出す。それなのに、やはり誰もこちらに気付いてはいない様子だった。
リガは、自分が何をしようとしているか悟ったのだろう。そうして否定しているのだ。
「…シュ…ガ…やめ…ろ…」
間に咳を挟みながら、懸命に制止の声を突きつけてくる。
…でも、もう決めたんだよ。
自分が死んだとしても、今はリガの命を助けたい。
これから生きてゆく目的も無く、会いたい人も居らず、リガのように先に抱く希望も無い自分よりも、リガに生きていて欲しいと思う。
生きて、願いを叶えて欲しいと思う。
グロードにも言われた。守りたい人が居るのなら生きろと。
今がその時だ、今がその時なんだよ。
――――だから。
「…リガを、助けて…、下さ…い」
やめろという叫びに重ねながら、最期の文字を言い終える。
その瞬間、心臓が、内臓が、骨が筋肉が、体の全体が苦痛を訴えてきた。
今までとは逆の命を与える感覚に、シュガはひたすらもがき続けた。
苦しむ自分の名を呼び続けるリガの声が、少しずつ小さくなって消えてゆく。
そして、欲しかったもう一つの声も、その耳元に聞こえてきて直ぐに消えていった。
――――もう言葉も言えなくて、聞けなくて、何も見えなくて、真っ暗闇に激痛だけが轟く。
けれど、それでも良いと思えた。
リガを守れるなら、シックが無事ならば。
二人がこの先待っている明るい未来に、辿り着けるように私はただ願っていよう。
今までの悲しい出来事や嬉しい出来事が走馬灯のように駆け巡る中で、一瞬だけ先の未来が見えたような気がした。
一面に花の咲いた土地の真ん中で、小さな少女と共に笑いあう少年が一緒に花摘みをしている。
そこにもう一人女性が走ってきて、少女のスカートに付いた土を払った。
そこには他にもにこにこと嬉しそうな顔をした人間が何人もいて、三人の姿を見守っている。
町は決して豪華な造りではないけれど、服も皆まだぼろぼろの物を着ているけれど、皆純粋に笑いあって幸せそうにしている。
そんな未来がシュガには見えた。
きっとこれが描いていた願いなんだ。子どもの頃からずっと夢見ていた情景なんだ。
二人に、そして二人の大事な人に居て欲しい未来なんだ。
――――どうか、どうか、私の大切な人達が、無事幸せに辿り着きますように。
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