最下位少女

有箱

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Lotta-1

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 目の前には紙がある。先程、教師から配られたものだ。上部には“抽選結果”の文字と自分の名が、本文箇所には多数の名を含めたリストがあった。

 名前はきっかり100個――そう、テストの抽選結果だ。軽く全体を見通した末、出たのは嘆息だけだった。

 斜め前の少女、エレーナを見遣る。背中だけでも、落胆しているのが分かった。


 俺たちの国は、約100年前から支配されている。いわゆる植民地と言う奴だ。顔すら知らない異国民に、国を支配されると言うのは不思議な感覚だった。

 テストは、そいつ等に勝手に制定された。齢が11になると生活の中に入って来て、容赦なく命を脅かした。

 今、俺たちは17才だ。もう6年もテストを乗り越えている。だが、開催の度、漂う緊張感には一向に慣れなかった。

 しかし、テストは原住民である以上、死ぬまで終わらない。そう、何らかの形で死ぬまで、この恐怖は終わらないのだ。



 授業が終わり、早速エレーナが近付いて来る。後ろからは友人であるモアも来た。モアは、約一年前に転校してきた少年だ。

「僕たち、一緒のブロックに入ってたね」

 モアは、紙を見ながら口火を切る。言葉こそ流暢なものの表情は固かった。エレーナはと言うと、顔面蒼白で下方を向いている。

「私たち、三人とも大丈夫よね……?」

 そう、俺たち三人は、偶然にも同じブロックに振り分けられていた。今までが奇跡だったのかもしれないが、こんな事は初めてだ。

「エレーナ、心配するな。俺たちは三人とも大丈夫さ」

 周囲の空気を読み、小声で励ます。もちろん根拠があっての励ましだ。

「そうそう、何時も通り受ければ大丈夫だよ。平常心を大切にね」
「……うん」

 俺たち三人の平均順位は15位――いわゆる安全圏内だった。
 このテストは、体調不良だろうと何だろうとお構い無しで実施されるが、その点を差し引いても最下位になるとは考えられない。

 そう、余程の事がない限りは――。

「俺、図書室に用があるんだった。二人は先帰ってて」
「えっと、実は私も用事があるの。終わったら迎えに行くから一緒に帰って良い?」

 エレーナの、縋るような瞳が煌く。内で湧いている不安の渦が、はっきりと目に見えた。

「もちろん」
「じゃあ僕は先に帰ろうかな。ロッタ、エレーナ、明日頑張ろうね」
「おう」

 軽く手を振ったモアは、一人駆け足で帰っていく。
 その後、俺たちは二手に分かれた。
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