刺さるほどの冷たさを今日も私は知らずにいる

有箱

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冷たくも楽しげな外の世界【3/3】

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 ママとパパは正反対だった。温厚なパパと厳しいママが結婚したのは、裕福な家を継続させるため――なんて以前、従者の誰かが言っていた。
 いつもママが一方的に怒って、パパは笑って流している。そんな場面が、私の記憶には多く生き残っている。私がこっぴどく怒られた時だって、パパが優しく庇ってくれていた。

 だから、パパがいなくなってから、私は我慢しか選べなくなった。厳しい言葉もビンタも、何回も受けては受け入れた。回避を覚えた今では、怒られること自体減ったけれど――ママの顔色を伺って反抗をやめた今では。

 痛みの記憶が遠ざかっているからだろうか。それとも、広がる銀世界が私を呼ぶせいだろうか。何年も埋め続けていた疑問が、今になって色濃く私を突いてきた。夢の中で、自らに問われることも増えた。

『貴女はこのまま、ママに服従し続けるの?』と。
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