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昼食の時間、屋上に行くと既に侑也と帝がいた。二人してフェンスに肘を付き、仲良さげに会話している。
出会った頃は擦れ違っていたようだが、今となっては随分親身な間柄になったように思える。
「帝、侑也、早いね」
「白都さーん! 今日も授業楽しかったっすね!」
侑也は、振り返ると同時に白都に駆け寄って来た。帝はいつもの冷静な顔で光景を見詰めている。
「そうだね、侑也才能あるよ」
「そうっすか!? 嬉しいっす!」
侑也は演劇専攻で、本格的な役者を目指しているという。因みに白都は裏方希望だ。
彼の演技力は人並み以上で、与えられた役柄を意とも簡単にこなしてみせる。発声などの技術をとっても、彼は優秀だ。
しかし、そんな彼は素直な性格で、感情に従い表情がコロコロ変化する。今も褒め言葉に喜んでいるのか、笑いながらも頬を染めていた。
その性格もあって、侑也は白都にとっても、恐らく帝や穂積、和月にとっても可愛い後輩となっている。
同学年の日向とも仲がよく、よく話している場面を見た。
後方に気配を感じ、ふっと振り向くと、穂積と和月、日向が扉の前に現れていた。
「もう来てたんだ、早いねぇ」
「今日はあの辺にしようか」
微笑む穂積の傍ら、和月は日の照っている箇所を指差した。視線は白都と侑也、そして近くに遣って来た帝にも向かったため、全員の意見を仰いでいると見える。
「良いですよ」
帝は無言で頷き、自然と決定された場所に足を進める。他五人も、自然と日差しの温めた地面に腰掛けた。
授業から解放されてか、皆の気が緩んでいるように見える。ほのぼのと表情を和らげ、ぽつりぽつりとだが、会話に花を咲かせる姿はいつもながら微笑ましい。
しかし、白都は素直に和むことができなかった。理由は明白だ。次の命令を恐れているからである。
どこの誰とも付かない人物からの、悪意のある命令を。
個人的に恨まれる覚えは無く、誰がどんな理由で仕打ちをするのか微塵も想像できなかった。
人間関係は大して広くは無いが、生きてゆく上で関わり合う最低限の付き合いだけでも、それなりに人数はいるだろう。
その中から一人を探し出すなど、難しいに決まっている。
「白都、どうした?」
「えっと、レポート詰まってて考えてた」
不意打ちをした帝に対して、白都は無意識に回答を作り出していた。我ながら、こういう事に関しては頭の回転が早い方だと自負している。
「レポートか、どれだ?」
「えっと――」
実際、苦戦していた教科を口に出すと、帝は「私もそれは苦手だ……」と溜め息を吐いた。
話している途中、どこからか不意な視線を感じたが、帝の視線を潜ってまで振り向く気は起きず、白都は恐怖感を覚えつつも笑い続けた。
出会った頃は擦れ違っていたようだが、今となっては随分親身な間柄になったように思える。
「帝、侑也、早いね」
「白都さーん! 今日も授業楽しかったっすね!」
侑也は、振り返ると同時に白都に駆け寄って来た。帝はいつもの冷静な顔で光景を見詰めている。
「そうだね、侑也才能あるよ」
「そうっすか!? 嬉しいっす!」
侑也は演劇専攻で、本格的な役者を目指しているという。因みに白都は裏方希望だ。
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しかし、そんな彼は素直な性格で、感情に従い表情がコロコロ変化する。今も褒め言葉に喜んでいるのか、笑いながらも頬を染めていた。
その性格もあって、侑也は白都にとっても、恐らく帝や穂積、和月にとっても可愛い後輩となっている。
同学年の日向とも仲がよく、よく話している場面を見た。
後方に気配を感じ、ふっと振り向くと、穂積と和月、日向が扉の前に現れていた。
「もう来てたんだ、早いねぇ」
「今日はあの辺にしようか」
微笑む穂積の傍ら、和月は日の照っている箇所を指差した。視線は白都と侑也、そして近くに遣って来た帝にも向かったため、全員の意見を仰いでいると見える。
「良いですよ」
帝は無言で頷き、自然と決定された場所に足を進める。他五人も、自然と日差しの温めた地面に腰掛けた。
授業から解放されてか、皆の気が緩んでいるように見える。ほのぼのと表情を和らげ、ぽつりぽつりとだが、会話に花を咲かせる姿はいつもながら微笑ましい。
しかし、白都は素直に和むことができなかった。理由は明白だ。次の命令を恐れているからである。
どこの誰とも付かない人物からの、悪意のある命令を。
個人的に恨まれる覚えは無く、誰がどんな理由で仕打ちをするのか微塵も想像できなかった。
人間関係は大して広くは無いが、生きてゆく上で関わり合う最低限の付き合いだけでも、それなりに人数はいるだろう。
その中から一人を探し出すなど、難しいに決まっている。
「白都、どうした?」
「えっと、レポート詰まってて考えてた」
不意打ちをした帝に対して、白都は無意識に回答を作り出していた。我ながら、こういう事に関しては頭の回転が早い方だと自負している。
「レポートか、どれだ?」
「えっと――」
実際、苦戦していた教科を口に出すと、帝は「私もそれは苦手だ……」と溜め息を吐いた。
話している途中、どこからか不意な視線を感じたが、帝の視線を潜ってまで振り向く気は起きず、白都は恐怖感を覚えつつも笑い続けた。
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