フレンドテロリスト

有箱

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 昼食前の授業を受けながら、白都はあることを考えていた。
 行われているのは合同授業で、隣に侑也が居たが、彼は一心不乱で視線を一切寄越さない。その為、目を気にせず思案できた。
 白都は一つの計画を、何度も難度も練り直す。

 考えたくは無いが、今日は御面が仕置きにやってくる日だ。失敗に終わって、直ぐやってくるのが御面である。だから、明日ではなく今日やってくるに違いない。

 そこを狙って、御面の正体を絞ってゆこう。そう考えていた。少しずつ、何気なく特定してゆこう、と。
 上手くいくかは確信できないが。

***

 合同授業が終わって、白都は計画実行のため、第一に侑也に話しかけていた。

「ねぇねぇ、今日って予定ある?」
「えっ……えっと……なんでっすか?」

 侑也は、なぜか引き目に構えている。警戒心というのだろうか、それ程予定の確認が珍しかったのかもしれない。

「いや、空いてたら一緒に勉強しないかなって」
「……ごめんなさい、今日は別の人と約束してるんす。また今度でいいっすか?」
「あー、うん。ごめんね急に」

 侑也はまるで逃げるかの如く、荷物を纏めると会釈を残し部屋を出て行った。
 明らかに感じる不穏な空気に、無意識に眉が吊る。だが思い過ごしだろうと気持ちを切り替えた。

***

 屋上までの短い階段を上っていると、後ろから日向の声がした。タイミングの良さに驚きつつも、好機を逃すまいと周囲を軽く見渡す。
 どうやら今は、空間に二人きりのようだ。

「ねぇ日向くん、今日空いてる……?」 

 日向だけに届くように、けれど不自然にならないよう、白都は練り上げた台詞を吐いた。

「…………今日ですか……?」
「うん、レポート教えて欲しいところがあって……バイト終わってからになっちゃうんだけど……そうだな、八時十分くらいには家に着くと思うんだ」

 計画とは、御面の現れる時間に予定を作ってしまうことだった。日向が了承した状態で御面が現れれば、それは日向では無いということになる。

「…………良いですよ……」

 日向は、大して悩まずに承諾した。「八時十分くらいですね」と時刻を復唱する。
 白都は、その時点で御面は日向では無いと大方確信し、前進に少し喜んだ。
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