Criminal marrygoraund

有箱

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 翌日、ねいは自宅にてニュースと新聞を同時に見ていた。正しくは音声を聞きながら、活字を目で追っている形となる。

 世間は、謎を残しながらも終わりを告げた事件の報道で大賑わいだ。
 結局誰が悪いのかを語り合ったまま、時間を潰してゆく。親身になっている振りをしながらも、結局は他人の顔をして。

 つい昨日、勇之と緑を殺した犯人も判明した。サイトの閉鎖予告と共に、全ての真実が公開されたのだ。
 他人を利用して事故を作り出し、加害者の一人を殺そうとしていた事も、後悔も、死の選択も洗い浚い全て。

 因みに、書き込みの主の身元特定は、まだ出来ていない。しかしねいは、それが誰であるか既に知っていた。
 残るは警察署で起きた事件のみだが、その真実も直ぐに世間へと公開されるだろう。

 本当に全て終わった。望んだ通りの終わりを告げた。

 ねいは、テレビを消して新聞を4つ折りにすると、置きっぱなしだった紙と鉛筆を一瞥する。行動を少し迷ってから、結局は財布を持ち出かける事にした。

 車で向かった先は花屋だった。早い事に、もう春先の花々が姿を見せ始めている。それもその筈だ、明日からもう4月になるのだから。
 ねいは、はじめての花選びに迷いながらも、大事な人をイメージして何本か選んだ。供える為の物として選ぶべき種類の常識はあったが、囚われるのが嫌で、好きな花だけを組み合わせた。
 それは、大きな大きな花束になった。

 勿論、花束の行き先は墓場である。隅の方に配置され、随分と錆びれてしまった墓石の前に立ち、手向ける。両手を合わせて祈ると、どこからか桜の花びらが流れてきた。

「随分長い間、待たせて御免なさい。貴方の仇はちゃんと取りました、きっと喜んでくれているよね」

 ねいの表情は安らかだった。形は少し変わったが、ずっとずっと夢に見てきた未来が、今、この手に抱かれているのだ。
 後悔が無いといえば嘘になる。けれど、嬉しくないわけが無い。
 後は、人々の心の中に事件を深く刻むだけ。

 ねいは愛しい名を呼び、¨大好き¨と口にした。らしくないと自分自身に笑いながらも、もう一度愛を呟いた。
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