魔王転生記。

ちくわ天

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一章

1-7 夕闇※エロ有り

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時刻は夕暮れ時で辺りをオレンジ色に染め上げている。

「早くしろ!近くまで来てるんだぞ!」
「分かっている!」

動揺から大分立ち直ったリュウトは先に走っている。
剣は村に落としてしまったため、予備で持ってきた短剣を携えるが心許ない。
後ろを走るユーリスを見ると顔色があまり良く無い。
村から脱出する際に力を使い過ぎたのだろう。
(自分がもっとしっかりしていれば…)

「イタゾッ!殺セ!殺セ!」
ゴブリン共の声が聞こえる。
獣道の横から棍棒を持ったゴブリンが襲い掛かってくるが、それの喉元を短剣で掻っ切る。
グギャッと声を上げて死んでくゴブリンを横目に森の中を駆ける。

(まずい、ゴブリンの数が増えてきている…。ユーリスもそろそろ限界みたいだ。何処かでやり過ごせるところを探そう)

リュウトは気付いてないが、自身も相当疲労している。
肉体的にはもちろん、精神的にもダメージを負っているため、判断力も低下している。
普段ならば、気付けたはずだった。
曲がろうとしたタイミングで襲ってきた時や進もうとした道の真ん中で分かる様に待ち伏せしてた時…
気付けるポイントはいくつもあった。
自分達が誘導されてることに。

2人は森の開けた場所にでて、立ち止まった。
目の前には5匹のゴブリンがいた。
しかし、普通のゴブリンとは違う。
体はゴブリンより2倍ほど大きく、人間と殆ど変わらない。
その体には鎧を着ており、手には盾と剣を構えている。

『ゴブリンソルジャー』
ゴブリン族の中でも中位に位置する魔物である。
剣術に優れ、知能もある。
総合的な強さは1匹でオーガを圧倒する。
通常の冒険者基準の場合、1匹に対して3人以上のパーティで相手しなければならない。

そんなゴブリンが5匹もいる。
リュウトは絶望感に襲われた。
(終わった… 後ろからも来ている… もう逃げられない…)

ふと、隣にいるユーリスを見るとゴブリンソルジャー達を真っ直ぐ見つめ、構えている。
「なに…してんだよ…勝てる訳ねーよ」
隣立つユーリスの顔は真っ青だ。
「それでも何もしないで殺されるよりかはましだ」
もう限界に近いのだろう。声もガラガラだ。
それでも向かい続けるのは彼の気の強さなのか、リュウトを思う気持ちなのかは分からない。
だか、リュウトにとっては希望の光であった。
また落としそうになった剣を今度はしっかりと握る。
最後まで足掻こうと。
ゴブリン達は馬鹿にしたようにカタカタと鎧を鳴らしている。

力の差は圧倒的であった。
リュウトが短剣を振れば、軽く盾で流される。
蹴りを出しても相手の方が重く、逆にこちらが転んでしまった。
大人と子供の喧嘩にすらならない。
転んだリュウトを踏みつけようと足を振り下ろされる。
咄嗟に転がって避けるが、転がった先で別のゴブリンに蹴り飛ばされる。
ゴブリン達は痛めつけるのを面白がっており、わざと剣を使わないで戦っている。
ケタケタと笑うゴブリン達。
口の中に血の味が広がる。
身を起こしながら、少し離れたところにいるユーリスを見る。
残り僅かな魔力で『鉄槌』を発動させ、ゴブリンを殴るがガンッと音がするだけで凹ます事すら出来ない。
それでも殴ろうとするがその手首を掴み上げられ、ゴキッと手首を折られた。
「~~~ッ!」
声にならない悲鳴を上げるユーリスを羽交締めにする。
振り解こうと身を捩るがびくともしない。
すると、兜を取ったゴブリンが近づいて、苦痛に歪んだ顔を舐め上げた。
醜悪な顔はゴブリンとは変わらず、口からは生臭いを放っている。
ユーリスは必死に顔を背けるが、片手で顎を固定され、唇の上を舐められる。
舌を入れられないように口を閉じていたが顎を砕かれんばかりに顎を掴まれ、思わず口を開けてしまった。
「んんッ!」
細くザラついたものが口の中を侵す。
歯茎をなぞり、ねっとりと舌を絡められる。
クチュクチュと音をたてられ、気持ち悪さに耳を塞ぎたくなるが指一本すら動かすのが億劫である。
されるがままのユーリスに気を良くしたゴブリンは舌を絡めつつ、祭服に包まれた肉棒を掴み上げる。
「んッ!んッ~!」
口を塞がれ声を出すことが出来ない。

「やめろぉっ!」
リュウトは叫んでいた。
親友が汚されるのが堪らなかった。
ユーリスの元に走ろうとすると、後ろから髪を掴まれ倒された。
「いたっ!」
立ち上がろうとした時にはすでに遅く、ゴブリンは覆い被さり、口を吸われた。
「んっ!んぐッ!」
ゴブリンの目は欲情した獣のようであった。
一通り口付けが終わったらしく、胸の圧迫感が無くなった。
「はぁ…はぁ…」
酸欠気味になり、頭がぼぅっとしている。
そんなリュウトの前におぞましい物が出てきた。
ゴブリンの魔羅である。
人間のものとは比べものにならないほどの猛々しい肉棒は、興奮からか下腹部にくっつきそうなほど反り返っており、先端からは大量の透明な液を垂れ流して、リュウトの頬を汚した。
「ひッ」
あまりにも穢らわしいものに悲鳴をあげ、逃げようとするが許されない。
ベタベタと汁を頬に塗られ、口の中に入れようとするがリュウトは抵抗する。
決して口を開かないようにするが鼻を摘まれ、呆気なく開いてしまった。
軽く開いたところに巨大な肉棒を無理やり捻り込まれる。
いきなり喉奥まで突っ込まれ、腹の奥から酸っぱい物が込み上げてくる。
「ンぐッ!ォエッ」
だが、ゴブリンは構わず喉奥を何度も突き上げる。
気を紛らすために目だけをユーリスに向けると、
ゴブリン2匹と兜合わせをして抜かれている。
「んっ…っんぁっ!」
ユーリスは甘美な声を上げていた。
(ユーリスが辛そうじゃ無くてよかった…)
酸欠と吐き気で思考回路までも犯されてしまったリュウトはユーリスの甘い声を聞き、安堵してしまった。
そんなことを考えていると、口の中に苦味のある汁が溢れ、肉棒がはち切れんばかりに膨れあがった。
瞬間、口の中にマグマのように熱く、生臭い精液を流し込まれた。
「ぐッんんッ!」
どれほどの量を出したのだろうか。
人間の範疇を超えた精液のうち半分は胃に入り、もう半分は口や鼻から流れ出した。
ずるっと口から抜かれたそれはヌラヌラと厭らしく光っている。

「ウォッ…」
びちゃびちゃと気持ち悪さから胃の中のものを吐き出す。
本日2度目の吐瀉物には、固形物は混じっておらず、生臭い精液と酸っぱい胃液だけが吐き出された。

「んっ!あァ!!」
向こうでユーリス達も達したらしい。

「はぁ…はぁ…」
体は一歩も動けない。
このまま殺されるのだろう。
そんなことを考えてると、ガチャガチャッとリュウトのズボンに手をかけられる。
「ぁ…ぃや、やめろぉ…」
力なく抵抗する。
流石にここまでされれば、男のリュウトは気付く。
このまま犯されてるのだと。
いつしか、村にきた冒険者が「案外、尻を弄られるのもいいぞ」とか言っていたのを思い出す。
自分も気持ち良くなれるだろうかと諦めていると、ゴブリン達が急に辺りを見渡した。

そして、リュウトやユーリスをそのままに落とした盾や剣を拾い、身支度を始めた。
[誰かに操られてる]
そんなユーリスの言葉を思い出した。
(そのまま去ってくれ…)
リュウトの願いは半分は叶った。
殆どのゴブリン達が何事もなかったように森の中に消えていく。
だが、1匹だけはユーリスの近くにいる。
不穏な気持ちになり、動こうとするが思うように動かせない。

ユーリスは気を失っているのか、ピクリともしない。

ゴブリンはユーリスの前で立ち止まり、剣を抜いた。

そして、ゆっくりとユーリスの腹に剣を突き立てる。
リュウトがゴブリンに突き立てたように。
「んがぁぁぁぁぁあ!」
ユーリスは劇痛のあまり絶叫をあげた。
体をビクッと振るわせ、それ以降動かなくなってしまった。

ゴブリンはニヤニヤと満足そうに森の中へ消えていく。


「それで?とどめ刺さなかったの?」
神殿の中でアルスはクレイティアに尋ねる。
「そうよ、神官の方は儀式の邪魔してくれたからゆっくり死ぬようにしてあげたわ。もう1人の方は目の前で仲間が死ぬのを見てもらうの」
ふふっと笑う彼女にアルスはいい性格してると思う。
しかし、それを非難するつもりはない。
自分だって人には言えない性癖を持っている。
それに自分たちはそんな奴らが集まった組織の一員なのだから。

「それでもう術式は完成するのかしら?折角のお楽しみを中断してきたのだし…」
「もちろんだよ。でも生贄がまだ少し足りないから発動させながら生贄調達でもしようか」
「あら、もちろん私も参加していいのよね?」
クスクスと笑う2人の影が燭台の炎で揺れる。

ゴブリン達が去ってすぐに、リュウトは起き上がった。
動かないとかそんなことはもう、どうでもよかった。
近くにある自分の鞄を拾い、ユーリスにフラつきながら駆け寄る。

「ユーリス!」
だが、返事はない。
「おい!しっかりしろ!」
僅かだが呼吸音はしている。
鞄の中から薬草とポーションを取り出す。
だがこの2つは軽い症状に効果があり、重い症状には殆ど効果がない。
それでもユーリスにポーションを半分飲ませ、もう半分を傷口に塗った。
リュウトは薬師のスキルを持っていないため、どれが一番の有効か分からなかった。
浅い知識で治療するしかない。
応急処置ともいえない治療を終え、辺りに散らばった物を集める。
ユーリスのズボンはビリビリに破られ、陰茎がみえている。
リュウトは居た堪れない気持ちになり、自分の上着の一枚を巻き付けて、ユーリスを背負う。

来た道は戻らず、先に進む。
今更戻ったところでコレット村にはいつたどり着くのか。
それ以前に魔物に会ったらどうしようもない。
だが、先に進んだところで何があるかも分からない。
それでも、前に進むしかない。

背負っている背中が冷たくなっていく。
自分の心臓はうるさいほどにドクドクしてるのに。
背負っている手が血で濡れる。
血がユーリスの白い服を紅く染め上げる。

どうしてこんな事になったのか。
どうして村に入ってしまったのか。
どうして自分はこんなに弱いのか。……

リュウトは涙が止まらなかった。
「ふぐッ…ぐず……、ぅ、うわあぁぁん…」
大声で泣き始めてしまった。
ここまで大声で泣いたのは生まれて初めてかもしれない。
この涙は悔しさなのか、辛さなのか、苦しさなのか、はたまた、全てなのか分からなかった。
ただ、ユーリスを失いたくない気持ちだけは強く残っている。
涙と鼻水と涎で顔をぐしゃぐしゃにして歩き続ける。
暗がりの森で泣き声だけが木霊する。

どれほど歩いたのだろう。
実はそんなに歩いてないのかもしれない。
ユーリスの鼓動はまだ弱々しく鳴っている。

いつの間にか、足元はぬかるんでいた。
「ぐすっ…、」
まだ泣き足りないリュウトは沼地に出た事に気づいた。
開けた沼地に誰かが立っており、体を強張らせる。
しかし、そこに立っていた人物を見て涙を流すことを一瞬忘れた。

沼地に立っている人物は青年であった。
月明かりに照らされる髪はきらきらと白く輝いており、とても幻想的である。
顔立ちは全ての人が見惚れるほどの美貌である。
沼地に立つ青年はどこか儚気で、そこだけ世界と乖離しているようだった。

青年はどうやらこちらに気付いたようで、月明かりに照らされる空の様な瞳をこちらに向けた。
そして、
「誰だ、貴様は」
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