望みの果てに得たもの

げっぱー

文字の大きさ
1 / 2

1話

しおりを挟む
 午後の昼下がり、空は夜と思われる程に闇色の雲に覆われていた。大地は大量の魔物の死骸が横たわり周囲にむせ返る臭いを漂わせていた。

 「はぁはぁ…」

 「フーフー…」

 「……」

 「ま、まだまだぁっ」

 人一人覆い隠すほどの大楯を持つ戦士、両手にリボルバー式の拳銃を持つ魔砲士、先端に拳大の緑色の宝石が取り付けてある両手持ちの杖握る神官、刀身が白く発光している剣を持つ勇者。四人の勇者パーティーが黄金に輝くスケルトンと対峙している。

「たかが餌ごときに我が…憎悪に委ね過ぎたか。だがっ、我は滅びぬ。」

 黄金の骨から闇色のオーラが滲み出て自身の二倍近い大きな闇色の玉を造り出した。反動で骨に無数の皹が走る。

 「ミノル、ヨウイチ、ハマクミ、奴の身体を見ろっ。無理やり力を引き出しているようだ。」

 「よしっ!ここが踏ん張りどころだ。畳み掛けようぜ、ヒロイチ。」

 ヨウイチが空の薬莢リボルバーから取り除き弾丸を補充する。

 「あの黒玉は私とミノルでなんとかするわ。即興だけど試してみる。いい?ミノル」

 「は、はい~」ハマクミが素早くミノルに内容を耳打ちする。ヒロイチは剣にありったけの魔力を注ぎ込む。

 「皆、いくぞー」

 ヒロイチは真っ直ぐ駆け出した。

 「我は魔を統べる王!ゴルド=ムートッ貴様ラに死を与えるモノなり!暗黒の坩堝#ダークインパクト#」

 勇者達に向け攻撃を放つ。攻撃の瞬間ヨウイチが魔砲を全弾発射、仲間にさまざまなブーストを掛け敵の後方に逃走遮断結界を敷く。ミノルは大楯を攻撃の正面よりやや斜めに受け流す形で「最大級防御」を展開。ハマクミはミノルのスキルに重ねる様に魔導障壁を三重掛け+聖撃付与を行い、敵の攻撃魔法の外側に聖なる力を貼り付けてお返しした。

 「いっけぇぇ」

 「ナ、ナニィ。チィ!」

 術の発動直後を狙われ狼狽するもすぐに回避行動に移る。しかし後方に設置された逃走遮断結界に阻まれ、邪魔な結界を破壊した直後に聖撃を纏った自らの攻撃が襲いかかる。

 「ゴアァァ…ググ…」

 この攻撃により右側の半分近くを失ってしまった。そこえ間髪入れず勇者ヒロイチが飛び込み大上段で眩く輝く剣を振り下ろした。

 「これで終わりだぁ」 ザシュッ。

 輝く剣が髑髏を真っ二つした。ばらばらと崩れ地面の中へゆっくりと吸い込まれていくように消えていく黄金色の骨。

 「やったか?」

 「勝ったのよね?」

 「ヒ、ヒロイチさ~ん?」

 「あぁ、他の魔物のボスと同じ死に方だ。俺達は勝ったんだ。」

 「「「やった~」」」

 「ククク…」 暗い沈む笑い声が響く。

 「!!!!」勇者パーティーに緊張が走る。

 「まさか我が敗北するとはな…たが我は不死の存在…いずれ復活する…それ…束の間…平和……そし…神……滅ぼ………………」

 全ての骨が地中に消えおぞましい声も消えた。
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

むしゃくしゃしてやった、後悔はしていないがやばいとは思っている

F.conoe
ファンタジー
婚約者をないがしろにしていい気になってる王子の国とかまじ終わってるよねー

魅了が解けた貴男から私へ

砂礫レキ
ファンタジー
貴族学園に通う一人の男爵令嬢が第一王子ダレルに魅了の術をかけた。 彼女に操られたダレルは婚約者のコルネリアを憎み罵り続ける。 そして卒業パーティーでとうとう婚約破棄を宣言した。 しかし魅了の術はその場に運良く居た宮廷魔術師に見破られる。 男爵令嬢は処刑されダレルは正気に戻った。 元凶は裁かれコルネリアへの愛を取り戻したダレル。 しかしそんな彼に半年後、今度はコルネリアが婚約破棄を告げた。 三話完結です。

冤罪で辺境に幽閉された第4王子

satomi
ファンタジー
主人公・アンドリュート=ラルラは冤罪で辺境に幽閉されることになったわけだが…。 「辺境に幽閉とは、辺境で生きている人間を何だと思っているんだ!辺境は不要な人間を送る場所じゃない!」と、辺境伯は怒っているし当然のことだろう。元から辺境で暮している方々は決して不要な方ではないし、‘辺境に幽閉’というのはなんとも辺境に暮らしている方々にしてみれば、喧嘩売ってんの?となる。 辺境伯の娘さんと婚約という話だから辺境伯の主人公へのあたりも結構なものだけど、娘さんは美人だから万事OK。

勇者パーティーを追放されました。国から莫大な契約違反金を請求されると思いますが、払えますよね?

猿喰 森繁
ファンタジー
「パーティーを抜けてほしい」 「え?なんて?」 私がパーティーメンバーにいることが国の条件のはず。 彼らは、そんなことも忘れてしまったようだ。 私が聖女であることが、どれほど重要なことか。 聖女という存在が、どれほど多くの国にとって貴重なものか。 ―まぁ、賠償金を支払う羽目になっても、私には関係ないんだけど…。 前の話はテンポが悪かったので、全文書き直しました。

父が再婚しました

Ruhuna
ファンタジー
母が亡くなって1ヶ月後に 父が再婚しました

敵に貞操を奪われて癒しの力を失うはずだった聖女ですが、なぜか前より漲っています

藤谷 要
恋愛
サルサン国の聖女たちは、隣国に征服される際に自国の王の命で殺されそうになった。ところが、侵略軍将帥のマトルヘル侯爵に助けられた。それから聖女たちは侵略国に仕えるようになったが、一か月後に筆頭聖女だったルミネラは命の恩人の侯爵へ嫁ぐように国王から命じられる。 結婚披露宴では、陛下に側妃として嫁いだ旧サルサン国王女が出席していたが、彼女は侯爵に腕を絡めて「陛下の手がつかなかったら一年後に妻にしてほしい」と頼んでいた。しかも、侯爵はその手を振り払いもしない。 聖女は愛のない交わりで神の加護を失うとされているので、当然白い結婚だと思っていたが、初夜に侯爵のメイアスから体の関係を迫られる。彼は命の恩人だったので、ルミネラはそのまま彼を受け入れた。 侯爵がかつての恋人に似ていたとはいえ、侯爵と孤児だった彼は全く別人。愛のない交わりだったので、当然力を失うと思っていたが、なぜか以前よりも力が漲っていた。 ※全11話 2万字程度の話です。

魔王を倒した手柄を横取りされたけど、俺を処刑するのは無理じゃないかな

七辻ゆゆ
ファンタジー
「では罪人よ。おまえはあくまで自分が勇者であり、魔王を倒したと言うのだな?」 「そうそう」  茶番にも飽きてきた。処刑できるというのなら、ぜひやってみてほしい。  無理だと思うけど。

悪意のパーティー《完結》

アーエル
ファンタジー
私が目を覚ましたのは王城で行われたパーティーで毒を盛られてから1年になろうかという時期でした。 ある意味でダークな内容です ‪☆他社でも公開

処理中です...