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五章
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王家の密偵の助手として、初めての報酬が届いた。
成果が目に見えるのは嬉しい。でも、額は知りたくない。
私は父に管理を任せ、申請するごとに少しだけ使わせてもらうようにしようと決めた。そしてまずはじめに、父に文鎮を買って贈った。記念と、日ごろの感謝を込めて。
さて。
スタイロン伯爵領の森に魔物が出没しているかもしれないということで、ユーリアから貰ったペンダントを握りしめて調査に向かうと、只の珍しい毛色の狐の親子だった。
「……全然、懐いてくれませんでした……」
「人に育てられでもしなければ、普通は懐いたりしないんだよ。野生の獣なんだから。君は悪くない」
「あんなに可愛いのに……」
「じゃあ、羊を見に行こう」
「羊?」
「いい牧場主がいる。牛と羊と兎を飼ってて、羊と兎からとれた毛であったかぁ~い外套や手袋を作るんだぜ」
「兎も……?」
「そう。膝に抱えて、もしゃもしゃ人参食ってる最中に毛を毟るんだよ。あれは可愛かったな」
「また生えるのですか?」
「ああ。生え替わりの時期に優しく毟ってやるのが健康管理の一つらしい。長い毛がモサモサで、丸くてふわっと──」
「見たいです」
「みんな牧場主とその家族に懐いているから、人を恐がらない。君も仲良くなれるよ。行くか?」
「行きます」
「決まり。オペラと兎、どっちからがいい?」
「オペ……兎」
「よし。キティと兎で百倍可愛い。やったぜ」
王家の密偵の助手という仕事の合間に、こうして二人で余暇を楽しむことも増えてきた。
ライリー提督の家出娘アリッサをコーウェルズ渓谷の関所で捕獲し、父親想いの娘の代表として彼女を説得して「ごめんね、パパ」と泣かせて送り返したその足で、私たちはベインズ牧場へ向かった。
草原を駆ける羊の群と、羊たちを率いる三頭の牧羊犬、牛たちと兎たち。羊以外はマルムフォーシュ伯爵の言う通りよく懐いてくれて、私は素晴らしい体験をした。
一晩お世話になり、美味しいチーズをお土産に貰って帰路につく。
「メエェェェェェ」
「キティ、羊になる」
「メエェェェ……と言えば、彼らの気持ちが少しでもわかるかと思って」
「わかった?」
「いいえ、全然」
「んモオォォォォォ~」
「やめてください。伯爵、さすがに品位に関わります」
「キティしか聞いてないから問題ないモォ」
「まあ、毛の色は多少、牛と似ていますが……」
「んモオォォォォッ」
「伯爵。みんな牝牛ですよ?せめて、もっと可愛く鳴いてください」
「可愛く鳴けなんて、……淫靡だな」
「違うッ!!メ゛エ゛ェ゛ェ゛ェ゛ェ゛」
「どうどう。ご免って」
などと戯れながらオースルンド伯爵家まで送り届けられ、後日改めてオペラ鑑賞へ出かけた。
夏も終わりに近づいている。
私の大好きな演目だったこともあり、とても素晴らしい感動をマルムフォーシュ伯爵と共有した。マルムフォーシュ伯爵は興奮する私を窘めたり宥めたりせず、一緒に盛り上がってくれる。それがとても楽しくて、気持ちが更に満たされた。
「楽譜は如何ですか!」
土産広場に目を引かれる。
「見ておいで」
「伯爵は?……あ、特に欲しいものはないと」
「否、あの群れを見たまへ」
見ると、目を輝かせた貴族たちが四方八方からマルムフォーシュ伯爵目がけて他の観客を掻き分け押し寄せてくるところだった。
「今日はお忍びだというのに、すまない」
「いいえ」
「目が届く位置にいるから」
「はい。では、下がっていますね」
「楽譜は買うんだよ、キティ。一緒に歌おう」
「考えておきます」
「行け……!」
「はい……!」
私は意気揚々と土産広場へ向かった。
こちらはこちらで貴族や裕福な商人風の観客たちで賑わっている。皆、目をキラキラさせて笑顔だった。きっと私も同じ顔をしているだろう。
ファロンがくれたオルゴールがあるかと思ったけれど、同じものは見当たらなかった。代わりに似た雰囲気の指人形があり、小さなレディが両親に強請っているのを微笑ましく眺めていると、私はふいに寒気を覚えた。
次の瞬間、左肩の辺りから声がした。
「君たち、結婚すれば?」
「ハゥッ!」
意味がわからない。
いつの間にかラルフ卿が隣に立っていたのだ。
呼んでいない。
ということは、ユーリアと一緒にオペラ鑑賞に来ていたということ?
そういえば、ユーリアは歌が好きそうだし……
「なんて目で僕を見るのかな、君は。幽霊じゃないんだよ?」
「存じております……けれど……」
「楽譜、買うんでしょう?余所見してると無くなるよ」
「あ、はい。──楽譜をください」
私がコインを抓んだ手を伸ばすと、売り子の少年が眩しい笑顔を此方に向けた。
「はい!ありがとうございます!麗しい貴族のお姫様!」
「お姫……って、えぇ……?」
大層な呼ばれ方で、堂々と受け取っていいものかと逡巡していると、隣に立つラルフ卿が僅かに身を乗り出して私の代わりに楽譜を二部受け取った。
「もう。場慣れしていないんだから」
「そんな……あ、ありがとうございます」
「ほら、君の分」
「あ、代金が……」
「君の目は何処についているの?僕もコインを持った手を伸ばしたよ」
「大変申し訳ございませんでした」
「謝る必要ないけど。他はいいの?指人形、見てたでしょ?」
「……」
ラルフ卿って、予想より遥かに世話焼き気質な人みたい。
「僕は買ってあげないよ?」
「はい、勿論です。意外だと思って、つい」
「まあ、いいや。いい機会だから覚えておいて。僕は」
「はい」
「君には優しくするつもりだよ」
「……」
ユーリアの力は偉大だと、この時ばかりは純粋に心から感心してしまった。
指人形が小さなレディの手に迎えられるのを見届けて、私は母に絵葉書と栞を買った。ラルフ卿は楽譜だけでいいようだ。
二人で土産広場から少し離れる。
「ユーリア様といらっしゃったんですか?」
「うん。ほら」
「?」
顎で示された先を見遣る。
マルムフォーシュ伯爵を取り囲む貴族たちの輪の中に、じりじりとにじり寄るユーリアの頭頂部が見え隠れしている。
「……」
なんて律儀な。
ヴァンパイアの力を使うまでもなく、フォーシュバリ侯爵家の名前だけで他の貴族など蹴散らせるというのに。
「行ってさしあげなくてよろしいのですか?私より、余程……」
「ああいうのが楽しいみたい」
「そう……ですか」
「あのさ。君」
「はい」
マルムフォーシュ伯爵との接し方や処世術など、何かしらの小言を聞かされるのかと気を引き締める。
ところが、ラルフ卿は私の想像もしなかった言葉を口にした。
「これから悪いことを耳にすると思うけど、恐がらなくていいから」
「……え?」
既に恐い。
ラルフ卿は、言うべきことは伝えたとばかりに気の済んだ表情をしており、私から重ねて詳細を尋ねるのは難しかった。
更にはユーリアがマルムフォーシュ伯爵の元へ辿り着き、貴族たちがいっそう沸いたのを機に、ラルフ卿は私を促し歩き出してしまった。
マルムフォーシュ伯爵が、何処か硬さを隠しきれない微笑みで私を見守っている。
「……」
私がラルフ卿から仄めかされた不気味な予言の詳細を、ユーリアが一瞬でマルムフォーシュ伯爵に告げたのだろうか。
できないことはない気がするので、あとでマルムフォーシュ伯爵に確認しよう。
人込みから守るようにラルフ卿が私の背に手を当ててくれた。
背中がぞくりとしたけれど、これは優しさなのだと内心で自らを励ます。一応お礼を言おうと真横に顔を向けると、ラルフ卿は蕩けるような優しい微笑でユーリアを見つめていた。
邪魔しないでおこう。
そんなふうに考えて黙って前を向いた私に、ラルフ卿の方から囁いた。
「あとさ」
ついに小言を?
マルムフォーシュ伯爵たちのところまでかなり近づいている。だから、私に甘い二人には聞かせたくない本気の叱責を此処で一つということなのだと覚悟した。
けれど、違った。
ラルフ卿が囁く。
「ごめんね」
「……?」
気持ちはありがたいけれど、ますます恐い。
次の瞬間には満面の笑みを浮かべるユーリアに氷の抱擁をされて、私はすっかり縮み上がり、けれど人前であることから行儀よく歓迎する態度を示し、ついには無意識にマルムフォーシュ伯爵に擦り寄って抱きついていた。
「まあ、甘えん坊さんね」
上機嫌なユーリアの言葉につられ、貴族たちも温かく見守るような朗らかな笑い声をあげていた。
こうして不気味な予言は有耶無耶になり、オペラも素晴らしかったので帰りの馬車では燥いでしまって、只々楽しい思い出となった。
けれど、数日後、悲しい報せが王国を昏く覆い尽くした。
国王陛下が、天に召された。
急な発作とのことだった。
成果が目に見えるのは嬉しい。でも、額は知りたくない。
私は父に管理を任せ、申請するごとに少しだけ使わせてもらうようにしようと決めた。そしてまずはじめに、父に文鎮を買って贈った。記念と、日ごろの感謝を込めて。
さて。
スタイロン伯爵領の森に魔物が出没しているかもしれないということで、ユーリアから貰ったペンダントを握りしめて調査に向かうと、只の珍しい毛色の狐の親子だった。
「……全然、懐いてくれませんでした……」
「人に育てられでもしなければ、普通は懐いたりしないんだよ。野生の獣なんだから。君は悪くない」
「あんなに可愛いのに……」
「じゃあ、羊を見に行こう」
「羊?」
「いい牧場主がいる。牛と羊と兎を飼ってて、羊と兎からとれた毛であったかぁ~い外套や手袋を作るんだぜ」
「兎も……?」
「そう。膝に抱えて、もしゃもしゃ人参食ってる最中に毛を毟るんだよ。あれは可愛かったな」
「また生えるのですか?」
「ああ。生え替わりの時期に優しく毟ってやるのが健康管理の一つらしい。長い毛がモサモサで、丸くてふわっと──」
「見たいです」
「みんな牧場主とその家族に懐いているから、人を恐がらない。君も仲良くなれるよ。行くか?」
「行きます」
「決まり。オペラと兎、どっちからがいい?」
「オペ……兎」
「よし。キティと兎で百倍可愛い。やったぜ」
王家の密偵の助手という仕事の合間に、こうして二人で余暇を楽しむことも増えてきた。
ライリー提督の家出娘アリッサをコーウェルズ渓谷の関所で捕獲し、父親想いの娘の代表として彼女を説得して「ごめんね、パパ」と泣かせて送り返したその足で、私たちはベインズ牧場へ向かった。
草原を駆ける羊の群と、羊たちを率いる三頭の牧羊犬、牛たちと兎たち。羊以外はマルムフォーシュ伯爵の言う通りよく懐いてくれて、私は素晴らしい体験をした。
一晩お世話になり、美味しいチーズをお土産に貰って帰路につく。
「メエェェェェェ」
「キティ、羊になる」
「メエェェェ……と言えば、彼らの気持ちが少しでもわかるかと思って」
「わかった?」
「いいえ、全然」
「んモオォォォォォ~」
「やめてください。伯爵、さすがに品位に関わります」
「キティしか聞いてないから問題ないモォ」
「まあ、毛の色は多少、牛と似ていますが……」
「んモオォォォォッ」
「伯爵。みんな牝牛ですよ?せめて、もっと可愛く鳴いてください」
「可愛く鳴けなんて、……淫靡だな」
「違うッ!!メ゛エ゛ェ゛ェ゛ェ゛ェ゛」
「どうどう。ご免って」
などと戯れながらオースルンド伯爵家まで送り届けられ、後日改めてオペラ鑑賞へ出かけた。
夏も終わりに近づいている。
私の大好きな演目だったこともあり、とても素晴らしい感動をマルムフォーシュ伯爵と共有した。マルムフォーシュ伯爵は興奮する私を窘めたり宥めたりせず、一緒に盛り上がってくれる。それがとても楽しくて、気持ちが更に満たされた。
「楽譜は如何ですか!」
土産広場に目を引かれる。
「見ておいで」
「伯爵は?……あ、特に欲しいものはないと」
「否、あの群れを見たまへ」
見ると、目を輝かせた貴族たちが四方八方からマルムフォーシュ伯爵目がけて他の観客を掻き分け押し寄せてくるところだった。
「今日はお忍びだというのに、すまない」
「いいえ」
「目が届く位置にいるから」
「はい。では、下がっていますね」
「楽譜は買うんだよ、キティ。一緒に歌おう」
「考えておきます」
「行け……!」
「はい……!」
私は意気揚々と土産広場へ向かった。
こちらはこちらで貴族や裕福な商人風の観客たちで賑わっている。皆、目をキラキラさせて笑顔だった。きっと私も同じ顔をしているだろう。
ファロンがくれたオルゴールがあるかと思ったけれど、同じものは見当たらなかった。代わりに似た雰囲気の指人形があり、小さなレディが両親に強請っているのを微笑ましく眺めていると、私はふいに寒気を覚えた。
次の瞬間、左肩の辺りから声がした。
「君たち、結婚すれば?」
「ハゥッ!」
意味がわからない。
いつの間にかラルフ卿が隣に立っていたのだ。
呼んでいない。
ということは、ユーリアと一緒にオペラ鑑賞に来ていたということ?
そういえば、ユーリアは歌が好きそうだし……
「なんて目で僕を見るのかな、君は。幽霊じゃないんだよ?」
「存じております……けれど……」
「楽譜、買うんでしょう?余所見してると無くなるよ」
「あ、はい。──楽譜をください」
私がコインを抓んだ手を伸ばすと、売り子の少年が眩しい笑顔を此方に向けた。
「はい!ありがとうございます!麗しい貴族のお姫様!」
「お姫……って、えぇ……?」
大層な呼ばれ方で、堂々と受け取っていいものかと逡巡していると、隣に立つラルフ卿が僅かに身を乗り出して私の代わりに楽譜を二部受け取った。
「もう。場慣れしていないんだから」
「そんな……あ、ありがとうございます」
「ほら、君の分」
「あ、代金が……」
「君の目は何処についているの?僕もコインを持った手を伸ばしたよ」
「大変申し訳ございませんでした」
「謝る必要ないけど。他はいいの?指人形、見てたでしょ?」
「……」
ラルフ卿って、予想より遥かに世話焼き気質な人みたい。
「僕は買ってあげないよ?」
「はい、勿論です。意外だと思って、つい」
「まあ、いいや。いい機会だから覚えておいて。僕は」
「はい」
「君には優しくするつもりだよ」
「……」
ユーリアの力は偉大だと、この時ばかりは純粋に心から感心してしまった。
指人形が小さなレディの手に迎えられるのを見届けて、私は母に絵葉書と栞を買った。ラルフ卿は楽譜だけでいいようだ。
二人で土産広場から少し離れる。
「ユーリア様といらっしゃったんですか?」
「うん。ほら」
「?」
顎で示された先を見遣る。
マルムフォーシュ伯爵を取り囲む貴族たちの輪の中に、じりじりとにじり寄るユーリアの頭頂部が見え隠れしている。
「……」
なんて律儀な。
ヴァンパイアの力を使うまでもなく、フォーシュバリ侯爵家の名前だけで他の貴族など蹴散らせるというのに。
「行ってさしあげなくてよろしいのですか?私より、余程……」
「ああいうのが楽しいみたい」
「そう……ですか」
「あのさ。君」
「はい」
マルムフォーシュ伯爵との接し方や処世術など、何かしらの小言を聞かされるのかと気を引き締める。
ところが、ラルフ卿は私の想像もしなかった言葉を口にした。
「これから悪いことを耳にすると思うけど、恐がらなくていいから」
「……え?」
既に恐い。
ラルフ卿は、言うべきことは伝えたとばかりに気の済んだ表情をしており、私から重ねて詳細を尋ねるのは難しかった。
更にはユーリアがマルムフォーシュ伯爵の元へ辿り着き、貴族たちがいっそう沸いたのを機に、ラルフ卿は私を促し歩き出してしまった。
マルムフォーシュ伯爵が、何処か硬さを隠しきれない微笑みで私を見守っている。
「……」
私がラルフ卿から仄めかされた不気味な予言の詳細を、ユーリアが一瞬でマルムフォーシュ伯爵に告げたのだろうか。
できないことはない気がするので、あとでマルムフォーシュ伯爵に確認しよう。
人込みから守るようにラルフ卿が私の背に手を当ててくれた。
背中がぞくりとしたけれど、これは優しさなのだと内心で自らを励ます。一応お礼を言おうと真横に顔を向けると、ラルフ卿は蕩けるような優しい微笑でユーリアを見つめていた。
邪魔しないでおこう。
そんなふうに考えて黙って前を向いた私に、ラルフ卿の方から囁いた。
「あとさ」
ついに小言を?
マルムフォーシュ伯爵たちのところまでかなり近づいている。だから、私に甘い二人には聞かせたくない本気の叱責を此処で一つということなのだと覚悟した。
けれど、違った。
ラルフ卿が囁く。
「ごめんね」
「……?」
気持ちはありがたいけれど、ますます恐い。
次の瞬間には満面の笑みを浮かべるユーリアに氷の抱擁をされて、私はすっかり縮み上がり、けれど人前であることから行儀よく歓迎する態度を示し、ついには無意識にマルムフォーシュ伯爵に擦り寄って抱きついていた。
「まあ、甘えん坊さんね」
上機嫌なユーリアの言葉につられ、貴族たちも温かく見守るような朗らかな笑い声をあげていた。
こうして不気味な予言は有耶無耶になり、オペラも素晴らしかったので帰りの馬車では燥いでしまって、只々楽しい思い出となった。
けれど、数日後、悲しい報せが王国を昏く覆い尽くした。
国王陛下が、天に召された。
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