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数日後、廊下でウォリロウ侯爵夫人に呼び止められた。
「レイチェル……!」
夫の叔父の急逝に伴い生活は一変した。
とはいえ、トレヴァーにも私にも勤めがあり即刻転居というわけにはいかない。特にトレヴァーは執政官である父親ミュリス伯爵の補佐として宮廷で働いているのだから、一朝一夕で済ませられる引継ぎなどは存在しなかった。
私はゆっくりと転居の準備を進めていた。
元がグレース妃を励ます会話相手の侍女である。
元気で愛くるしい天使二人を無事に迎えることが叶った今、乳母の手伝いや雑用が加わったというだけで、それは終わりゆく日々の中でも真摯に向き合える大切な役目だった。
ウォリロウ侯爵夫人はもう、私に雑用を言いつけなくなっていた。
既に送り出す人物として、私とは一定の距離を取り始めていた。ウォリロウ侯爵夫人なりの礼儀だったのだろう。
それが、胸の内を隠しておけなくなったとでも言うように、やや切迫した様子で私を呼び留めたので、こちらも驚いて訊き返してしまった。
「三人目ですか?」
そうなれば話は少し違ってくる。
私はトレヴァーと共に辺境の地へと行くかもしれないけれど、その時期は私だけ遅くなるか、或いはそれをどうするかを真剣に話し合わなくてはならない。
ところがウォリロウ侯爵夫人は首を振った。
「いいえ。でも、そういう話」
「?」
どうやらグレース妃は妊娠してはいないらしい。
でも、そういう話らしい。
……ウォリロウ侯爵夫人が今になって高齢出産ということはさすがに考え難く、もしあるとすればモードリンだろうけれども、仮にモードリンが妊娠したところでウォリロウ侯爵夫人はこんな狼狽を見せないはずだ。
「……」
残るは、私?
「レイチェル」
ウォリロウ侯爵夫人がそっと私の腕に触れた。
そして思慮深く気遣うような眼差しで私の目を覗き込んだ。
「……」
ウォリロウ侯爵夫人はグレース妃の妊娠を主治医より先に察知した人生の先輩だ。
私……もう妊娠した……!?
まさか……!
「あなた、妊娠はまだでしょう?」
「!」
違った!
「ハフッ!」
驚きすぎて変な溜息が洩れる。というか噴き出す。
「何?」
ウォリロウ侯爵夫人が訝しげに顔を寄せてきたので、私は胸を撫で下ろしつつ首を振った。
「いえ、あまりにも驚いてしまって……!」
「え?どういう意味?」
「私が妊娠したって宣告されるのかと思って」
「したの?」
「いいえ!?」
「でしょうね」
やはり私は妊娠していない。
それはそうだ。していない自覚があるもの。
ああ、びっくりした。
「ねえ、レイチェル」
ウォリロウ侯爵夫人はどうも真剣な調子で声を潜める。
私は思わぬ妊娠をしていなくて胸を撫で下ろしているけれど、ウォリロウ侯爵夫人が何かまだ驚くべきことを言い出しそうで、息を飲んだ。
その予感は当たり、彼女は思わぬ悪魔の囁きを私に与えた。
「今なら、まだ戻れるのよ」
「……はい?」
何を仰っていらっしゃるのかわかりませんという意味の返しをしつつも、心の中ではウォリロウ侯爵夫人の意図がすぐにわかった。
まだ、子どもがいない。
今の内に、いつ戦地になるかわからないような辺境の地へ向かう男とは離婚してしまってもいいのだと、そう囁いている。
私はウォリロウ侯爵夫人の言葉を思い出した。
結婚は何度してもいいと、彼女は言った。
それは無節操に自由奔放な生き方をしろと示唆したのではない。命ある限り、何度でも幸せを追い求めなさいと励ましてくれたのだ。
私はトレヴァーと離婚する気はない。
ウォリロウ侯爵夫人に逆らうつもりはないし、私を死なせたくないと思ってくれる気持ちには感謝しかない。
私は敬愛するウォリロウ侯爵夫人に微笑み、首を振った。
「……」
ウォリロウ侯爵夫人は私を見つめている。
きっと、私が即答で離婚を表明するとは考えていなかったはずだ。
今ウォリロウ侯爵夫人の心の中では亡くなった最愛の息子と私が奇妙な塩梅で入り混じり、彼女自身、落ち着くのを待っているのだろう。
だから私はウォリロウ侯爵夫人の手を取り、親愛の意を込めて握り、待った。
ウォリロウ侯爵夫人はやがて静かに弁明を始めた。
「あなたの意志を変えたいわけでも、トレヴァーを認めていないわけでもないのよ」
「わかっています」
「あなたの強さや、忠実な人柄は、かけがえのない賜物だわ」
「ありがとうございます」
「あなたの幸せを願うあまり余計なことを言ってしまったわね」
「いいえ」
謝ってほしくはなかった。
ウォリロウ侯爵夫人は何も悪いことはしていないし、私は、嬉しかったのだから。
「忘れません。ご指導いただいたこと、祝福してくださったこと、そして、私の無事を祈り続けてくださること」
「無事は勿論、幸せを願っているのよ」
「ありがとうございます。たくさん学ばせて頂きました。だから私は強くなれたのですし、これからも、強く生きて行けます」
「……ゴールトン=コリガン辺境伯夫人として」
ウォリロウ侯爵夫人の顔に柔らかな笑みが浮かぶ。
それは、以前私の幸せを願ってくれた時よりもっと優しく、親しみが込められた微笑みだった。
「はい」
私が答えると、ウォリロウ侯爵夫人もまた、何かを決意したかのように瞳を輝かせて言った。
「レイチェル、あなたは幸せになる。今よりもっと。私はお友達としてそう信じます」
「……っ」
急に思いが込み上げ、目頭が熱くなる。
やはり私はウォリロウ侯爵夫人には及ばない小娘なのだ。
ウォリロウ侯爵夫人に優しく抱き寄せられるまま、私は静かに涙を流した。
夫にとってどれだけ栄誉なことだとしても、親しい人たちと遠く離れ、戦地になるかもしれない場所へ行くのは寂しくて恐い。
誰にも素直に言えなかった思いを今、ウォリロウ侯爵夫人が全て受け止めてくれている。
ウォリロウ侯爵夫人が私の頭を撫で、背中をさする。
息子が生きていたら私とぴったりだったと言った。だから私は今、娘のように、ウォリロウ侯爵夫人に頼り甘えることを自分に許した。
深く落ち着いたウォリロウ侯爵夫人の声は、優しく私を宥め続ける。
「レイチェル。大丈夫よ。忘れないで。あなたを愛し、あたなたの幸せと無事を祈る人たちは、本気であなたに何かがあったなら助けたいと考えているのよ。そして行動する。それを覚えていて」
「……はい」
「遠慮しないで、すぐに手紙を寄越しなさい」
「はい」
私の返事を合図にウォリロウ侯爵夫人が抱擁を解き、私の頬の涙を拭い、ニコリと笑った。
それは実際の母を思い出させる笑顔だった。
「浮気されたら、即、捨てなさい」
「……ふっ」
私も笑って、頷く。
きっとそうはならないとわかっているけれど、ウォリロウ侯爵夫人が教えてくれた大切なことを忘れないように、心に刻んだ。
心温まる余韻を名残惜しむように私たちは暫く沈黙し微笑んでいたけれど、ウォリロウ侯爵夫人が先に持ち場に戻った。
大切な思い出が私を強くする。
生かしている。
その思いは、別れを待つ日々の中で確かに私を包み、満たし、励ましてくれた。
寂しさは拭えないけれど、これからは夫トレヴァーと二人だけの生活が始まる。
楽しみだけが待っているわけではないとしても、私は近い未来に期待して日々を慈しんだ。
そして、その日を迎える。
辺境の地へと長い旅を経て、新しい人生が、ついに幕を開けたのだった。
「レイチェル……!」
夫の叔父の急逝に伴い生活は一変した。
とはいえ、トレヴァーにも私にも勤めがあり即刻転居というわけにはいかない。特にトレヴァーは執政官である父親ミュリス伯爵の補佐として宮廷で働いているのだから、一朝一夕で済ませられる引継ぎなどは存在しなかった。
私はゆっくりと転居の準備を進めていた。
元がグレース妃を励ます会話相手の侍女である。
元気で愛くるしい天使二人を無事に迎えることが叶った今、乳母の手伝いや雑用が加わったというだけで、それは終わりゆく日々の中でも真摯に向き合える大切な役目だった。
ウォリロウ侯爵夫人はもう、私に雑用を言いつけなくなっていた。
既に送り出す人物として、私とは一定の距離を取り始めていた。ウォリロウ侯爵夫人なりの礼儀だったのだろう。
それが、胸の内を隠しておけなくなったとでも言うように、やや切迫した様子で私を呼び留めたので、こちらも驚いて訊き返してしまった。
「三人目ですか?」
そうなれば話は少し違ってくる。
私はトレヴァーと共に辺境の地へと行くかもしれないけれど、その時期は私だけ遅くなるか、或いはそれをどうするかを真剣に話し合わなくてはならない。
ところがウォリロウ侯爵夫人は首を振った。
「いいえ。でも、そういう話」
「?」
どうやらグレース妃は妊娠してはいないらしい。
でも、そういう話らしい。
……ウォリロウ侯爵夫人が今になって高齢出産ということはさすがに考え難く、もしあるとすればモードリンだろうけれども、仮にモードリンが妊娠したところでウォリロウ侯爵夫人はこんな狼狽を見せないはずだ。
「……」
残るは、私?
「レイチェル」
ウォリロウ侯爵夫人がそっと私の腕に触れた。
そして思慮深く気遣うような眼差しで私の目を覗き込んだ。
「……」
ウォリロウ侯爵夫人はグレース妃の妊娠を主治医より先に察知した人生の先輩だ。
私……もう妊娠した……!?
まさか……!
「あなた、妊娠はまだでしょう?」
「!」
違った!
「ハフッ!」
驚きすぎて変な溜息が洩れる。というか噴き出す。
「何?」
ウォリロウ侯爵夫人が訝しげに顔を寄せてきたので、私は胸を撫で下ろしつつ首を振った。
「いえ、あまりにも驚いてしまって……!」
「え?どういう意味?」
「私が妊娠したって宣告されるのかと思って」
「したの?」
「いいえ!?」
「でしょうね」
やはり私は妊娠していない。
それはそうだ。していない自覚があるもの。
ああ、びっくりした。
「ねえ、レイチェル」
ウォリロウ侯爵夫人はどうも真剣な調子で声を潜める。
私は思わぬ妊娠をしていなくて胸を撫で下ろしているけれど、ウォリロウ侯爵夫人が何かまだ驚くべきことを言い出しそうで、息を飲んだ。
その予感は当たり、彼女は思わぬ悪魔の囁きを私に与えた。
「今なら、まだ戻れるのよ」
「……はい?」
何を仰っていらっしゃるのかわかりませんという意味の返しをしつつも、心の中ではウォリロウ侯爵夫人の意図がすぐにわかった。
まだ、子どもがいない。
今の内に、いつ戦地になるかわからないような辺境の地へ向かう男とは離婚してしまってもいいのだと、そう囁いている。
私はウォリロウ侯爵夫人の言葉を思い出した。
結婚は何度してもいいと、彼女は言った。
それは無節操に自由奔放な生き方をしろと示唆したのではない。命ある限り、何度でも幸せを追い求めなさいと励ましてくれたのだ。
私はトレヴァーと離婚する気はない。
ウォリロウ侯爵夫人に逆らうつもりはないし、私を死なせたくないと思ってくれる気持ちには感謝しかない。
私は敬愛するウォリロウ侯爵夫人に微笑み、首を振った。
「……」
ウォリロウ侯爵夫人は私を見つめている。
きっと、私が即答で離婚を表明するとは考えていなかったはずだ。
今ウォリロウ侯爵夫人の心の中では亡くなった最愛の息子と私が奇妙な塩梅で入り混じり、彼女自身、落ち着くのを待っているのだろう。
だから私はウォリロウ侯爵夫人の手を取り、親愛の意を込めて握り、待った。
ウォリロウ侯爵夫人はやがて静かに弁明を始めた。
「あなたの意志を変えたいわけでも、トレヴァーを認めていないわけでもないのよ」
「わかっています」
「あなたの強さや、忠実な人柄は、かけがえのない賜物だわ」
「ありがとうございます」
「あなたの幸せを願うあまり余計なことを言ってしまったわね」
「いいえ」
謝ってほしくはなかった。
ウォリロウ侯爵夫人は何も悪いことはしていないし、私は、嬉しかったのだから。
「忘れません。ご指導いただいたこと、祝福してくださったこと、そして、私の無事を祈り続けてくださること」
「無事は勿論、幸せを願っているのよ」
「ありがとうございます。たくさん学ばせて頂きました。だから私は強くなれたのですし、これからも、強く生きて行けます」
「……ゴールトン=コリガン辺境伯夫人として」
ウォリロウ侯爵夫人の顔に柔らかな笑みが浮かぶ。
それは、以前私の幸せを願ってくれた時よりもっと優しく、親しみが込められた微笑みだった。
「はい」
私が答えると、ウォリロウ侯爵夫人もまた、何かを決意したかのように瞳を輝かせて言った。
「レイチェル、あなたは幸せになる。今よりもっと。私はお友達としてそう信じます」
「……っ」
急に思いが込み上げ、目頭が熱くなる。
やはり私はウォリロウ侯爵夫人には及ばない小娘なのだ。
ウォリロウ侯爵夫人に優しく抱き寄せられるまま、私は静かに涙を流した。
夫にとってどれだけ栄誉なことだとしても、親しい人たちと遠く離れ、戦地になるかもしれない場所へ行くのは寂しくて恐い。
誰にも素直に言えなかった思いを今、ウォリロウ侯爵夫人が全て受け止めてくれている。
ウォリロウ侯爵夫人が私の頭を撫で、背中をさする。
息子が生きていたら私とぴったりだったと言った。だから私は今、娘のように、ウォリロウ侯爵夫人に頼り甘えることを自分に許した。
深く落ち着いたウォリロウ侯爵夫人の声は、優しく私を宥め続ける。
「レイチェル。大丈夫よ。忘れないで。あなたを愛し、あたなたの幸せと無事を祈る人たちは、本気であなたに何かがあったなら助けたいと考えているのよ。そして行動する。それを覚えていて」
「……はい」
「遠慮しないで、すぐに手紙を寄越しなさい」
「はい」
私の返事を合図にウォリロウ侯爵夫人が抱擁を解き、私の頬の涙を拭い、ニコリと笑った。
それは実際の母を思い出させる笑顔だった。
「浮気されたら、即、捨てなさい」
「……ふっ」
私も笑って、頷く。
きっとそうはならないとわかっているけれど、ウォリロウ侯爵夫人が教えてくれた大切なことを忘れないように、心に刻んだ。
心温まる余韻を名残惜しむように私たちは暫く沈黙し微笑んでいたけれど、ウォリロウ侯爵夫人が先に持ち場に戻った。
大切な思い出が私を強くする。
生かしている。
その思いは、別れを待つ日々の中で確かに私を包み、満たし、励ましてくれた。
寂しさは拭えないけれど、これからは夫トレヴァーと二人だけの生活が始まる。
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