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五章.サロン・ルポゼとストライカー
五章 サロン・ルポゼとストライカー⑬
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「ありがとうございました!」
みなみの声が店内に響くと、元のコートとサングラス姿に戻った進藤が、受付カウンターまで進んでいった。
「次は君に施術してもらいたいな」
「本当ですか!? 頑張ってセラピストにならないと」
「じゃあ、その頃にまた来るね」
二人の会話は、店内中に響いていた。
スイが遅れて戻ると、肘をカウンターについたナンパモードの進藤と目が合った。
「進藤様、こちらがカモミールです」
「え、進藤様こんなに買ってくれるんですか!?」
みなみが目を真ん丸にして驚いている……それもそのはずだ。
ハーブティーを即日で大人買いするお客様は、今まで一度もいなかった。
「気に入ったからね、このハーブティー。それに、オレサッカー選手だからさ。こういうところに金使わないと」
必死に領収書を書いているみなみを置き去りにして、先に店の外に出る進藤。
スイが追いかけるように外に出てみると、少しヒヤッとした春風が通り過ぎた。
「あの子、可愛いね」
「ありがとうございます。うちの看板娘なんですよ」
スイは何故か、自分が褒められたかのような感謝を伝えてしまう。
スイは男性のお客様に、みなみのことを『あの子可愛いね』とよく聞かれるのだ。
その度に『看板娘』という言葉を使って話を逸らすのだが、その理由はスイ自身でもわからなかった。
「お兄さんはあの子のこと、どう思ってんの?」
みなみの声が店内に響くと、元のコートとサングラス姿に戻った進藤が、受付カウンターまで進んでいった。
「次は君に施術してもらいたいな」
「本当ですか!? 頑張ってセラピストにならないと」
「じゃあ、その頃にまた来るね」
二人の会話は、店内中に響いていた。
スイが遅れて戻ると、肘をカウンターについたナンパモードの進藤と目が合った。
「進藤様、こちらがカモミールです」
「え、進藤様こんなに買ってくれるんですか!?」
みなみが目を真ん丸にして驚いている……それもそのはずだ。
ハーブティーを即日で大人買いするお客様は、今まで一度もいなかった。
「気に入ったからね、このハーブティー。それに、オレサッカー選手だからさ。こういうところに金使わないと」
必死に領収書を書いているみなみを置き去りにして、先に店の外に出る進藤。
スイが追いかけるように外に出てみると、少しヒヤッとした春風が通り過ぎた。
「あの子、可愛いね」
「ありがとうございます。うちの看板娘なんですよ」
スイは何故か、自分が褒められたかのような感謝を伝えてしまう。
スイは男性のお客様に、みなみのことを『あの子可愛いね』とよく聞かれるのだ。
その度に『看板娘』という言葉を使って話を逸らすのだが、その理由はスイ自身でもわからなかった。
「お兄さんはあの子のこと、どう思ってんの?」
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