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最後の思い出
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5分ほどで到着したマンションは、翼のマンションとよく似た雰囲気で、狭いエレベーターが何階かに到着して、外廊下の突き当りのドアが開けられて――。
「っユー……」
扉が閉まった瞬間、ユーリの荒くなった呼吸が翼のなかに入り込んだ。
湯気が出そうな温度が翼を押し潰している。
汗で曇ったメガネで、ユーリがうまく見えない。
ユーリだ。触れれば温かくて、心臓が動いていて、苦しいくらい翼を抱き締めている。アーレジェのなかのユーリとカナタはお似合いだったけど、こんな風に触れ合うことなんかできなかった。
「翼、堪忍……なんも聞かんとキスした」
汗が少し冷えてきたころ、やっと少しだけ離れた唇からユーリの掠れた声がする。
「けど、足りへん。もっとキスしたいんや」
翼の後頭部は壁にくっついていて、その顔を覆うようにユーリの顔がある。熱っぽい視線から目が離せない。
「翼の服、脱がせたいし、ぜんぶ触りたい。それで……」
ユーリの髪が翼の頬を撫でる。耳元に生温い息がかかった。
――抱きたい。
全身の血流が一気に頭まで登ってくる。
こんなシチュエーション、翼の人生にはないはずだったのに。
想像するだけで恥ずかしいし、想像したくせにどうしていいか分からない。
ただ、離れたくないことだけは確かだ。
「……お、俺、こういうのしたことなくて、どうしたらいいか……でも」
嫌じゃない。消えそうにな声を必死に絞り出した。
「俺、脳ミソ沸騰しそうや」
顔を覆って天を仰いだユーリが、また翼をヒョイと抱き上げた。
「え、ちょ……自分で」
歩ける。そんな主張も完全に無視され、部屋の奥へと連れて行かれる。
翼の部屋よりは少し広いくらいのワンルームだ。殺風景な翼の部屋と違って、壁に沿って並べられた棚には、たくさんのフィギュアやゲームソフトが並んでいる。
そっと降ろされたお尻が柔らかい。
べ、ベッドだ――!
翼はユーリのベッドに座っていて、目の前にはユーリがいて。
「ホンマにえぇ?」
熱っぽく見つめられて、ごくりと唾を飲み込んだ。
そう、ここからなにをするかなんて、さすがの翼だって分かっている。精一杯の勇気で、コクリと大きく頷いてみせた。
背中がシーツに押しつけられている。推しの顔がすぐ目の前に迫っていて、というか翼を押し倒していて、こんなの脳内の処理が追いつかない。
あ、キスだ。
ユーリのアップが目の前いっぱいになった。さっきよりも、ついばむみたいなかわいいキスが降っていくる。
それから、腹のあたりに温かな……ユーリの手がTシャツのなかに入り込んでいた。体温の高いユーリの手が、汗に冷えた翼の肌を撫でている。
どうしよう。むちゃくちゃ気持ちいい。
あのときみたいだ。トラブルで取り残されたアーレジェの世界の、夜明けの灯台。あの感触は偽物だと分かってはいるけど、これじゃまるであの日の際限だ。
心地良くてぼんやりしているうちに、気づけば上半身が空気に触れている。
「壊れたらあかんし、外しとくな」
そっとメガネが外されて、一気に視界がぼやけてしまう。けど、きっとぼやけてるくらいがちょうどいいんだ。
どんどん服が脱がされていって、不安になりそうになるたび、ユーリが優しいキスを繰り返す。恥ずかしくて目が開けられなくなって、そのとき背中がフッと抱き寄せられた。
いつのまにか、翼を隠していた布はなにもなくなっていて、全裸でユーリの膝に座らされている。
やっぱりあの日と同じ……きっと、わざとだ。ユーリはあの日をなぞっている。
それに、いつのまに脱いだのか、ユーリの服も床に放り投げられていた。目の前に、鍛えられた胸板がある。記憶にあるアーレジェのユーリにあった傷痕はもちろんない。
けど、こんなの――。
「……鼻血でそう……」
推しのヌードが目の前にあるなんて、どうかしてる。
ユーリがちょっと笑った。
「翼も触って?」
かわいらしくお願いされ、硬直した翼の手がユーリの肌へと誘導された。
うわぁ!
柔らかいし、スベスベだし、こんなのヤバいしかないじゃん。
熱くなった顔を見られないように俯いて、ユーリの隆起した筋肉をなぞる。
そのうちに、ユーリの大きな手のひらがまた翼を撫で始めた。
「翼、細すぎやで? もっと食べな……こんなん、壊してしまいそうや」
「耳元でしゃべるのナシで……ちゃんと食べてるし」
ゾワゾワとしたことを悟られないよう、一生懸命いつもどおりにしゃべろうとがんばった。
「抱っこしても、ごっつ軽かった。俺の半分くらいしかなさそうやん」
「半分はさすがにないって」
温かい手のひらに腰を掴まれて、思わずおかしな声が出そうになる。
「ホンマ? 今、何キロ?」
「去年の健康診断ときで、46キロだったと思う」
自宅に体重計なんかないから、そこからこっちは分からない。ユーリが笑った。
「ちょうど俺の半分やん。ほら、こうやったらスッポリ入るし」
背中から抱き寄せられ、心臓がまた跳ね上がる。このまま死んじゃいそうだ。
「かわいい……翼、かわいい」
ささやきながら、ユーリがなんどもキスをする。なんか、もうキスのほうが恥ずかしくないような気になってくるから、翼もきっとおかしくなっている。
「……っひゃ……」
翼を撫でていたユーリの手が、下腹部へと届く。そこにはすでに、熱をもった塊が主張していて、とういうか、これだけ密着しているから、きっともうバレバレだったはずで……。
軽く握り込まれただけで、小さな湿り気の音が聞こえてて。
「それ……恥ずかしい……」
「恥ずかしないよ? こんななってくれててうれしい」
明らかに翼より立派なユーリのも一緒にくっついて、くちゅくちゅと音が大きくなっていく。
「ゃ、ぁ……」
自分で触るのとは比べものにならない感覚に、腰が抜けてしまいそうだ。
ユーリの唇が重なる。一気に刺激が強くなった。
「んっっ……んん!」
熱の塊が体内から飛び出して、その衝撃に身体が震える。
抱き締められ、なんどもキスをされて、なにも考えられなくなっていた。
「翼? 大丈夫?」
ユーリの声が優しい。
優しいけど、これから自分がどうなるか分からなくて少しだけ怖い。怖くて、翼は自分を抱き締めるユーリに力いっぱいしがみついた。
「ユーリぃ……気持ちくて怖い……」
だから手加減して欲しい。そんなつもりでお願いしたのに、なぜかユーリの動きがピタリと止まる。
「ユーリ?」
「……反則やって、ソレ……無自覚で煽るのあかん……」
「え……? あ……」
ギュッとなった下腹部で、翼のものじゃないアレが固くなっている。
なんで?
少し離れようとしたところを、すかさずベッドに押し倒されてしまう。
「めっちゃ、我慢しとんのに……なんで、そんなかわいいこと言うん?」
抑えきかんようになる。
つぶやいたユーリが翼をうつぶさに転がして、背中に覆い被さった。腰のあたりに枕が押し込まれ、翼は尻だけをヒョコッと上げた間抜けな姿勢になっている。
「っユー……」
扉が閉まった瞬間、ユーリの荒くなった呼吸が翼のなかに入り込んだ。
湯気が出そうな温度が翼を押し潰している。
汗で曇ったメガネで、ユーリがうまく見えない。
ユーリだ。触れれば温かくて、心臓が動いていて、苦しいくらい翼を抱き締めている。アーレジェのなかのユーリとカナタはお似合いだったけど、こんな風に触れ合うことなんかできなかった。
「翼、堪忍……なんも聞かんとキスした」
汗が少し冷えてきたころ、やっと少しだけ離れた唇からユーリの掠れた声がする。
「けど、足りへん。もっとキスしたいんや」
翼の後頭部は壁にくっついていて、その顔を覆うようにユーリの顔がある。熱っぽい視線から目が離せない。
「翼の服、脱がせたいし、ぜんぶ触りたい。それで……」
ユーリの髪が翼の頬を撫でる。耳元に生温い息がかかった。
――抱きたい。
全身の血流が一気に頭まで登ってくる。
こんなシチュエーション、翼の人生にはないはずだったのに。
想像するだけで恥ずかしいし、想像したくせにどうしていいか分からない。
ただ、離れたくないことだけは確かだ。
「……お、俺、こういうのしたことなくて、どうしたらいいか……でも」
嫌じゃない。消えそうにな声を必死に絞り出した。
「俺、脳ミソ沸騰しそうや」
顔を覆って天を仰いだユーリが、また翼をヒョイと抱き上げた。
「え、ちょ……自分で」
歩ける。そんな主張も完全に無視され、部屋の奥へと連れて行かれる。
翼の部屋よりは少し広いくらいのワンルームだ。殺風景な翼の部屋と違って、壁に沿って並べられた棚には、たくさんのフィギュアやゲームソフトが並んでいる。
そっと降ろされたお尻が柔らかい。
べ、ベッドだ――!
翼はユーリのベッドに座っていて、目の前にはユーリがいて。
「ホンマにえぇ?」
熱っぽく見つめられて、ごくりと唾を飲み込んだ。
そう、ここからなにをするかなんて、さすがの翼だって分かっている。精一杯の勇気で、コクリと大きく頷いてみせた。
背中がシーツに押しつけられている。推しの顔がすぐ目の前に迫っていて、というか翼を押し倒していて、こんなの脳内の処理が追いつかない。
あ、キスだ。
ユーリのアップが目の前いっぱいになった。さっきよりも、ついばむみたいなかわいいキスが降っていくる。
それから、腹のあたりに温かな……ユーリの手がTシャツのなかに入り込んでいた。体温の高いユーリの手が、汗に冷えた翼の肌を撫でている。
どうしよう。むちゃくちゃ気持ちいい。
あのときみたいだ。トラブルで取り残されたアーレジェの世界の、夜明けの灯台。あの感触は偽物だと分かってはいるけど、これじゃまるであの日の際限だ。
心地良くてぼんやりしているうちに、気づけば上半身が空気に触れている。
「壊れたらあかんし、外しとくな」
そっとメガネが外されて、一気に視界がぼやけてしまう。けど、きっとぼやけてるくらいがちょうどいいんだ。
どんどん服が脱がされていって、不安になりそうになるたび、ユーリが優しいキスを繰り返す。恥ずかしくて目が開けられなくなって、そのとき背中がフッと抱き寄せられた。
いつのまにか、翼を隠していた布はなにもなくなっていて、全裸でユーリの膝に座らされている。
やっぱりあの日と同じ……きっと、わざとだ。ユーリはあの日をなぞっている。
それに、いつのまに脱いだのか、ユーリの服も床に放り投げられていた。目の前に、鍛えられた胸板がある。記憶にあるアーレジェのユーリにあった傷痕はもちろんない。
けど、こんなの――。
「……鼻血でそう……」
推しのヌードが目の前にあるなんて、どうかしてる。
ユーリがちょっと笑った。
「翼も触って?」
かわいらしくお願いされ、硬直した翼の手がユーリの肌へと誘導された。
うわぁ!
柔らかいし、スベスベだし、こんなのヤバいしかないじゃん。
熱くなった顔を見られないように俯いて、ユーリの隆起した筋肉をなぞる。
そのうちに、ユーリの大きな手のひらがまた翼を撫で始めた。
「翼、細すぎやで? もっと食べな……こんなん、壊してしまいそうや」
「耳元でしゃべるのナシで……ちゃんと食べてるし」
ゾワゾワとしたことを悟られないよう、一生懸命いつもどおりにしゃべろうとがんばった。
「抱っこしても、ごっつ軽かった。俺の半分くらいしかなさそうやん」
「半分はさすがにないって」
温かい手のひらに腰を掴まれて、思わずおかしな声が出そうになる。
「ホンマ? 今、何キロ?」
「去年の健康診断ときで、46キロだったと思う」
自宅に体重計なんかないから、そこからこっちは分からない。ユーリが笑った。
「ちょうど俺の半分やん。ほら、こうやったらスッポリ入るし」
背中から抱き寄せられ、心臓がまた跳ね上がる。このまま死んじゃいそうだ。
「かわいい……翼、かわいい」
ささやきながら、ユーリがなんどもキスをする。なんか、もうキスのほうが恥ずかしくないような気になってくるから、翼もきっとおかしくなっている。
「……っひゃ……」
翼を撫でていたユーリの手が、下腹部へと届く。そこにはすでに、熱をもった塊が主張していて、とういうか、これだけ密着しているから、きっともうバレバレだったはずで……。
軽く握り込まれただけで、小さな湿り気の音が聞こえてて。
「それ……恥ずかしい……」
「恥ずかしないよ? こんななってくれててうれしい」
明らかに翼より立派なユーリのも一緒にくっついて、くちゅくちゅと音が大きくなっていく。
「ゃ、ぁ……」
自分で触るのとは比べものにならない感覚に、腰が抜けてしまいそうだ。
ユーリの唇が重なる。一気に刺激が強くなった。
「んっっ……んん!」
熱の塊が体内から飛び出して、その衝撃に身体が震える。
抱き締められ、なんどもキスをされて、なにも考えられなくなっていた。
「翼? 大丈夫?」
ユーリの声が優しい。
優しいけど、これから自分がどうなるか分からなくて少しだけ怖い。怖くて、翼は自分を抱き締めるユーリに力いっぱいしがみついた。
「ユーリぃ……気持ちくて怖い……」
だから手加減して欲しい。そんなつもりでお願いしたのに、なぜかユーリの動きがピタリと止まる。
「ユーリ?」
「……反則やって、ソレ……無自覚で煽るのあかん……」
「え……? あ……」
ギュッとなった下腹部で、翼のものじゃないアレが固くなっている。
なんで?
少し離れようとしたところを、すかさずベッドに押し倒されてしまう。
「めっちゃ、我慢しとんのに……なんで、そんなかわいいこと言うん?」
抑えきかんようになる。
つぶやいたユーリが翼をうつぶさに転がして、背中に覆い被さった。腰のあたりに枕が押し込まれ、翼は尻だけをヒョコッと上げた間抜けな姿勢になっている。
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