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Vegetablesー1-
2週目 火曜日 1
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葛西商店に着くとなにやら店内があわただしい雰囲気だ。いつもは配達でいない律も店にいる。なにかあったんだろうか。
邪魔をしないように、目であいさつをしてツルさんのところに向かった。ツルさんは相変わらずのほほんとテレビを見ている。
掃除を始めると店のほうから律が足早に入ってきた。
「今日は昼、ばあちゃんの分だけでいいからな」
やはり何かあったようだ。表では幸子さんがシャッターを閉めて、臨時休業の紙を張りだしている。
「もし誰か来ても絶対出るなよ。あと、時間になっても一人で帰るな。送ってやるから待っとけ」
そういい残して律は幸子さんを助手席に乗せ、出かけていった。家の中が一気に静まり返る。
お昼は珍しくツルさんがリクエストをしてくれてグラタンになった。ホワイトソースのグラタンは好物なんだという。八十五歳のツルさんは洋食も大好きなんだ。
食事中も表では呼び鈴を鳴らす音が聞こえてきたけど、律が言ったとおり無視して出なかった。
二時になっても律と幸子さんは戻らず、俺はツルさんに断って一緒に待たせてもらうことにする。
「なんか大変そうですね」
「ほんにのぉ、食中毒やなんやて騒いどったな」
「食中毒ですか?」
葛西商店の品物で食中毒なんて有りえないと思う。けれどツルさんはそれ以上なにも知らず、胸のモヤモヤだけが残った。
邪魔をしないように、目であいさつをしてツルさんのところに向かった。ツルさんは相変わらずのほほんとテレビを見ている。
掃除を始めると店のほうから律が足早に入ってきた。
「今日は昼、ばあちゃんの分だけでいいからな」
やはり何かあったようだ。表では幸子さんがシャッターを閉めて、臨時休業の紙を張りだしている。
「もし誰か来ても絶対出るなよ。あと、時間になっても一人で帰るな。送ってやるから待っとけ」
そういい残して律は幸子さんを助手席に乗せ、出かけていった。家の中が一気に静まり返る。
お昼は珍しくツルさんがリクエストをしてくれてグラタンになった。ホワイトソースのグラタンは好物なんだという。八十五歳のツルさんは洋食も大好きなんだ。
食事中も表では呼び鈴を鳴らす音が聞こえてきたけど、律が言ったとおり無視して出なかった。
二時になっても律と幸子さんは戻らず、俺はツルさんに断って一緒に待たせてもらうことにする。
「なんか大変そうですね」
「ほんにのぉ、食中毒やなんやて騒いどったな」
「食中毒ですか?」
葛西商店の品物で食中毒なんて有りえないと思う。けれどツルさんはそれ以上なにも知らず、胸のモヤモヤだけが残った。
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