二人で散歩……たまに毒母。

パラレルワールド

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壊れる子供……毒母と私たまに兄達と父②

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小学二年生になった。

学校のいじめが露骨になってきたときである。

ほぼ毎日泣いて帰る日々。

なんとか泣き止み、家に帰ると、
カオスな家の中、凄い覚えのある臭い充満。
中三の暴君長男が狭い部屋の中、
友達数人と煙草を吸い、ビールを飲んでいた。

私は、怯えて体が固まる。
そしてまた、涙が溢れた。
それを面白がり嘲笑う長男。

“母ちゃんに言うなよ”

“言ったら……”

と、私を殴る振りをする。さすがに友達の前では、
しなかったが、反射的に目を瞑り、頭部を庇う。
それを見て、みんなで爆笑。
そして、長男は、咥えた煙草の煙を、私の顔に吹き掛けた。
咳き込む私に吐いた次の言葉

“この煙草買ってこい”

吸っている空箱と、200円のお金を渡した。
母が吸っている同じ煙草だった。
その煙草の値段は、200円。
母にもパシりに何度も使われ、
覚えていた。
(二十歳未満煙草、酒販売禁止なのに昔は、緩かった)

家を出て、重い足取りで団地の
階段を降りる。

学校も辛いのに……。

家に帰れば、母は、いつもいないが、
最近は、凶暴な長男がいることが多い。
一方次男は、父の家にいるのかこの団地では、
最近見ない。
長男は、さっきのようにたむろっていることもあるが、ひとりでいるときも大して暴君ぶりは
変わらない。

夕方TVっ子の私は、アニメを見たくても、
長男にTVを占領され、見たい物も見れないのだ。

でも、楽しみしていた事がある。
明後日の日曜日、
父の田舎に車で行く約束している。
2時間以上もかかるし、車酔いするけど、
その田舎に住んでいる、父親の長女である姉で
私の叔母(60歳過ぎてた)が、
美味しいご飯と、お菓子が貰えたり、
後、畑の手伝いと山羊の餌やりがやりたくて仕方がない。
それを考えると気分も、だんだん晴れてくる。

そして、いつの間にか歌いながら気持ちよく
店までスキップをしていた。

言われた通り煙草を買って、団地の階段を昇る。
家の扉の前に長男が立っていた。
気持ち高揚してたのに、一瞬で緊張が走る。
友達は、居ないみたいだ。
声がしない。
改めて、長男を見ると
頭に剃り込み入りと、眉毛が無いために、
普通にしていても顔面凶器の威圧感しかない。
もう、私にとっての恐怖の対象だ。

恐る恐る、言われた物を渡すと、それを取り上げ、通りすがり、

“マジ、黙ってろよ”
と、凄みのある声を残し、階段を降りていった。

家の中に入ると、誰もいないと思っていたら、
発狂した声。母だった。
長男が念を押したのは、これだったのだ。

煙草とお酒の混じりのカオス。

私が入って来ると、尋問という
脅迫が始まり、両肩を鷲掴みされ、揺さぶられた。

“言わないと、あんたを殺して私も、死ぬよ”

その当時、毒母のお約束の言葉。

その短絡的な思考を洗脳されていたため、恐怖のため、兄が煙草を吸っていたことを
吐露してしまった。

その夜、もちろん修羅場になる。

お互いが気性が荒く怒号が凄まじかった。
長男の声は、濁ったがらがら声の低音で、暴言を吐く。
そして母は、不快な甲高い声に酒焼けもした喉で口汚い言葉を吐く。

私は、母にしゃべってしまったため、
長男に腰に蹴りを入れられ号泣。

母は、ドスの訊いた罵声と力で突き飛ばされ悔し泣き。
あっさりと長男勝利。

そしてその長男は、家を飛び出し
帰って来なかった。

母も、泣きながら家を出ていった。
(夜中の時間子供一人置いていった)

私は暗い家で一人泣きじゃくり、布団にくるまって
無理矢理明後日のことを楽しみに、眠りについた。


楽しみにしていた日曜日。
父の家に20分かけて歩いていく。
少し、はや歩きで。

家の前に着くと丁度、5人乗り乗用車を道路に止め、エンジンをかけていた。
父がいる。そして父の姉である
叔母(次女)と、……あれ?
後、三人知らないオバサンがいた。
どう数えても5人。車は5人乗り。
いくら頭が悪くてもそれくらいわかる。
父の表情が複雑だ。
嫌な予感。それが的中した。

“あんた、乗らなくて良いよ”
と、田舎の叔母とは、違い、
厳格な叔母がピシャリ。
父、“家で留守番な”
“◯◯(次男)もいるから”

そして、父を入れた5人は車に乗って出発し約束を反故された娘は、置いてきぼりにされた。

━━父の家に入るのをやめて、
もときた道を、とぼとぼ歩く。
次男といても気まずいだけだから。
私を見て、鬱陶しそうな顔をするのが目に見えている。だって、涙が止まらない。
辛くて、その家にいたくなかった。
団地に帰っても長男がいるかもしれない。

どこにも居場所が無く、
歩いた記憶がそこでプツン、と切れた。

周囲の人間に
振り回される私の何かが、
徐々に壊れて行く
鈍い音をたてて
まだかな そろそろかな
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