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魔法の杖になりました。
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エアリアルは、市場の試食コーナーにようやくたどり着いた。しかし、リアラの姿は確認できずにいた。
「リアラ!とこだ!」
エアリアルは大声で呼び掛けるものの人混みにもみ消されてしまう。このままでは、魔法の杖になるどころか、一生会えなくなるのではないか。不安がよぎる。
すると、
「強盗よ!!!」
女の声の悲鳴とともに、一人の男がエアリアルの前にぶつかる。
しまった!!
その一瞬の隙を突かれ、エアリアルの唯一の全財産─財布が、懐から引き抜かれていた。
「ま、待て!!!待ってくれ!!!」
とことん運のない自分を嘆く暇もなく、強盗犯は走り去っていく。
立て続けて強盗犯に狙われるとは。この街は相当治安が悪いようだ。
この人混みでは強盗犯を捕まえるのは絶望的だ。エアリアルが諦めかけたその時。
「.....また、なの?」
「!」
後ろを振り返ると、あのリアラがいた。
よかった、見つけた。
「リアラ!よかった、大事な話が....。」
「.....いいの?お財布、盗られたまんまだよ?」
いや、よくない、よくないが。
「だって、もう無理だろ、この人混みじゃあ。」
「.....私、どうしたっけ?」
「え」
「.....さっき、テレポート使ったじゃない。」
テレポート。さっき強盗に追いかけられた時の、あの渦か!
「いいのか?」
「.....いいよ。パンのお礼だよ。その代わり、もう私を追いかけるのはやめて。」
「それはできない。」
エアリアルは即答した。
「なぜ。」
「俺は、お前を放っておけない。....占者に聞いたんだ、お前のこと。魔力を充分にコントロールできないって。」
「だったら、俺を使ってくれ。俺は、今までずっと役立たずだったから。今度こそ、誰かの役に立ちたいんだ。」
「....役に?」
「ああ。俺が、お前の杖になる。」
「....何、ばかなことを。そんなことしたら、エアリアルは人間としての自由が効かなくなるんだよ。」
「わかってる。人じゃなくなったって構わない。」
「.....ばかだね。エアリアルって。ほんとうに、ばかだよ.....。」
リアラは澄んだ青空の瞳から一滴の涙をこぼした。そして、次々と溢れかえって、止まらなくなる。
「さあ、リアラ。契約の呪文を。」
リアラは涙をぬぐいながら頷くと、詠唱を始めた。
『我、汝を従僕とし、この契約が破綻される時まで、永遠に従僕としての役割を与えることをここに誓う』
『我、従僕は魔法の杖となり、主を導くことをここに誓う』
すると、全身が光の束に包まれ、全身が縮んでいく感覚がした。不思議と痛みはなく、体が小さくなっただけで、意識はしっかりとあった。光の束はやがて細長い形となり、リアラの手の中に収まった。
お、俺どんな杖になったんだろう。
今は鏡がなく自分の姿を確認することはできないが、どうやら杖になっても視力は機能しているようだし、しゃべることもできるようだ。
「エアリアル、ありがと。」
『いや、礼はいらないよ。それよりも、ちゃちゃっと強盗犯を捕まえよう。』
「うん、まかせて。」
リアラは杖をかざし、渦を出現させる。
そして、強盗犯の方角へと意識を集中させ、再び渦の中へ入っていった。
「リアラ!とこだ!」
エアリアルは大声で呼び掛けるものの人混みにもみ消されてしまう。このままでは、魔法の杖になるどころか、一生会えなくなるのではないか。不安がよぎる。
すると、
「強盗よ!!!」
女の声の悲鳴とともに、一人の男がエアリアルの前にぶつかる。
しまった!!
その一瞬の隙を突かれ、エアリアルの唯一の全財産─財布が、懐から引き抜かれていた。
「ま、待て!!!待ってくれ!!!」
とことん運のない自分を嘆く暇もなく、強盗犯は走り去っていく。
立て続けて強盗犯に狙われるとは。この街は相当治安が悪いようだ。
この人混みでは強盗犯を捕まえるのは絶望的だ。エアリアルが諦めかけたその時。
「.....また、なの?」
「!」
後ろを振り返ると、あのリアラがいた。
よかった、見つけた。
「リアラ!よかった、大事な話が....。」
「.....いいの?お財布、盗られたまんまだよ?」
いや、よくない、よくないが。
「だって、もう無理だろ、この人混みじゃあ。」
「.....私、どうしたっけ?」
「え」
「.....さっき、テレポート使ったじゃない。」
テレポート。さっき強盗に追いかけられた時の、あの渦か!
「いいのか?」
「.....いいよ。パンのお礼だよ。その代わり、もう私を追いかけるのはやめて。」
「それはできない。」
エアリアルは即答した。
「なぜ。」
「俺は、お前を放っておけない。....占者に聞いたんだ、お前のこと。魔力を充分にコントロールできないって。」
「だったら、俺を使ってくれ。俺は、今までずっと役立たずだったから。今度こそ、誰かの役に立ちたいんだ。」
「....役に?」
「ああ。俺が、お前の杖になる。」
「....何、ばかなことを。そんなことしたら、エアリアルは人間としての自由が効かなくなるんだよ。」
「わかってる。人じゃなくなったって構わない。」
「.....ばかだね。エアリアルって。ほんとうに、ばかだよ.....。」
リアラは澄んだ青空の瞳から一滴の涙をこぼした。そして、次々と溢れかえって、止まらなくなる。
「さあ、リアラ。契約の呪文を。」
リアラは涙をぬぐいながら頷くと、詠唱を始めた。
『我、汝を従僕とし、この契約が破綻される時まで、永遠に従僕としての役割を与えることをここに誓う』
『我、従僕は魔法の杖となり、主を導くことをここに誓う』
すると、全身が光の束に包まれ、全身が縮んでいく感覚がした。不思議と痛みはなく、体が小さくなっただけで、意識はしっかりとあった。光の束はやがて細長い形となり、リアラの手の中に収まった。
お、俺どんな杖になったんだろう。
今は鏡がなく自分の姿を確認することはできないが、どうやら杖になっても視力は機能しているようだし、しゃべることもできるようだ。
「エアリアル、ありがと。」
『いや、礼はいらないよ。それよりも、ちゃちゃっと強盗犯を捕まえよう。』
「うん、まかせて。」
リアラは杖をかざし、渦を出現させる。
そして、強盗犯の方角へと意識を集中させ、再び渦の中へ入っていった。
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