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お披露目
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職人さん達がやって来る事になりました。
かなり早い動きをしているようですが、とても高度な政治的やり取りが行われているようです。まっ、俺には関係ないんだけどね。
伯爵の娘さんと第三王子との結婚式は王城で大々的に行なわれ。その式で町長の奥さんが織った絹布のドレスがお披露目されたのだけど、貴族のご婦人や娘さん達の目の色が凄かったそうです。
何処で作られた物か、絹布の入手先は、色々と詮索されたようですが伯爵がしっかり情報を堰き止めてくれました。
そして、王子から王様にブランデーとブランデーグラスが一セットだけ贈られました。そしてアストリア伯爵が王様から呼び出されました。
アストリア伯爵は王様に報告しました。バザール男爵領内の町で起こった賊の騒動を。
王都は第三王子の結婚式でお祭り騒ぎの真っ最中でしたが、王城内の極一部ではとんでもない騒ぎになったそうです。
酒とガラスの技術を伝える者が賊に襲われ、ある小屋が燃えた。その小屋には……この部分は王様と極一部の人物にしか話されなかったが、その極一部に王妃様が含まれており王様より王妃様の怒りが凄かったとかなんとか。
主犯のトナリーノ男爵家は御家断絶、土地の名前も取り上げられました。流石に女性と子供たちまで罪が及ぶことはなかったのですが、皆さん実家に引きこもり、その後二度と社交会で顔を見ることは無かったそうです。
王様直々に酒とガラスとアレの生産を任されたアストリア伯爵は、バザール男爵を呼び寄せて職人を送る事を伝え、それがバザール男爵から町長に伝わり。何から手を付ければ良いのかと俺の所に町長がやってきたところです。
はあー長かった。
「それで? どうするんだ? 何処でどうやって作るつもりだ?」
「まあまあ町長慌てないで、少し落ち着いて」
落ち着かない町長に、コップに冷たい水を入れて渡す。
「ふーっ、すまんな……で? どうするんだ?」
「たしか町長って叙爵するのでしょ? 男爵になってそっちで頑張ってよ。酒とガラスで大儲けできるよ?」
「よく知ってるな?」
「えっ!? 皆んな知ってるよ?」
この町の奥様方の情報網を甘く見てはいけませんよ。王都からの情報だってあっという間に広まるよ。
酒とガラスの生産が決まると、街に職人さんやら何やら人が増えそうだからね。この町は蚕と絹布の生産に特化して、それ以外は他に任せようと思う。目立つ事は他所でやって、この町の隠れ蓑にするのです。
「相談には乗るからさ。町長の奥さんには絹布でまだまだお世話になるし、少し離れるけど同じ領内だしね」
結果、町長が新たに男爵になって治める街。バザール・セール男爵領の街で酒とガラスは作られる事になった。職人の手配は伯爵を通じて呼び掛けてある。
町長……新男爵は場所の選定と工房の建築、さらに増える人口に合わせた建物の建築だな。それも伯爵に言って人を寄越して貰ったら? その職人の為の宿屋も足りない? 人が先か宿屋が先か……それが問題だ。
そう話してから一年越しに。新男爵の街にはゾロゾロと職人、大工、木材を積んだ馬車、食糧を積んだ馬車など五十台以上の馬車が列をなしてやってきました。
最初に作って貰うのは、炭小屋とレンガ作りの炉です。ガラスにしてもアルコールの蒸留にしても炭は一番欲しい物なので炭小屋は必須。レンガは特に耐火レンガだね。これも作るのが難しくて高温でレンガを焼くためには高温に耐える耐火レンガが必要と言う、これも堂々巡りな感じ。
俺が自前で作っていたガラス炉は容量の小さな物だったから耐熱粘土や密閉した炉、吹子で強制的に空気を送って温度を上げていた。それでも一度か二度で使えなくなるのでほぼ毎回作り直していたんだ。
その時に出た破片は取ってある、耐火レンガを作る時に高温で焼いた粘土をレンガの材料に混ぜるとかどうとか覚えてたからだ。
工房になる場所の選定は終わっていたので、まず外箱になる工房を建てて貰って。ガラス工房には耐火レンガの炉、冷却用の窯、水車も併設して空気を送るための吹子を設置します。
酒の蒸留は、まず蒸留器を作る。俺が作っていたカブト釜式蒸留器ではなく単式蒸留器に挑戦だ。銅を沢山必要とするが金は伯爵家から出るので問題ない。
冷却器には蚕小屋にも設置したスターリングエンジンの冷却装置を使ってさらに効率アップ。もちろんここにも水車が用意される予定。
単純作業は水車動力を使ってどんどん効率よくしていきますよ。
ふっふっふっ、それと冷却装置の発明のおかげでこの街ではラガービールの製造にも成功しているのですよ! エールとは違った爽やかな飲みくち、キレのある喉越しはビールを飲んだ後の「プハーッ」に繋がります。
そんな事もあって職人さん達の意識は高く、どんどん建物やレンガ用の炉、蒸留器が凄い勢いで作られています。
かなり早い動きをしているようですが、とても高度な政治的やり取りが行われているようです。まっ、俺には関係ないんだけどね。
伯爵の娘さんと第三王子との結婚式は王城で大々的に行なわれ。その式で町長の奥さんが織った絹布のドレスがお披露目されたのだけど、貴族のご婦人や娘さん達の目の色が凄かったそうです。
何処で作られた物か、絹布の入手先は、色々と詮索されたようですが伯爵がしっかり情報を堰き止めてくれました。
そして、王子から王様にブランデーとブランデーグラスが一セットだけ贈られました。そしてアストリア伯爵が王様から呼び出されました。
アストリア伯爵は王様に報告しました。バザール男爵領内の町で起こった賊の騒動を。
王都は第三王子の結婚式でお祭り騒ぎの真っ最中でしたが、王城内の極一部ではとんでもない騒ぎになったそうです。
酒とガラスの技術を伝える者が賊に襲われ、ある小屋が燃えた。その小屋には……この部分は王様と極一部の人物にしか話されなかったが、その極一部に王妃様が含まれており王様より王妃様の怒りが凄かったとかなんとか。
主犯のトナリーノ男爵家は御家断絶、土地の名前も取り上げられました。流石に女性と子供たちまで罪が及ぶことはなかったのですが、皆さん実家に引きこもり、その後二度と社交会で顔を見ることは無かったそうです。
王様直々に酒とガラスとアレの生産を任されたアストリア伯爵は、バザール男爵を呼び寄せて職人を送る事を伝え、それがバザール男爵から町長に伝わり。何から手を付ければ良いのかと俺の所に町長がやってきたところです。
はあー長かった。
「それで? どうするんだ? 何処でどうやって作るつもりだ?」
「まあまあ町長慌てないで、少し落ち着いて」
落ち着かない町長に、コップに冷たい水を入れて渡す。
「ふーっ、すまんな……で? どうするんだ?」
「たしか町長って叙爵するのでしょ? 男爵になってそっちで頑張ってよ。酒とガラスで大儲けできるよ?」
「よく知ってるな?」
「えっ!? 皆んな知ってるよ?」
この町の奥様方の情報網を甘く見てはいけませんよ。王都からの情報だってあっという間に広まるよ。
酒とガラスの生産が決まると、街に職人さんやら何やら人が増えそうだからね。この町は蚕と絹布の生産に特化して、それ以外は他に任せようと思う。目立つ事は他所でやって、この町の隠れ蓑にするのです。
「相談には乗るからさ。町長の奥さんには絹布でまだまだお世話になるし、少し離れるけど同じ領内だしね」
結果、町長が新たに男爵になって治める街。バザール・セール男爵領の街で酒とガラスは作られる事になった。職人の手配は伯爵を通じて呼び掛けてある。
町長……新男爵は場所の選定と工房の建築、さらに増える人口に合わせた建物の建築だな。それも伯爵に言って人を寄越して貰ったら? その職人の為の宿屋も足りない? 人が先か宿屋が先か……それが問題だ。
そう話してから一年越しに。新男爵の街にはゾロゾロと職人、大工、木材を積んだ馬車、食糧を積んだ馬車など五十台以上の馬車が列をなしてやってきました。
最初に作って貰うのは、炭小屋とレンガ作りの炉です。ガラスにしてもアルコールの蒸留にしても炭は一番欲しい物なので炭小屋は必須。レンガは特に耐火レンガだね。これも作るのが難しくて高温でレンガを焼くためには高温に耐える耐火レンガが必要と言う、これも堂々巡りな感じ。
俺が自前で作っていたガラス炉は容量の小さな物だったから耐熱粘土や密閉した炉、吹子で強制的に空気を送って温度を上げていた。それでも一度か二度で使えなくなるのでほぼ毎回作り直していたんだ。
その時に出た破片は取ってある、耐火レンガを作る時に高温で焼いた粘土をレンガの材料に混ぜるとかどうとか覚えてたからだ。
工房になる場所の選定は終わっていたので、まず外箱になる工房を建てて貰って。ガラス工房には耐火レンガの炉、冷却用の窯、水車も併設して空気を送るための吹子を設置します。
酒の蒸留は、まず蒸留器を作る。俺が作っていたカブト釜式蒸留器ではなく単式蒸留器に挑戦だ。銅を沢山必要とするが金は伯爵家から出るので問題ない。
冷却器には蚕小屋にも設置したスターリングエンジンの冷却装置を使ってさらに効率アップ。もちろんここにも水車が用意される予定。
単純作業は水車動力を使ってどんどん効率よくしていきますよ。
ふっふっふっ、それと冷却装置の発明のおかげでこの街ではラガービールの製造にも成功しているのですよ! エールとは違った爽やかな飲みくち、キレのある喉越しはビールを飲んだ後の「プハーッ」に繋がります。
そんな事もあって職人さん達の意識は高く、どんどん建物やレンガ用の炉、蒸留器が凄い勢いで作られています。
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