この寮には男を揺さぶる男しかいないのか??

リュウ

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第8話:静かなる処刑の始まり

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「……修くん、本当にそれ、消してくれないんスか?」

あの恐怖のお仕置きがあった数日後の昼下がり。リビングで掃除機をかけていた管理人のリュウは、見てはいけないものを見てしまったような気まずさに包まれていた。
ソファに優雅に腰掛ける修が、手元のタブレットを満足げに眺めている。そこには、「全裸で正座する狼牙と恵太」の姿が収められていた。

「まだ消すわけないだろう? これは冷蔵庫の平和を維持するための、重要機密資料なんだからな」
修は眼鏡のブリッジを指で押し上げると、横で肩を落とす狼牙と、甚平の襟を強く握りしめて震える恵太に、意地の悪い笑みを向けた。


「さて。まずは狼牙」
 
「は、はいッス……」 

「今夜の食事、俺は新作の仕込みで忙しいんだ。お前が全裸にエプロン姿で手伝ってくれるなら、この『正面ショット』だけは非公開にしてもいいんだが?」

「なっ……!?」 


狼牙の顔が瞬時に真っ赤に染まる。全裸エプロン。それは、露出の多いこの寮の中といえども羞恥心の限界を超えるスタイルだ。 


「待ってください修くん! 皆の前でそんな格好、死ぬより恥ずかしいッス!」 

「そうか…それじゃあこの写真をグループチャットに……」


の指が「送信」ボタンの上で泳ぐ。 


「……や、やります……。俺っちがお手伝いすればいいんでしょ……?」


修は満面の笑みで狼牙の頭を撫でた。


「それから恵太」 

「っ!!……僕は、何をすればいい」 


恵太も普段の威厳を捨て去り、まな板の上の鯉のような目で修を見た。


「お前は指の力が強いだろう? 俺、最近肩が凝っててな。マッサージをしてくれないか?……ただし、普通に揉むのは面白くないしな。お前は紙パンツ一枚、上半身は裸で俺の背後からSPっぽく無表情で、一時間みっちり揉みほぐしてもらおうか。」

「……っ、そんな屈辱的な……!」 

「あ、この『恵太が泣きそうに上目遣いしているアップ写真』、なかなか良い出来だとおもわないか?プリントして玄関に飾りたいくらいだ。」

「……謹んで、務めさせていただきます……」 


恵太は深い絶望と共に、膝をついた。





その日の夜、リビングは異様な光景に包まれた。


「……狼牙くん、そ、その格好はっ……」 


帰宅した兄の豹牙が、お盆を持って震える全裸エプロン姿の弟を見て、持っていたプロテインを吹き出した。 


「聞かないでほしいッス……。俺っちは今、魂を悪魔に売ってる最中なんだ……」


一方、ソファでは修がくつろぎ、その後ろで紙パンツ姿の恵太が、屈辱に顔を歪めながらも


「……旦那様……お疲れでは、ありませんか……」


と、地獄のような低い声で囁きながら肩を揉んでいる。


「……はは、賑やかでいいな。修、お前も人が悪いぞ…」 


ビールを片手に、岳が面白そうにその様子を眺めている。隣の郷介も、無言ながらも少しだけ口角を上げていた。


リュウは、配膳を手伝いながら、狼牙の動くたびに見え隠れする「雄」の象徴や、恵太の硬く隆起した肩周りの筋肉を間近で見てしまい、心臓が破裂しそうになっていた。


(この寮のヒエラルキー……、完全に今は修さんが頂点に立ってる……!)」


修は、ひっそりタブレットをタップして、エプロン姿で涙目になる狼牙の動画を密かに「追加保存」した。 


彼らのトラウマは、まだ始まったばかりだった……

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