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第2章 タイムリターナー
第17話 VSトロル
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僕達が村を出て1週間が経った。その間アリスは用事が無ければずっと村の入り口に立てられている柵に座って遠くを眺めていた。
王都から帰って来てゴーシュにレックス達が旅に出たことを聞かされ、理由を聞いて理解は出来たが流石にその日は大泣きし、翌日からずっとレックス達が帰って来るのを先ほどの状態で待ち続けていた。
そんなアリスにゴーシュが近付いて「今日もここであいつらを待ち続けるか」「······うん」「そっか。あれから1週間だからなぁ。多分そろそろ帰って来るだろうに」
「······」それだけの会話をしてゴーシュはその場を離れようとしたその時、アリスが遠くの方で村に近付いて来る人影を見掛けた。その人影が徐々に近付くにつれて正体が分かり、アリスはその人影に走り寄って「レックスー! アッシュ兄ちゃーーん!!」と叫んで抱き付いた。
その後2人は村に入ってゴーシュを始め両親との再会を喜び、そしてエルフ族からもらった薬の事を説明して自分達の村近くの草木にかけていった。
それからゴーシュとレオが手分けして周辺の村々に事情を説明して薬を渡し、草木にかけてもらうように頼んでいった。最初はほとんどの村で信じてもらえなかったけれど、念には念のためにと2人に言われたことで渋々かけた所もあった。
それから僕達は襲撃の日まで村の周りを強化したり父さんの指導のもと訓練を行ったりして襲撃に備えた。
······そして僕やアリスの9歳の誕生日を迎えたすぐの頃、運命の日が訪れた。その日僕は村の北側に建てられた見張り台の見張り役にアッシュ兄ちゃんと務めていた。
「······」僕がいつにも増して緊張感を持って真剣な顔をしていたのでアッシュ兄ちゃんが、「レックス、ひょっとして?」と聞いてきたので、僕が「うん。前世では今日襲撃があったんだ」「っ!!」と言ったことでアッシュ兄ちゃんも緊張感を持ち出した。
その直後、突然エルフ族からもらった薬をかけた草木が光りだした。そして森の北の方から多くの鳥が一斉に飛び出した。その光景に僕はすぐ鳥が飛び出した辺りを見張り台に据え付けてある望遠鏡で覗いた。するとそこには、トロルの大集団が見えた。
「来た!」と言って僕はすぐに半鐘を打ち鳴らし「トロルだ! トロルが現れた!!」と叫んだ。
それを聞いて父さん達が僕らのいた見張り台に集まり「本当か!」と聞いてきたので「うん! まだ向こうの方だけど、間違いないよ!」と答え、「よし、全員すぐに戦闘準備だ!!」父さんが叫んで村人が全員一斉に動き出した。
まず女子供や老人は村の中に生えているご神木の周りに避難して男は武器を持って何人かは村に残り、残りは森のいつもの川の辺りまで入り込んでトロルがやって来るのを待ち伏せることにした。
そして······ズシン! ズシン! 奴らのやって来る地響きが伝わってきた。直後、ズシン! 目の前に何体ものトロルが現れたのだ。
向こうも僕らを認識したらしく最前列の何体かが雄叫びを上げて僕らの方へ向かおうと一歩踏み込んだ直後、そのトロルらの足下の地面が突然崩れ落ちて穴が空き、多くのトロルらがその穴にハマってしまったのだった。
その直後父さんの「今だ!!」を合図にそのハマったトロル目掛けて村人達は駆け寄り持っていた武器を刺してトロルを倒していったのだ。
(やった!)その光景を見て僕は喜んでいた。実はこの穴は僕やアッシュ兄ちゃん、父さんやレオおじさんとで森から原っぱに出てすぐの辺りへ事前に仕掛けておいた罠であった。穴にハマったトロル達を倒したら、すかさず一斉に森の奥へ走り去った。
残ったトロル達は怒りを露にして倒されたトロル達を踏み越えて僕達を追ってきた。森の奥へ向かった僕達は少ししてからバラバラになり、エルフ族からもらった薬をかけた草木の影に隠れ潜んだ。
その近くにトロル達の何体かが近づいてきた時、突然木の根や草の葉が勝手に動きだし、トロルの手足や体に巻き付いて身動きを封じたのであった。それをみて一瞬呆然としてしまったが、すかさずトロル達を攻撃し倒していったのであった。
ーートロルが実際に襲ってきた際、草木達が手助けしてくれるだろうーーヨートス様の言った通りになって僕自信も驚いていた。
そうして草木の手助けもあって次々とトロル達を倒していった。中にはトロルの攻撃で怪我を負った人もいて、その人を村へ連れて帰ったりして戦力ダウンしてしまった時間もあったけど、それほど大きな影響は無かった。
僕も前々から持っていた物と、ハウル様の所への旅の往復時に手に入れたお金で後日王都に行って買ったもう1つの短剣で次々とトロル達を切り裂いた。アッシュ兄ちゃんもレオおじさんと共に矢で遠隔攻撃をしたり、近付いて来たトロルを小剣で倒したりしていた。
近くのトロル達が少なくなってきたことで(もう少しだ)と思った直後、ドンッ!! 突如今まで感じたことのない地響きが辺りに響いた。僕達が一瞬戸惑っていると、森の奥から今までの奴等とは比べ物にならないほど大きなサイズのトロルが1体現れた。
突如として目の前に、しかも今まで見たこともない大きさのトロルが現れたことで僕達は全員呆然としてしまった。
その間に僕達の近くにいた小さなトロル達はいつの間にか全員いなくなっていた。
そのデカトロルが持っていた棍棒を振り上げ、それを振り下ろした直後いち早く我に返った父さんが全員に「避けろーーー!!」と叫んだ。
その声で全員我に返って避けようとしたが、ドガァッ!!「ウワァーー!!」避けきれずに巻き添えを食った者もいた。爆風が込み上げ、暫くしてそれが消えたらほとんどの村人が倒れてしまっていた。その光景に難を逃れれた人達は恐怖を覚えた。
僕もその光景を見た後デカトロルを見上げた。(こんな奴、前の時にはいなかったはずだぞ)と思いながらも、どうやって倒すか考えていた。
しかし考えは浮かばず、その間に再びデカトロルの攻撃が降りかかった。その後も何度かデカトロルの攻撃が続いたが、僕達は避けるので精一杯だった。そのうち僕達は誰も動くことが出来ないくらい疲弊してしまっていた。
そしてデカトロルが僕の方を向き棍棒を振り上げ、(もう、ダメだ)と思って目を瞑った。しかし中々攻撃がこないため目を開けたら、トロルが完全に動きを止めていた。トロルだけでなく周りを見たら父さんやアッシュ兄ちゃん、他の人の動きも完全に止まっていた。
(こ、これは一体?)と思っていたら後ろから、「ギリギリ間に合ったようじゃな」との声が聞こえた。その声の方を見たら、何とハウル様が杖をこちらにかざしていた。
「ハ、ハウル様!?」「レックス、今のうちに奴を動けなくするのじゃ。あまり長くは止めてはおれんからのぉ」と言われたので僕は周りを見て父さんが使っていた剣を拾い、そしてデカトロルの片足に斬りかかった。
そして剣が足に当たったところで時間が動き出したようだが、「うぉー!!」僕は構わず剣に力を最大限込めて振り切り、デカトロルの足を切り落とした。その直後デカトロルは絶叫を上げながら倒れた。
その光景を呆然と見ていた父さんが「今だ!! 奴を仕留めるぞ!!」その場にいた者達に声をかけ、動ける者達が一斉にデカトロルに武器を突き刺し止めを刺した。
デカトロルが動かなくなったことを確認し、また周りに他のトロルがいないことを確かめた上で、「や、やった」「ト、トロル達を、やっつけたぞーーーっ!!」「ウォーーーーー!!!!!」
誰かのやっつけたという雄叫びを合図に、その場にいた全員で勝利の雄叫びを上げた。(お、終わった)そう思いながら僕がその場に崩れ落ちそうになったのを「レックスーーっ!!」僕の名前を叫びながら駆け寄って来たアッシュ兄ちゃんが抱き止めてくれた。
そして「やったぞ、やったじゃないか! 凄かったぞさっきのお前!!」称賛の言葉を浴びせてきたので「あ、ありがとう」憔悴し切った返事を返した。暫くその場で勝利の余韻に浸った後僕達は村へ帰って行った。
王都から帰って来てゴーシュにレックス達が旅に出たことを聞かされ、理由を聞いて理解は出来たが流石にその日は大泣きし、翌日からずっとレックス達が帰って来るのを先ほどの状態で待ち続けていた。
そんなアリスにゴーシュが近付いて「今日もここであいつらを待ち続けるか」「······うん」「そっか。あれから1週間だからなぁ。多分そろそろ帰って来るだろうに」
「······」それだけの会話をしてゴーシュはその場を離れようとしたその時、アリスが遠くの方で村に近付いて来る人影を見掛けた。その人影が徐々に近付くにつれて正体が分かり、アリスはその人影に走り寄って「レックスー! アッシュ兄ちゃーーん!!」と叫んで抱き付いた。
その後2人は村に入ってゴーシュを始め両親との再会を喜び、そしてエルフ族からもらった薬の事を説明して自分達の村近くの草木にかけていった。
それからゴーシュとレオが手分けして周辺の村々に事情を説明して薬を渡し、草木にかけてもらうように頼んでいった。最初はほとんどの村で信じてもらえなかったけれど、念には念のためにと2人に言われたことで渋々かけた所もあった。
それから僕達は襲撃の日まで村の周りを強化したり父さんの指導のもと訓練を行ったりして襲撃に備えた。
······そして僕やアリスの9歳の誕生日を迎えたすぐの頃、運命の日が訪れた。その日僕は村の北側に建てられた見張り台の見張り役にアッシュ兄ちゃんと務めていた。
「······」僕がいつにも増して緊張感を持って真剣な顔をしていたのでアッシュ兄ちゃんが、「レックス、ひょっとして?」と聞いてきたので、僕が「うん。前世では今日襲撃があったんだ」「っ!!」と言ったことでアッシュ兄ちゃんも緊張感を持ち出した。
その直後、突然エルフ族からもらった薬をかけた草木が光りだした。そして森の北の方から多くの鳥が一斉に飛び出した。その光景に僕はすぐ鳥が飛び出した辺りを見張り台に据え付けてある望遠鏡で覗いた。するとそこには、トロルの大集団が見えた。
「来た!」と言って僕はすぐに半鐘を打ち鳴らし「トロルだ! トロルが現れた!!」と叫んだ。
それを聞いて父さん達が僕らのいた見張り台に集まり「本当か!」と聞いてきたので「うん! まだ向こうの方だけど、間違いないよ!」と答え、「よし、全員すぐに戦闘準備だ!!」父さんが叫んで村人が全員一斉に動き出した。
まず女子供や老人は村の中に生えているご神木の周りに避難して男は武器を持って何人かは村に残り、残りは森のいつもの川の辺りまで入り込んでトロルがやって来るのを待ち伏せることにした。
そして······ズシン! ズシン! 奴らのやって来る地響きが伝わってきた。直後、ズシン! 目の前に何体ものトロルが現れたのだ。
向こうも僕らを認識したらしく最前列の何体かが雄叫びを上げて僕らの方へ向かおうと一歩踏み込んだ直後、そのトロルらの足下の地面が突然崩れ落ちて穴が空き、多くのトロルらがその穴にハマってしまったのだった。
その直後父さんの「今だ!!」を合図にそのハマったトロル目掛けて村人達は駆け寄り持っていた武器を刺してトロルを倒していったのだ。
(やった!)その光景を見て僕は喜んでいた。実はこの穴は僕やアッシュ兄ちゃん、父さんやレオおじさんとで森から原っぱに出てすぐの辺りへ事前に仕掛けておいた罠であった。穴にハマったトロル達を倒したら、すかさず一斉に森の奥へ走り去った。
残ったトロル達は怒りを露にして倒されたトロル達を踏み越えて僕達を追ってきた。森の奥へ向かった僕達は少ししてからバラバラになり、エルフ族からもらった薬をかけた草木の影に隠れ潜んだ。
その近くにトロル達の何体かが近づいてきた時、突然木の根や草の葉が勝手に動きだし、トロルの手足や体に巻き付いて身動きを封じたのであった。それをみて一瞬呆然としてしまったが、すかさずトロル達を攻撃し倒していったのであった。
ーートロルが実際に襲ってきた際、草木達が手助けしてくれるだろうーーヨートス様の言った通りになって僕自信も驚いていた。
そうして草木の手助けもあって次々とトロル達を倒していった。中にはトロルの攻撃で怪我を負った人もいて、その人を村へ連れて帰ったりして戦力ダウンしてしまった時間もあったけど、それほど大きな影響は無かった。
僕も前々から持っていた物と、ハウル様の所への旅の往復時に手に入れたお金で後日王都に行って買ったもう1つの短剣で次々とトロル達を切り裂いた。アッシュ兄ちゃんもレオおじさんと共に矢で遠隔攻撃をしたり、近付いて来たトロルを小剣で倒したりしていた。
近くのトロル達が少なくなってきたことで(もう少しだ)と思った直後、ドンッ!! 突如今まで感じたことのない地響きが辺りに響いた。僕達が一瞬戸惑っていると、森の奥から今までの奴等とは比べ物にならないほど大きなサイズのトロルが1体現れた。
突如として目の前に、しかも今まで見たこともない大きさのトロルが現れたことで僕達は全員呆然としてしまった。
その間に僕達の近くにいた小さなトロル達はいつの間にか全員いなくなっていた。
そのデカトロルが持っていた棍棒を振り上げ、それを振り下ろした直後いち早く我に返った父さんが全員に「避けろーーー!!」と叫んだ。
その声で全員我に返って避けようとしたが、ドガァッ!!「ウワァーー!!」避けきれずに巻き添えを食った者もいた。爆風が込み上げ、暫くしてそれが消えたらほとんどの村人が倒れてしまっていた。その光景に難を逃れれた人達は恐怖を覚えた。
僕もその光景を見た後デカトロルを見上げた。(こんな奴、前の時にはいなかったはずだぞ)と思いながらも、どうやって倒すか考えていた。
しかし考えは浮かばず、その間に再びデカトロルの攻撃が降りかかった。その後も何度かデカトロルの攻撃が続いたが、僕達は避けるので精一杯だった。そのうち僕達は誰も動くことが出来ないくらい疲弊してしまっていた。
そしてデカトロルが僕の方を向き棍棒を振り上げ、(もう、ダメだ)と思って目を瞑った。しかし中々攻撃がこないため目を開けたら、トロルが完全に動きを止めていた。トロルだけでなく周りを見たら父さんやアッシュ兄ちゃん、他の人の動きも完全に止まっていた。
(こ、これは一体?)と思っていたら後ろから、「ギリギリ間に合ったようじゃな」との声が聞こえた。その声の方を見たら、何とハウル様が杖をこちらにかざしていた。
「ハ、ハウル様!?」「レックス、今のうちに奴を動けなくするのじゃ。あまり長くは止めてはおれんからのぉ」と言われたので僕は周りを見て父さんが使っていた剣を拾い、そしてデカトロルの片足に斬りかかった。
そして剣が足に当たったところで時間が動き出したようだが、「うぉー!!」僕は構わず剣に力を最大限込めて振り切り、デカトロルの足を切り落とした。その直後デカトロルは絶叫を上げながら倒れた。
その光景を呆然と見ていた父さんが「今だ!! 奴を仕留めるぞ!!」その場にいた者達に声をかけ、動ける者達が一斉にデカトロルに武器を突き刺し止めを刺した。
デカトロルが動かなくなったことを確認し、また周りに他のトロルがいないことを確かめた上で、「や、やった」「ト、トロル達を、やっつけたぞーーーっ!!」「ウォーーーーー!!!!!」
誰かのやっつけたという雄叫びを合図に、その場にいた全員で勝利の雄叫びを上げた。(お、終わった)そう思いながら僕がその場に崩れ落ちそうになったのを「レックスーーっ!!」僕の名前を叫びながら駆け寄って来たアッシュ兄ちゃんが抱き止めてくれた。
そして「やったぞ、やったじゃないか! 凄かったぞさっきのお前!!」称賛の言葉を浴びせてきたので「あ、ありがとう」憔悴し切った返事を返した。暫くその場で勝利の余韻に浸った後僕達は村へ帰って行った。
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