落ちこぼれ一兵卒が転生してから大活躍

きこうダきこう

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第8章 命の石

第43話 海底洞窟

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 アークさんの言った通り4日後に来てみたら、港の先に道が見えていて道なりに進んで行ったら洞窟が見えてきた。恐らくここが海底洞窟だろう。

「では行くとするか」「はい」そう言って僕らは中に入って行った。

 奥へ進むに連れ徐々に薄暗く足場も悪くなってきたが、今の所は特に何も襲ってくる気配はなかった。

 洞窟へ入るのを待っている間、ハウル様がアークさんにこの洞窟の事を色々(イヤイヤ)聞いて下さった。

 いくつかの魔物が生息しているようだが特に注意すべきなのが、シーハーフマンと呼ばれている半魚人(顔体は魚の姿で手足が生えている)の集団とブラックスコーピオンと呼ばれている全身が真っ黒のサソリ、そして原石がある場所近くでのみ目撃される大きなカニのビッグクラブの3匹とのことだ。


 それから少し進んだところで先頭を歩いていたハウル様が止まり、僕に前を見させたところシーハーフマンの群れがいた。

「(どうします?)」ハウル様に尋ねたら「取り敢えず······」と作戦を伝えて下さった。

 まず僕がブーメランを使って1匹を退治したのち残りの注意を引き付ける。そしてハウル様達のいる方向とは反対の方に誘導させるように逃げる。

 そして全員が背を向けたところでハウル様が後方から攻撃し、一瞬動揺したところで挟み撃ちにするというものだ。

 作戦が見事に決まり、その場にいたシーハーフマンを全滅させることが出来た。

 そして再び奥へ行こうとしたら「ちょっと待って、2人とも」突然お姉ちゃんが声を掛けてきた。

「どうしたの? お姉ちゃん」「あっちの方から微かに何かの鳴き声が聞こえたの」と進もうとした道とは別の道を指差した。

 僕とハウル様もそちらの方に耳を傾けたら、「······ピィー」確かに小さな鳴き声が聞こえた。僕達はその鳴き声が聞こえた方に行ってみた。


 声の聞こえた方へ来てみたら、近くをブラックスコーピオン1体が徘徊しており、少し離れたところに3人の海人族が倒れていてピクリとも動かないでいた。

 そして、先ほどの声はその3人の近くに置かれている布で覆われている何かからであった。

「恐らくあの3人はもうダメであろう」とハウル様が仰り、「取り敢えず、あの包みの中を確認する必要があるじゃろう」と続けられた。

 そこで今回は僕が集中スキルの覚醒で奴の弱点を発見する間、ハウル様が注意を引き付けて僕のいる近くまで誘導する。

 その間にお姉ちゃんが布で覆われたモノを回収する。そして弱点が分かったところで自分で突ける所なら自分で、出来ないならハウル様に伝えて突いてもらう事とした。

 作戦を確認しそれぞれ準備をしたところでハウル様が動いた。その直前に僕も集中スキルの覚醒を発動させて弱点を探った。ハウル様が敵の注意を引き付けれたところでお姉ちゃんも布に向かった。

 少しして背中と尻尾との境目辺りが弱点だと分かり、お姉ちゃんも布のモノの回収が出来たところで僕がブラックスコーピオンの背中に飛び移り、弱点の辺りまで行って短剣を突き付けたところ、そのまま倒れて動かなくなった。


 ブラックスコーピオンから少し離れたところで合流してお姉ちゃんが布の中の正体を確認したら、何と海人族と思われる赤ん坊が縛られて包まれていたそうだ。

 口にも布が巻かれていたようだが、それがずれ落ちて叫び声が聞こえたようだ。

 今はお姉ちゃんが落ち着かせたこともあって静かに眠っているようだった。取り敢えず僕達はその赤ん坊も連れて奥へ進むことにした。


 大分奥へ進んだところでようやく水晶玉が見せ、王立図書館の本でも見た通りの形をしている命の石の原石がたくさん地面にある場所に辿り着いた。

「あった!」「うむ。間違いなくあれじゃろうな」目の前の石を見て命の石の原石だと僕とハウル様が確認し合った。

 良かったと安堵したが、「ただ、問題は······」僕が言った後に全員でその手前にいるビッグクラブを見た。

 今は眠っているようで動く気配はないが、いつ起きて動き出すか分からなかった。

 話し合った末に僕とハウル様で原石を1つ取りに行き、もしビッグクラブが起きたらしばらく様子を見てその場を離れるかどうか判断する事にした。そして静かに僕達は原石に近付いた。

 ビッグクラブの傍を通った時も特に起きる様子もなく無事に通り抜けれて原石のある場所へ辿り着けた。

 そしてビッグクラブの様子を伺いながら原石を持ち出そうとしたら、突然ビッグクラブが目覚めたようで僅かに動き出し始めたように見えた。

 またほぼ同じくらいに海人族の赤ん坊も目が覚めたと思ったら突然メリッサの腕で暴れ出し、僕達のいる方へ行きたがるそぶりをし出した。
 
「ダメ! 危ないから」とメリッサが言っても暴れ続けた後、今度はじっとメリッサを見続けた。その眼を見て悩んだ末、僕達の傍に向かった。

 一方僕達はビッグクラブが僅かに動いたことを確認していたので、取り敢えず原石を手に取ったままビッグクラブの様子を伺った。

 そしてゆっくり徐々に僕達のいる方に体を向け出し、完全に体を向けたところで動きが止まった。

 そのまま両者が睨み合いを続けていたら「ピィー! ピィー!」ビッグクラブの後ろから赤ん坊の鳴き声が聞こえた。

 ビッグクラブが再び後ろを向きだすとすぐ近くに海人族の赤ん坊を抱いたお姉ちゃんが立っていた。

 ビッグクラブと目があったら再び赤ん坊が「ピィー! ピィー!······」と何度もしばらくの間ビッグクラブに向けて泣き続けた。

 すると······突然なんとビッグクラブが再び眠りについてしまった。

 その出来事に僕達はただじっと黙って見ているだけだったが、眠りについたのを確認したら手に取っていた原石を持ってビッグクラブの横を通り抜け、その場を離れたのだった。

 大分離れてビッグクラブが追って来ない事と周りに他の魔物がいない事を確認してさっきの状況を確認し合った。

「さっきは何があったの?」僕がお姉ちゃんに聞いたら、「この子が起きたと思ったら急に暴れ出して、ビッグクラブの方にどうしても行きたがったから連れて行ったの」と言って今は大人しくなっている赤ん坊を見た。

「ふむ。やはりもしかするとこの子は······」ハウル様が仰ったので、「この子は?」と尋ねた。

「とにかく目的のモノは手に入れられたのじゃ。早いところ洞窟から抜け出すとしよう」とはぐらかして先を進もうとした。僕とお姉ちゃんは顔を合わせて、まっいいかと思ってハウル様の後を付いて行ったのだった。

 それからは一切魔物も現れず、危険な事も起きずに無事海底洞窟から出られた。

 そして取り敢えずそのままアークさんのお店に向かった。
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