落ちこぼれ一兵卒が転生してから大活躍

きこうダきこう

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第10章 学校生活3

第51話 日常生活~頼み事~

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 実技の授業は未だ粛々とした内容ではあったが教科の方では身近な魔物達への対処方法などの授業となった。

「では次はこの魔物についてだが······」ホイットニー先生がそう言ってある魔物の討伐依頼書のコピーを黒板に張り付けた。

 それは以前サポート科と森で合同授業をした時に遭遇したあの"ウッドスパイダー"だった。

「前にコイツと遭遇した者もいると思うが、このウッドスパイダーの特徴と戦う際に気を付けること、また弱点が分かる者?」と聞いてきたのでロースが手を上げて答えた。

「正解だ、ロース」と言われロースは満足げだった。

「では次は······」別の魔物の討伐依頼書を張り付けた。今まで見たことのない猪のような姿をした魔物のだ。

「この"モーラボア"の特徴や弱点が分かる者?」とまた聞いてきたので別の生徒が答えて「その通りだ」と仰った。

 どうやら王都東方の平原地帯に生息しているとのことなので、そちらには行ったことが無いので遭ってはいないのだろう。

 まだまだ知らない魔物もたくさんいるんだなぁと思いながら授業を聞いていた。


 次の休日、兄ちゃんに誘われて出掛ける事となった。その際王都に来た時兄ちゃんと一緒にいたあの自称子分こと取り巻きA、Bのフレッドさんとボブさんも一緒だった。

「じゃあ行くか」兄ちゃんの掛け声で出発した。

「それで、何をするの?」と聞いたら、「ある魔物を退治しに行くんだ」「魔物を?」「あぁ。モーラボアって魔物をな」

「えっ!?」「どうした?」「ううん、何でもない」ついこの間授業で聞いた名前だったので思わず声を上げて驚いてしまった。

 そして奴が生息している可能性のある所まで来て······すぐに見つけた。「よし、じゃあ······」兄ちゃんが作戦を伝えた。

 まずフレッドさんが囮となって僕が待機している地点まで奴を誘導し、次に僕がブーメランを奴に目掛けて投げ、怯んだところで兄ちゃんが奴の足の1本を斬り付ける。そして体勢を崩したところにボブさんがハンマーで止めを刺すというものだ。

 説明が終わって各自が配置に付いたところでフレッドさんが動いた。モーラボアの前に出て注意を引き付け、僕の方に向かって走······って速っ!? 何とフレッドさんの走りはモーラボアを置き去りにするかの如くのスピードであった。

(フレッドさん、あんなに足速かったんだ!)と思っていたらフレッドさんもモーラボアも徐々に近付いて来たので、タイミングを見計らってブーメランを······投げた!

 ブーメランが飛んでくるのが分かってフレッドさんは横に飛び退け、ブーメランはモーラボアの額に直撃した。その衝撃でモーラボアは動きが止まって怯み出した。

 そこをすかさず兄ちゃんが駆け寄り、前足の1本に斬り掛かった。相当深く斬られた事でモーラボアは体勢を崩した。

 そしてハンマーを持ったボブさんがハンマーを振り上げながらモーラボアに飛び掛かってハンマーを振り下ろした! 相当強烈に効いたのかモーラボアはそのまま動かなくなった。

「「「やったー!」」」僕以外の3人は大喜びしてモーラボアの毛皮を切り取った。「すぐに手に入ったな」「やったっすね、アッシュさん!」「これでお駄賃ゲットだ!!」

 お駄賃? 僕が疑問に思っていると「サンキューなレックス。お前のお陰で倒す事が出来たぜ」「うん。ところでお駄賃って?」

「あぁ。実はこれ学校に届いた"頼み事"の1つなんだ」「頼み事?」

「お前も2年生になったら受けれると思うんだが、学校と関係のある人が生徒に協力して欲しい事を学校に申請して学校側がそれを掲示するんだ。んで興味を持った内容を学校側に申請して許可をもらって依頼主の元に行く。その依頼主から依頼内容を聞いて無事に依頼をこなせば依頼主から報酬がもらえるんだ」

「へぇ、そうだったんだ」「しかも今回は高額だったから引き受ける事にして、魔物の特徴からお前も誘ったんだ」
「そういう事ね」だからあんなに3人ともはしゃいでいたのか。

(それにしても······)さっきのフレッドさんとボブさんの動きを思い出し、兄ちゃんが前の休暇前試験も一緒に行ったと言っていたのを思い出して(ただの取り巻きって訳じゃあなさそうだね)と内心2人を見直したのであった······。


 一方、僕らが頼み事をしている時アリスとお姉ちゃんは王都内のカフェでお茶を飲んでいた。「レックスやお兄ちゃん遅いね」「そうね」

 メリッサからアッシュがお駄賃が入るからお茶を奢ってくれるというのでアリスは一緒に待ち合わせのカフェに着いて先に飲んでいた。

「それにしてもお兄ちゃんがお茶を奢るなんて、村にずっといたら考えれなかったわ」「そうなんだ」

「うん。村ではいつもレックスやおじさん達と狩りに行くか森で私達と遊んで過ごしてたから」「そういえば、そんな風に過ごしていたって前にアッシュから聞いた事があったわ」「へぇ、お兄ちゃんどんなこと話してたの?」

 アリスが聞いたのでレックスとの森での狩りの思い出や、2人と熊の親子と遊んだ事などを話していたとメリッサが伝えた。

「ホントにそうだったなぁ。それでよくケガをしたりして私のお父さんのお世話になってたっけ」「そうなんだ。で、誰が一番お世話になってたの?」

「うーん······やっぱりレックスだったかなぁ。あの頃一番何か無茶ばっかりしてたから。今ならその理由も分かったから納得出来るけど」「それもそうね」

「ある時なんかお兄ちゃんと2人で狩りに出掛けたんだけど、途中でレックスが足を捻挫したみたいでベアーの背中に乗せてもらって村に帰ってからお父さんの治療を受けたの。その時思いきり泣き叫んだから私もお兄ちゃんも大笑いして······」と笑いながらそこまで言ってメリッサを見たら、苦笑いをしていた。

「どうしたの? お姉ちゃん」アリスが聞いたら、「誰が泣き叫んでいたってぇ?」後ろから声が聞こえたので振り返ったら、レックスとアッシュが立っていた。

「あっ······」アリスが言った後しばらく静寂の時間が続き、「そろそろ座ったら?」お姉ちゃんがそう声を掛けたので「そうだな」と兄ちゃんが言って僕達2人は席に座ってお茶を楽しみ出したのであった。

 ちなみに、あの時叫んではいたが泣いてはいなかったと訂正しておいた······。
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