落ちこぼれ一兵卒が転生してから大活躍

きこうダきこう

文字の大きさ
71 / 224
第13章 依頼

第71話 ギルドクエスト~ブラックスコーピオン討伐~

しおりを挟む
 ある日の午後の授業中、学校の職員の方がバーミリアン先生に伝言を伝えに来て、授業後そのバーミリアン先生が僕にすぐ校長室へ行くようにと伝えて来た。

 早速校長室前に着いてドアをノックして入室を促されたので「失礼します」と入った直後、室内に兄ちゃんがいた事に驚いたがジルコニー校長にこちらへ来るよう言われて兄ちゃんの隣に並んだ。

「君達に来てもらったのはこのギルドクエストを頼むためだ」と依頼書を兄ちゃんに渡した。

「っ! これは?」「あぁ、Sランククエストだ」Sランク! 最も難易度の高いSと聞いて僕も驚いた。

「ギルドの方でも話を聞いた限りでは数匹目撃したと言っていたからな。Sにするのも妥当だろう」とジルコニー校長も仰ったので何かの討伐依頼かと思っていたら、兄ちゃんが依頼書を僕に渡してくれた。

 依頼書には、"Sランク"大量発生したブラックスコーピオンの討伐"依頼人:海人族王城守備隊長······"と書かれていた。

「ブラックスコーピオン!?」あの命の石を取りに海底洞窟へ行った際に戦ったサソリの魔物か。

(そいつが大量発生したとなれば、確かに大変な事かも······)僕がそんなことを思っていたら、「アッシュ君、このクエストは君に全権を委ねる。誰を連れて行くのもどう取り組むのかも全て君の自由にしたまえ」(えっ!?)

「分かりました」ジルコニー校長がSランクのクエストを兄ちゃんに全て任せることにし、兄ちゃんもそれを了承したのだ(凄い)。

「それで、その際の参考になるだろうと最近一度戦った事があると聞いている君にも先に来てもらったという事だ、レックス君」とジルコニー校長が僕を呼んだ理由を説明してもらったので納得した。

「君もアッシュ君に協力をしてくれたまえ」と言われたので「分かりました」と答えた。

「話は以上だ」と言われたので2人で校長室を退室した。


 退室したところで兄ちゃんが「取り敢えず明日の朝1に出発するから、お前はハウル様にこの事を伝えて明日学校の前へ来てもらうように伝えてきてくれ」

「分かった。それで、誰を連れて行くの?」と聞いたら、「取り敢えず数匹と言っていたからフレッドとボブ、あと同じクラスに海人族が1人いたからそいつらに声を掛けるつもりだ。それと何かあった時のためにメリッサも連れて行くつもりだよ」

 そう言ったので、「じゃあ僕のクラスにも1人海人族の女の子がいるんだけど、その子にも声を掛けても良い?」と聞くと、「あぁ、別に構わないぜ。取り敢えずハウル様の事はよろしくな」「分かった!」と言って兄ちゃんと別れた。

 その後僕はすぐハウル様の所へ向かい挨拶もそこそこに明日の事を頼み、ハウル様も了承してくれたのですぐ学校へ戻った。

 学校へ戻ってマールを探し、何とか発見出来てクエストの事を伝えたら、「私も行く!」と言ったので明日の事を伝えた。そうして僕もベアーズを迎えに行って寄宿舎に戻り、明日の準備をした。


 そして翌日、ベアーズも連れて学校前に向かった。

 まだ誰も来てはおらず、後から兄ちゃん、フレッドさんとボブさん、兄ちゃんが声を掛けた海人族の人 (シーランさんと言うらしい)、マールと来て、最後にお姉ちゃんとお姉ちゃんから話を聞いて付いて行きたいと言ったアリスが現れた。

 全員が揃ったタイミングを計っていたかのようにその直後ハウル様が現れた。

「よし、じゃあ行こう!」兄ちゃんの掛け声でハウル様にマリンタウンへ連れて行ってもらい、マリンタウンに着いたところでお城に向かった。

 依頼人の守備隊長さんの所には兄ちゃんと僕、ハウル様が話を聞きに行き、その間にお姉ちゃんとアリスはポピー王子に会いに行く事になって他の皆はお城の前で待ってもらった。


 守備隊長さんの所に案内してもらって話を聞いたところ、最近街近くの砂浜にブラックスコーピオンが目撃され、その数が7、8匹だったという事だ。

 今は特に街や住民に被害は無いが、いつ襲って来るか分からないため数が数だけにヒト族のギルドに依頼をしたのだそうだ。

 7、8匹と聞いて兄ちゃんも一瞬驚いていたが、すぐ冷静になって戦闘員となりそうな人を1人か2人お借りしたいと頼み、現場へ案内してもらうように頼んだ。

「でしたら私が」と守備隊長さん自らが名乗り出たのでそのまま話を切り上げ、ポピー王子のところに行っていたお姉ちゃん達と城を出た。


 城を出てまずお姉ちゃんとアリスにはマールの家で待機してもらう事にしたので、マールに2人を家族に紹介してもらった上で家にいさせてもらえるよう頼み、僕らは砂浜へ向かった。

「あそこです」砂浜に着いてブラックスコーピオンが目撃された付近まで来たところで守備隊長さんがそう伝えた。その先を見たら確かにブラックスコーピオンが何体かいた。

「······確かに、8匹いるな」兄ちゃんも確認出来たみたいだ。

 そして僕に弱点を探るように言って僕が集中スキルの覚醒で調べたら、全員が前回の奴と同じ所 (背中と尻尾との境目辺り)だと伝えた。

 それを聞いて兄ちゃんが「それじゃあ、作戦を伝える」と作戦を語り出した。

 まず8匹を4匹ずつに引き離す。一方を兄ちゃんとフレッドさん、ボブさんにシーランさんが相手をし、もう一方を僕とマール、そしてハウル様と守備隊長さんが相手をする事となった。

 最初の1、2匹を倒すまでは4人で集中して1体を攻撃し、残り2匹になったら分散して攻撃をするのも有りだということにした。

 全員が作戦を理解し納得したところで行動に移った。


 まず1人ずつ1匹のブラックスコーピオンの前に姿を見せる。

 そして兄ちゃん達は遠くの方へ誘いだし、僕達は反対方向の近くへ誘い込むように移動した。

 僕達の誘いにうまく引っ掛かりブラックスコーピオン達は4匹ずつ分散した。

 後は事前の作戦通りにし、僕達はハウル様が標的以外のブラックスコーピオンを足止めしてマールと守備隊長さん、ついでにベアーズが注意を引き付けている隙に僕が背中に乗っかり弱点を突くようにした。

 全員が上手く動けた事で何とか1匹目を倒す事が出来た。


 すぐに次のブラックスコーピオンを倒しに行こうとした時、突然ベアーズがじっと遠くの崖の······崖下に存在していた洞窟を眺めていた。そしてそちらに向けて駆けて行ったのだった······。

 その動きに唯一マールだけが気付き、(ベアーズ?)と思ったが直後に「マール!」僕に声を掛けられたのでブラックスコーピオンを目指す事にした。

 2体目も何とか倒し、次の奴を倒しに行こうとした時、洞窟の方からベアーズがこちらへ駆けて来た。

 そして僕達の下に着くや否やマールの足に生えているヒレを噛み、洞窟の方へ向かわせようとした。

 流石に困惑して「ちょ、ちょっとベアーズ!」マールは叫んだ。

 僕達もベアーズの行動に疑問を抱いたが、ハウル様だけはベアーズが洞窟の方へ連れて行こうとしていると見抜き、「マール殿! ベアーズに従うんじゃ!」とマールに伝えた。

 僕達3人はハウル様の言った事に一瞬驚いたが、マールは「わ、分かりました」と言ってベアーズと共に洞窟へ向かった。

 残った僕達は取り敢えず3人で残りの2体を同時に相手をする事にした。

 ハウル様と守備隊長さんが2匹の注意を引き付けてくれようとしているが、中々注意を逸らす事が出来ず、どちらの背中にも乗っかる事が出来なかった。

 そうして僕達が2匹に手を焼いていたら、「皆ー、待ってー!」と叫びながらマールとベアーズが洞窟からこちらへ走って来た。

 それを聞いて僕達は一旦攻撃の手を止めた。そしてベアーズはブラックスコーピオン達に何か語りだし、マールも僕達の所にやって来た。

「ハァ、ハァ、ハァ······」大急ぎで走ってきたためかマールは息を切らしていたが、僕が「何があったの?」と尋ねたら、「あ、あの洞窟の中に······ブ、ブラックスコーピオン達の、か、家族がいたの!」と言ったのだ。
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

高校生の俺、異世界転移していきなり追放されるが、じつは最強魔法使い。可愛い看板娘がいる宿屋に拾われたのでもう戻りません

下昴しん
ファンタジー
高校生のタクトは部活帰りに突然異世界へ転移してしまう。 横柄な態度の王から、魔法使いはいらんわ、城から出ていけと言われ、いきなり無職になったタクト。 偶然会った宿屋の店長トロに仕事をもらい、看板娘のマロンと一緒に宿と食堂を手伝うことに。 すると突然、客の兵士が暴れだし宿はメチャクチャになる。 兵士に殴り飛ばされるトロとマロン。 この世界の魔法は、生活で利用する程度の威力しかなく、とても弱い。 しかし──タクトの魔法は人並み外れて、無法者も脳筋男もひれ伏すほど強かった。

SE転職。~妹よ。兄さん、しばらく、出張先(異世界)から帰れそうにない~

しばたろう
ファンタジー
ブラック企業で倒れたSEが、 目を覚ますと――そこは異世界だった。 賑やかなギルド、個性豊かな仲間たち、 そして「魔法」という名のシステム。 元エンジニアの知識と根性で、男は再び“仕事”を始める。 一方、現実世界では、 兄の意識が戻らぬまま、妹が孤独と絶望の中で抗っていた。 それでも彼女は、心ある人々に支えられながら、 科学と祈りを武器に、兄を救う道を探し続ける。 二つの世界を隔てる“システム”の謎が、やがて兄妹を結びつける。 異世界と現実が交錯するとき、物語は再起動する――。 《「小説家になろう」にも投稿しています》

転生したら、伯爵家の嫡子で勝ち組!だけど脳内に神様ぽいのが囁いて、色々依頼する。これって異世界ブラック企業?それとも社畜?誰か助けて

ゆうた
ファンタジー
森の国編 ヴェルトゥール王国戦記  大学2年生の誠一は、大学生活をまったりと過ごしていた。 それが何の因果か、異世界に突然、転生してしまった。  生まれも育ちも恵まれた環境の伯爵家の嫡男に転生したから、 まったりのんびりライフを楽しもうとしていた。  しかし、なぜか脳に直接、神様ぽいのから、四六時中、依頼がくる。 無視すると、身体中がキリキリと痛むし、うるさいしで、依頼をこなす。 これって異世界ブラック企業?神様の社畜的な感じ?  依頼をこなしてると、いつの間か英雄扱いで、 いろんな所から依頼がひっきりなし舞い込む。 誰かこの悪循環、何とかして! まったりどころか、ヘロヘロな毎日!誰か助けて

おばちゃんダイバーは浅い層で頑張ります

きむらきむこ
ファンタジー
ダンジョンができて十年。年金の足しにダンジョンに通ってます。田中優子61歳

【㊗️受賞!】神のミスで転生したけど、幼児化しちゃった!〜もふもふと一緒に、異世界ライフを楽しもう!〜

一ノ蔵(いちのくら)
ファンタジー
※第18回ファンタジー小説大賞にて、奨励賞を受賞しました!投票して頂いた皆様には、感謝申し上げますm(_ _)m ✩物語は、ゆっくり進みます。冒険より、日常に重きありの異世界ライフです。 【あらすじ】 神のミスにより、異世界転生が決まったミオ。調子に乗って、スキルを欲張り過ぎた結果、幼児化してしまった!   そんなハプニングがありつつも、ミオは、大好きな異世界で送る第二の人生に、希望いっぱい!  事故のお詫びに遣わされた、守護獣神のジョウとともに、ミオは異世界ライフを楽しみます! カクヨム(吉野 ひな)にて、先行投稿しています。

この度異世界に転生して貴族に生まれ変わりました

okiraku
ファンタジー
地球世界の日本の一般国民の息子に生まれた藤堂晴馬は、生まれつきのエスパーで透視能力者だった。彼は親から独立してアパートを借りて住みながら某有名国立大学にかよっていた。4年生の時、酔っ払いの無免許運転の車にはねられこの世を去り、異世界アールディアのバリアス王国貴族の子として転生した。幸せで平和な人生を今世で歩むかに見えたが、国内は王族派と貴族派、中立派に分かれそれに国王が王位継承者を定めぬまま重い病に倒れ王子たちによる王位継承争いが起こり国内は不安定な状態となった。そのため貴族間で領地争いが起こり転生した晴馬の家もまきこまれ領地を失うこととなるが、もともと転生者である晴馬は逞しく生き家族を支えて生き抜くのであった。

レベルアップは異世界がおすすめ!

まったりー
ファンタジー
レベルの上がらない世界にダンジョンが出現し、誰もが装備や技術を鍛えて攻略していました。 そんな中、異世界ではレベルが上がることを記憶で知っていた主人公は、手芸スキルと言う生産スキルで異世界に行ける手段を作り、自分たちだけレベルを上げてダンジョンに挑むお話です。

神様の忘れ物

mizuno sei
ファンタジー
 仕事中に急死した三十二歳の独身OLが、前世の記憶を持ったまま異世界に転生した。  わりとお気楽で、ポジティブな主人公が、異世界で懸命に生きる中で巻き起こされる、笑いあり、涙あり(?)の珍騒動記。

処理中です...