落ちこぼれ一兵卒が転生してから大活躍

きこうダきこう

文字の大きさ
92 / 224
第16章 閑話

第92話 誕生日2

しおりを挟む
 ーーもうじきアリスの誕生日だろ?ーー

 ドワーフ族の村に行った時マーシュがそう言った事で、もうじきアリスの誕生日だという事を思い出した。

 そのため、現在部屋にて頼み事の報酬から毎回極一部 (本当の本当に極一部)取って貯めていた袋を見て何をプレゼントするか考えていた。

 けど······何も思い付かない!(そもそもアリスって、何が欲しいんだろう?)

 取り敢えず街に行って何か探してみるかと思って街に出た。そして色々なお店を見て回った。が······。 


(決められない!)結局これだと思える物が見当たらず、未だに街を彷徨いていた。

(ホントにどうしよう······)と思っていたら、「レックス?」声を掛けられたのでそちらを見たら「やぁ、メリー」メリーが立っていた。

「久しぶり」「ホントに久しぶりね。それよりどうしたの?」「実は······」アリスの誕生日プレゼントを何にするか決められない事を話した。

「そっか。アリスの誕生日プレゼントを」「そうなんだ」「じゃあレックスしか上げられない物、例えば故郷にしか無い物とかを上げたら?」

「故郷、ウッド村にしか無い物?」「うん。行けるかは分からないけど、今度の休日に実際行ってみて探してみるとか」

「流石にそれは······いや、確か次の休日前の日バーミリアン先生が用事があって午後は自由になるから、その時なら······」「そうね。その時探しに行けば良いんじゃない?」「そうするよ。ありがとうメリー」「うん」そうして僕はメリーと別れた。

 レックスと別れた後メリーは(やっぱりレックスはアリスの事が気になるのね)と思い歩きだそうとしたら、(でも、アリスって今マーシュと付き合ってたんじゃあ······関係ないか。幼馴染みなんだから)と思って再び歩きだした。


 そして休日前の日、教科は今日から亜人族の内容に入ったが、午後からの事が気になってあまり頭に入らなかった。

 午前の授業が終わって昼ご飯を食べた後、ベアーズに「これから森に行くんだけど、一緒に行くか?」と聞いたら付いていく素振りを見せたので連れて行く事にした。

 城門を出たところで「振り落とされるなよ」とベアーズに声を掛け、(ヨーイ)ドンッ! 全速力で走り出した。

 かなりのスピードを出したため周りの景色があっという間に過ぎ去ってしまった。


 そして······。「ハァ、ハァ、ハァ······も、もう着いちゃった」その日の夜には森の入口に到着してしまった。

 取り敢えずその日はベアーズの案内でいつもの所とは別に持っていたベアーズ達の寝床で寝る事にした。

 翌朝になって早速プレゼントに出来そうな物を探そうとしたら、ベアーズが急にどこかへ走り出してしまったので付いて行く事にした。

 すると前に帰省した時の最終日にベアーが案内してくれた辺りの奥にある岩山に空いた洞窟に入って行った。

 僕も中に入って奥に向かい、出口が見えたので出てみたら······。

「うわぁ!!」そこにはこれまで見た事が無い花が辺り一面大量に咲いていたのだ。

「こんな所があったなんて······」と感動しながら周りを見渡していたら、その奥にベアーズを見掛けて近付いてみたら、木の中の蜂蜜を舐めていた。

「ひょっとして、お前それが目的だったんじゃあ?」と聞いたら一瞬こっちを見て、また蜂蜜を舐め出した。

(コイツゥ)と思いながらも先ほどの花の中から数本採り、「ベアーズ、僕もう帰るけど······置いてくぞー」と言ってその場を離れたが、岩山を抜けるまで結局来なかった。

 その後ベアーズが来たところで花を枯らさないよう注意しながら急ぎ足で王都に戻った。

 流石にその日には着けなくて翌日になったため、花を生けたところで熟睡してしまった······。


 そしてアリスの誕生日の前日。つまり僕の誕生日の夕ご飯の時に今年はそれぞれへのプレゼント渡しが行われた。

 当日アリスはマーシュと予定があるとの事なので僕の誕生日と兼ねる事にした。

 兄ちゃんとお姉ちゃんから僕達それぞれに、その後アリスが僕にプレゼントを渡したところで、「それで、何でお前は手ぶら何だ?」兄ちゃんが聞いてきた。

「用意はしてあるけど、ここには持って来れないから、後で部屋に来て」と伝え、食後に皆で僕の部屋に来た。


 そして生けてあった花をアリスに渡した。

「これ、村の森の奥地に咲いていた花なんだよ」「奥地って?」アリスが聞いてきたので、「この前の休暇の最終日に、ベアーに案内してもらった辺りの奥に岩山があって、そこに空いていた洞窟の先に咲いていたんだよ」

「そこまで採って来てくれたの!」「たまたま休日前の日の午後から自由になったからね」「嬉しい!」「良かったわね、アリスちゃん」「はい!」本当に嬉しそうだった。

「しかしお前、よくそんな所知ってたなぁ?」「実はベアーズに案内してもらったんだよ」「ベアーズに?」「うん。ただコイツの目的は、その花畑の先の木にあった"蜂蜜"だったみたいだけどね」「は、蜂蜜?」「······うん」

 そこまで聞いたところでアリスは眠っていたベアーズに近寄り、「ありがとね、ベアーズ」とベアーズを撫でたが、プイッ! ベアーズはそっぽ向いたのだった。

「お前なぁ」と僕が言ったところで全員が大笑いしたのだった······。


 後日、マーシュはアリスにドワーフ族の村で購入した"指輪"をプレゼントしたと本人から聞いた。
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

スローライフ 転生したら竜騎士に?

梨香
ファンタジー
『田舎でスローライフをしたい』バカップルの死神に前世の記憶を消去ミスされて赤ちゃんとして転生したユーリは竜を見て異世界だと知る。農家の娘としての生活に不満は無かったが、両親には秘密がありそうだ。魔法が存在する世界だが、普通の農民は狼と話したりしないし、農家の女将さんは植物に働きかけない。ユーリは両親から魔力を受け継いでいた。竜のイリスと絆を結んだユーリは竜騎士を目指す。竜騎士修行や前世の知識を生かして物を売り出したり、忙しいユーリは恋には奥手。スローライフとはかけ離れた人生をおくります。   

神様の忘れ物

mizuno sei
ファンタジー
 仕事中に急死した三十二歳の独身OLが、前世の記憶を持ったまま異世界に転生した。  わりとお気楽で、ポジティブな主人公が、異世界で懸命に生きる中で巻き起こされる、笑いあり、涙あり(?)の珍騒動記。

高校生の俺、異世界転移していきなり追放されるが、じつは最強魔法使い。可愛い看板娘がいる宿屋に拾われたのでもう戻りません

下昴しん
ファンタジー
高校生のタクトは部活帰りに突然異世界へ転移してしまう。 横柄な態度の王から、魔法使いはいらんわ、城から出ていけと言われ、いきなり無職になったタクト。 偶然会った宿屋の店長トロに仕事をもらい、看板娘のマロンと一緒に宿と食堂を手伝うことに。 すると突然、客の兵士が暴れだし宿はメチャクチャになる。 兵士に殴り飛ばされるトロとマロン。 この世界の魔法は、生活で利用する程度の威力しかなく、とても弱い。 しかし──タクトの魔法は人並み外れて、無法者も脳筋男もひれ伏すほど強かった。

おばちゃんダイバーは浅い層で頑張ります

きむらきむこ
ファンタジー
ダンジョンができて十年。年金の足しにダンジョンに通ってます。田中優子61歳

この度異世界に転生して貴族に生まれ変わりました

okiraku
ファンタジー
地球世界の日本の一般国民の息子に生まれた藤堂晴馬は、生まれつきのエスパーで透視能力者だった。彼は親から独立してアパートを借りて住みながら某有名国立大学にかよっていた。4年生の時、酔っ払いの無免許運転の車にはねられこの世を去り、異世界アールディアのバリアス王国貴族の子として転生した。幸せで平和な人生を今世で歩むかに見えたが、国内は王族派と貴族派、中立派に分かれそれに国王が王位継承者を定めぬまま重い病に倒れ王子たちによる王位継承争いが起こり国内は不安定な状態となった。そのため貴族間で領地争いが起こり転生した晴馬の家もまきこまれ領地を失うこととなるが、もともと転生者である晴馬は逞しく生き家族を支えて生き抜くのであった。

転生したら、伯爵家の嫡子で勝ち組!だけど脳内に神様ぽいのが囁いて、色々依頼する。これって異世界ブラック企業?それとも社畜?誰か助けて

ゆうた
ファンタジー
森の国編 ヴェルトゥール王国戦記  大学2年生の誠一は、大学生活をまったりと過ごしていた。 それが何の因果か、異世界に突然、転生してしまった。  生まれも育ちも恵まれた環境の伯爵家の嫡男に転生したから、 まったりのんびりライフを楽しもうとしていた。  しかし、なぜか脳に直接、神様ぽいのから、四六時中、依頼がくる。 無視すると、身体中がキリキリと痛むし、うるさいしで、依頼をこなす。 これって異世界ブラック企業?神様の社畜的な感じ?  依頼をこなしてると、いつの間か英雄扱いで、 いろんな所から依頼がひっきりなし舞い込む。 誰かこの悪循環、何とかして! まったりどころか、ヘロヘロな毎日!誰か助けて

SE転職。~妹よ。兄さん、しばらく、出張先(異世界)から帰れそうにない~

しばたろう
ファンタジー
ブラック企業で倒れたSEが、 目を覚ますと――そこは異世界だった。 賑やかなギルド、個性豊かな仲間たち、 そして「魔法」という名のシステム。 元エンジニアの知識と根性で、男は再び“仕事”を始める。 一方、現実世界では、 兄の意識が戻らぬまま、妹が孤独と絶望の中で抗っていた。 それでも彼女は、心ある人々に支えられながら、 科学と祈りを武器に、兄を救う道を探し続ける。 二つの世界を隔てる“システム”の謎が、やがて兄妹を結びつける。 異世界と現実が交錯するとき、物語は再起動する――。 《「小説家になろう」にも投稿しています》

異世界デバッガー ~不遇スキル【デバッガー】でバグ利用してたら、世界を救うことになった元SEの話~

夏見ナイ
ファンタジー
ブラック企業で過労死した元システムエンジニア、相馬譲(ユズル)。異世界転生で得たスキルは、世界の情報を読み取り「バグ」を見つけ出す【デバッガー】。攻撃力も防御力もない外れスキルと思われたが、その真価は世界の法則すら捻じ曲げるバグ利用にあった! モンスターの行動、魔法の法則、スキル限界――あらゆるシステムの穴を突き、元SEの知識で効率的に攻略していくユズル。不遇職と蔑まれながらも、規格外の力でダンジョンを蹂躙し、莫大な富と影響力を築き上げる。 頼れる騎士、天才魔道具技師、影を歩むダークエルフといった仲間と共に、やがてユズルは、この世界そのものが抱える致命的な「システムエラー」と、それを巡る陰謀に直面する。これは、不遇スキルで世界のバグに挑む、元SEの異世界成り上がり譚!

処理中です...