落ちこぼれ一兵卒が転生してから大活躍

きこうダきこう

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第24章 王国騎士団

第172話 任務2~VSクラーケン対応~

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 グリズリーの討伐任務を行った後数日は任務の要請もなかったので、オリバーに言われた通り4人で武器の特訓をしていた。それにより各人の武器やそのスキルなどが判明し、それぞれ······、


・レックス・アーノルド
(メイン武器)爪
(スキル)エアーブロウ
 [爪先で風の渦を作り、それをぶつける]
(サブ武器)短剣 (ダガー)
(スキル)ダブルスラストならびにトリプルスラスト
 [2回または3回剣を突き付ける]

・デビット・ミラー
(メイン武器)鞭
(スキル)エンタングルノック
 [鞭を足などに絡めとって転倒させる]
(サブ武器)槍
(スキル)乱れ打ち

・ジャック・スミス
(メイン武器)クロスボウ
(スキル)なし
(サブ武器)小剣
(スキル)ショックウェーブ
 [衝撃波を発生させる]

・ライアン・バーンズ
(メイン武器)斧
(スキル)サークルスラッシュ
 [斧を持って体を回転しながら斬りつける]
(サブ武器)槍
(スキル)ロールガード
 [前方で素早く回して敵の攻撃を防ぐ]
 となっている。

 今日も僕とジャック、デビットとライアンに分かれてそれぞれの武器の特訓を行っていた。

 その時オリバーがやって来て「第1小隊集合!」と声を掛けた。4人が集まったところで「次の任務が決まった」と伝えた。

「王都南部の漁村から、最近近海にクラーケンが出没しだして困っていると騎士団に連絡が入った」「クラーケンが?」

「そうだ。そこで漁村に赴いて状況を確認し、クラーケンの対応にあたる」「対応と言いますと?」

「討伐もしくは近海からの追い払いなど現地の状況を見てから判断するという事だ」(!?)「分かりました」

「ではすぐに遠征準備をして馬小屋に集合だ!」「「はい!」」と一旦解散となったが、部屋に戻りながらも先ほどオリバーから近海からの追い払いもあると聞き、オリバーからそんな言葉が出てきた事に内心驚いていた。

 何はともあれ部屋で準備を整えて馬小屋に行き、各自馬を選んで漁村に向けて出発した。

 
 程なくして漁村に到着し、早速オリバーは村長らにクラーケンの事を色々伺った。

 その内容から少し前にクラーケンの群れが近くの外海を通ったらしく、恐らくその時群れからはぐれた可能性があると判断し、今回は外海へ追い払う事に決まった。

 そうして僕達は村の人から船を借り、クラーケンが出没している場所に向かった。

 向かいながらオリバーより今回の作戦を伝えられ、取り敢えずクラーケンからの攻撃を受け続ける事に専念し、相手にこちらが敵意のない事を示した上で外海へ追い払う事となった。

 
 そして出没場所に着いた途端クラーケンが出現したのだった。

 僕達の姿を見るなりクラーケンは足で僕達を攻撃してきたため、オリバーのスキル"オートガード"やライアンのスキル"ロールガード"でそれを防いだ。

 時たま複数の足で連続で攻撃してきて2人のスキルでは防げ無い時は僕達もクラーケンを傷つけないよう注意しながら攻撃を防いだ。

 暫くしてクラーケンの攻撃が止んだところでオリバーが「落ち着いたか?」とクラーケンに声を掛けた。

 その後オリバーが「ひょっとして、外海に行きたいのか?」と尋ねるように外海の方を指差したら、その意味を理解したのかクラーケンが何と······頷いたのだった。

 そのやり取りを見て僕達は全員驚き、さらにオリバーはその後外海と船と船の後方を指差し、"外海へ連れて行くから船の後ろを付いてこい"と伝えたところ、クラーケンも理解して頷いた。そしてオリバーは「よし出発するぞ!」と僕達に指示して船を外海へ向かわせた。

 
 暫くクラーケンを誘導しながら船を進めていたらオリバーが突然「っ! ストップ!」船を止めさせた。

 船を止めたところでオリバーは「これが原因だったか」と呟き、僕達も前方を見たら何と外海へ出る寸前の崖が崩れてて、外海との間が塞がれてしまっていたのだった。これではクラーケンも外海へ出られない訳だ。

「どうします? オリバー隊長」とジャックが尋ねたら、オリバーはまずジャックに船を降りて岸から崩れた岩にショックウェーブを数回放つよう指示を出し、その後僕にエアーブロウを放って崩れた岩を吹き飛ばすよう指示を出した。

 言われた通りまずジャックを岸に上げ、ジャックが岸からショックウェーブを数回放ったところで岩が脆くなり、その後僕が船の先頭から片手で作ったエアーブロウを放ったら岩が吹き飛び、外海と繋がったのだった。

 そして無事クラーケンがそこから外海へ出て行き、村の人へ事の子細を説明して任務完了となり、僕達は騎士団本部に帰還したのだが、帰還中もオリバーの変化に驚き続けていたのだった。

 
 馬小屋に馬を戻したところで「今日はご苦労だったな。こういう任務も時にはあるから心に留めておくように」「「はい!」」「では解散!」と言われ僕達は帰ろうとしたら、「おい、レックス」後ろから声を掛けられ振り向いたら、オリバーが僕を睨むように見ていた。

(えっ?)不思議に思っていたら「ちょっと来い」と言われ馬小屋の脇に連れて行かれた。
 
 脇に着いたところで「お前、そんなにも俺が変わった事がおかしいか?」と尋ねてきた。

「えっ?」「えっ? じゃねぇよ。お前の俺を見る目が明らかにそう言ってんだよ。前回も今回もな」その通りの事を指摘されたため、「は、はい。その通りです」と答えた。

「だろうな。まぁ、確かに俺も心を入れ替えさせられちまったからなぁ。兄貴である団長とアッシュ、それににな」「えっ!?」オリバーの言った事に驚いた。

「去年のフレイムリザードの一件でアッシュの騎士団内での株が上がって、その直後にある山岳地帯の村で今回と似た案件が起こったんだよ」「似た案件?」

「その村の農作物を突然熊が奪うようになって困っていると騎士団に連絡が入って俺達が向かったんだ」(っ!) 確かに今回と似た案件だ。

「それで実際村に言って話を聞き、熊を討伐するかと思ったらアイツは『一旦熊を大人しくさせて山から追い出すとしよう』何て言い出したから、俺もフレッドもボブも驚いて理由を尋ねたんだよ。そしたらアイツは『行けば分かるだろう』とだけ言ったんだ」兄ちゃんらしいと思いつつ黙って聞いていた。

「そして熊に遭遇して当然向こうは俺達を攻撃してきたが、俺達はそれをじっと耐え続け、大人しくなったところで山を下ろさせ、その後アイツはその熊に住み処へ案内してくれと言ったんだよ」「住み処に?」

「あぁ。その熊の住み処は1つ向こうの山にあってその住み処には奴の家族がいたんだ」「家族が?」「ところがその住み処の周りを見てみたら、奴らの食料となりそうな果物なんかが全然無かったんだ」

「えっ!? ど、どうして?」「どうやら近くの村の連中が例年以上に備蓄のためにと果物なんかを多く収穫しちまってたみたいだったんだ。それで食べ物がなくなったんで熊は仕方なく隣の山まで食料を求めにやって来たって訳だ。自分の"家族を守る"ためにな」(あっ!)

「その事を依頼を出した村の人と団長にそれぞれ報告し、後日団長が立ち会った上で話し合いが行われ、全員が納得出来る解決策を提示してその案件を終わらせたんだよ」それを聞いてやっぱり団長は凄い人だなぁと思った。



「それで全部解決させたところで団長がアッシュに『こういう事態を予測していたのか?』と尋ねたんだよ。そしたらあいつは、『いえ。ただ養成学校時代に討伐する必要の無い魔物を討伐してしまった事があり、その時ただ闇雲に相手を倒せば良いというわけではないという事を経験しましたので、今回も突然奪うようになったと聞き何か理由があるのではと思ったまでです』と答えたんだよ」

 っ! それを聞いて僕はジルコニー校長先生から兄ちゃんが全権を委ねられたあのブラックスコーピオン討伐のギルドクエストの事を思い出した。

 僕のそんな様子をオリバーも見て「その時にそう思うようになった経緯を聞いたことで、俺も団長も意識を変えさせられたんだよ」そうだったんだ。

「それに、魔物や動物に優しくしてりゃあいずれ助けられる事もあると直に経験してるからなぁ、俺達は」と言って僕をジロッと見た。

「えっ?」「えっ? じゃねぇよ。ダークエルフどもとの戦いで、ギガントって奴と戦った時の事だ」それを聞いて「あっ」確かにあの時熊のベアーや、魔物のヴァンパイアバットとロックサイに協力してもらった事を思い出した。

「そういった事を直に見聞きさせられ、それで今回小隊長に任命されたのを機に気持ちを切り替えてみるかと思ったまでだ」

「······」オリバーからの説明を聞いて驚きながらも納得したのであった。

「これがお前の記憶ん中の俺と、今の俺との違いの理由だ。分かったか?」「分かりました、······オリバー隊長」「フンッ!」と鼻で笑ってオリバー隊長はその場を去った。

 
(まさか、そんな事情があったとは)と思いながらも、これからはオリバー隊長への態度や気持ちを改めようと思い直したのであった······。
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