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牛追い女、つかの間の休憩
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それから二週間、仕事の合間にアッシュは牛笛製作を、私はその試作品を吹く特訓に精を出していました。設計図はあるものの、何せ昔の人の書いたものですから、意味が分かりにくかったり所々説明が欠落していたりも致します。そこは勘でカバーするより他にありません。
そんなこんなである日のお昼時、私とアッシュは珍しく外で買ってきたお惣菜を食べていました。普段は自炊ですが、今日はお互いに日頃の労いも兼ねて時短することにしたのです。
(どんなに忙しくても、なるべく食事は二人揃って食べる雰囲気に自然となるのよね)
それを内心嬉しく思いながら、私はスプーンを口に運びつつこっそりと彼の顔を盗み見ます。アッシュはこのところ、食事の時でも自作の牛笛を傍らに置いて眺めています。
「ふう、粘土を捏ねて基礎の部分を作るのはだいぶ感覚を掴めて来たけど、やっぱりあの紋様を掘るのがなあ」
難しい顔をしています。かなり細かいところまでこだわるのは生来の職人の気質でしょうか。
「アッシュは本当に研究熱心ですわね・・・・・・。私はそこまで一つのことに打ち込んだ経験はないですから、なんだか羨ましいですわ」
「そうかい?クレアだって頑張ってるじゃないか。店の仕事もすごく覚えるの早いし、この分ならもうじきぜんまいなんかを使った時計の組み立てなんかも任せられそうだって、こないだ他のスタッフと話してたところだったよ」
「まあ本当ですか?嬉しいです!」
小さな工房とはいえ、何の経験もない私に仕事が務まるのかと不安でした。でも、お店の皆さんのサポートもあって、私は毎日楽しく暮らしています。
「こんなに何もかも上手くいってしまっていいのでしょうか?」
昼食後。私は牛たちと共に食後の運動をしていました。本日も空は晴れ渡り、干草をたっぷり食べた牛たちは、思い思いに風に当たったり、湖のほとりで水浴びをしたりしています。
一通り毎日のルーティンを終えた私も、気持ちの良い天気に思わず目を細めました。
(ほんの数ヶ月前は実家で窮屈な思いをしていたなんて、嘘みたい。やっぱりこういった自然の中でゆったり暮らすのは最高ですわ)
そんな風にまったりしていると、ついあくびの一つも出るというものです。
「ふわあっ・・・・・・。久々のお店の味が美味しくて、少し食べ過ぎてしまいました・・・・・・」
お昼寝にちょうどいい気候。爽やかな草原の中で、ちょっとだけうとうとしてしまおうという悪い考えが私の中に生まれます。
運動場の柵には鍵がかけてあります。何かあれば牛たちが騒ぎ出すでしょう。私はゆっくり草むらの間に身を沈めると、瞼を閉じてまどろみ始めるのでした・・・・・・。
そんなこんなである日のお昼時、私とアッシュは珍しく外で買ってきたお惣菜を食べていました。普段は自炊ですが、今日はお互いに日頃の労いも兼ねて時短することにしたのです。
(どんなに忙しくても、なるべく食事は二人揃って食べる雰囲気に自然となるのよね)
それを内心嬉しく思いながら、私はスプーンを口に運びつつこっそりと彼の顔を盗み見ます。アッシュはこのところ、食事の時でも自作の牛笛を傍らに置いて眺めています。
「ふう、粘土を捏ねて基礎の部分を作るのはだいぶ感覚を掴めて来たけど、やっぱりあの紋様を掘るのがなあ」
難しい顔をしています。かなり細かいところまでこだわるのは生来の職人の気質でしょうか。
「アッシュは本当に研究熱心ですわね・・・・・・。私はそこまで一つのことに打ち込んだ経験はないですから、なんだか羨ましいですわ」
「そうかい?クレアだって頑張ってるじゃないか。店の仕事もすごく覚えるの早いし、この分ならもうじきぜんまいなんかを使った時計の組み立てなんかも任せられそうだって、こないだ他のスタッフと話してたところだったよ」
「まあ本当ですか?嬉しいです!」
小さな工房とはいえ、何の経験もない私に仕事が務まるのかと不安でした。でも、お店の皆さんのサポートもあって、私は毎日楽しく暮らしています。
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「ふわあっ・・・・・・。久々のお店の味が美味しくて、少し食べ過ぎてしまいました・・・・・・」
お昼寝にちょうどいい気候。爽やかな草原の中で、ちょっとだけうとうとしてしまおうという悪い考えが私の中に生まれます。
運動場の柵には鍵がかけてあります。何かあれば牛たちが騒ぎ出すでしょう。私はゆっくり草むらの間に身を沈めると、瞼を閉じてまどろみ始めるのでした・・・・・・。
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