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quaecunque sunt vera
quindecim
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「恋人やったら、どこにおるか知っとるやろ?」
「いや、絢子がどこに居るのか、俺が知りたいぐらいだ」
実際、昨夜まで絢子は死んだと思っていた。今でも、あれは本当に絢子だったのかと疑問の方が大きい。
斎の言葉にワイシャツの胸元を強く握り締め、今にも泣き出しそうな天弥を、サイラスは確認する。
「知らんのやったら、もうええわ」
予想に反し、あっさりと引き下がったサイラスに、斎は少し戸惑う。
「ほな、帰るわ」
帰宅を告げ背を向けたサイラスに向かって、斎は思わず手を伸ばす。
「ちょっと待て」
「なんや?」
腕を掴まれ、サイラスは振り返り斎へ視線を向けた。
「俺も、聞きたいことがある」
「えー? 俺、見たいアニメがあるんやけど」
どう反応してよいのか分からず、斎の動きと言葉が止まる。
「せやから、五時までに帰らんとあかんのや」
そして、サイラスは立ち尽くしている天弥に視線を向けた。
「それに、あんた今、それどころやないやろ?」
楽しそうな笑みを浮かべるサイラスの視線が、自分に向けられていない事に気がつき、斎はその視線の先を追う。
振り返り、サイラスの視線の先にあるものを捉える。
「天弥……?」
サイラスの腕を掴む斎の手から力が抜けた。
「ほな、またなー」
斎の腕を振り払うと、サイラスは二人に背を向けて歩き出した。だが、斎の耳にサイラスの言葉は届いておらず、その存在も頭の中から消えていた。今すぐにでも泣き出しそうな天弥に近寄り手を伸ばす。
「ごめんなさい……」
その手が触れる寸前、天弥の声が聞こえ手が止まる。
「僕、立ち聞きするつもりじゃなくて……」
斎は、先程のサイラスとの会話を聞いていた事を知る。天弥が居るなどと思いもしなかったから、わざと誤解をされるような言葉を選んだ。
「ごめんなさい、帰ります……」
俯き、震える声でそう言うと天弥は、斎の傍から逃げるように足を踏み出した。
「待て」
斎は天弥の腕を掴み、その足を止めさせた。顔を逸らされ、すぐに斎は反らした顔を自分へと向けさせる。天弥は泣き出しそうな顔と、涙を堪えているような潤んだ瞳をむけて来た。
その様子や表情に斎は、今すぐにでも抱きしめたい衝動に駆られ、その腕を掴んだまま歩き出した。
「先生?」
腕を引かれ、天弥も足を踏み出しながら斎を見た。無言で自分の腕を掴み歩く様子に、不安がこみ上げてくる。
「先生、離して下さい」
「ダメだ」
自分の腕を掴む斎の手に触れた。
「僕、一緒に行きますから、離して下さい」
このような状況を誰かに見られたらと思うと、不安で居たたまれなくなる。
斎は足を止めると掴んでいた天弥の腕を離した。
校庭で部活に勤しむ生徒達の声が遠く響く中、無言でその場に立ち尽くす斎を、天弥は見上げた。少しの間、沈黙が流れた後、斎が口を開く。
「悪かった……、つい……」
力なく呟くように言って後、ゆっくりと歩き出した。天弥はその後を追うように足を踏み出す。目の前の背中を見ていると、必死で抑えようとしている感情が天弥の中に込み上げてきた。
「いや、絢子がどこに居るのか、俺が知りたいぐらいだ」
実際、昨夜まで絢子は死んだと思っていた。今でも、あれは本当に絢子だったのかと疑問の方が大きい。
斎の言葉にワイシャツの胸元を強く握り締め、今にも泣き出しそうな天弥を、サイラスは確認する。
「知らんのやったら、もうええわ」
予想に反し、あっさりと引き下がったサイラスに、斎は少し戸惑う。
「ほな、帰るわ」
帰宅を告げ背を向けたサイラスに向かって、斎は思わず手を伸ばす。
「ちょっと待て」
「なんや?」
腕を掴まれ、サイラスは振り返り斎へ視線を向けた。
「俺も、聞きたいことがある」
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どう反応してよいのか分からず、斎の動きと言葉が止まる。
「せやから、五時までに帰らんとあかんのや」
そして、サイラスは立ち尽くしている天弥に視線を向けた。
「それに、あんた今、それどころやないやろ?」
楽しそうな笑みを浮かべるサイラスの視線が、自分に向けられていない事に気がつき、斎はその視線の先を追う。
振り返り、サイラスの視線の先にあるものを捉える。
「天弥……?」
サイラスの腕を掴む斎の手から力が抜けた。
「ほな、またなー」
斎の腕を振り払うと、サイラスは二人に背を向けて歩き出した。だが、斎の耳にサイラスの言葉は届いておらず、その存在も頭の中から消えていた。今すぐにでも泣き出しそうな天弥に近寄り手を伸ばす。
「ごめんなさい……」
その手が触れる寸前、天弥の声が聞こえ手が止まる。
「僕、立ち聞きするつもりじゃなくて……」
斎は、先程のサイラスとの会話を聞いていた事を知る。天弥が居るなどと思いもしなかったから、わざと誤解をされるような言葉を選んだ。
「ごめんなさい、帰ります……」
俯き、震える声でそう言うと天弥は、斎の傍から逃げるように足を踏み出した。
「待て」
斎は天弥の腕を掴み、その足を止めさせた。顔を逸らされ、すぐに斎は反らした顔を自分へと向けさせる。天弥は泣き出しそうな顔と、涙を堪えているような潤んだ瞳をむけて来た。
その様子や表情に斎は、今すぐにでも抱きしめたい衝動に駆られ、その腕を掴んだまま歩き出した。
「先生?」
腕を引かれ、天弥も足を踏み出しながら斎を見た。無言で自分の腕を掴み歩く様子に、不安がこみ上げてくる。
「先生、離して下さい」
「ダメだ」
自分の腕を掴む斎の手に触れた。
「僕、一緒に行きますから、離して下さい」
このような状況を誰かに見られたらと思うと、不安で居たたまれなくなる。
斎は足を止めると掴んでいた天弥の腕を離した。
校庭で部活に勤しむ生徒達の声が遠く響く中、無言でその場に立ち尽くす斎を、天弥は見上げた。少しの間、沈黙が流れた後、斎が口を開く。
「悪かった……、つい……」
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