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emitte lucem et veritatem
decem
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ウェイターが立ち去った後、改めて向かい合わせに座る男を見た。隙のない、整えられた身なりをしている。あまりにも露骨に見ていたせいで、視線に気がついた相手と目が合った。何かを訊かれるのかと思ったが、何も訊いてはこなかった。お互いに何も言葉を発しない為、無言で目を合わせたまま時間だけが過ぎていった。
やがて、見たこともないような料理が目の前に並べられ、思わず目を見張る。出来立ての湯気が立つ、食欲をそそる匂いがする食事に飛びついた。辺りの様子など気にもせず、それらを貪った。男は何も言わずに、ただコーヒーを飲んでいた。
初めて食べるそれらは、どう表現してよいのか分からないほど美味しかった。だがこれは、自分に対する最後の情けなのだろうか、食事が終わったらポリスに引き渡されるのだろうか、そう思うとペースが少しずつ落ちてきた。
それでも、次はいつこんな料理が食べられるのか分からないから、食べられるだけ口の中へと突っ込んだ。
食事が終わると男は会計を済まし、外へと出て行く。特に何も言われず、どうしてよいのか分からずに、その後を付いていった。
しばらく歩くと男は立ち止まり振り向いた。思わず、自分もその場に立ち止まる。
「名前は?」
ゆっくりと近づき、目の前で足を止めると男が尋ねた。その姿を見上げ、首を横に振った。
「年は?」
同じく首を横に振る。その後、男は何かを言いかけたのを止め、少し考え込む表情をした。そして男は黙って手を差し出した。何の迷いも無くその手を取った。
「おじさんの名前は?」
歩き出してすぐに尋ねてみた。
「羽角恭一郎」
返ってきた言葉は奇妙なもので、かろうじてハズミというのが聞き取れた。
「ハズミ……」
忘れないようにと、その名前を口にする。その様子にハズミは少し穏やかな表情をした気がした。
その後、名前と社会保障番号が与えられ、スクールに通うようになり、羽角と一緒に暮らす事になった。後に羽角に、なぜ自分に手を差し出したのかを訊いてみた。同じぐらいの孫がいて、その姿と重なったのだと答えた。
その時、その見たこともない知らない相手に、複雑な感情を覚えた。それは初めて知る感情だった。
サイラスはゆっくりと目を開けた。まだ寝惚けている意識で、視線を時計に向ける。時間は十一時を示していた。その事実を脳が理解した瞬間、慌ててベッドから飛び起きる。
二時間だけのつもりが、大幅に寝過ごしてしまった。今から行っても昼休みになる頃になってしまう。そう考えると、午後からの登校で良いかと思い、サイラスは欠伸と共にゆっくりと身体を伸ばした。そして立ち上がるとまだ寝惚けた頭で、少しふら付きながらバスルームへと向かった。
やがて、見たこともないような料理が目の前に並べられ、思わず目を見張る。出来立ての湯気が立つ、食欲をそそる匂いがする食事に飛びついた。辺りの様子など気にもせず、それらを貪った。男は何も言わずに、ただコーヒーを飲んでいた。
初めて食べるそれらは、どう表現してよいのか分からないほど美味しかった。だがこれは、自分に対する最後の情けなのだろうか、食事が終わったらポリスに引き渡されるのだろうか、そう思うとペースが少しずつ落ちてきた。
それでも、次はいつこんな料理が食べられるのか分からないから、食べられるだけ口の中へと突っ込んだ。
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「おじさんの名前は?」
歩き出してすぐに尋ねてみた。
「羽角恭一郎」
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「ハズミ……」
忘れないようにと、その名前を口にする。その様子にハズミは少し穏やかな表情をした気がした。
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