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errare humanum est
viginti duo
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ゆっくりと斎の顔へ視線を向ける。
「すみません。ちょっと驚いてしまって……。もう、大丈夫です」
だが、斎は抱きしめる腕を離そうとはしなかった。
「あの、ここ……お母さんに見つかるかも……」
ようやく斎の腕が下ろされた。
「すまない。俺も驚いてしまって……」
大丈夫だと応えるように、天弥は軽く微笑んだ。
「それで、何があったんだ?」
普通なら、祖父と孫である。特に会っていても問題はない。
「えっと……よく分からなくて……」
嘘を吐いているのが知れるのが怖くて、天弥は俯いた。
「そうか」
今の天弥がどこまで知っているのか分からない斎は、おかしいと思いつつも問い詰めることはしなかった。
「すみません……」
斎が望む言葉では無いと知りつつも、謝罪しか口に出来なかった。
「なにか思い出したら教えてくれ」
「はい」
斎の手が軽く天弥の頭を撫でる。
「今日は、ゆっくり休め」
天弥は頷くと斎に背を向け、玄関のドアを開けた。
「また明日」
斎の言葉を背に受け、家に入るのを止め振り返る。
「はい。また明日」
笑みを作り向ける。そして、家の中に入りドアを閉めた。斎は、閉じられたドアをしばし見つめた後、背を向け車へと向かった。
自分の部屋へたどり着いた天弥は、制服のままベッドに倒れ込んだ。うつ伏せ状態で少し呼吸が苦しくなり、顔を横に向ける。
今回も斎に話せなかった。もう、斎とは会えないと思っていたし、この先は巻き込まないと思っていた。だが、再び会えたし、また巻き込むことになってしまった。すべてを話せば、斎から離れていってくれるだろうが、出来ないのだ。斎を巻き込むことなく、正体を知られることなく、一緒に居たいと思ってしまうのだ。もし、羽角恭一郎の提案を受けるとしたら、やはり斎にはすべてを話さなくてはならない。八方塞がりの状態に、どんなに考えても解決策が見つからなかった。
「先生……」
なぜ、入れ替わったのか……。おそらく、放課後に気が付くまでは本来の天弥だったはずだ。本来の天弥なら、問題はなかったはずだ。斎に恋情など抱いておらず、取引の材料も無い。
「ごめんなさい……もう、出てこないはずだったのに……」
謝罪が本来の天弥に届いているのかは分からないが、伝えたかったのだ。そして、考える。本来の天弥ならどうするのか。可能性の高い方法、そしてそれは本来の天弥でなくとも実行が可能なのか。一つだけ思い浮かぶ。すべての元凶と話をするしか無い。上手くいけば、望みが叶うのだ。
「先生……好きになってくれてありがとうございます。そして……」
斎の顔が思い浮かび言葉が止まった。
「そして、好きになってごめんなさい……」
「すみません。ちょっと驚いてしまって……。もう、大丈夫です」
だが、斎は抱きしめる腕を離そうとはしなかった。
「あの、ここ……お母さんに見つかるかも……」
ようやく斎の腕が下ろされた。
「すまない。俺も驚いてしまって……」
大丈夫だと応えるように、天弥は軽く微笑んだ。
「それで、何があったんだ?」
普通なら、祖父と孫である。特に会っていても問題はない。
「えっと……よく分からなくて……」
嘘を吐いているのが知れるのが怖くて、天弥は俯いた。
「そうか」
今の天弥がどこまで知っているのか分からない斎は、おかしいと思いつつも問い詰めることはしなかった。
「すみません……」
斎が望む言葉では無いと知りつつも、謝罪しか口に出来なかった。
「なにか思い出したら教えてくれ」
「はい」
斎の手が軽く天弥の頭を撫でる。
「今日は、ゆっくり休め」
天弥は頷くと斎に背を向け、玄関のドアを開けた。
「また明日」
斎の言葉を背に受け、家に入るのを止め振り返る。
「はい。また明日」
笑みを作り向ける。そして、家の中に入りドアを閉めた。斎は、閉じられたドアをしばし見つめた後、背を向け車へと向かった。
自分の部屋へたどり着いた天弥は、制服のままベッドに倒れ込んだ。うつ伏せ状態で少し呼吸が苦しくなり、顔を横に向ける。
今回も斎に話せなかった。もう、斎とは会えないと思っていたし、この先は巻き込まないと思っていた。だが、再び会えたし、また巻き込むことになってしまった。すべてを話せば、斎から離れていってくれるだろうが、出来ないのだ。斎を巻き込むことなく、正体を知られることなく、一緒に居たいと思ってしまうのだ。もし、羽角恭一郎の提案を受けるとしたら、やはり斎にはすべてを話さなくてはならない。八方塞がりの状態に、どんなに考えても解決策が見つからなかった。
「先生……」
なぜ、入れ替わったのか……。おそらく、放課後に気が付くまでは本来の天弥だったはずだ。本来の天弥なら、問題はなかったはずだ。斎に恋情など抱いておらず、取引の材料も無い。
「ごめんなさい……もう、出てこないはずだったのに……」
謝罪が本来の天弥に届いているのかは分からないが、伝えたかったのだ。そして、考える。本来の天弥ならどうするのか。可能性の高い方法、そしてそれは本来の天弥でなくとも実行が可能なのか。一つだけ思い浮かぶ。すべての元凶と話をするしか無い。上手くいけば、望みが叶うのだ。
「先生……好きになってくれてありがとうございます。そして……」
斎の顔が思い浮かび言葉が止まった。
「そして、好きになってごめんなさい……」
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