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口付け
しおりを挟む『なあ先生、ついでにこのままオナニーしない?』
「......バカなのか?」
『先生の声聞いて安心したら、勃った』
もう病気だろ、それ。
前髪をくしゃりと掴み、呆れてものも言えずに居ると、電話越しに熱っぽい吐息が聞こえてきて焦る。
「か、神崎!?まさか本当にシてるのか...!?」
『ん、...先生が今日帰ってくるなら止めるけど』
「もう少ししたら家に帰るよ、だから止め」
あれ。
スマホが...
振り返ると、上裸で頭にタオルを乗せた若王子が私のスマホを耳にあてていた。
「あの...私のスマホ...」
「......姫神主任、僕の家で同棲するから帰らないってよ」
いや!言ってない!!!
わざわざ若王子のことを友人とぼかしたにも関わらず、速攻口外しやがった...ああ、神崎になんと言われることやら。
無遠慮に通話ボタンを切った彼は人のスマホをベッドの上に放り投げて、私の身体をゆっくりと押し倒す。
「若王子くん...?私、そろそろ帰ろうかなって...」
「だーめ、心配だから帰しませんよ」
彼の髪から滴る水滴が、私の顔を濡らす。
ベッドヘッドに手を伸ばし、電気を付けるとオレンジ色の明かりで包まれた。
「す...するの...?」
「貴方が嫌じゃなければ」
ちゅっ、と微かなリップ音を奏でながら唇が重なれば、気持ち良さで身震いした。
「あ、は...、んっ、ん...ん」
「...キス、上手になりましたね...」
目を細めて笑う若王子のピアスが上顎を撫でれば、大きく腰が跳ね、望んでいなくとも彼の身体に自身が擦れてしまう。
彼は腰を落として密着させ、軽く爪を立てるように脇腹を撫でた。
ビクビクッ
擽ったさで身をよじるが、密着しているせいで思うように動けない。
そのままTシャツを捲り上げたかと思うと、両方の乳首は彼の指に捕らえられてしまった。
グリグリと親指で押し込まれたかと思えば、乳頭を優しく撫で、乳輪ごと優しく揉みこまれる。
「あっ、やぁ...んっ、ふぁあ...ッ」
「ほら、ちゃんと舌出して...」
乳首への刺激が強すぎて、キス所ではない。
それでも逆らえなくて、喘ぎを漏らしながら舌を差し出すと彼は舌先へ吸い付いた。
じん、と甘い痺れが身体を襲う。
数時間前に、この場所で嫌な夢を見たばかりだが、もう二度と思い出せないくらい忘れさせて欲しいと思った。
両親のことも、妻のことも。
唇が離れ、若王子と見つめ合う。
オレンジの光が彼の目に差し込み、キラキラと輝いた瞳は、まるで宝石の様だった。
「身体、噛んでいい...?」
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