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プロポーズ/誓いの言葉・R18(前)
しおりを挟むGWの話し合い以降、慶介と永井は薬を止めた。
衝動の制御に苦心する永井を刺激しないように、学校では警護と警護対象という関係を崩さず、家の中のみでイチャイチャした。
そして、今日は、その極みであるお家ヒート。
お相手はもちろん酒田だ。
ソワソワしすぎな慶介を、水瀬が「初夜前のお嫁さんかいな」と茶化して来る。うっさい!とパンチすると水瀬は避けるか軽くいなしてしまうので余計に腹立つ。
「水瀬さん、案外、喧嘩っ早いんだぞ。しかもボクサーだから反撃はアゴかみぞおちだし、かわれても我慢しとけ。」
「景明さんは『警護はからかったりしない』って言ってたのになんで水瀬さんは言うかなぁあ?」
「ふふ、警護としては許容範囲内だな。」
顔歪ませて怒った顔を作ってみるけど、もう、警護モードを止めた酒田は何してもニヤニヤ、デレデレ顔から変わらない。肌触りの良い薄手のネックガードをスルスル撫でて、項に鼻を押し当てて匂いを嗅ぎながら、ロック部分の金具をカリカリと爪で引っ掛けて遊んでいる。
今、着けているネックガードは今回のヒートのために買った、防刃布でもなくワイヤーも入っていない防犯能力ゼロの、いわゆる、ヒート用ネックガード。番防止のために項付近には歯が入らないようゲルシートが入っている。酒田曰く、噛み心地を吟味して購入したのだとか。もちろん、アナログ鍵タイプで、鍵は酒田しか持っていない。
あと数時間後には、慶介のヒートが始まり、身も心も酒田に翻弄される。
あの寸止め地獄は辛かったが、今回は多分、挿入も出来るし、経口避妊薬を飲んでいるから中出しもしてもらえると思うと未知なる感覚への期待が高まってしまう。
「慶介、何か心配事でもあるのか?」
「は?なんで?」
「なんか、机の方をチラチラ見てる。何かあるのか?」
「・・・何でもない。」
「気になる事があるなら聞いてくれ。あっちに慶介の気が取られてるみたいで俺のほうが気になる。」
鼻の下伸ばしたデレデレ顔でヒートのことしか考えてなさそうなくせして、どうして観察眼は健在かなぁ。と、慶介は隠し事を言い当てられた事に唇を尖らせた。
きっと「秘密だ」と、言えば酒田は詮索も気にかけることも止めてくれるだろうけど、無意識でも気になっていたものを指摘されてしまっては、慶介も「気にしない」が出来ないと思ったので正直に打ち明けることにした。
慶介が机の引き出しから出したのは、手のひらサイズの黒い箱。
「ほんとは、もっと、ちゃんとした感じで渡そうと思ってたんだけど。」
ベロア生地の箱を、酒田に中が見えるようにパカッと開く。
光沢のあるサテンの上で光るのは、槌目加工のオレンジゴールドの指輪が2つ。
「バース性では結婚指輪じゃなくて、ペアネックレスをつけるって聞いたけど。俺はベータ育ちだから、やっぱ、指輪の方が特別感があって。・・・それに、俺は、ずっとネックガード着けたままかも知れないからネックレスは出来ないし。でも、酒田との目に見える形が欲しくて、・・・指輪、買っちゃった。」
酒田の目が驚きに見開いた。
「一生、俺の項は噛めないかもしれない。それでも、俺と一緒に居てくれるってんなら。ーー酒田、俺と結婚してくれ。」
本当は、計画立ててプロポーズするつもりだったんだけど、言い当てられたからもう諦めた。
お互いにTシャツにジャージの部屋着で、ベッドの上で胡座かいて向き合って、携帯の面白SNSの投稿を見せ合うかのような光景では、なんとも格好がつかないけど、こういうのは勢いの方が大事だ。
「ああ・・・、もちろん、ずっと一緒にいる。項が噛めなくても。・・・結婚、するよ。」
慶介は酒田の左手をとって薬指に指輪を通した。少し緩みがある気もするけど、むくみとかを考えれば余裕がある方がいい。
自分の肌よりも酒田の肌に馴染むだろうと思ったオレンジゴールドのリングは、予想よりもしっくり来て、槌目のランダムに反射する光がいい感じだ。
もう一つの指輪は酒田につけてもらう。ケースを渡して、左手を出して指輪を嵌めてもらう。
お互いにまだ慣れない指輪に手を開いたり握ったりしながら、その嬉しい違和感を味わい、似たようなタイミングで顔を上げて目が合う。お互いの締まらないニヤケ顔がなんともロマンチックな雰囲気から程遠くて、どちらともなく吹き出して笑ってしまった。
勢いつけて酒田の上にダイブして、抱きとめてもらって色気のないキスを顔中に振らせてまた笑う。
ーーこんな感じでいい。
オメガとアルファのフェロモンで酔って蕩けた甘ったるい空気より、友達同士の延長線みたいな糖度低めな方が自分らしくあれる気がする。
「ヒートにならなきゃ始めちゃダメってんじゃねぇんだから、やっちゃおうぜ。」
「そうだな。永井の服もあるし、体力温存も気にすることないか。」
今回のヒートには腹痛対策として永井からフェロモン、服を提供してもらっている。
永井の服を便利な道具くらいにしか捉えていないような酒田の発言は慶介の後ろめたさを払拭してくれた。
本能に操られたくない。と、いくら口で言っていても、結局、ヒート中に運命の番である永井のフェロモンを嗅いでしまえば慶介も本能に支配されて、永井を求めるようなことを口走ってしまうかも知れないので、酒田の手前、永井の服で腹痛を緩和したいとは言いづらいし、使いづらかった。
「ま、永井の服なんて使う必要なんてないくらいに感じさせてやるし、ペース配分も考えてあるから。慶介は何も気にしなくていいからな。」
優しい声音なのに、目はギラギラに対抗心を燃やしていて、慶介の高鳴る胸のドキドキの割合が好奇心より恐怖心がちょっとだけ上回り「お手柔らかに・・・」と頬を引きつらせて答えた。
キスをしながら、服の上から弄りあって、情欲を高める前戯に始まりーー
「酒田ッ!いい加減にしろっ、いつになったら挿れんだよっ!」
酒田の奉仕愛撫で慶介の体はどこを触られても感じるほどにすっかり出来上がっているのに、一向にイかせてもくれないし、挿れようともしない。
一応、中まで洗浄してある穴を舌で抜き差ししながら自慰を始めた酒田に、慶介は気持ちよさが吹き飛んで怒りの感情のまま怒鳴り、酒田の顔に当たるかも知れない心配も無視して足をバタつかせた。
ここまでくると、鋼の忍耐と言うよりは挿入のタイミングを逃してしまったヘタれ野郎だ。
酒田のゆるい腕の拘束から開放された慶介は酒田を押し倒し、最後まで残り続けていたパンツを引き千切らん勢いで引きずり下ろす。ブルンッという効果音が聞こえそうなくらいに真っ赤にパンパンに張った立派なものが晒されると酒田の顔も真っ赤になって、オドオドし始めた。
自分でシコっていたくらいだ。硬さは十分だし、先走りだってパンツにシミが出来るくらい垂れていた。慶介は酒田の上にまたがって、立派なソレをドロドロに濡れた自分の後ろへ宛てがった。
「さっさと挿れろってのっ。・・・んっ、あれ?ちょっと位置が上すぎた。もう、ちょっと下かーー」
「ちょ、ちょ、ま、待ってっ!ちゃんと、ちゃんとするからっ。」
慌てた酒田が慶介をひっくり返して再びベッドに沈めて「俺にさせて下さい」とお願いしてきたので「良し」と短く許しを出した。
ここでまだ躊躇するなら今度こそ騎乗位で自分で挿れてやる。と顔にも出しながら、酒田の動きをチェックした。
自分の先走りとヌメつく穴の愛液を混ぜるようにヌルヌルとこすり合わせる酒田の顔は興奮と緊張、それから不安が見て取れた。慶介には何が不安なのかわからないので、急かす言葉は飲み込んで酒田の心の準備が整うのを待った。
意気込みを感じる呼吸を2度繰り返して3度目は息を止めて、宛がった先を窪みに向かって沈み込ませる。
指で十分に解されていたとしても、指とは違う体積のある圧迫感と人の体温よりも高く感じる熱に、肺から空気が漏れるように艷声がでた。
「・・・ん、んんぅっ・・・」
「ーーつッ、はぁーーー・・・。やばい、挿れただけで出そう・・・っ」
声がでたのは酒田もだ。
空を仰ぎ、眉間にしわを寄せて口は半開き、体をプルプルと震わせながら、室内筋トレだけで出来た慶介の筋肉に指を食い込ませ、初めての快感に耐えている。
体を繋げた感動と快感に身を震わせる2人。
息を付きながら先に余裕を取り戻したのは慶介だった。慶介は自分の可愛い男が目をギュっと閉じて顔を赤くして耐えている顔を見て愉悦に浸る。
しかし、ふと、恐らくこの先、一生、慶介が味わうことのない感触を酒田が味わっているのかと思うと、同じ男として僅かながら羨ましく思い、悪戯心が湧いた。使い慣れない筋肉をぎこちなく動かし、お腹やお尻を締めたり緩めたりしてみた。
「あっ!ちょ、やめ・・・、ああッ、・・・だ、ダメだって、ホント、耐えられないから。・・・出ちゃうってっ。」
快感に負けて情けない声で待ったをかける弱気な酒田に気をよくした慶介は楽しくなって調子に乗って意地悪を繰り返した。しかし、鋼の精神を持つ酒田はそれらを根性で耐えきって、鼻息荒く慶介を睨みつけた。
その目は「もう優しくしてやらねぇぞ」と語っている。調子に乗っていた慶介が「しまった」と反省をみせると、フッと口は笑ってくれたが、目が笑っていない。
その微笑みのまま、にじり寄り、引けていた酒田の腰が押し出されると、慶介の口から「あぁ、あ、」と声が出て、中に侵入してくる圧迫感に息を詰まらせた。
指では触れられなかった深さから感じる初めての刺激に、慶介は浅い息を「ふっ、ふぅっ」と繰り返しながら頭を振って快感を逃した。僅かな動きでも中の壁をこする感覚に良い意味のゾワゾワ感を感じて慶介の手は知らぬまに酒田の腕に爪を立ててしまう。
「はぁっ、・・・すごい、中、入ってる・・・、」
「もっと、奥に入れていいか?」
「ま、まだあんの?」
「ああ、ちょっと痛かったらゴメンな。」
酒田が腰をグッと進めると、慶介の体の中で感じたことない領域が押し広げられたような感覚がして、ズルンと何かに先端が入ってしまった。思わず「はぅうっ!」と声が出て、一瞬の驚きが過ぎると、背筋にゾクゾクと快感なのか恐怖なのか解らない、何かの波が走る。
慶介は、解らないけど気持ち良いという感覚に不安を覚えた。
「さ、さかた、・・・なんか・・・へ、変なとこ、はいった・・・ど、どうしよ・・・」
「大丈夫だ、ここが慶介のオメガの部分だ。」
酒田は優しく頬を撫でながらそう言った。
オメガの部分とは「膣」のことだ。男性オメガは鶏と同じ総排泄腔で前立腺よりすこし上のほうに膣と子宮口がある。そこに挿れたのだ、と酒田が勉強したことを思い出させるように説明する。
勉強した知識は思い出せても、今感じている不安と戸惑いに慶介は体をこわばらせたままだ。
酒田は顔や首、胸元にキスをしながらリラックスさせようと体をさすり「痛いか?」「怖いか?」「止めとくか?」と言葉で確認を取る。それらに小さく首を振って答えた慶介も、不安や戸惑いが落ち着いてくると気持ちよさを拾えるようになってきて酒田に「動いてもいい」と伝えた。
最初は腰をゆすりながら「痛くないか?」と気遣ってくれて、慶介の反応を伺いながらトン、トン、と振動を伝えるかのような優しい突き上げに慶介は甘い声を上げた。表面的な快感が深く染み渡って、腹の中へと快感が響くと、中の奥の方がキュゥと締め付けるような感覚がして、ハッと「ここが疼いてた場所か!」と気がついた。
気づいてしまったからにはもうダメだ。
腹の奥が揺さぶられると、快感だけでなく幸せホルモンでも出ているかのようにフワフワとした気分になって、慶介の脳は性欲に操られてしまい「もっとして」と酒田にねだった。
こんなの自分らしくない!と思いながらも止められない。
動きが早くなっても強さは控えめなままでもどかしくて、酒田の腰に足を絡めて「なぁ、もっと強くして」「ちゃんと気持ちいいから」「奥、トントンして」と腹の奥を満たす刺激を与えてくれと酒田を煽った。
それは酒田のアルファの本能の支配欲を存分に満たし、快感に負けて半開きだった口がニヤ~と歯を見せた笑みになり、それを煽り文句に対する「了承」だと勘違いした慶介は嬉しくなってキスのために顔を寄せた。
これはもう、酒田の性癖なのかも知れない。
イけそうでイけない、またはイキそうになると動きを止めてしまう酒田に、体をよじり、涙目になり、言葉にならない甘い喘ぎ声を上げては「イかせろよぉ」と抗議しては酒田を喜ばせた。
「はぁっ・・・、あ、きもち、やば。あ、あ、う"、うぅ~・・・んふぅ、・・・はぁはぁ。」
何度目かの寸止めに、慶介は抗議よりも息を整える方を選んだ。
酒田が体勢を整え、慶介の自慰を禁止していた手が開放され、拘束していた手は腰をガッチリと掴まえた。
そして、さっきまでとは違う少し早めの速度で強くリズミカルに打ち付けられる腰つきに慶介は「期待していいのか?」と酒田に目で問うと、口角をちょっと上げた笑みが返ってきて、安心感も相まってブワリと興奮で全身に血が巡る。
「あ、あ、あ、気持ちぃ、イ、イク、あ、イク、さかた、ぁ、イク、イッちゃうっ、んんっ、っイクゥ・・・!ーーんんぅッ!」
普段使わないような筋肉達が強く収縮し、体を大きく跳ねさせた。
腰を掴んだ酒田の手は食い込むほどに強く、弾けなかった剛直が押し当てられ、慶介の体を貫いたまま、慶介の新しく出来た弱い所をグリッとえぐる。
「んあッ!あ"あ"ッ!ぅ"~~、うごかないで、イッたとこだからっ、はー・・・気持ち良すぎるぅっ~~!はぁー・・・はぁー・・・」
快感の余韻に体を震わせ、時折、艷声を漏らす慶介と、くぐもった苦しげな声を漏らしながら、体を震わせ、耐えきった酒田。
大きな波をやり過ごしてやっと酒田の手が緩まり、2人して脱力しお互いに深く息を吐いた。
「一旦、抜くか?」
「・・・ぅんん、挿れたままがいい・・・」
射精を我慢させているので「辛いだろうな」と申し訳なく思うけど、ピクピクと収縮する中でまだ固く熱い酒田を感じられるのがすごく気持ちがいいのだ。
慶介は酒田に手を伸ばしハグを求めると、体をギュゥッと息が出来ないほどに抱きしめられて脳がホワイトアウトしそうなくらいの幸福感に包まれた。
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