魔法使いと栗色の小鳥

宵川三澄

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26話

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――幼い頃、世界はとても小さく狭かった。
僕は公爵家の東屋で母とオーティス家の使用人とで住んでいた。オーティス家の人間は〝魔法使い〟に慣れていたので。そこには母から魔力のコントロールを学ぼうと、兄のテオドールや僕と同じ魔力もちの子供たちがよく訪れていた。

その中に、〝彼女〟がいた。
銀の髪の美しい少女が。

〝彼女〟はとても身分ある人だったが、幼い頃はそれが僕らはよくわかっていなかった。
母の影に隠れてばかりの僕にとても優しくしてくれて、僕は〝彼女〟が大好きだったよ。
十歳を過ぎるころには、それが初恋だと自覚した。

「けれど、僕と同じ気持ちの人間がいた。…テオドールだよ」
キースが告げる。
ソファに腰掛けイルネギィアは 対面する椅子に座る主の告白に耳を傾けている。
彼は続けた。

――テオも〝彼女〟が好きだった。多分、僕より真剣にね。僕はテオドールの方が〝彼女〟に相応しいと思っていた。けれど、気持ちが惹かれていくのは止めようもない。僕と〝彼女〟は互いに恋していたんだと思うよ。思う、というのは憶測だったから。気持ちを打ち明けたことはなかった。それ位、幼い恋だったんだ。
その恋が終わったのは僕が十四で軍に入ったから。
十八まで家を離れ、軍で仕事を学んだ。戻る頃には様々なことが変わっていた。自分も、周囲も。だから、きっと〝彼女〟も僕のことを いい思い出にしているだろうと高をくくっていた。

「――違った…?」
イルネギィアが問う。
「うん。思い出にしていたのは――僕だけだった」

――僕は十八 テオは二十。彼は大学へ行く準備をしていた。その前に、婚約をまとめようとしていた。父と母はテオが〝彼女〟との結婚を以前から強く望んでいたので、反対は勿論していなかった。だが、話は流れた。〝彼女〟が結婚相手に僕を、と自分の両親に望んだんだ。

…驚いた。
ずっと会っていなかった。時折手紙のやり取りはしていたけれど、内容はいつも当たり障りのないものばかりだった。その頃は僕も〝彼女〟は兄の妻になるのだと思い込んでいたから 他人に誤解を与えるような内容は控えていた。
だから、本当に…驚いたんだ。


…二杯目の珈琲を用意すべきだった、とイルネギィアは思った。
キースの喉を潤すために。
だが、主は気にせず独白を続ける。
「でも、その時は〝彼女〟が僕をまだ愛しているなんて思わなかった。
それに、婚約が流れた裏の事情も――〝魔法使い〟には聞かされた。〝彼女〟の両親から。――僕の父たるエストア公爵は有能な人だ。有能すぎるんだ。本人にその気はないけれど周囲が担ぎ出せば王位を望めるほど。
〝彼女〟の両親はそれを危惧した。〝彼女〟を大切にしていたから。〝彼女〟がもしも公爵家の跡継ぎに嫁げば 〝彼女〟の実家と公爵家に強固なつながりが生まれる。それは周りの貴族を刺激しかねない。それで、成人したら公爵家と無縁になる僕の名前を出した」
「え…、無縁って」
「勿論、実際に縁が切れるわけじゃないけれどね」
キースはくすりと笑う。
「僕は〝魔法使い〟だから忠誠を誓うのは王家だ。彼らの臣以外にはなれない。現在の国王陛下と僕は叔父と甥なのだけど、僕が〝魔法使い〟を名乗ってからは王位継承権は外された。成人後は爵位もオーティス伯爵を名乗ることになっていたから安全だと思われたんだ」
「おうさま…」
うん? とキースは彼女を見る。
「雲の上すぎて…」
全く、ピンと来ない。ただ、〝彼女〟がとても身分高い女性なのだというのはわかった。
「でもおかしいと思わない? 名前を出すならもっと別の――もっと公爵家から離れた人物の名前でも良かったはずだ。わざわざテオの弟の僕の名前を出すなんて。
…そう、おかしかったんだ。僕は〝彼女〟の真意を理解していなかった。僕は、僕自身は貴族の結婚を利益で推し量ることしか出来ない人間だったから」



――僕は僕自身が忌み嫌っている、貴族そのものだった。

この話は僕と〝彼女〟の両親の間では仮初めのもの、という認識だった。公爵もだ。ただ、母は違った。〝彼女〟の才能を買っていたんだ。〝彼女〟も魔力もちだったから あわよくば、と思っていたようだね。〝彼女〟はその身分のため〝魔法使い〟としての教育は受けられなかったけれど、母から魔法の仕組みを教わり、小さな魔法は使えるんだ。
きみの場合もそうだけど、大きな魔力を持っているなら、むしろそういう小さな魔法で魔力を小出しにしていた方が安全ではある。
それでも、僕は実際に〝彼女〟に近づくことは避けていた。
なので、僕と〝彼女〟が婚約した――という噂だけ流した。
これで、周りの貴族はテオドールが相手だと思っていたのに ある意味、アテが外れたんだ。エストア公爵が玉座を狙っている、という認識は払拭された。結果は悪くはなかったよ。
ただ、テオドールの荒れようは凄まじいものだった。テオにとって、〝彼女〟は理想の相手だった。…なにも欠けていない人、だった。それは僕も認めるよ。ただ、〝彼女〟はテオを異性として愛してはいなかったんだ。〝彼女〟が愛していたのは僕だった。そして、僕は〝彼女〟をもう、そういう意味では愛していなかった。



「…いや」
キースは言葉を探す。
「…まだ気持ちはあったのかな…」

イルネギィアの心臓がキュと締められた。なににかはわからない。

「今、思えば。だから〝彼女〟は諦められなかったのかもしれない。ただ、僕は〝彼女〟と結婚した場合、受け入れなければならない義務そのものを放棄したくて逃げたんだ。今も、僕は僕の自由のために、〝彼女〟の求愛を拒否している。テオドールと〝彼女〟の婚約が完全にご破算になった時、僕と〝彼女〟の噂も彼女の両親が否定した。僕はこの話から解放されたはずっだったけど、そうじゃなかった。〝彼女〟は行動することにしたらしい。それが、第三者だよ。前に話したよね? 僕と〝彼女〟を結婚させたい人物がいるって」
「え?」

「スパイがいるんだよ。僕の身内に」

え、ええええーーーー!
――衝撃的な、事実です。

「そ、それは…で…でういう意味ですか」
びっくりしすぎて噛んだ。とういう意味ですか、と言いたい。

「そのままだよ。〝彼女〟はその〝スパイ〟と共謀して僕の周囲を見張っている。〝スパイ〟は僕を〝彼女〟と結婚させたい。そのため、時に僕をイラつかせる。王都にいたくないのもそのせい」
イルネギィアはごくん、と生唾を飲んだ。
信じられない…。オーティスの使用人にそんな者がいるなんて…。いや、と思い当たる。
キースとその〝彼女〟の結婚を望んでいた家族もいるではないか…。
「公爵夫人…ですか」
「言えない。きみは顔に出すぎる」
その答えは ほぼイエスです、とイルネギィアは思った。
「テオドール様はご存知なんですか…?」
「うすうす」
それでイルネギィアはあのテオドールの態度が腑に落ちた。
ヴィクトリア嬢が魔法に関わっているのか、と言う台詞も――だから、出たのか。…銀の髪への執着も…。
「テオも魔力もちだから、僕の周囲で魔法が発動したら感づくんだ。魔力の量を推し量ったりは出来ないけど、魔法の有無には敏感だ。だから、僕はテオにはあまり魔法を使いたくない。彼が僕を嫌う一因でもあるね。心を覗かれているのを実感するのは気分のいいものじゃない」
「〝彼女〟はその、〝スパイ〟を使って、キース様になにをなさっているんですか?」
「僕の相手の女性に対する他愛もない嫌がらせだよ。手を下すのはいつも〝スパイ〟だけど、とても可愛い嫌がらせ。僕が失恋するのにはもってこいのレベルだったけど。だが、今回は刃物を使っている。嫌な感じだ」
「……!!」
イルネギィアは絶句した。
そして、ひとつの可能性に考え及ぶ。
「…あの、その〝彼女〟がもしもキース様のその…恋人に対して〝スパイ〟を使って危害に及ぼうとした場合…ですね。その、〝守護者〟の攻撃対象はどちらになるのですか…?」

「スパイ」

彼は簡潔に答えた。
再び、イルネギィアは言葉を失った。

「〝彼女〟はオーティスの〝守護者〟についても知っている。もしも、〝彼女〟が魔法使いなら、〝彼女〟はとても優秀な魔法使いになれる。情け容赦がないからね」
そう言うと彼は薄く笑った。
イルネギィアは痛む胸に手を当てる。

「もう、…完全にキース様には〝彼女〟への恋愛感情はないのですね…」
「…うん」

〝彼女〟は間違ってしまった。愛されたいならすべきではないことがある。
キース様はこんなことをお許しにならない。絶対、お許しにならない。彼は冷たい人ではないのだから。スパイが誰かはわからないけれど、キース様が心許している人間を自分の欲望の身代わりになさったのは決定的な失態だと思う。
それでも、〝彼女〟の目的はいつでもひとつ。キース様のご結婚を潰す事。
多分、今のターゲットは銀髪のヴィクトリア嬢…なのだろうか。

キースはふう、とため息ついてとイルネギィアの眉根をつつく。きゃっと声をあげてイルネギィアは反り返る。
「イリー、眉」
「え?」
いつの間にか相当怖い表情になっていたらしい。
「その前はイリー、きみだった。エミリー嬢の嫌がらせがあったろう?」
あ、とイルネギィアは声をあげる。そうか、刃物…、と。
そうだ、不思議だと思ってたのだ。なぜ、テオドールにあれだけ好意を露わにしていた彼女がキースの傍にいるイルネギィアに嫉妬したのか。
「〝スパイ〟、はエミリー様?」
――ではないだろう。既にここには彼女はいない。
「暗示の魔法…をかけられていた…?」
「可能性のひとつ」
キースは答える。だが――魔法はないことをキースは知っている。
「〝彼女〟が王都を離れることは出来ない。――ただ、彼女はその気になれば、〝魔法使い〟も使役できる女性なんだ…。油断はしたくない」

キースは考える。
これは、〝あの人〟はもしかしたら、随分焦っているのではないか。イルネギィアの出現で。イルネギィアの存在は、もしかしたら、〝あの人〟にとって、三人の婚約者候補よりも脅威になりえる。

「あの、心を読めば判るのではないですか?」

うん、判ってるよ。犯人も動機も。今後、どう出るかも。
――とは言えない。
(イリーは顔に出過ぎる…)
そして、〝あの人〟のアキレス腱を踏むことがあれば、それは、キースも望んではいないのだ。
〝彼女〟は本当にひどい女になってしまったのだな、とつくづく思う。
キースの情を利用すらしているのだ。
ただ、ひとつ、〝彼女〟の読み違いがあるとすれば、〝彼女〟は己に対するテオドールの執着を考えていないこと。

「そんな、ヴィクトリア様になにかあったら きっとまたキース様、ううん、公爵家にも悪評が立つのでは? キース様はどうなさるおつもりなんですか…?」

キースは肩をすくめた。
「未然に防ぐ以外、やれることはないね」
「漠然としすぎです」
憤慨するイルネギィアを キースは驚き顔で見やる。
「もしかして、イリー、きみ、協力してくれる気なの?」
「も、勿論ではないですか! あたしはキース様の〝魔力庫〟なんです!」
言い切り、その空色の瞳を見つめてキースは笑む。
「きみは本当に…」

――悪意を知らないのか?

それは口にせずに考える。

――テオドールはどこまで知っているのだろう。
〝あの人〟はなぜその力を自分のために使わないのだろう。
彼はイルネギィアの疑いなく自分を信じる瞳のまっすぐさに苦く笑う。男の残酷な性質さえ むくりともたげてくる。
可愛いイリー、きみはもっと狡猾なやり方で暗示をかける方法があることを知っておいた方がいい。好意のある相手の言葉は魔法の言葉なんだよ、イリー。
たとえばきみのような可憐な少女が僕みたいな〝魔法使い〟に利用されることだってある。
それとも、その魔法に対する抵抗のなさは きみの本性なの?

……どうすべきか。

すべてを露呈は出来ない。
イルネギィアに対してではなく。
この数年、そうしてきたのだ。

キースが冷血な人間ではない証のために。

「…出来るだけ、きみはバレリーの傍にいてくれるかな。彼女だけなんだ、魔力を持たない人間は。魔法は魔力もちにはかけづらい…。一番、狙われる可能性が高い」
「はい…」
言いながら彼女はまだ疑問をその顔に表している。
なに? とキースは促す。
「…もしかして、お客様の中に〝魔法使い〟が紛れているのですか?」

キースはそれに うん、とハッキリと答えた。


テオドールはその夜、遅い時間まで眠れなかった。夢に出てくる銀の髪の女性が いつもと違う顔だったら怖かったから。
銀の髪のヴィクトリアはため息をつき、バレリーは温かなミルクを飲み、本を繰る。夢見る頃を懐かしみながら。
公爵夫人は月に思い出を重ねたが、愚かしいとばかりに侍女を呼び、明日のために肌に目の玉の飛び出るような金額の化粧水をしたためた。
そして、ベッドの上で寝巻きになったイルネギィアは真剣に考える。
王都にいる〝彼女〟がもしも、〝魔法使い〟をここに寄越していたのなら――。
考えるのよ、考えるのよ。あたしはキース様のために、なにが出来るのだろう、と。

そして、キースは眠りの中で面影を見る。
遠い記憶、銀の髪の少女。
手招きする〝彼女〟に哀れみを覚えながら、愛せないんだ、と呟いた。
夢の中の声は〝彼女〟には届かない。


翌日。
晩餐のあとに、キースが屋敷に張っていた罠が、ここに危険があると振動した――。


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