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二人の家
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「…なに、これ。……私が彼女に殴りかかるとでも思ったの!?」
松岡さんが、いいから聞けと言っているが なにを聞いたらいいかわからない。
この状況で、由多花の怒りを止めようとする、その行為自体が火に油を注いでいるのが わからないのだろうか。
「落ち着け、由多花。昨日、七穂は話し合いに来たんだ。お前も必要だって言っていただろう? 泊めたのは、こいつが倒れたからだ。全然食べていないと聞いて――。それで、夕べ 食事させて、泊めた。こいつが寝たのは俺の部屋だし、俺は書斎で仕事してた。今はリビングで仮眠とっていただけた。お前が怒るようなことはなにもしていない!」
――なに、言ってんの、この人。
私ガ怒ルヨウナコト、ナニモシテイナイ。
「…してるよ。この人、この家に入れたでしょ…」
「由多花?」
「……な、んで…。だって、この家、私と松岡さんの家じゃん……」
涙が出てきた。とめどなく。
由多花はこのマンションに初めて入ったとき、このなにもなさが不思議だった。
それが松岡さんの そのときの心の風景のような気がした。
けれど、今はいろいろな物で溢れてて、それは、松岡さんと由多花が刻んだものだ。
なのに、当たり前のように松岡さんが好きだった人がここにいる。本来、いるべき場所になんの恐れもなしに入れてしまった松岡さん。
「わ、私が……、どう感じるかなんて…、一瞬だって考えなかったでしょ……」
言ってて気づく。
きっと、松岡さんと付き合った女の子が ことごとく躓いたポイントに。
由多花もそこに躓いた。
そして、躓いた場所は心の奥のとっても深い場所なのだ。
松岡さんは、びっくりするほど それに無頓着な人なのだ。
由多花は自分の手をつかんでいる松岡さんを見上げた。しかし、そのとき、松岡さんは由多花を見ていなかった。
そして、由多花の背中から、どさり、と重いものが床に崩れ落ちる音がした。
由多花の手を離し、駆け寄る松岡さんを見て ああ、もうおしまいだと思った――。
それからは、あまりよく覚えていなかった。
松岡さんが病院に車で彼女を運ぶと言っていた。
戻るまで、ここにいろ、と由多花に言った。
そうして、頭をなでた。
リビングの割れた瓶は危ないから由多花には触るなと言って、そして、二人で出て行った。
由多花は割れたお酒の匂いにえづきながらそこを片付けた。
ひどいアルコールの匂いがラグに染み付いている。
そのまま、ラグを丸めておいて、塗れた雑巾でフローリングの床を拭って、箱はやはりお酒の匂いが染み付いていたので、ビニールに入れて捨てることにした。
ゴミ箱にもしかしたら使った避妊具があるかとも思ったが、もう、どうでもいい気持ちになっていた。
コンロの火は消してある。倒れた人は、どうも意識がハッキリしていたみたいだ。どんな茶番だと思う。
悪意にしか見えないのは、今、由多花が彼女に悪意を持っているからかもしれない。
ドロドロだ。
由多花はそのまま土産の袋をカウンターテーブルの上に置き、簡単なメモを書いた。いきなり捜索願を出されるのも、会社まで押しかけられるのも勘弁して欲しいので。
鍵はどうしようかと思ったが、持ったままでいることにした。
また、改めて話すことになりそうだし、と。
両親の位牌だけは持ち出すことにした。
ずっと就職してから一緒だったテーブルセットはあとから取りにくるからね、と手を這わせてひとりごちた。
それから、簡単に旅行用キャリーに着替えを詰めて、由多花はそれを引いてマンションをあとにした。
人目につくのは嫌だった。
今も涙が止まらないので――。
「出ない…」
松岡さんは我知らず呟いた。
――家にいるはずの由多花が家電に出ない。まだ怒っているのか…。
携帯にかけようかと思ったが、不安が表立って出来なかった。
家に帰れば、由多花がいる――と とにかく、それだけ考えて車を走らせた。
そう、松岡さんも不安だった。
彼は女性に不安を持ったことはかつてなかった。昨日まで由多花にだってそうだった。だから、ことごとく駄目になった、と気がつかないわけではないが、それでも、出来ないものは出来ないのだ。
部屋に戻り、ドアを開けたとき、ぷん、とアルコールの匂いがこもっていた。
そのままにしろ、と言ったのは自分だ。
由多花をこんなところに残したのは失敗だった、と思った。
部屋だろうか、とまず覗いたが人の気配はない。
ふと いつも由多花が花を供えている仏前テーブルの上に、位牌がないことに気がついた。
ギクリとした。
慌ててリビングに向かうと、割れてそこにあるはずの酒瓶が片付いていた。
ラグは丸められて端に寄せられ、由多花が手に持っていた土産物の紙袋がカウンターの上に置いてある。
小走りにそこに近づき、その上にあったメモ用紙に視線を走らせる。
『とりあえず、近くのビジネスホテルに宿をとります。帰ったら携帯にお電話ください――由多花』
それを見て、松岡さんは息を長くついた。
それからすぐに由多花に電話した。
ビジネスホテルの一室で疲れた体を横たえていた由多花の携帯が鳴った。松岡さんだった。
戻ったのか。随分、時間がかかったのだと窓の外を見て思う。
もう、昼はとうに過ぎていた。夕方と言ってもいい時間だ。
会って冷静でいられるか、とも思ったが、彼に話し合えと いつか言った。
…ならば、由多花も逃げてはいけない、と思った。
だが、マンションで会うのは辛かったので、近くのカフェを由多花は指定した。この時間は二階にほとんど人が来ないことを知っている。
億劫そうに鞄を持って、化粧を直して由多花は出掛ける。
足が重いがとにかく、進むのだ。
由多花が宿を取ったのは駅前にあるビジネスホテルで、マンションとも目と鼻の先だ。
沙菜の家に逃げ込もうかとも思ったが、彼女はお盆は彼氏と温泉に行くと言っていた。なので、ホテルの近くのネットカフェで時間を潰し、それからチェックインして連絡を待った。もっと早くに電話が来るかとも思ったが、彼女の容態は思いのほか悪かったのかもしれない。
約束のカフェにたどり着くと、既に松岡さんは来ていて奥の窓際席に座っていた。
由多花は彼の顔を見て驚いた。
由多花を見たとたん、ガタンと席を立った松岡さんの 右の頬が赤黒く腫れていたのだ――。
松岡さんが、いいから聞けと言っているが なにを聞いたらいいかわからない。
この状況で、由多花の怒りを止めようとする、その行為自体が火に油を注いでいるのが わからないのだろうか。
「落ち着け、由多花。昨日、七穂は話し合いに来たんだ。お前も必要だって言っていただろう? 泊めたのは、こいつが倒れたからだ。全然食べていないと聞いて――。それで、夕べ 食事させて、泊めた。こいつが寝たのは俺の部屋だし、俺は書斎で仕事してた。今はリビングで仮眠とっていただけた。お前が怒るようなことはなにもしていない!」
――なに、言ってんの、この人。
私ガ怒ルヨウナコト、ナニモシテイナイ。
「…してるよ。この人、この家に入れたでしょ…」
「由多花?」
「……な、んで…。だって、この家、私と松岡さんの家じゃん……」
涙が出てきた。とめどなく。
由多花はこのマンションに初めて入ったとき、このなにもなさが不思議だった。
それが松岡さんの そのときの心の風景のような気がした。
けれど、今はいろいろな物で溢れてて、それは、松岡さんと由多花が刻んだものだ。
なのに、当たり前のように松岡さんが好きだった人がここにいる。本来、いるべき場所になんの恐れもなしに入れてしまった松岡さん。
「わ、私が……、どう感じるかなんて…、一瞬だって考えなかったでしょ……」
言ってて気づく。
きっと、松岡さんと付き合った女の子が ことごとく躓いたポイントに。
由多花もそこに躓いた。
そして、躓いた場所は心の奥のとっても深い場所なのだ。
松岡さんは、びっくりするほど それに無頓着な人なのだ。
由多花は自分の手をつかんでいる松岡さんを見上げた。しかし、そのとき、松岡さんは由多花を見ていなかった。
そして、由多花の背中から、どさり、と重いものが床に崩れ落ちる音がした。
由多花の手を離し、駆け寄る松岡さんを見て ああ、もうおしまいだと思った――。
それからは、あまりよく覚えていなかった。
松岡さんが病院に車で彼女を運ぶと言っていた。
戻るまで、ここにいろ、と由多花に言った。
そうして、頭をなでた。
リビングの割れた瓶は危ないから由多花には触るなと言って、そして、二人で出て行った。
由多花は割れたお酒の匂いにえづきながらそこを片付けた。
ひどいアルコールの匂いがラグに染み付いている。
そのまま、ラグを丸めておいて、塗れた雑巾でフローリングの床を拭って、箱はやはりお酒の匂いが染み付いていたので、ビニールに入れて捨てることにした。
ゴミ箱にもしかしたら使った避妊具があるかとも思ったが、もう、どうでもいい気持ちになっていた。
コンロの火は消してある。倒れた人は、どうも意識がハッキリしていたみたいだ。どんな茶番だと思う。
悪意にしか見えないのは、今、由多花が彼女に悪意を持っているからかもしれない。
ドロドロだ。
由多花はそのまま土産の袋をカウンターテーブルの上に置き、簡単なメモを書いた。いきなり捜索願を出されるのも、会社まで押しかけられるのも勘弁して欲しいので。
鍵はどうしようかと思ったが、持ったままでいることにした。
また、改めて話すことになりそうだし、と。
両親の位牌だけは持ち出すことにした。
ずっと就職してから一緒だったテーブルセットはあとから取りにくるからね、と手を這わせてひとりごちた。
それから、簡単に旅行用キャリーに着替えを詰めて、由多花はそれを引いてマンションをあとにした。
人目につくのは嫌だった。
今も涙が止まらないので――。
「出ない…」
松岡さんは我知らず呟いた。
――家にいるはずの由多花が家電に出ない。まだ怒っているのか…。
携帯にかけようかと思ったが、不安が表立って出来なかった。
家に帰れば、由多花がいる――と とにかく、それだけ考えて車を走らせた。
そう、松岡さんも不安だった。
彼は女性に不安を持ったことはかつてなかった。昨日まで由多花にだってそうだった。だから、ことごとく駄目になった、と気がつかないわけではないが、それでも、出来ないものは出来ないのだ。
部屋に戻り、ドアを開けたとき、ぷん、とアルコールの匂いがこもっていた。
そのままにしろ、と言ったのは自分だ。
由多花をこんなところに残したのは失敗だった、と思った。
部屋だろうか、とまず覗いたが人の気配はない。
ふと いつも由多花が花を供えている仏前テーブルの上に、位牌がないことに気がついた。
ギクリとした。
慌ててリビングに向かうと、割れてそこにあるはずの酒瓶が片付いていた。
ラグは丸められて端に寄せられ、由多花が手に持っていた土産物の紙袋がカウンターの上に置いてある。
小走りにそこに近づき、その上にあったメモ用紙に視線を走らせる。
『とりあえず、近くのビジネスホテルに宿をとります。帰ったら携帯にお電話ください――由多花』
それを見て、松岡さんは息を長くついた。
それからすぐに由多花に電話した。
ビジネスホテルの一室で疲れた体を横たえていた由多花の携帯が鳴った。松岡さんだった。
戻ったのか。随分、時間がかかったのだと窓の外を見て思う。
もう、昼はとうに過ぎていた。夕方と言ってもいい時間だ。
会って冷静でいられるか、とも思ったが、彼に話し合えと いつか言った。
…ならば、由多花も逃げてはいけない、と思った。
だが、マンションで会うのは辛かったので、近くのカフェを由多花は指定した。この時間は二階にほとんど人が来ないことを知っている。
億劫そうに鞄を持って、化粧を直して由多花は出掛ける。
足が重いがとにかく、進むのだ。
由多花が宿を取ったのは駅前にあるビジネスホテルで、マンションとも目と鼻の先だ。
沙菜の家に逃げ込もうかとも思ったが、彼女はお盆は彼氏と温泉に行くと言っていた。なので、ホテルの近くのネットカフェで時間を潰し、それからチェックインして連絡を待った。もっと早くに電話が来るかとも思ったが、彼女の容態は思いのほか悪かったのかもしれない。
約束のカフェにたどり着くと、既に松岡さんは来ていて奥の窓際席に座っていた。
由多花は彼の顔を見て驚いた。
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