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第一章
ギフト
しおりを挟む「お前は特殊な体質で生まれてきた。その説明をするぞ。」
「わかりました。よろしくお願いします。」
「まず、儂からじゃの恭弥殿。アーウィンの体内にある魔力器官が未発達での5歳まで魔法は使えないのじゃよ。」ローガンがあごひげを撫でながら言った。
「それは何故ですか?」僕がそう聞くとローガンが指を鳴らすとホワイトボードが現れて、魔力器官と魔素と魔力の相関図を描いていく。いつの間にか差し棒を取り出し僕に説明する。
「普通は食事等で魔素を取り込み魔力器官で魔力に変換するのじゃが、アーウィン魔力器官はそれが殆どできない状態にある。」
「無理に変換しようとすると溜め込んだ魔素が未発達の魔力器官によって変換エラーを起こし最悪の場合」
「ボンッじゃ。」ローガンがそう言うと
「きったねえ、花火だぜ。」ベイルが笑いながら言った。
「ローガン爺、なにか恭弥さんが魔法を使える方法はありませんか?。例えば魔道具みたいな物とか」
「そうじゃのう。魔道具・・・か」ローガンは腕を組みしばらく悩むと何かを思いついた表情になった。
「そうじゃ、魔法言語と魔法陣魔法を教えよう。これは主に魔道具作成に使う魔法じゃ。だが問題が残っておるの」
「魔力を通さねば魔道具は発動せんぞ。」
「そこが問題じゃのう。」
「あの。良いですか?」
「何かいいアイデアが浮かびましたか?恭弥さん。」
「はい。魔法陣を空間に描ける能力と空中の魔素を魔法陣で魔力に変換できるようにしてください。」これなら体内の魔力器官を使わずとも魔法を使う事ができると思った。
「ふむ、面白いアイディアじゃのう。」
ローガンは髭を触りつつ少し考える。考える時に髭を触るのは癖らしい。
「よいぞ、ただ魔法陣による魔素を変換する事は禁呪じゃ。魔力に変換する上限をきめさせてもらうがの。」
「それはお任せします。」際限なく魔素を変換出来たらそれは大問題になる。
「ふむよろしい。」
「次は俺だな。身体強化を使えないお前はこの世界ではひ弱で貧弱な存在だ。世界一弱いと言っても良い。だが鍛えようによっては世界一強くなる可能性を秘めている。それはお前の持つ特殊な体質が関係している」
「特殊な体質ってなんですか?」
「お前は任意に魔力切れ状態になれる。そしてそうなっても普通に動ける。」ベイルがドヤ顔で言うが恭弥には何がすごいかさっぽりわからなかった。
「すごい事なんですか?」
「この世界の万物は魔力を持っておる。魔力がなくなることはほぼ死ぬと同じじゃ。」
「人族が自身の持つ魔力の90%以下になると動けなくなる。95%以下で気絶か最悪の場合は死だ。それは魔族や魔物にもいえる。」
「肉体操作と肉体制御というスキルがある。このスキルの習得方法を教える。」
「お願いします。」
「方法は魔力切れの状態で運動することだ。ただ漫然と運動するだけでは習得できん。」
「では、どうやって習得するのですか?」
「感じながら考えるのだ。もしくは考えながら感じるのだ。」
「抽象的すぎてよくわからないなあ。」
「例えば歩くという運動を考えるのだ。体中のバランスと重心、骨と筋肉の連動。無意識にやって居る事を意識して行うのだ。実際に歩いた時、どう感じたのかそして上手く歩くためにどうすれば良いのか考えてまた歩く。」
「転ぶ時も走る時等、何かをする時に常に行うのだ。」
いきなりそんなこと言われても僕にできるのだろうか急に不安になって来た。
「頑張れよ、これを習得すれば色々な技能に大きな補正がつく。」ぽんと僕の右肩を叩いて不安顔で居た僕を励ましてくれる。
「はい、頑張ります。」
「恭弥さん、私の加護と祝福は異世界言語と鑑定とアイテムボックスを授けます。他に希望はありますか?、何でも仰ってくださいね。」
「それなら、アイテムボックスを武器スロット、魔法スロット、アイテムスロットに変更してほしいのです。」
スロットとは武器や魔法をスロットにセットしておき、ボタン一つで武器の変更ができたり魔法をアイテムを使用する事できるのである。
恭弥は魔法陣を空間に魔法陣をどう描くのか考えて思いついたのが魔法スロットだった。これならセットしておけばすぐ描けるし、アイテムボックスと違い取り出す必要もない。その時はそんな考えでしかなかった。
「はい、わかりましたでは武器スロット4個と魔法スロット4個とアイテムスロット2個に変更しますね。ついでにスキルスロットも2個追加しておきますね。」
「ありがとうございます。」
「スロットの設定や確認、変更はステータスボードを授けるのでそれで行ってくださいね。」
「わかりました。」
「では儂が魔法言語と魔法陣魔法を授ける。」ローガンは椅子から立ち上がり、恭弥の目の前に立つと目を瞑って何かを呟いている。ローガンの手が光を放ちその光は恭弥の体の中に入って行った。
恭弥は自分の中に何かとてつもないエネルギーが入って来たように感じた。
「お別れの時間になりました。」リーアナは少し寂しそうな表情をしている。
「恭弥よ、武を極めるも良し。」
「魔を究めるも良しじゃぞ。魔法が使えるようになったらステータスボードで伝えるかの。」
「恭弥さん、アズファルドの世界を楽しんでくださいね。」そう言ってリーアナは恭弥の右頬に軽くキスをした。
リーアナの顔は真っ赤になっている。リーアナにとって恭弥は命の恩人、これくらいの事ならOKよねと思い切って頬にキスしたのだ。
恭弥はいきなりの事でフリーズ状態に陥った。なにせ憧れていた女性はいても彼女いない歴=年齢だ。全く女性慣れしていない。頬にキスされたことはわかっても脳内の処理が追い付かない。
そんな二人をベイルとローガンはニヤニヤしながら見ていた。
「みなさん、ありがとうございました。」何とかなんとか再起動を果たした恭弥は別れの挨拶を済ませると
恭弥の体が徐々に薄くなり消えていった。
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