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第四章 モンスターバトル編
第187話 ラムが興味津々
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「ありがとうございます。助かりました」
三人組を追い払ってくれた伊達に、お礼を述べた。
さっきまであれほどの圧を放っていたというのに、今は嘘のように穏やかな笑みを浮かべている。
「気にすんな。あんな連中のさばらせてたら、これから商売上がったりだからな」
腕を組んで笑うその姿は、まさに伊達男という言葉がぴったりだ。
周囲の見物客も「さすが伊達さんだ」と感心したように頷いている。
「結構自信があったんだけど、勝てないわけですね。格の違いを見せつけられました」
秋月が苦笑しながら肩をすくめる。その言葉に、伊達は興味深そうに目を細めた。
「いやいや。君も相当なもんだったぞ。動きを見るに――山守流の門下生か?」
驚いた。秋月の動きを見ただけで、流派まで言い当てるとは。
「門下生も何も、この子は山守家の娘だぜ」
「うむ。あの道場で普段から鍛えられてるんだ。腕前は確かだが、上には上がいるものだな」
熊谷と中山の補足に、伊達は「なるほど」と顎を撫でながら頷く。
「それなら納得だ」
「いえ、私もまだまだですから」
「いや、あんたらはこれからもっと伸びるさ。頼りになるモンスターもいるし、俺もうかうかしてられないな」
豪快に笑う伊達。その笑いにつられて、モコたちも「ワン!」と尻尾を振った。
「私も皆に置いていかれないように頑張らないと」
愛川が小さく呟く。チャレンジに参加していなかった分、少し気にしているのかもしれない。
「愛川は支援がメインだろ? 比べるもんじゃないさ。愛川には愛川の強みがあると思うぞ」
「――ハルさん……」
俺の言葉に、愛川がぱちりと瞬きをしたあと、潤んだ瞳でこちらを見つめてきた。
あれ? 俺、なんか地雷踏んだか?
「わ、悪い。何か気に障ったか?」
「……はぁ。ハルさんはやっぱりハルさんだね」
「へ?」
ため息混じりの秋月が呆れ顔で愛川に声をかける。
二人の間に柔らかな空気が流れ、愛川もすぐに微笑みを取り戻した。
やっぱりこういう時は、女の子同士の方がいいのかもしれない。
「やれやれ。モンスターとは心を通わせても、女心は掴めないようやな」
「あぁ、本当にな」
「むぅ、心に筋肉をつけすぎたのかもしれん」
「うちでもこれは助言厳しいで」
「ワン……」
「ピキィ……」
「マァ……」
「ゴブゥ……」
「モグゥ……」
な、なんだ? なんで全員、俺の方を見て同情してるんだ!?
モンスターまでしょんぼりしてるのが地味に刺さる……!
「さて。今度こそ俺は行くとするか」
「あ、はい。雷の魔石、本当にありがとうございました」
「ハハッ、チャレンジに成功して手にした賞品なんだから礼なんて不要だぜ。じゃあな!」
伊達は軽く手を振り、見物客に声をかけながら去っていった。
その背中をみんなで見送ったあと、俺は改めて雷の魔石を取り出した。
「さて、これどうしようか?」
「どうするって言われてもなぁ……俺も使い方まではわからないからな」
熊谷が腕を組んで首をひねる。う~んこれは、全員の協力で手に入れたようなものだし、何か役立つことに使えるといいんだけど。
「神奈さんにもお礼は必要だしな」
「うちのことは気にせんでえぇって」
「いやいや、君の助言がなかったら勝てなかったさ――」
「ピキィ! ピキィ!」
ラムの高い鳴き声が会話を遮った。
見ると、俺の手にある雷の魔石を見上げながら、ラムがピョンピョンと跳ねている。
「どうした? ラム」
小さなスライムの体が、光を受けてわずかにきらめいていた。
まるで石の中の輝きに引き寄せられるように、ふるふると震えている。
「……これ、ラムが欲しいってことか?」
俺が呟くと、ラムはさらに勢いよく跳ね、ぷるんと弾むように体を揺らした。
そういえば――最初にこのチャレンジを見た時も、雷の魔石に反応してたっけ。
やっぱり、何か感じるものがあるのかもしれないな――。
三人組を追い払ってくれた伊達に、お礼を述べた。
さっきまであれほどの圧を放っていたというのに、今は嘘のように穏やかな笑みを浮かべている。
「気にすんな。あんな連中のさばらせてたら、これから商売上がったりだからな」
腕を組んで笑うその姿は、まさに伊達男という言葉がぴったりだ。
周囲の見物客も「さすが伊達さんだ」と感心したように頷いている。
「結構自信があったんだけど、勝てないわけですね。格の違いを見せつけられました」
秋月が苦笑しながら肩をすくめる。その言葉に、伊達は興味深そうに目を細めた。
「いやいや。君も相当なもんだったぞ。動きを見るに――山守流の門下生か?」
驚いた。秋月の動きを見ただけで、流派まで言い当てるとは。
「門下生も何も、この子は山守家の娘だぜ」
「うむ。あの道場で普段から鍛えられてるんだ。腕前は確かだが、上には上がいるものだな」
熊谷と中山の補足に、伊達は「なるほど」と顎を撫でながら頷く。
「それなら納得だ」
「いえ、私もまだまだですから」
「いや、あんたらはこれからもっと伸びるさ。頼りになるモンスターもいるし、俺もうかうかしてられないな」
豪快に笑う伊達。その笑いにつられて、モコたちも「ワン!」と尻尾を振った。
「私も皆に置いていかれないように頑張らないと」
愛川が小さく呟く。チャレンジに参加していなかった分、少し気にしているのかもしれない。
「愛川は支援がメインだろ? 比べるもんじゃないさ。愛川には愛川の強みがあると思うぞ」
「――ハルさん……」
俺の言葉に、愛川がぱちりと瞬きをしたあと、潤んだ瞳でこちらを見つめてきた。
あれ? 俺、なんか地雷踏んだか?
「わ、悪い。何か気に障ったか?」
「……はぁ。ハルさんはやっぱりハルさんだね」
「へ?」
ため息混じりの秋月が呆れ顔で愛川に声をかける。
二人の間に柔らかな空気が流れ、愛川もすぐに微笑みを取り戻した。
やっぱりこういう時は、女の子同士の方がいいのかもしれない。
「やれやれ。モンスターとは心を通わせても、女心は掴めないようやな」
「あぁ、本当にな」
「むぅ、心に筋肉をつけすぎたのかもしれん」
「うちでもこれは助言厳しいで」
「ワン……」
「ピキィ……」
「マァ……」
「ゴブゥ……」
「モグゥ……」
な、なんだ? なんで全員、俺の方を見て同情してるんだ!?
モンスターまでしょんぼりしてるのが地味に刺さる……!
「さて。今度こそ俺は行くとするか」
「あ、はい。雷の魔石、本当にありがとうございました」
「ハハッ、チャレンジに成功して手にした賞品なんだから礼なんて不要だぜ。じゃあな!」
伊達は軽く手を振り、見物客に声をかけながら去っていった。
その背中をみんなで見送ったあと、俺は改めて雷の魔石を取り出した。
「さて、これどうしようか?」
「どうするって言われてもなぁ……俺も使い方まではわからないからな」
熊谷が腕を組んで首をひねる。う~んこれは、全員の協力で手に入れたようなものだし、何か役立つことに使えるといいんだけど。
「神奈さんにもお礼は必要だしな」
「うちのことは気にせんでえぇって」
「いやいや、君の助言がなかったら勝てなかったさ――」
「ピキィ! ピキィ!」
ラムの高い鳴き声が会話を遮った。
見ると、俺の手にある雷の魔石を見上げながら、ラムがピョンピョンと跳ねている。
「どうした? ラム」
小さなスライムの体が、光を受けてわずかにきらめいていた。
まるで石の中の輝きに引き寄せられるように、ふるふると震えている。
「……これ、ラムが欲しいってことか?」
俺が呟くと、ラムはさらに勢いよく跳ね、ぷるんと弾むように体を揺らした。
そういえば――最初にこのチャレンジを見た時も、雷の魔石に反応してたっけ。
やっぱり、何か感じるものがあるのかもしれないな――。
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